共産主義者同盟(統一委員会)
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■8・16~17横須賀 AWC日本連が反戦合宿を開催 フィールドワークや、反基地学習 自衛隊・米軍に、抗議叩きつけデモ行進 八月十六日から十七日にかけて、神奈川県横須賀市において、アジア共同行動日本連の反戦合宿がおこなわれた。例年関西で行われてきたが、今年はとりわけ、横須賀の米軍基地に原子力空母ジョージ・ワシントンが配備されようとしていることもあり、岩国での反戦反基地闘争の取り組みに続くたたかいとして、合宿が取り組まれた。 九州・山口、京都、大阪、首都圏をはじめ全国の仲間と、海外ゲストも参加して、学習会、フィールドワーク、クルージング、交流会、決起集会・抗議申し入れ、デモ行進と盛りだくさんの行動がおこなわれた。二日間にわたる行動を報告する。 ●8月16日 反基地学習 真夏の暑い日差しのなか、全国各地でアジア共同行動を取り組んでいる仲間が、横須賀の地へ結集してきた。会場は、横須賀市産業交流プラザだ。 午後一時すぎ、合宿の意義とスケジュールを確認するオリエンテーションがもたれた。合宿の開催あいさつに、アジア共同行動共同代表の鴨居さんが発言に立った。鴨居さんは、「先日、平和運動センターなどが主催する7・19横須賀集会に参加した。アジアから米軍基地を撤収させる闘いを最後までたたかおう。そのたたかいの一環として反戦合宿に臨もう」と発言し、参加者が拍手でこたえた。 休憩をはさんで、派兵チェックの木元茂夫さんを講師に、横須賀基地問題についての学習会が行われた。まず、明治政府によって、旧日本海軍の横須賀造船所が作られてから、横須賀の軍事基地としての歴史がはじまったことにふれながら、「この集会場も、もともと日本海軍の施設だったところです。それから、敗戦後に米軍の施設になり、一九九〇年代になって今の産業交流プラザという施設になった」ことが語られ、参加者は、現在は公共施設が建っている場所に、かつては軍事関連の施設があったことを知らされた。そして、原子力空母配備の是非を問う住民投票条例を訴える署名運動の模様が記録されたDVDが上映された。さらに、自衛隊がますます米軍と一体となって戦争体制を着々と進めている状況などが明らかにされた。 そして、米原子力空母ジョージ・ワシントンが九月二十五日に、横須賀へ入港しようとしていることが明らかにされ、入港阻止闘争への結集が訴えられ、参加者は拍手でこたえた。 講演に対する質疑の後に、いよいよフィールドワークだ。汐入(しおいり)駅から安針台(あんじんだい)駅に移動し、横須賀港が見渡せる安針台公園に徒歩で移動。そこからは、横須賀港が文字通り軍港であることが一目でわかる。手前には海上自衛隊の施設と埠頭があり、グレーに塗装され船尾には旭日旗が翻っている駆逐艦がなどが数隻停泊している。 そして、対岸一帯は、すべて米軍基地で山の向こう側へと続いているという。潜水艦やエセックスなど多くの軍艦が停泊している。広大な土地には、軍艦の修理工場や、補給倉庫、燃料タンク、発電所、弾薬庫、米軍の家族のための住宅などがあり、それらを維持する費用はすべて「おもいやり予算」という税金からでているという。説明を受けている途中、米軍基地から小型艇が出てきた。どうやら海上から、こちらを監視しているようだとのこと。なんで私達が監視されなければならないのだ。こんな侵略のための軍事基地の存在自体が許せないとあらためて感じた。 さらに、横浜方面まで見渡せる塚山公園という高台に移動して、説明を受けた。 つづいて場所を移動し、クルージングで海上からの説明を受け、フィールドワークを終えた。 産業交流プラザに戻り、午後八時より交流会が開催された。アジア共同行動共同代表の白松さんの乾杯の音頭で、開始された。神奈川県央共闘の檜鼻さんが「ジョージ・ワシントンは火災事故で入港が遅れている。九月二十五日に横須賀に入港しようとしている。それまでに、集会・デモ・座り込みなどさまざまな闘いを取り組んで反対の声を広げていきたい。ともにたたかおう」とあいさつした。つづいて、参加者が次々と発言した。フィリピンBAYANのブッチさんは、米軍に対する怒りを明らかにし、AASJA(反侵略アジア学生共同行動)の学生は、辺野古での闘いにたたかいに参加した報告をおこなった。そして、京都からの参加者からは6・10サミット弾圧に対して、裁判闘争が開始されたことの報告もおこなわれた。 さらに、沖縄でおこった米軍によるフィリピン女性への性暴力事件に対する取り組みの報告。8・6広島の闘いの報告。京都・大阪・神戸での反サミットの取り組みの報告。首都圏での横須賀闘争への決意などが行われ、最後に、アジア共同行動・京都の野坂さんによる団結ガンバローで交流会は締めくくられた。 ●8月17日 集会・デモ 反戦合宿二日目は、昨日とはうって変わって低気圧の影響で、雨が降り出しそうな天気のなかで行われた。 午前九時すぎから開始されたアジア共同行動日本連の秋季方針の論議では、サミット反対闘争を闘い抜いた地平が確認され、9・25横須賀米原子力空母配備反対闘争と、11・29~30岩国闘争の方針が提起され確認された。そして、各地の闘いの報告では、首都圏、京都、九州・山口それぞれから反戦・反サミット・反グローバリズムなどの闘いの取り組みの報告がおこなわれた。 休憩をはさんで、相模補給廠監視団の沢田政司さん、神奈川県央共闘の檜鼻達実さんを講師に、座間・厚木基地の学習会がおこなわれた。 はじめに、米軍戦闘機による爆音など基地被害が市民生活にどれほど悪影響を与えているかを明らかにするDVDが上映された。そして、厚木基地では、空母の甲板に見立てて戦闘機の離発着訓練がおこなわれており、アフガニスタン戦争、イラク戦争の前にはそれが激しくおこなわれたことが明らかにされた。さらに、「艦載機の岩国移駐ということが言われているが、厚木基地にある戦闘機の整備工場の移転の話は出ていない。そのことからも、厚木から戦闘機が出て行くとは思われない」と、米軍は岩国と厚木と二つの基地を使う可能性があることも明らかにされ、防衛省の言っていることがペテンに満ちていることが明らかになった。 講演後の質疑ではつぎつぎと意見や質問が出され、最後に、沢田さんより「9・25への結集と、反基地闘争は継続した闘いです」と、共に粘り強く反基地闘争を闘いぬこうという呼びかけが行われ、参加者は万雷の拍手で応えた。 昼食をはさんで、午後一時過ぎから現地決起集会が開始された。 司会のAWC首都圏幹事の遠藤良子さんが「全国各地で平和運動、反戦の闘いがあります。その闘いをつなげていく、そのことをアジア共同行動が担っていこう」とあいさつ。 つづいて、フィリピンBAYANのブッチさんが「この二日間の取り組みは、団結を実現していくものでした。米軍基地を撤去させるまで闘いぬこう」と訴えた。 そして、一坪反戦地主会関東ブロックの方は、厳しいながらも新基地建設阻止を闘い抜いている沖縄の辺野古と高江の状況を報告し、「ぜひ現地に行ってください。現地を支援するカンパをしてください」と訴えた。 被爆二世の会は、「危険極まりない原子力空母を横須賀に配備しようとする米軍を断じて許してはならない」と怒りを語った。 国民保護条例を考えるすみだ連絡会は、8・31防災訓練において、自衛隊と米軍が前面に出て、民間人を動員した軍事訓練を強行しようとしていることを暴露し、反対闘争に決起する決意を明らかにした。 サミット弾圧に対する報告と決意につづいて、共闘団体の発言として、労闘・労活評から連帯のアピールを受けた。 各地・各団体からの発言では、京都、首都圏、九州・山口、新自由主義・国家主義と対決する学生青年ネットワーク(SYN)、AASJAそれぞれから今秋季のたたかいに向けた決意が表明された。 そして、行動提起として、自衛隊への抗議申し入れ、米軍基地への抗議デモが打ち出され、全体の拍手で確認された。最後に、参加者全員のシュプレヒコールで決起集会は、締めくくられた。 さあ、自衛隊への抗議行動と、米軍基地への抗議デモだ。 会場から外に出ると、雨が降り出していた。海上自衛隊横須賀総監部への抗議行動では、事前に申し入れ時間を伝えていたにもかかわらず、自衛隊員は誰一人として応対に出てこなかった。なんと失礼な態度か! AWC日本連と、反侵略アジア学生共同行動はそれぞれが用意した抗議要請文を怒りを込めて読み上げ、インターホンのボックスに文書を入れて、参加者全員がシュプレヒコールを叩きつけた。 雨脚が強くなってきたが、参加者は反基地の闘争心を燃やし、ヴェルニー公園から意気高くデモ行進に出発した。沿道の横須賀市民、さらには米軍の家族と思われる人たちがアジア共同行動日本連のデモ隊列に注目している。 途中、米軍横須賀基地ゲート前にさしかかると、AWC日本連共同代表の鴨居さんが代表して、抗議申し入れに出向いた。米軍は、鴨居さん一人をゲート横の施設の中に通し、応対に宿直司令官代行が出てきた。鴨居さんは、抗議・要請文を読み上げ手交した。デモ隊列は、可能なかぎりゲート前にとどまりシュプレヒコールをあげつづけ、そして、横須賀中央駅近くの公園までのデモ行進を貫徹した。 |
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