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5月沖縄闘争(5・15~18)報告
■5・15
キャンプ・キンザー包囲デモ
浦添新軍港予定地のフィールドワークも行う
五月十五日、薩摩琉球侵略三百九十九年、沖縄復帰(再併合)三十六年糾弾!第十回軍港建設反対!キャンプ・キンザー包囲デモが、主催・軍港反対浦添行動実行委(共同代表/黒島善市さん、平良研一さん、上里和美さん、まよなかしんやさん)、共催・五月沖縄行動で行なわれた。
午後一時三十分から浦添新軍港建設予定地フィールドワークが行なわれ、続いて三時すぎから、約八十名の結集でキャンプ・キンザー包囲デモが行なわれた。デモは、国立おきなわ劇場横の公園から出発しキャンプ・キンザーを包囲するかたちで、国道五八号を北上し城間ゲートで抗議をたたきつけ泉公園まで行なわれた。デモには韓国からの仲間も参加し、まよなかしんやさんの歌もまじえて元気よく行なわれた。アジア共同行動日本連絡会議の仲間も結集した。
デモ参加者は、「イラクからの撤兵、沖縄からの米軍出撃を許さない、辺野古、高江の新基地建設を許さない、キャンプ・キンザー撤去・開放、浦添からの基地撤去、アジアからすべての米軍基地撤去」などを訴えた。
この日の行動は以下のスローガンでたたかわれた。「米軍再編撤回!基地の県内移設阻止」「軍港は那覇にも浦添にも大浦湾にもいらない」「キャンプ・キンザーの中北部移転に反対」「浦添のサンゴの海とキンザー内道路を市民に開放せよ」「普天間基地は宜野湾にも名護にもグァムにもいらない」「辺野古新基地V字型案を撤回させよう」「不法不当なアセス調査も事前調査もただちに中止せよ」「東村高江区へのヘリパット建設を阻止しよう」「嘉手納基地へのPAC3―F22等の配備を撤回せよ」「米軍・自衛隊の下地島空港使用に反対しよう」「沖縄戦の歴史歪曲を許すな」「教科書検定意見を撤回させよう」「福田内閣による改憲と自衛隊派遣恒久法等を阻止しよう」「泡瀬干潟の埋立反対」「アメリカの対テロ戦争拡大を阻止しよう」「大国のエゴで環境問題を処理しようとするG8洞爺湖サミットに反対しよう」「貧困と格差社会を広げるG8大国の新自由主義グローバリゼーションに反対しよう」「G8大国による侵略戦争策動に抗するアイヌ民族や世界の先住民族らの自決権獲得闘争を支持し共に闘おう」「アジア太平洋そして世界の草の根の民衆と連帯し二十一世紀の平和な共生世界を実現しよう」。
米軍政支配からの欺瞞的な「本土復帰」から三十六年を迎えた五月十五日に、このことを正面から弾劾し、かつ、「復帰」によって何ら変わらぬどころか、ますます強化される沖縄の侵略反革命前線基地に抗議するたたかいとして、キャンプ・キンザー包囲デモはたたかわれたのである。
■5・15 浦添
アジアから基地をなくそう沖縄集会
沖縄、北海道、韓国から闘いの発言
五月十五日、昼間の浦添新軍港建設予定地のフィールドワークとキャンプ・キンザーデモに続いて、夕方から五月沖縄行動主催の「アジアから基地をなくそう沖縄集会」が、浦添市社会福祉センターで開催された。
集会は、まよなかしんやさんの元気な歌声で始まり、最初に西尾牧師が開会の挨拶を行った。
西尾牧師は、三十六年前の五・一五の思い出を語りながら、「『本土』の沖縄支配をたちきらなければならない」と述べた。この間の二つの大きな県民大会の大結集で日米の沖縄支配と闘う沖縄民衆の進むべき方向として、これまでの運動の中に見られる「天皇の責任をあいまいにしてきた責任」と「アジアという視点が欠けていた」点を指摘して、これを孕んだ闘いの重要性を訴えた。
西尾牧師の挨拶を受け、沖縄、北海道、韓国で、様々な闘いを担っている方々から発言を受けていった。
最初は、歴史歪曲教科書問題と取り組む山口剛史さん。軍命令を削除した歴史教科書に対して昨年五月から沖縄で拡大した検定意見撤回の動きを振り返りつつ、今後も検定意見の撤回をあくまで求めていくこと、そして教科書検定制度そのものにもメスを入れていく必要を提起した。また教科書歪曲のきっかけとされた岩波・大江裁判が勝訴したことについて、「体験者の証言に真実性を認め」たことは評価しつつも、「『深い関与』という表現で日本軍の責任をあいまいにした」点を批判して、沖縄戦の過程で起こった強制集団死に、軍命があったことを認めさせる闘いを継続していくことが報告された。
次に「行動する女たちの会」から安里さんが発言に立った。安里さんは、まず自身が取り組んでいる沖縄戦で犠牲になった朝鮮人元軍隊「慰安婦」の方々の慰霊碑建立の運動に言及し、沖縄人の加害の問題に視点を据えた自己変革について述べた。続いて二月に起こった米兵による少女暴行事件を取り上げ、「基地をなくすこと。基地と軍隊があるかぎり、こういう事件はなくならない」と提起した。
つづいて、辺野古で闘いぬいている安次富さんが発言した。昨年五月掃海母艦「ぶんご」の投入によって始まった違法不当な事前調査から現在強行されている環境アセスメントとの闘いを振り返りつつ、「日本政府のやっていることは沖縄の人間をだますことだ」と弾劾。そして「二〇一四年の供用開始があやしくなって、政府はあせっている」と闘いが攻勢的に進められていることを明らかにして、「絶対にひくことはできない。現場の闘いで、政府の攻撃を切り崩していく。自信を持って闘いにのぞみたい」と勝利の展望を力強く語った。
韓国の「希望の歌・コッタジ」という、闘いの中で労働者民衆を鼓舞し激励する歌を歌っているグループが登場した。彼らの力強い歌声は、会場全体を圧倒するものであった。
力強い歌声に続いて、韓国から来た写真家のイ・シウさんが登壇。イさんは、韓国と日本の多くの米軍基地を調査している人で、その体験をもとに米軍の核兵器の展開について詳細な報告を行った。
次に最後の発言者として、北海道から来た川村・シンリツ・エオリパック・アイヌさんが登場。川村さんは七月に開催される洞爺湖サミットとの闘いを提起され、「先住民を無視して、私たちの国でサミットをやろうとしている」と弾劾し、「七月サミットに対してデモで向かっていく。G8が勝手なことをやらないよう、声を上げていこう」と現地闘争への総決起を提起した。
集会の最後に、主催者を代表して、金城実さんが発言者の問題提起を紹介し集会のまとめをおこなった。そして、参加者全員が肩を組んでのインターナショナルの大合唱で集会は閉じられた。
■5・16 辺野古
座り込みと交流会
辺野古の闘いへの結集訴えられる
五月十六日は、九時から辺野古のテント村で座り込みと交流会が持たれた。この日は台風が接近しているとのことで、環境アセスメントは行われておらず、海上行動は行われていなかった。天気は風はあったが日差しは穏やかで、すっかり潮の引けた海を見ながらのテント前集会であった。
東コースの平和行進団を見送ってテントに戻ってきた辺野古の人たちを待って集会は始まった。はじめにまよなかさんが歌を歌い、続いて安次富さんが発言にたち「自公政権を打倒して、この国をつくりかえていこう。勝つ自信を持っている。皆さんはそれぞれ地元に帰って運動を広げてほしい。米軍再編をつぶしていこう」と力強い決意と勝利の確信を述べた。続いて八十歳を超えてもテント村に通いつづける嘉陽さんから、「国に命を預けたおぼえはない」と沖縄人民、名護市民の意志を無視して強行される新基地建設に対する怒りの発言が行われた。
その後も、アイヌの川村さんやテント村で海上阻止行動を担っている若者たちから発言があった。最後にテント村の村長とも言うべき当山さんが登場し、この間の環境アセスメントとの攻防が紹介され、調査海域が拡大したうえ、海上保安庁が調査の防衛隊として前面に出てきて、阻止行動の前に立ちふさがっている状況が報告された。同時にこんな状況の中でも、少しでも環境アセスメントに風穴を開けるべく様々な取り組みを工夫していることや海上保安庁そのものへの抗議弾劾の闘いも今後進めていくことが提起された。そして一人でも多くの人が辺野古に結集し闘いに参加することが要請された。
■5・18 宜野湾市
県民大会に4000人結集
沖縄労共闘、ビラ情宣貫徹
「復帰三六年 五・一五平和とくらしを守る県民大会」(主催=五・一五平和行進実行委員会・沖縄平和運動センター)が、五月十八日宜野湾市海浜公園野外劇場で開催された。
集会前には、韓国からの海外ゲストによる太鼓の踊りも披露された。そして、五月十六日から開始された五・一五平和行進団が、西コース、東コース、南コースと続々と集結し、熱気が盛り上がる。その熱気の中、司会の山城博冶平和センター事務局長の音頭によるシュプレヒコールで集会は開始された。米軍再編粉砕! 名護新基地建設阻止! 改憲阻止! 勝利まで闘うぞー! 結集した四千名の怒りの声が響き渡った。
主催者あいさつに立った崎山嗣幸平和運動センター議長は、「復帰三十六年、米軍再編攻撃により沖縄の軍事基地はますます強化され、事件・事故が相次いでいる。基地の島から脱却するためさらに闘いを強化しよう」と訴えた。歓迎あいさつの当地宜野湾市の伊波洋一市長は「普天間基地の辺野古移設・県内移設では問題解決にはならない。普天間基地の即時閉鎖・撤去、基地をなくすためにがんばろう」と訴えた。
集会では、福島社民党党首、喜納沖縄社大党委員長、照屋寛徳衆議院議員、山内徳信・糸数慶子両参議院議員からの連帯あいさつがなされた。さらに、教科書・米軍事件の二つの県民大会爆発を牽引してきた玉寄哲永三・二三県民大会実行委員長(沖子連会長)が発言した。玉寄さんは、「沖縄の問題は、基地問題・経済格差・教科書歴史かいざんの三点セットだ。政府の勝手にさせてはいけない。沖縄の心を受け止めよ」と怒りを表明した。
また特別報告として、神奈川から横須賀基地への米原子力空母配備阻止現地闘争への決起が訴えられた。韓国ゲストは、「今日は二十八年前の光州人民決起の歴史的な日であり、今後とも連帯して闘おう」とアピールした。
集会はその後、各コース団長の報告と決意表明を受け、県民大会アピールを採択、ガンバロー三唱で閉じた。
わが統一委員会―沖縄労共闘は、県民大会場前で、反革命統合三六年弾劾!五・一五沖縄解放闘争勝利を訴えるビラ情宣を断固貫徹した。
なお、「五・一五」当日は、五・一五平和行進全国結団式を兼ねた「米軍再編NO!辺野古への新基地建設を許さない全国集会」が名護市役所前広場にて開催され、新基地受入れで利権にまみれている島袋名護市政を断固糾弾した。
■5・17 那覇市
フィリピン女性への米軍犯罪
那覇地検の不起訴処分を徹底弾劾
五月十七日夕方、緊急ではあったが、二月に起こった米兵による米軍基地で働くフィリピン人女性に対する暴行事件について那覇地検が不起訴処分を決定したことに抗議・弾劾する闘いが取り組まれた。沖縄に来ていた反侵略アジア学生共同行動(AASJA)の仲間の提起に応えて、AWC日本連の派遣団と大阪のSYNの仲間が結集し、那覇地検前での抗議弾劾集会と「県」庁前広場でのスタンディング行動を取り組んだ。
那覇地検前に結集し、AWC日本連の司会の下、「不起訴処分を弾劾」「米兵の性暴力糾弾」「米軍基地撤去」の力強いシュプレヒコールを何度も上げて抗議集会を開始し、結集した仲間から、それぞれ不起訴処分が米兵による性暴力事件を隠蔽し、被害女性の人権を踏みにじる不当な措置であることを徹底的に弾劾し、被害にあったフィリピン人女性との連帯、米軍の支配と侵略と闘い抜いているフィリピン人民と国際連帯闘争、さらには沖縄からすべての米軍基地を撤去させることが被害の拡大を防ぎ女性の人権を回復する道であることが訴えられた。
緊急抗議集会をあと、全体で「県」庁前広場に移動して短い時間ではなったが、準備したプラカードをもって道行く人々に訴えた。
■5・15 東京・中野
一坪反戦地主会関東ブロックが集会
辺野古・高江の闘いの強化訴え
沖縄反革命的統合三十六カ年を迎えた5・15当日、東京でも集会が開かれた。5・15闘争に毎年取り組んでいる沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが、「『復帰』三十六年を問う!沖縄の基地強化を許さない東京集会」を中野勤労福祉会館で開催した。
集会の最初に、辺野古の沖に生息するジュゴンや新たに発見された大群落の青サンゴが映された映像が流され、辺野古の現地状況や座り込み千五百日集会が紹介された。
沖縄からの発言では、反戦地主であり違憲共闘会議議長であった有銘政夫さんが講演。有銘さんは、サイパンで生まれ「集団自決」にさらされながら生き残った戦争体験を話し、5・15について「なぜ憲法を押しつけ憲法と言って安保条約を押しつけと言わないのか」「復帰は沖縄の本土化ではない。本土の沖縄化だった。本当は復帰の時点で海兵隊基地撤去をたたかわなければならなかった」と述べた。そして、「二〇一二年には復帰後二回目の民法上(二十年)の(軍用地使用契約)期限切れを迎えるので、反戦地主を増やすチャンスとしてがんばりたい」と明らかにした。
連帯あいさつでは、沖縄戦教科書検定の撤回を求める練馬の会、ジュゴン保護キャンペーン・センターがおこなった。
主催者からは、それぞれが5・15とは何だったのかについて思いを語りながら、集会の最後に木村事務局長が、「復帰三十六年の沖縄は、自衛隊が海兵隊と共同訓練をおこなうなど、共同した前線基地になっている。もう一度、辺野古・高江のたたかいを強化し、そして私たち一坪も軍用地を取り戻すたたかいを強化して、4・6(人間の鎖)を上回る大結集をかちとっていこう」と決意を表明するとともにたたかいへの参加を呼びかけた。
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