共産主義者同盟(統一委員会)
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■2・10東京 |
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二月十日、東京中野ゼロホールにおいて「『日の丸・君が代』強制反対! 処分撤回! 2・10総決起集会」が「都教委包囲ネット」主催でおこなわれた。当日は全国から多数の教育労働者、市民、学生、労働者が結集し、五百人収容のホールが満杯になった。 集会は司会挨拶の後、琉球大学教授の高嶋さんから教科書問題における沖縄のたたかいの報告があった。 「去年の三月、あっという間に沖縄全土の島ぐるみのたたかいとして爆発しました。沖縄戦の削除問題では県議会が超党派の決議を上げました。しかし、それでも政府は無視したので、それでは県民大会をやろうということで十一万人集会が実現しました。十一万人も集まったら文部科学省も無視できませんよね。その後、教科書会社は教科書記述の訂正をおこないましたが文部科学省が却下し、改めて沖縄戦の記述をトーンダウンさせたもので合格を出しました。これは文部科学省にとって大打撃です。あの十一万人集会も教科書に載せるべきでしょう」「でも、沖縄の人たちは納得していません。軍の強制を認めないんでダメですよね。沖縄では、今年もこの問題は継続してたたかわれています。県民大会実行委員会は継続しています。よりいっそう、文部科学省を追い詰めていこうではありませんか」と、歴史教科書の沖縄戦の事実を歪曲しようという動きに対する怒りを込めた報告がおこなわれた。 次に、杉並区和田中学校の「夜間有料授業」問題について、前杉並教組委員長から報告された。 「かつて杉並区では山田区長の下、扶桑社の教科書採択問題が起こったことがありました。今回の一般的に『夜スペシャル』と呼ばれている問題は、民間出身の校長による単なるパフォーマンス以上の問題があると思います。学校に塾を導入することによって『教育の機会均等』を突き崩す狙いがあることは明らかです。今、教育現場が荒れていると言われていますが、こうした問題の反映であることは間違いないと思います」と公教育の破壊攻撃としての民間有料授業を批判した。 神奈川からの個人情報問題の報告に続いて、「破防法・組対法に反対する共同行動」から連帯の発言を受けていった。現在共謀罪は十三回目の国会審議に入ろうとしていること、商業新聞等では「死んだふり作戦」と呼ばれ共謀罪新設の動きがまだまだ底流に流れていること、今年のサミットに向けて警備が強化され微罪を名目にした運動体弾圧が乱発される可能性があることなどが話された。 次に、元「4・28被免職者」の徳差さんから連帯発言がおこなわれた。 「私の息子は中学の卒業式に一人で座りました。息子は自分の考えで座ったのですが、そのときの教員から何故座ったのかをしつこく聞かれました。自らの考えを示していくことが重要です。私も皆さんとともにたたかっていきます」と自らの経験を踏まえ、あくまでもたたかいの過程で団結を作り上げることの重要性を訴えた。 さらに、連帯発言が「ジャパマハイツ闘争」「国立女性ユニオン」からおこなわれた。 続いて裁判関係からの報告があり、多摩教組の方が発言に立った。「〇五年の卒業式で不起立をした件で裁判をたたかっています。職務命令の違法性を『思想・信条の自由』を根拠に訴えてきました。私個人には〇四年の運動会で『国旗に注目しろ』という職務命令が出されました。これはまさに身体の自由を奪うようなものです。今後ともともにたたかいましょう」と力強く発言した。 休憩をはさみ今春卒・入学式攻防をたたかおうとしている教職員から決意が述べられた。 「被処分者の会」からは、「10・23通達から五回目の卒・入学式を迎えます。法律的には明確な瑕疵(かし)があるとされているにもかかわらず、東京都は卒入学式での処分を乱発しています。しかし世論は確実に反対の意思を表明しています。朝日新聞の社説では『都教委は目を覚ませ』と訴えています。重要なのは10・23通達そのものを撤回させるたたかいであろうと思います。今後も、あらゆる処分を許さずたたかっていこうではありませんか」と発言があった。 「日の丸・君が代」の強制に反対してきた教職員として河原井さんが登壇した。「私はこの間、不当な処分を許さないということで全国行脚をしてきました。そこで改めて感じた言葉は『あきらめない』です。肩を怒らせたようには『頑張らない』、そして『見過ごさない』と『あきらめない』です」とあくまでも自然体で「日の丸・君が代」の強制に反対していくことが述べられた。 続いて根津さんが発言した。「卒業式の前に大変なことが起こりました。私が着ている『Objection Hinomalu Kimigayo』というロゴの入ったトレーナーを校長が着るなと言ってきました。校長は指導要領に反対を表明することは学校現場にふさわしくない、と言ってきました。そして『職務専念義務違反』ということで都教委から事情聴取を受けました。恐らく都教委は卒業式の前に処分を出そうとしているのだと思います」と緊迫した情勢が報告された。 全国からの発言として宮城、大阪、三重の教職員が発言した。続いて主催団体である包囲ネットの代表―元多摩教組委員長から「集会のまとめ」が提起された。 「二月七日に不起立を理由にした再雇用拒否は不当だという判決がでました。これに対して都教委は控訴するとしています。明らかに都教委は司法判断を認めないという立場です。そうした立場は杉並区の夜間有料授業問題にも現れています。夜間有料授業は明らかに公教育の否定であり、教育の機会均等を破壊する行為です。今や国家、行政が自分たちのつくってきた秩序を自ら破壊している。根津さんの問題では緊迫した情勢が展開しています。私たちがどんなたたかいをやるのか問われていると思います。包囲ネットとしては全力でたたかっていきたい。二月の定例教育委員会に対するたたかいに取り組みます。10・23通達を打ち破るような職場団結が求められています。自分たちだけがわかる言葉ではなくて、他の人にもわかる言葉で語ることが重要だと思います。他の産業の労働者とも結びつくたたかいが必要だと思います。『日の丸・君が代』強制に対するたたかいと、職場そして労働者間の団結とを結びついていかなければなりません」と提起した。 この発言の後、「行動提起」「集会決議」「特別決議」を会場全体の拍手で確認し、最後に新宿教組の教員による「団結してたたかおう」というコールに唱和して集会を終えた。 |
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