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■8・6広島


原爆ドーム前で青空集会が大成功
  日本の核武装と日米帝の世界戦略阻止を宣言

              侵略反革命と闘う被爆二世の会


 被爆六十二年を迎えた八月六日早朝、広島の平和公園に、「8・6広島青空集会から9・6『山口のヒロシマデー』へ!連続行動実行委員会」の仲間は集合した。朝から雨が少し降っていた。安倍政権に対する被爆死者の怒りの涙かもしれない。既に、平和公園には世界中から反核平和を求める多くの人々が集まってきている。

  午前八時に原爆ドーム前に集合し、平和公園の周りでビラまきを行ない、「被爆二世の援護を求める署名」及び「岩国基地拡張反対の署名」を集める。一時間もすると、雨が止んだので「戦争と原爆展」―戦争と世界に拡がる米軍基地―の写真の展示をした。英訳のコメントも付けたので多くの外国人が「戦争と原爆展」を見ている。今年は、被爆体験の英訳文も配った。千五百枚用意した当日ビラは、十時半までには全部無くなった。

 青空集会の始まる前に、在外被爆者を支援する広島の被爆者の方が在米の被爆者をともなって参加した。在米被爆者は被爆体験と在外被爆者への支援を訴えた。また、東京在住の女性の被爆者が、自らの受けた結婚差別について明らかにしながら、戦後の被爆者の苦しみと差別に負けずに生きて来た歴史を話し、核兵器廃絶の必要性と憲法九条の精神である戦争絶対反対の意思を守り抜こうと提起した。

 十時半、大学生の仲間の司会で青空集会が始まった。やまぐち障害者解放センターの仲間からの開会の言葉を受けて、被爆二世の会からの基調提起に移った。基調提起では、まず、今年四月の伊藤一長前長崎市長が銃撃されて殺されたことは、平和運動に対する抹殺攻撃であり許すことができないこと、そして六月三十日の久間前防衛大臣による「原爆投下はしょうがなかった」という原爆投下を肯定する発言は日本政府の核武装を目指しているものであり、絶対に許せないこと、これを阻止するために全国の被爆者・二世・三世が団結して久間発言の撤回と辞任と非核三原則の法制化を求めて立ち上がったことを報告した。その上で、一人一人が反戦・反核・被爆者解放運動に立ち上がり、声を上げて行動していこうと訴えて基調提起を終えた。また本集会にはAWC韓国委員会やフィリピン新民族主義者同盟(BAYAN)、国際民衆闘争連盟(ILPS)、シドニー平和と正義連合より四つの連帯メッセージが寄せられた。そのメッセージには、今の日本政府が憲法を変え核兵器を持とうとしていることへの危惧が書かれており、アジア民衆の連帯で、日本帝国主義の新たな軍事化と米国帝国主義の世界戦略を阻止しようと訴えていた。

 続いて、歌を歌った後、個人・団体からの発言に移った。飛び入り発言大歓迎だ。まず、大学生からの発言だ。この間、アジアの中の米軍基地とりわけ岩国米軍基地拡張反対の署名を取り組んできたこと、そして山口県知事に一回目の署名を提出したこと、本日も署名を集めており、発言者は一人で八十人の署名を集めていることが報告された。最後に「基地があるから兵士による性犯罪も起こるし、戦争につながる。再び、広島の惨禍を繰り返さないためにも岩国基地を撤去させたい」と訴えた。

 次に反侵略アジア学生共同行動は、「六十二年前の八月六日、悪魔の兵器原子爆弾が使われた。今も、この公園の下にはたくさんの骨が埋まっていることを想起しながら、米軍再編反対、憲法改悪反対の取り組みを行おう。現在も排除され続けている在日朝鮮人や野宿者と共に反差別の取り組みを行う。原爆投下という事実が、日本人だけの被害の問題ではなく、多くの強制連行された朝鮮・韓国人の問題であり、捕虜となった中国人の問題であることを考える時、アジア侵略と一体の問題として原爆被害を考えていきたい」と訴えた。

 次に、福山の仲間が二つのことを提案した。「一つは、久間発言で『原爆投下はしょうがない』と言ったが、『仕方がない』と言う言葉を日本社会の中に受け入れる素地があると思う。それは、原爆投下について語る時、『被害の実相』は訴えても、『責任の所在』をあいまいにして、はっきりさせきれていない運動の問題でもある。『戦争の実相をふまえた上での歴史認識の獲得と責任の所在の明確化』が今、問われている。二つ目は、戦後補償の問題だ。アジアの戦争被害者に対して日本政府は補償しておらず、ゼロに近い。アジアの戦争被害者の戦後補償を求める裁判は最高裁までいってことごとく負けている。その上で、岩国基地や沖縄の基地を大強化しており、新たなアジア民衆への軍事的脅威になっている。謝罪にもならない。こうした情勢だからこそ、日本軍慰安婦の問題をテーマにした学習会を開き、運動を継続し、真に戦後補償を実現する運動を作り出すことが大事だ」と話した。

 続いて、連帯労組・やまぐちより発言があった。地域で誰でも一人でも入れる地域合同労組の活動の紹介がまずあった。学生アルバイトでも有給休暇があることを訴え、一度アルバイトでも有給休暇を申請しようと訴えた。それから、「新潟沖中越地震によって柏崎刈羽原発は、一つ間違えばチェルノブイリ級の原発事故を起こす可能性があった。原子力政策の見直し、被爆国の責任として、原発にたよるエネルギー政策を止めることが必要だ。それをしないのは、日本が核武装をしようとしているからだ。原発がある限り労働者がヒバクする。原発を阻止しよう」と訴えた。

 続いて飛び入り発言だ。市民運動をしている年配の男性の方が、話された。中国電力の座り込みの後に、ここに来たことを報告され、「辺野古基地建設反対の運動に連帯して大阪駅前で情宣を毎週している。行動に起こしていくこと、体力を使う事が大切だ。その上で、信条の違いを超えて共に行動しよう」と訴えた。

 また飛び入り発言が続く。大学生だ。「戦争が世界で止まらないのはアメリカという国家が悪いからか。そうじゃない。日本でも、暴力によって戦争で解決しようとする総理大臣がいる。それは、安倍首相だ。彼は、憲法九条に反対している。この安倍首相の戦争への動きを許さず、ぼくたちは、九条の理想を実現していきたい」と発言した。

 次は、アジア共同行動日本連絡会議の発言だ。「安倍政権のもとで、改憲と共に日本の核武装が動きはじめている。また、久間前防衛大臣は、『原爆投下はしょうがなかった』という発言だけではなく、米軍が日本の領域に核兵器を持って入ることを容認する発言もしている。また、安倍首相は、現憲法下でも核武装は可能とかつて発言しているし、民主党の代表の小沢も日本の原発とミサイルの技術をもってすれば、一夜にして核武装ができると言っている。すなわち、日本の支配者層は憲法九条を改悪して戦争に突入しようとしており、本気で核武装を狙っている。また、同盟国アメリカのブッシュ政権は、アラブ中東地域で劣化ウラン弾をはじめとする大量破壊兵器を実際に使用し、民衆を虐殺し続けている。アメリカによってイラクでは、六十二年前の広島と同じ悲劇の惨状が繰り返されており、これを絶対に許すわけにはいかない。アメリカへの抵抗闘争を続けているイラクや中東の民衆やアジアにおいて日米帝国主義とたたかう民衆と連帯して人間らしい生活と権利を獲得するために断固としてたたかっていく」と熱いアピールを提起した。

 それから、やまぐち障害者解放センターの仲間から発言があった。まず、仲間の障害者の死を追悼すると共に彼の遺志を引き継いで反戦・反核・反差別の障害者解放の道を切り開いていくことが提起された。その上で、「現在の障害者をめぐる厳しい情勢を、多くの障害者や介護者や労働者に呼びかけて、真の自立支援の運動を作り出していきたい。また、地震大国日本の岩国活断層の上にある上関原発建設を許さず、核兵器廃絶と原発反対の両方を掲げて闘おう」と訴えた。

 そして、山口の市民運動の方からは、「このように平和な中で反戦を訴える集会をできるのは、世界の中では豊かな国でごく一部ではないのか、今もイラクでは六十二年前の広島と同じように多くの大人や子どもが殺されている。そうした写真を展示している中東の方もいた。日本に侵略されたアジアの人たちの中には原爆投下を『しょうがない』と思う人もいるのではないか。安倍首相が、今日も広島に来て、軽々しく被爆者の認定基準を変えると簡単に言っているが、本当にやるのか見届けたい。私たちがやらなければならないのは、怨念の連鎖ではなくて、憎しみの連鎖を断ち切ること、そこから世界平和の実現が初めてあると思う。共にたたかいましょう」と訴えた。

 最後に、関西の青年から発言があった。「今回、広島に来て、原爆資料館で被害の実相を見て、『原爆の被害はこんなにひどいんだ』と自分は知ることができた。今も、被爆資料が残してあり、資料館があるから、少しでも心に残る。私たちは、沖縄の辺野古の座り込み行動に連帯して行動している。辺野古の座り込みはもう千二百日間を超えて、米軍基地の新設をストップさせている。自分が変わって、行動する。直接、声を出していくと言うことが大切だと思う。皆さんも、共に行動し、自らを変えていきましょう」と訴えた。

 閉会の言葉は、被爆二世の会の仲間が行った。「今年に入って、戦後はじめて日本人女性が中国の山西省のイーケンという所に戦争被害者の聞き取りに入った。ここは、先のアジア太平洋戦争で日本軍が三光作戦(奪い尽くす、焼き尽くす、殺し尽くす)を行った所で、今でもおばあさんから孫に日本軍が行った残虐行為が戦争被害として語り継がれている。ナツメしか農産物の無い貧しい所だが今も、戦争の記憶の継承がなされている。今、私たちに大事なのは、記憶の継承だけではなく、責任の継承が必要だと思う。親たちがやれなかったことは、私たちがやらなくてはいけない。来年に向けてまたがんばっていきましょう!」と力強い発言がなされた。

 最後に被爆二世の会の音頭で、シュプレヒコールを上げ集会を終えた。

 振り返ると、今年の八月六日は、日本政府の戦争する国作りに反対して、多くの被爆者や若者が声を上げて、戦争に反対する意志と行動を表した青空集会になったと思う。貴重な、経験をお互いに共有しながら、本当に世界中から核兵器の廃絶と原発の廃棄を誓い、戦争を無くして行く努力を一人一人が示したものとなった。私たちは、「8・6青空集会から9・6『山口のヒロシマデー』へ!連続行動実行委員会」の仲間と共にこれからも反戦・反核・反原発・被爆者解放のために断固たたかう!


 

 

 

 

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