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■6月アジア共同行動が各地で成功!
●6・17首都圏
韓米軍事演習を実力阻止で闘っている≠ニ韓国から紹介
六月十七日、「米軍再編反対! 改憲阻止! 生活破壊を許さない! アジア共同行動首都圏集会」がアジア共同行動首都圏の主催で開催された。
会場の渋谷勤労福祉会館には、韓国とフィリピンの海外ゲストも参加し、広範な労働者・学生・市民が結集して集会が開催された。
午後一時半、司会のあいさつで、集会が開始された。はじめに、アジア共同行動日本連の顧問をつとめていた前野良さんが五月十八日に逝去されたことを悼み、一分間の黙祷がおこなわれた。
つづいて開会あいさつが、AWC首都圏幹事よりおこなわれた。日帝―安倍政権は、改憲手続き法や、教育関連三法の改悪などを国会において強行可決し、改憲と戦争へと突き進んでいる。このような情勢のもとで、六月アジア共同行動が取り組まれていることを明らかにし、「改憲・戦争反対、生活破壊を許さないたたかいをアジア人民との国際連帯でさらに前進させよう」と訴えた。
つぎに、岩国反基地闘争をたたかうアジア共同行動九州・山口、また神奈川反基地闘争をたたかう「沖縄の自立解放闘争に連帯し、反安保を闘う連続講座」から寄せられた連帯メッセージが司会より代読され、会場の参加者の拍手で確認された。
つぎに、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの方が連帯あいさつに立った。米軍再編問題について、沖縄や「本土」の米軍基地が自衛隊と一体となって強化されようとしていることが明らかにされた。とりわけ沖縄では、下地島民間空港の自衛隊の使用や、さらには辺野古新基地建設の事前調査に海自艦「ぶんご」を投入したことなど、「はっきりと沖縄人民に銃口をつきつけている」と怒りをこめてこれらを弾劾した。さらに、この情勢と連動して文科省の検定によって沖縄戦における日本軍の蛮行を歪曲する教科書がつくられていることを弾劾した。そして、参議院選に沖縄から山内徳信さんが立候補することを紹介し、山内さんへの支持と協力を訴えた。
いよいよ韓国とフィリピンの海外ゲストの講演だ。はじめに、「韓国の平和と統一を開く人びと」(ピョントンサ)の仁川事務局長のユ・ジョンソブさんが発言した。「駐韓米軍の再編と新たな朝鮮半島情勢の危機」と題して、プロジェクターを使って、スライドとビデオ映像で状況をわかりやすく説明した。米国による朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)への軍事的恫喝や、経済制裁などによって、共和国が軍事力を強めざるを得ない状況になっており、そこに新たな朝鮮戦争の危機的状況が作り出されていることを明らかにした。さらに、米軍の夜間訓練による騒音被害、爆弾の不法投棄、米軍車両による女子中学生轢殺事件など在韓米軍による被害がつぎつぎと明らかにされ、韓国民衆は在韓米軍の犯罪に怒りをもっていることなどが明らかにされた。とりわけ三月三十日に、沖縄の米軍部隊も加わった韓米軍事演習に対し、ピョントンサの人々が実力で演習に介入して阻止闘争を展開しているビデオ映像が映しだされ「韓米軍事演習阻止闘争を韓国民衆は実力でたたかっている」という訴えは、非常に気合の入る内容だった。また、韓国学生からは「米軍基地をなくすまで、連帯してたたかおう」というアピールがおこなわれ、会場からは万雷の拍手がわきおこった。
つづいて、フィリピンのガブリエラの方が「米軍駐留と政治的虐殺への反対闘争の報告」と題して発言に立った。まず「VFA(比米軍事訪問協定)の存在によって、フィリピン人民の人権が侵害されている。特に女性の人権が侵害されている」と発言。米兵による、女性へのレイプ事件が起こっても、実行犯は罪を問われたが、三人の共犯者は罪に問われなかった。さらにその米兵たちはすぐに米大使館に保護され、フィリピンから米国へ移送されたことを明らかにし、このことが「VFAがもたらす数多くの問題の一つにすぎない」と弾劾した。そして、「アロヨ政権は米帝の『対テロ』戦争を支援している」「そのもとで進歩的な人びとを『テロリスト』規定し、政治的暗殺が横行している」ことを報告し、フィリピン人民は米軍駐留反対、アロヨ政権反対をたたかうことを明らかにした。
二つの講演の後、休憩をはさんで後半の集会が開始された。はじめに「レノの会」による韓国民衆の闘争歌の歌唱が披露され、会場の参加者も一緒に合唱した。
つぎに、フィリピンISA報告をAWC日本連共同代表の鴨居さんがおこなった。貧富の格差が激しいなどフィリピンの厳しい状況と、反アロヨ政権のたたかいにフィリピン人民が陸続と決起していることが報告された。
特別アピールが、韓国全教組と連帯する教職員・市民の会と、4・28被処分労働者からおこなわれた。
つづいて連帯アピールが、「持たざる者の国際連帯行動」、国民保護条例を考える墨田連絡会、反侵略アジア学生共同行動からそれぞれおこなわれた。
そして、改憲阻止運動の訴えをアジア共同行動首都圏幹事の方がおこなった。「日本は、米国とともにアジア、中東、全世界を戦争に叩き込もうとしている」「安倍政権による改憲攻撃を許さず、反戦―改憲阻止、アジア連帯を訴えるアジアメッセージプロジェクトを推進し、改憲阻止の大きなうねりを創りだそう」という訴えに、参加者は拍手で応え、集会は締めくくられた。
そして、渋谷勤労福祉会館前から渋谷駅付近までのデモ行進がおこなわれ、首都圏のアジア共同行動は成功のうちに終わった。
●6・24 北九州
岩国、築城から報告を受け音楽・踊りで街頭アピール
六月二十四日、今にも雨が落ちてきそうな梅雨空のなか、「アジアから基地をなくそう!! 北九州集会」がアジア共同行動・九州山口実行委主催でおこなわれた。
二〇〇五年からつづく米軍再編とのたたかいの現場である山口県岩国市、福岡県築上町から北九州市小倉北区に場所を移して、労働組合や市民など文字通り大衆的で老若男女が結集する六月行動がたたかわれた。しかも福岡県築上町航空自衛隊築城基地で二度目の訓練移転が岩国米軍基地所属の米軍機を使用して六月十八日から二十二日まで強行された直後であり、集会には築城基地現地で反対行動に参加した仲間も参加した。
司会より開会が宣言され、つづいて実行委代表あいさつが白松さんよりおこなわれた。
次に5・13嘉手納基地包囲など沖縄行動報告である。辺野古に海上自衛艦「ぶんご」が事前調査に投入される直前、「ぶんご」出動を許さず人間の鎖行動で嘉手納基地を包囲したことを報告し、米軍基地拡張に反対しアジアから米軍基地をなくすためにたたかっていこうと女性障害者がうったえた。
さらにフィリピンの女性ゲストからあいさつを受けた。ゲストはアロヨ政権の民衆弾圧と米軍再駐留の動向についてかたった。国会議員として米軍基地をなくすためにたたかってきたことを紹介し、米兵が貧しい人々を「食料をさがしている野生動物と間違えて」殺してきた実態を明らかにした。米軍は一時的駐留という抜け穴で軍事訓練をおこない、アロヨ政権は人権活動家など現在三百六十三人を殺し、二百六人が行方不明になっていることなどを明らかにした。どこであろうと軍事力による支配・抑圧をなくすために連帯してたたかおうと訴えた。
次に六月岩国市議会開会中の多忙ななか田村順玄市会議員が登壇した。田村さんは、建設途中の岩国市庁舎建設費の補助金カット問題、岩国市〇七年度予算否決問題、愛宕山米軍住宅転用問題など多岐にわたって岩国の現状と今後の課題についてのべた。まず岩国新市庁舎の建設費と本年度予算問題について、政府が三十五億円の補助金カットを決定したことを受け岩国市長が合併特例債を使ってまかなうとの市の〇七年度予算案を、岩国基地の機能強化に賛成する市議会議員らは六月二十一日市議会総務委員会で否決し、二十六日の市議会でも三月に続いて否決しようとしていること。予算案の否決で市の全予算がとまり、公共事業がとどこおり中小企業の倒産も予想され、市民生活にも支障をきたし、市長をこまらせていること。久間防衛大臣になきつき、市長を基地強化容認へ転換させようという容認派十七人の市会議員が市民のためでなく国のために働く姿勢を厳しく批判している市民がいることなどを紹介した。また岩国市と山口県が造成して住宅用地に開発してきた愛宕山開発計画は、赤字を理由に山口県知事が米軍住宅へ転用することを決めたが、岩国市は反対している。開発計画は事業中止になったが、市の鎮守の森として心のよりどころであった愛宕山周辺をさら地にし、我慢に我慢を重ねてきた住民は米軍住宅などとんでもないことだと怒っていると紹介した。さらに防衛施設庁が住民説明会に配った資料岩国「艦載機移駐後の騒音予測」のコンターが低めに作られ、岩国基地の滑走路運用時間が厚木や普天間基地より長い中で騒音予測のデータがでたらめである事を明らかにした。また最近示された厚木艦載機部隊などの移駐を盛り込んだ「マスタープラン」の内容やこれへの県当局の態度、「新し尿処理施設」工事と岩国基地の事実上の拡張などについても報告した。昨年三月の住民投票の成功と勝利以降、岩国市民の基地強化反対の意思はいささかもゆらいでいないと明らかにした。今後の課題についてAWC山口などの質問に、「全く岩国のことをかんがえていない山口県知事に申入れ活動をしていくことは重要だ」とこたえた。
つぎに登壇したのは航空自衛隊築城基地で二十年間基地撤去をたたかってきた渡辺ひろ子さん。築城での二度目の訓練移転に対する抗議行動や地元の状況などについて語った。「再編交付金」に目がくらんだあげくに二度目の訓練移転が岩国からの移転であること、地元住民の意識状況などを話された上で「騒音、治安、事故」の三点セットだけが問題ではない、築城基地が米軍との一体化・共用化を通じて朝鮮・アジアへの脅威を与えるための基地へと変質すること、二度目の米軍機訓練移転は「沖縄の負担軽減」などまったくペテンであり、日米の軍事一体化、共同訓練強化、基地強化が目的であること、岩国―築城―新田原―沖縄を結んだラインというものを米軍は考えていることなどが大きな問題であり、これらに着目したたたかいをすすめたいと結んだ。
休息をはさんで、集会参加者からのアピールがおこなわれた。最初に七月参議院選挙に出馬する社民党候補者より、比例区から立候補する沖縄の山内徳信さん支援のアピールが行われた。次に新自由主義のもとでの労働者破壊・生活破壊とたたかう北九州合同労組が発言した。有期雇用の広がりの中で不当な契約打ち切りなどに対したたかっていることを報告し、共にたたかう決意を明らかにした。さらにアジア共同行動・九州山口実事務局から、アジア民衆とともに憲法九条改悪阻止をめざすアジアメッセージプロジェクト運動の紹介と提起がおこなわれた。次に熊本の仲間から、今夏韓国独立記念館宿泊研修交流の呼びかけと自衛隊イラク派兵違憲訴訟(熊本)の現状報告がおこなわれた。アピールの最後に被爆二世の会より、日本の戦争責任を問い、新たな戦争への動きを止め、アジアや世界で反戦・反核・被爆者解放をめざす取り組みである八・六ヒロシマ行動への呼びかけがあった。
集会宣言を採択したのち、北九州市街地へのデモ行進にうつった。「アジアから米軍は出て行け! 岩国・築城に米軍は来るな!」「NO WAR BUT CLASS WAR 反自衛隊」と大書された横断幕を先頭に、思い思いの格好をした若者らも楽器や音楽に合わせ踊りながら道行く人々にアピールした。「米軍再編反対、米軍は岩国・築城に来るな」のシュプレヒコールが小倉の魚町一帯に響き渡り、デモ隊は注目をあびた。
沖縄の米軍基地撤去―辺野古新基地建設阻止のたたかいとともに、韓国・フィリピンなどアジアのたたかいとむすびつきながら、さらに米軍再編計画中断・撤廃へむけたたかうという決意を打ち固め、六月行動を終えた。
●6・19 京都
5・15沖縄闘争の報告や在日からの訴えを受ける
六月アジア共同行動の一環として、六月十九日に京都で、「アジアからの米軍の総撤収を!改憲と軍事基地強化を許さない!6・19京都のつどい」開催された。
このつどいを主催したアジア共同行動・京都の共同代表である鶴田律子さんより、「国民投票法案、米軍再編促進法案、イラク特措法延長などの諸法案の国会での強行採決が続くなかで、侵略戦争体制づくりに向けたこれらの動きと対決し、たたかうアジア民衆との連帯を確認するものとしてこの日の集会をおこなっていきたい」という主催者あいさつを受け、この日の取り組みは始まった。
集会は、韓国からの発言、五月沖縄現地闘争の報告、フィリピンからの発言と続いた。韓国から来日した「平和と統一を開く人々」(ピョントンサ)の代表は、「戦略的柔軟性」をキーワードにして進められようとしている駐韓米軍と在韓米軍基地の再編・強化の概要を説明し、米軍基地がさまざまな地域で人々にもたらしている犠牲と被害について報告した。スライドを使っておこなわれた報告は、基地のもたらす抑圧を鋭く具体的に暴き出し、参加者の胸を打った。また、米韓合同軍事演習に対して演習地に入って繰り広げた抗議行動の映像も紹介された。加えて、ピョントンサの代表は、米国のアジア軍事戦略を補完し、それと一体となって戦争体制をつくろうとするものとして安倍政権の改憲攻撃を鋭く批判した。
五月沖縄現地闘争に参加したメンバーは、現地での行動を映像を使って報告した。辺野古現地では、海上自衛隊の投入という暴挙に対する緊迫した阻止行動が繰り広げられている。映像のなかから伝わってくる沖縄でたたかう人々の訴え受け、新基地建設を阻止する沖縄のたたかいへの連帯が呼びかけられた。
フィリピンから来日したガブリエラ女性党の代表は、米軍のフィリピン再駐留に対するフィリピン人民のたたかいを報告した。VFA(訪問米軍協定)のもとで、いったんは基地撤去をかちとったフィリピンにおいて、米軍が軍事演習を名目にしてふたたびフィリピンに舞い戻ってきており、そのために〇五年十二月の米兵による集団レイプ事件が端的に示すように新たな抑圧が加えられている。ガブリエラの代表は、その実態とそれに対する人民のたたかいを女性の立場から報告した。さらにまた、米国に支えられたアロヨ政権による政治的殺害―活動家虐殺攻撃がいまだ続いていることを報告し、フィリピン人民のたたかいへの連帯を訴えた。
集会ではさらに、在日朝鮮人の立場から、現在の安倍政権による一連の朝鮮総聯をはじめ在日朝鮮人に対する政治弾圧・人権侵害を弾劾するアピール、また東アジアおよび朝鮮半島の平和を願う民衆の立場とは完全に逆行する現在の日本政府の戦争国家化・排外主義攻撃を弾劾するアピールが続いた。
集会の最後に、アジア共同行動・京都の山本純事務局長が、明らかになった陸上自衛隊情報保全隊による違法な反戦運動監視・調査に対して六月二十三日に大久保自衛隊基地に対する緊急の抗議申し入れ行動をおこなうことを報告するとともに、米軍再編・改憲攻撃に対決しアジア共同行動日本連が呼びかける十月岩国現地闘争への参加を訴え、集会は終了した。
●6・21 大阪
深刻なのは女性へのレイプ
比から米軍による被害を告発
六月二十一日、「沖縄にも、『本土』にも、アジアにも基地はいらない! 6/21大阪のつどい」が、「イラクへの戦争を許すな!有事法制反対!第二次朝鮮戦争反対!実行委員会」(構成団体/労働者共闘、アジア共同行動(大阪)、新自由主義・国家主義と対決する学生・青年ネットワーク(SYN)大阪)の主催でおなれた。この集会には、韓国民主労総のイ・ホドンさん、フィリピン・ガブリエラ女性党のルスビスタ・イラガン(ルス)さんが参加し、アジアの労働者・人民の団結と連帯でアジアから米軍基地を一掃し、帝国主義の侵略戦争に反対するものとしておこなわれた。
集会ではまず、五月沖縄現地闘争のビデオ報告がおこなわれ、新たな基地建設に反対する辺野古のたたかいや5・13嘉手納基地包囲行動が生き生きと報告さた。
韓国の報告として壇上に立った民主労総のイ・ホドンさんは、一九四五年に米軍が上陸からはじまった韓国労働者・民衆の粘り強い反米軍闘争の歴史を報告した。そして、「駐韓米軍の問題は、韓国だけの問題ではない。憲法九条改悪などの日本民衆の問題とも結合させなければならない。そして、さらに東南アジアの労働者とも結合していかなければならない」と訴えた。
フィリピン・ガブリエラ女性党のルスさんは、アメリカの「対テロ戦争」にフィリピンが参加する中で、何がおこなわれているのかを次のように報告した。「アロヨ政権下で、軍や警察の手によって、八百五十名もの活動家が殺されています。また、いったんは米軍を撤収させたにもかかわらず、『対テロ戦争』の名目で米比合同軍事演習が展開され、先住民や漁民の生活を破壊するなどの問題を引き起こしている。とりわけて深刻なのが、女性へのレイプです。しかしその多くが闇に葬られているのです。唯一、裁判に訴えた例もありましたが、多くの人々の抗議の声を踏みにじり、米兵はアメリカ側に引き渡されてしまいました」。ルスビスタ・イラガンさんは、このような「対テロ戦争」とたたかうフィリピン民衆への連帯を訴えた。
海外ゲストの報告の後、集会参加団体・個人、主催団体からの発言がおこなわれた。この中でアジア共同行動(大阪)は、岩国米軍基地拡張を狙う日米政府の策動を批判し、十月岩国国際連帯集会への参加を訴えた。SYNからは、五月沖縄現地行動に参加した若い学生が壇上に立ち、沖縄の感想を述べて「多くの人々と手をつないで嘉手納基地を包囲したように、韓国やフィリピン、アジアの人々と手をつなぎ、基地に反対していきたい」と決意を表明した。
韓国、フィリピンをはじめとするアジア―全世界の労働者・民衆と連帯し、米軍再編と侵略戦争と正面から対決するたたかいを大阪でもさらに前進させていかなければならない。
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