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■6・18 空自築城基地で二度目の訓練移転に抗議
  基地正門前近くで座り込み  集会と抗議申し入れ行う



 六月十八日、空自築城基地では二度目となる「訓練移転」への抗議行動が「築城基地への訓練移転・日米共用化・海兵隊基地化に反対する会」の呼びかけで緊急に取り組まれた。事態の推移はこうである。

 先にアジア共同行動らが福岡防衛施設局に「ぶんご」出動抗議申し入れを行なったその翌々日の五月二十九日、「本年度二回目(通算三回目・最初は築城基地、本年度最初で通算二度目は小松基地で)の訓練移転が空自築城基地か新田原基地(にゅうたばる・宮崎県)でおこなわれる模様」という報道がなされた。その前日には築城基地を抱える地元自治体一市二町の首長が、防音工事の進行などについての陳情を同局に行ったばかりであったが、その折には福岡防衛施設局は何の情報も首長らに与えていないということもあった。この報道を受けて「訓練移転に反対する会」は、一市二町の首長と議会に対して、重なる訓練移転に反対し政府への抗議を行なえという趣旨の申し入れ行動を行った。六月十二日のことである。しかしこの時点でなお、本年度二度目の訓練移転がどこで行なわれるのかは明らかではなかった。これが築城基地において行なわれること、そして何と訓練移転元は岩国基地だということが福岡防衛施設局によって通知されたのは、訓練開始のわずか五日前の六月十三日のことであった。これ自体、すでに「少なくとも訓練移転開始一週間前までには地元に通知する」という協定破りの事態である。そして今回の築城での訓錬移転は、何よりも岩国基地所属の米海兵隊部隊と空自との共同訓練ということ、さらに、築城基地を使って岩国米軍機は共同訓練を行なうが、新田原の空自機も共同訓練には同基地離発着で参加するという重大な特徴をもつものである。米軍岩国基地は海兵隊の航空部隊の基地である。毎年の米韓合同軍事演習(フォール・イーグル)において岩国所属機は、朝鮮半島への侵攻作戦を空から支援し、三十八度線へと最初に殺到する役割を果たしているところだ。この航空機部隊と築城あるいは新田原の空自機が共同訓練を行なうということの意味は重大である。米空軍機と空自機との空中戦訓練を中心とした訓練とはまったくわけが違う。対地・対艦攻撃、しかも最前線での第一撃のための訓練に空自機が参加するということだ。また、移転訓練参加の空自基地が複数化したことは、結局のところ訓練日数の制限や、訓練使用機数の制限など実際には何の意味もないということに通じるのである。

 同時に岩国からの訓練移転ということは、このかん政府―防衛施設局がことあるごとに語ってきた「沖縄の負担軽減」「嘉手納での負担軽減」ということなど、実は何の考慮も配慮もしていなかったことをあらわすものである。「相互運用性の向上が目的」と、地元説明に当たった福岡防衛施設局は言い放つしかなかったが、まさにこの日米間での「相互運用性向上」つまり日米軍事一体化と強化こそが「訓練移転」の目的だということなのだ。

 訓練移転当日の十八日午前十時、築城基地正門前道路横の空き地に集まった人々は、ただちにその場に座り込み、抗議集会を開始した。「訓練移転に反対する会」代表の渡辺ひろ子さんからの経過説明と今回の訓練移転の問題性の指摘と批判の提起を受けた後、「岩国でも基地大強化に反対してたたかっている。ともにたたかおう」という、岩国から寄せられたメッセージが紹介される。次いで、山口から行動に参加した被爆二世の会からのあいさつが続く。抗議集会が続行する中で、安倍首相および久間防衛相それぞれに当てた抗議文が読み上げられて、基地を介して提出された。そして、十二時半、岩国基地から陸路、民間貸し切りバス二台、普通トラック一台を使用した、整備兵などの部隊が築城基地に到着した。バスに向け、道路の際から「訓練移転反対! Go Away MARINE!」などの弾劾が叩きつけられたのは言うまでもない。そして、陸路築城入りした部隊が迎えの準備を整えたころあいの十四時半ごろから岩国所属FA―18ホーネット五機が一直線に飛来した。

 この日夕刻からは、同じ場所で地元地区労センターなどで構成する「在日米軍築城基地配備反対京築連絡会も前回に続き抗議集会を開催した。集会では長崎平和運動センターや宮崎・新田原基地を抱える地元からの発言が行われた。

 まさに、岩国と築城とを結びつけ、もって岩国基地大強化と一体に築城基地を日米共用化基地として、朝鮮・中国へ向けた前線攻撃基地として打ち固めるというような、九州・山口地域での日米軍事基地強化・一体化が一気に加速している。岩国―築城などを結びつけたたたかいの強化と拡大が急務である。


 

 

 

 

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