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■6・9東京 辺野古事前調査再開で緊急集会に350名が参加
 山内氏、国政へ打って出る決意表明



 「多くの者が海に出て、ほとんどの調査を阻止した」。静まり返った会場に、平和市民連絡会・共同代表の平良夏芽さんの声が響き渡った。六月九日早朝、辺野古では、作業船と調査船が辺野古沖に出て作業を再開したのだ。

 同日、東京では池袋の「イーストステージ・いけぶくろ」で「沖縄の海も山もクニ(日本)のものかッ!!〜辺野古新基地建設に反対する緊急集会〜」(主催:沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が開催されたが、事前調査強行最中の文字通りの緊急集会となった。参加者も続々とかけつけて満席となり、通路に座ったり、舞台にあがったりして、三百五十名が集まった。

 集会は、冒頭、事前調査の着手に踏み込んだ五月十八日前後の阻止行動の記録映像が映し出され、続いて当日の写真を映しながら、この集会に参加する予定であったが来られなくなった前述の平良夏芽さんとヘリ基地反対協議会・代表委員の安次富浩さんによる辺野古からの電話メッセージが届く。緊迫した事態に参加者は食い入るように固唾を呑んで見入り、聞き入る。平良夏芽さんは、「明日もあるだろうが阻止する。多くの人が集まったが、まだまだ人が足りません。船も足りません」。安次富浩さんは、自衛隊投入についてふれ、「仲井真知事、島袋市長へのどう喝。沖縄の民に軍を向ける強圧。二十一世紀の琉球処分。今、苦しいたたかいだが、団結の力でたたかいぬいていく」と決意を示し、「船が圧倒的に少ない。ゴムボート購入資金のカンパをみなさんにお願いしたい」と呼びかけた。

 また代役として、急きょかけつけた那覇ブロッコリー・代表の本永貴子さんが、北部訓練場の一部返還を名目としたヘリ基地建設の問題を述べ、「辺野古も高江のたたかいも今一番苦しいときであります。しかし、このたたかいを乗り越えていくことができる」と確信を述べた。

 そしてもう一人の発言者は、「基地の県内移設に反対する県民会議」代表の山内徳信さん。山内さんは七月参議院選挙に社民党比例区で出馬を表明しており、会場から割れんばかりの拍手で迎えられた。

 山内さんは、亡くなられた金城祐治さんら命を守る会のオジー、オバーが十年近い歳月を座り込み続けているのは戦争中の体験に根ざしており、「青いものはみな食べつくしたときに、私たちを食べさせてくれたのは、このイノー(リーフ内の海)だよ。残っている人生のあいだ、ずっと新基地建設に反対する」、と語っておられたと紹介して辺野古のたたかいの背景にある戦争体験について述べた。また読谷村長の経験から「日米安保も地位協定も人間が作ったものだから、人間が変えることができる」という考え方でたたかってきたことを明らかにした。そして「辺野古の基地をつくらせなかったときに、はじめて憲法を守りぬいたことになる」「今年の選挙は命を守るたたかいとなる。参院で改憲を阻止する。憲法を守れと、全国から多くの人たちが東京へと押し寄せたときに改憲は阻止できるでしょう」と参院選をたたかう意義を明らかにし、「私は現場主義です。風のごとく水のごとくたたかおう。さわやかな風もあるが暴風もある。最後は民衆が勝つんです。勝ちましょう」としめくくった。

 連帯のあいさつでは、辺野古実から日本山妙法寺、環境団体からWWFジャパン、労働団体から東京全労協が発言をおこなった。

 ここで主催者として上原成信さんが沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックとして山内さんを応援することを決めたことを明らかにし、山内さんに再び登壇してもらい参加者へ協力を求めた。

 集会は、「事前調査の強行と自衛隊投入を、さらに国会をはじめさまざまな場で追及しなければなりません」というアピール文を採択し、団結ガンバローを三唱して、辺野古への基地建設を許さないと気勢を上げた。

●自衛隊投入、サンゴ破壊に抗議

 事前調査強行で、自衛隊を投入し、サンゴを破壊したことに国会で、あるいは各地・各団体で政府・防衛省などへの抗議が相次いでいる。

 沖縄選出国会議員をはじめ野党議員が、自衛隊投入を批判しその法的根拠を何度も追及した。

 沖縄では「基地の県内移設に反対する県民会議」が、事前調査に踏み込んだ翌週の五月二十一日に那覇防衛施設局と「県」庁に抗議し、六月五日には那覇市の教育福祉会館大ホールにおいて、「自衛艦『ぶんご』派遣糾弾! 環境アセス法違反調査糾弾! 県民に銃口を向けた政府の辺野古『事前調査』抗議集会」を開き、集会には三百五十名が参加した。「本土」首都圏の辺野古への基地建設を許さない実行委員会も五月二十一日に防衛省前で緊急の抗議行動をおこなった。さらに同実行委は六月四日にも百四十名の結集で抗議行動をおこない、十四日には辻元清美衆議院議員とともに防衛省・環境省を追及している。その他、主な動きとしては、掃海母艦「ぶんご」の母港となっている呉基地と辺野古上空を旋回した掃海・輸送ヘリMH53―Eの所属である岩国基地の地域の市民団体が広島防衛施設局を追及し、「ぶんご」が出港した横須賀基地内にある掃海隊群司令部に対しては神奈川の市民団体が連名で横須賀地方総監部に抗議文を提出し、AWC九州・山口実ら市民団体が福岡防衛施設局への申し入れ行動をおこなっている。

 

 

 

 

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