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■6・9沖縄

沖縄戦の歴史歪曲許さない!県民大会に3500名が結集



 文科省による来年度から使用の高校歴史教科書の検定結果において、沖縄戦における日本軍の集団死強要関与を削除したことに抗議し、その撤回を求める「沖縄戦の歴史歪曲を許さない!沖縄県民大会」が、六月九日、那覇市内の県民ひろばにおいて開催された。主催は、高教組を事務局とする六十三団体の集会実行委員会で、約三千五百人が結集した。

 梅雨空の合間に薄日がさす暑さの中、県民ひろばは定刻にはすでに参加者であふれかえった。家族連れや高校生などが目立つ。改憲手続き法強行制定、教育基本法改悪など日帝―安倍政権のファシズム的戦争攻撃に沖縄人民の危機感と怒りは大きい。しかも許せないことに、当日朝、日帝―防衛省・那覇防衛施設局は、辺野古沖での事前調査を再開し、海底への調査機器の設置を強行したのだ。一方で、菊守青年同盟なる右翼反革命どもは、四台の街宣車を連ね、会場周辺を大音響で周回し、集会の妨害をはかる敵対行動を繰り返した。

 六・九県民大会は、このような状況の中で敢然と開催された。平和運動センター山城事務局長の進行でまず全体でシュプレヒコールをおこない、怒りとたたかう決意を確認した。

 主催者を代表してあいさつした高嶋伸欣琉球大学教授は、「今回の教科書検定は、日本軍による住民虐殺・集団死強制の歴史事実を抹消し、沖縄戦の実相を歪曲する大改悪だ。八二年の住民虐殺記述が削除されたときは県民あげて政府に撤回をさせた歴史的成果もある。また八九年の地方自治法改正に織り込まれた『慰霊の日』廃止問題も撤回・復活させた。今回も力を合わせて撤回を勝ち取ろう」と呼びかけた。

 沖縄戦体験者として発言に立った、当時十三歳だった瑞慶覧長方さん(社大党顧問)は、激戦地南部地域で日本軍から壕を追い出されたことや、「自決」用の手榴弾を渡されたことなど、自らの体験の「ごく一部」を証言し、歴史の歪曲を許すなと訴えた。また、渡嘉敷島集団死強制で祖父母を亡くした宮城千恵さん(高校教師)も発言に立ち、歴史改ざんを厳しく糾弾した。集会では、社大・社民・民主・共産の各政党代表や日教組、平和フォーラム代表など各界代表も発言し、沖縄だけの問題ではなく全国的な問題として取り組み、改憲阻止のたたかいと結合しようと訴えた。

 集会では、東京行動団の派遣のためのカンパが呼びかけられ、集会決議・スローガンが採択され、そして集会呼びかけ人のひとりである佐久川政一沖縄大学名誉教授のガンバロー三唱、比嘉勝太自治労県本委員長の閉会あいさつをもって一時間半におよぶ集会は幕を閉じた。そして長蛇の隊列で国際通りを席捲するデモを展開し、検定撤回を訴えた。

 この問題では、二十市町村議会(六月八日現在)が修正撤回の決議・意見書を採択し、今後も増える予定である。意見書を採択した那覇市議会においては、議会自ら教科書展示会を開催し、歴史歪曲の実態を広く市民に公開している。沖縄戦の実相をゆがめることは、沖縄戦はもとよりアジア侵略反革命戦争の美化・アジア人民、沖縄人民そのものの抹殺に他ならない。まさしく第二の皇民化攻撃である。その怒りは、「県」議会において修正撤回要求を妨害している自民党の動揺も引き出している。たたかいはまだ始まったばかりだ。勝利に向け継続的にたたかいぬこう。

 

 

 

 

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