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                                                                               2011年3月27日
3・27三里塚集会宣言・反対同盟声明など

  3・27三里塚全国集会で発表された集会宣言、反対同盟声明、農民アピールを掲載します。


      
  ■3・27集会宣言

 本集会は、いまなお数さえわからない震災犠牲者を追悼し、被災地支援に全力をあげることを、まずなによりも共同の確認とする。
 菅政権の救援の遅れが、氷点下の寒さの被災地で、この瞬間にも多くの命を奪っている。制御不能の原発は最悪の事態をはらみつつ、放射能をまき散らし、大気と土壌、水を汚染している。放射線の恐怖と政府による情報隠しが人々を耐え難い苦しみに追い込んでいる。出荷停止と風評被害は、農畜産漁業に壊滅的な打撃をもたらした。震災を口実に働く者の首が切られる中、厚労省は「計画停電」による休業は無給を認める、と通達した。
 心底から怒りがこみ上げる。犠牲者の無念と被災者の痛みを胸に、敢然と闘うこと、これが本集会の結論である。
 労働者、農民、市民による被災地支援に全力をあげよう! 刻々変化する原発情報を包み隠さず開示せよ! 全国の原発の稼働をただちに停止し、廃炉とせよ! 
 政府・財界は、食料、住宅、医療を無条件に保証しなければならない。もはや不要の原子力予算、防衛予算と、農民殺しの象徴の暫定滑走路の財源を、全額被災地にふり向けろ!
 3・11以前と以後では全てが変わった。経済至上主義の価値観は崩れ落ちた。日本という国、既成の政治に対する不信と怒りが日本社会に広がっている。新自由主義のもとで進められた格差社会、労働者の首切りと、地方と農畜産漁業を切り捨ててきた政治、TPP(環太平洋経済連携協定)による社会構造の大転換、──これらの暴挙と大規模災害・原発汚染の根源はひとつ、資本のあくなき利潤追求だ。
 三里塚は「国策」=空港建設反対を掲げて闘ってきた。それは「この国の権力を信じるな」という農民の叫びであり、同時に、食料を生み出し、モノを造って流通させ、この社会を動かす労働者、農民、市民の力で変革するぞという宣言である。「挙国一致」を掲げた治安弾圧を許すな!
 動労千葉とともに築いた「労農連帯」の旗の下、沖縄と連帯し反戦・反核・反原発の闘いを推進しよう。TPPを阻止しよう。市東さんの農地取り上げ阻止! 5・20現闘本部控訴審判決攻撃をうち破り第3誘導路を粉砕しよう!

                               二〇一一年三月二十七日
                                三里塚芝山連合空港反対同盟



  ■3・27反対同盟声明

 労働者・農民・市民の力による被災者救援運動を!

 事故情報を包み隠さず開示せよ! すべての原発を即時停止せよ!

 三月十一日に発生した巨大地震は東北・関東一帯に大規模災害をもたらしました。反対同盟は、家族を失い大津波にすべてを奪われてなお、力の限り生きようとする被災者の皆さんの悲しみと痛みをわが身に受けとめ行動する決意であり、すべての人々が被災者救援に立ち上がるよう呼びかけます。

 震災から一週間、菅内閣による救援の遅れが今この瞬間にも多くの命を奪っています。救援を待つ避難所からは食料、水、電気、ガソリン・灯油、医薬品など生きるに欠かせない物資が途絶しているという悲痛な声が上がっています。
 集積所に物資がありながら届けられず、直接の搬送が道路規制によって遮られる事態を放置することはできません。この政権の不作為は犯罪的です。
 しかも福島第一原発は、対策の決定的な立ち後れによって制御不能となり、高濃度の放射能を大気中にまき散らし、チェルノブイリの被害を刻々迫るものとなっています。米軍は八十キロ圏内への立ち入りを禁止し、各国大使館は東京からも離れることを勧告。ルフトハンザとアリタリア航空は成田空港の使用を中止しました。ところが菅内閣と原子力安全・保安院、東京電力は、ここに至ってなお原子炉内で何が起きているのかの真相を隠しています。
 さらに地震は広範囲に連鎖し、東海・東南海沖地震がないとする保障はまったくありません。すべての原発を即時停止せよ! 菅内閣の情報隠しを絶対に許してはなりません。

 今回の大規模地震と大津波は確かに予想を超えるものでしたが、このことを含めて人災です。人類は自然をも制御できるという奢(おご)りが、「確率99%」の地に原子炉を造らせました。新自由主義の下で大企業のために利益を優先させ、労働者の首を切り、地方と農漁業を切り捨ててきた政治が災害に対する抵抗力を奪って大規模被害をもたらしたのです。これは「国策」を掲げて農地を奪った成田空港建設や、「国益」を叫んで農業壊滅につき進むTPP(環太平洋経済連携協定)と根は同じです。
 大恐慌下、国家財政の破たんが迫る中、震災で株価は暴落し投機マネーが円を急騰させています。菅内閣は被災者救援に動かず、原発事故も制御できず、統治能力を失いました。被災地の人々と私たち農民、労働者、市民が生きる道は、食料を生産し社会を動かす私たち自身の力にあります。
 被災者救援に全力を! 政府・資本は、食料、住宅、医療を無条件に保障せよ! 政府は生きるためのカネを無条件で差し出せ! 無用な第3誘導路工事を直ちにやめて財源を被災地にふりむけろ! 震災を口実にした労働者の首切りと戦争のための「挙国一致」を団結してうち破ろう! 3・27全国集会への結集を呼びかけます。

                                2011年3月18日
                                  三里塚芝山連合空港反対同盟



  ■農民アピール(3・27全国総決起集会)

TPP(環太平洋経済連携協定)参加阻止!
原発事故による農地・農業破壊を弾劾する!三里塚から全国の農民に訴える!

 東北・関東大震災は、死者・行方不明者が二万七千人を超え、犠牲者の全容はいまだつかめないという空前の大災害となった。大津波による浸水面積四万ヘクタール(山手線の内側の約六倍)。消失した農地は、宮城、福島、岩手三県だけで二万ヘクタールを超えるといわれている。
 その後を襲った原発事故は、福島県から茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉に放射性物質をまき散らし、農畜産物の出荷停止と風評被害で農家に壊滅的な被害をもたらしている。原発はなお制御できず、まったく予断を許さない。人類と核は絶対に共存できない。
 三里塚を闘うわれわれ農民は、被災地農家から寄せられる怒りの声に胸を熱くし、共に農に生きる者として闘う決意を新たにした。
 我々が直面しているのはこの災害ばかりではない。財界とともに菅政権が推進するTPP(環太平洋経済連携協定)は日本農業を壊滅させるものである。
 農産物の生産減四兆千億円! 自給率は14%へ激減! 農業関連産業を含めれば損失総額七・九兆円!
 さらにTPPは、労働と医療・保険、金融などあらゆる分野で競争を激化させ、賃下げと首切りを推し進め、さらに激しい格差と貧困をもたらすのだ。
 このTPPが「震災で後ずらし」などと報道されているが、まったく逆である。日本経団連会長・米倉を見よ! この期に及んで「原発は素晴らしい」などと叫んでいる。経済至上主義をひた走る財界にとって、原発もTPPも危機にたつ日本経済延命の命綱なのである。
 この震災を「国難」と叫び、「挙国一致」をあおり立てる反動の嵐の中で、これを進めることを断じて許してはならない。
 われわれは、あらためて全国の農民に訴える。被災地と原発被害にある人々を全力で支援しよう! TPP参加を絶対阻止し、市東さんとともに日本の農地と農業を守りぬこう!

                               二〇一一年三月二十七日
                                     三里塚を闘う農民一同