以下の文章は、三月二十日に開催された、アジア共同行動日本連絡会議の総会において決定された文書です。
編集局の責任で、資料として掲載します。
●(1)2014年度のたたかいと総括
●(活動報告)
二〇一四年三月 第一九回総会
四月 京丹後全国集会
五月 韓国メーデー参加。フィリピンISA参加。CCB国際会議(韓国)
五月 沖縄闘争
六月 アジア共同行動(共闘関係含む)各地集会(韓国から参加。東京、名古屋、京都、神戸、福山、福岡、若者企画(京都)
七月〜 辺野古現地闘争への随時の参加
七月十二日 岩国市民集会
七月二十一日 全国会議
七月 岩国・クンサン交流訪韓団派遣
八月六日 広島闘争(日韓共同闘争)
八月 反靖国闘争
八月二十一日 岩国国際DAY(東京、京都、山口、福岡、韓国などで開催)
八月三十日―三十一日 夏期反戦合宿(岩国)
九月二十八日 京丹後全国集会 川内原発再稼動反対全国集会(鹿児島)
十一月 韓国労働者大会参加
十一月 岩国行動 神戸集会
十二月 京丹後全国集会 イーさん追悼行事(於・韓国)
二〇一五年二月二十八日 全国会議
(全国事務局会議を月一回開催)。
(出版物)CCB報告パンフレット ISA報告パンフ クンサン訪韓報告パンフレット
▼(総括)
二〇一四年のたたかいの総括は、第一に、安部政権を打倒する全人民政治闘争をアジア共同行動として各地で担いたたかったことです。集団的自衛権行使反対、反基地、反原発、こうした課題を各地で推進しました。辺野古新基地建設に反対し、辺野古現地へも連続的に派遣を送り出しました。岩国では、山口の仲間を先頭に一の日での愛宕山見守りの集いへの恒常的な結集を軸に、第一回岩国国際DAYや岩国での夏期反戦合宿、岩国行動の開催などに取り組みました。また、京都の仲間を先頭に京丹後での米軍Xバンドレーダー基地建設反対闘争に取り組み、全国からも結集しました。さらに、川内原発再稼動に反対し、九州の仲間や首都圏の仲間を先頭に反原発闘争をたたかいました。第二に、国際共同闘争でたたかい、その発展を進めたことです。韓国CCBへの結集、フィリピンISA参加、数次にわたる韓国への派遣、また、岩国行動でオーストラリアとの連帯関係を新たに開始したこと、岩国国際DAYの開催、さらに、日韓共同の広島闘争など、国際連帯、国際共同闘争という面で、さまざまな形でこれを推進したことです。第三に、若者の流れを前進させてきたことです。昨年のAWC関西青年部準備会の発足と運動の開始はその象徴でした。第四に、反原発闘争や秘密保護法、集団的自衛権などに反対する街頭行動が全般的に拡大する大衆行動という主体的な情勢のなかで、こうしたことに対応して、より大衆的で行動的な結集を実現できるアジア共同行動への転換が一つの課題として浮上してきたと言えるのではないでしょうか。こうした課題は、二〇一五年のたたかいのなかで意識的に各地のアジア共同行動を運動的・組織的にどんどん改革していく努力として意識的に進めていく必要があります。
●(2)情勢の特徴
新自由主義グローバリゼーションと戦争が世界を席巻しています。新自由主義のもとで、各国で階級対立が拡大しています。戦争もやむことがありません。中東、北アフリカで戦火が拡大しています。ウクライナでも戦争が勃発しました。「イスラム国」などとの「対テロ」戦争は世界中で激化しています。東アジアでも、朝鮮半島のみならず、諸国間の力関係の変化に応じて、軍事的緊張が強まっています。このなかで、日米軍事同盟の再編強化が進行しています。こうしたなかで、安部政権は、戦争のできる国作りにむけて、戦後史を画する攻撃をかけてきています。安倍政権は、新自由主義政策を進め、TPP参加によって、生活破壊を推し進めようとしています。労働市場の自由化を徹底的に推し進め、労働法制の改悪も次々と強行しようとしています。さらに、集団的自衛権の法制化や派兵恒久法制定を含めた安保法制の大改造を目論み、連動して、全国の基地強化・新設が一挙に強行されていこうとしています。憲法改悪もいよいよ政治日程に上り始めました。また、福島第一原発では放射能汚染水が海に垂れ流され続け、人々の生活再建は放置され、一方で、川内や高浜を突破口に原発再稼動を次々と進めようとしています。安倍政権がやろうとしていることは、労働者民衆の生活と権利を一層破壊し、新たな戦争へと民衆を動員する道です。本年度は、集団的自衛権法制化をめぐって、辺野古をはじめとした反基地闘争をめぐって、原発再稼動をめぐって、文字どうり決戦の年です。各地で総力挙げて集団的自衛権法制化粉砕、辺野古新基地建設阻止・岩国基地大強化阻止、原発再稼動阻止を掲げてたたかいましょう。
一方で、こうした安倍政権に対する労働者民衆の不満と抵抗も高まっています。辺野古新基地建設に反対する沖縄のたたかいは、安倍政権と真っ向から対決する決定的な局面をむかえています。原発再稼動に反対するたたかいや集団的自衛権行使に反対するたたかいで、民衆は街頭へ進出し、民衆の実力闘争も明らかに高まっています。そして、こうしたさまざまなたたかいが安倍政権を倒すための一点で合流し始めています。
また、国際的にも、新自由主義と戦争に反対する世界の民衆のたたかいは拡大しています。国境を超えて連帯し、国際共同闘争でたたかう情勢は一層成熟しています。アジアをはじめ世界中の人々と連帯し共同・協同していく、アジア共同行動がますます重要な役割を果たしていくことが要求される情勢が到来しています。
●(3)二〇一五年度のたたかい
▼運動方針
@安倍政権を倒す全人民政治闘争を。
全人民政治闘争で戦争国家化をめざす安倍政権を打倒しよう。その重要な環として、派兵恒久法や集団的自衛権法制化を始めとした安保法制大改悪を葬り去るために総力でたたかう必要があります。集団的自衛権行使と基地強化・新設は切り離せない不可分の問題です。わたしたちは、集団的自衛権法制化を含む安保法制化を阻止するたたかいと基地強化・新設に反対するたたかいを固く結合してたたかおう。また、原発再稼動に反対し、川内、高浜と続く原発再稼動を阻止するためにたたかおう。さらに、敗戦七十年、アジア民衆に敵対し、歴史を改ざんし、愛国主義・排外主義へと民衆を組織する安倍政権の策動を粉砕しよう。二〇一五年度、総力で、集団的自衛権法制化、派兵恒久法、安保法制大改悪粉砕、基地強化・新設粉砕、原発再稼動阻止、安倍政権を打倒する全人民決起を創り出そう。こうした一翼を、国際共同闘争をもってたたかっていこう。あらゆるたたかいを安倍政権打倒の全人民政治闘争へと合流・結合し、前半期、集団的自衛権法制化・安保法制大改悪をめぐる国会攻防での全国首都総決起、後半期、集団的自衛権行使と不可分の基地強化・新設(その環としての辺野古、岩国)に抗する岩国総決起を柱にたたかいをすすめましょう。
A集団的自衛権法制化、派兵恒久法、安保法制大改悪を阻止しよう。
国会で安保法制をめぐる攻防が開始されます。国会前座り込み、国会包囲の大闘争を創り出す一翼で奮闘しましょう。各地で、六月アジア共同行動を集団的自衛権行使に反対する韓国との共同闘争として開催し、集団的自衛権法制化阻止・安倍をたおせ!実行委員会が呼びかける首都総決起・国会包囲へ結集しせめのぼろう。国会前行動を国際的な共同闘争としてたたかおう。アジア太平洋各国地域で日本大使館への抗議行動を行うよう国際的に呼びかけよう。新法を批判する大衆的リーフレットを発刊します。
B反基地闘争を全国でたたかおう。
集団的自衛権行使に反対するたたかいは、基地強化・新設と不可分です。特に、沖縄のたたかいは安倍政権とオール沖縄の全面対決へと入りました。決戦の年です。一方、いわば最も弱い環である岩国には巨大な海兵隊基地建設が二〇一七年完成で強行されています。辺野古新基地建設阻止と岩国基地強化阻止を固く結合し、今秋には、考えられる最も広範なたたかいを昨年の「岩国・希望の祭り」の発展として推進しつつ、AWCの国際連帯闘争・国際共同闘争としても今秋岩国行動を全国決起でつくりあげましょう。
▼辺野古新基地建設絶対に阻止しよう
沖縄は、安倍政権との真っ向からの対決に突入しました。名護市長選、名護市議選、沖縄知事選、衆院選と、すべてで辺野古新基地建設反対派が勝利し、もはや沖縄の民意は明白です。にもかかわらず、政府は、沖縄の民意を認めず、これに真っ向から対決する態度を明確にし、ボーリング調査を再開しました。海上で陸上で連日、実力闘争に突入しています。基地問題をめぐって、言わば歴史的な決戦に突入したと情勢を捉える必要があります。いまこそ、全国から辺野古現地へ結集しよう。実力闘争でたたかおう。同時に、沖縄、辺野古現地に連帯して、各地で辺野古新基地建設反対のたたかいを進めていかねばなりません。東京での辺野古実を始めとした各地のたたかいに結集しそれらの一翼でともにたたかっていきましょう。
▼二〇一七年岩国基地大強化を阻止しよう
岩国市民のたたかいへの連帯と共闘を全国から強める。愛宕山見守りの集いに結集しともにたたかおう。八月二十一日、第二回岩国国際DAYを開催しよう。昨年の第一回国際DEYは、韓国や台湾での同時行動がありました。国内各地でも、さまざまな街頭行動が取り組まれました。第二回となる本年は、海外での岩国、辺野古などの写真展や日本大使館への抗議行動などを各国地域に提起するとともに、連動して、各地でより大きな岩国問題を訴える取り組みを準備していきましょう。そのうえで、十一月二十八日二十九日には、岩国基地強化に反対するより広範な共同のたたかいを昨年の「岩国・希望の祭り」をより発展させたかたちで成功させ、同時に、これと結合したアジア共同行動独自の国際連帯集会やデモとして実現していきましょう。こうしたたたかいを、昨年、オーストラリアとの連携も開始したように、アジア太平洋全域での国際的共闘の発展として実現していきましょう。沖縄、岩国、京丹後、神奈川、横田、三沢などと、海外を貫く国際共同闘争として発展させていきましょう。
▼京丹後、神奈川、横田で反基地闘争の前進を
京丹後では、基地建設反対の声を無視して、昨年、基地建設が強行されてしまいました。しかし、広がる騒音、事故の多発など、住民のなかに新たに不安が広がっています。運用下での新たなたたかいが始まりました。京丹後米軍Xバンドレーダー基地に反対する全国からの連帯を拡大していこう。また、横須賀では、原子力空母ジョージ・ワシントンにかわって、今夏には、原子力空母レーガンが新たに配備されようとしています。今夏、神奈川からの呼びかけに応え、原子力空母レーガン横須賀配備に反対しよう。
C川内、高浜原発再稼動を阻止しよう。
再稼動をめぐる決戦の年です。政府は、川内、高浜、これを突破口に全国で再稼動へ突入していこうとしています。政府は、福島原発事故によって全人民的闘争に発展してきた反原発闘争の解体を狙っています。反原発闘争の帰趨がかかる年となります。川内、高浜、現地闘争へ全国から結集していこう。実力でたたかおう。まず、川内再稼動阻止現地闘争を全国政治闘争としてたたかおう。最大限の現地実力抵抗を多くの仲間と切り開いていきましょう。また、経産省テントを防衛し、電力会社や政府への直接行動でたたかっていきましょう。各地で原発に反対する全人民決起の一翼を担っていこう。
D敗戦七十年、安倍政権のアジア民衆への敵対を許さないたたかいを。
安倍政権は、領土問題などで愛国心と排外主義を扇動し、日本軍「慰安婦」制度問題では、かつてない反動攻勢を強めています。敗戦七十年、日韓条約五十年を迎える今年、安倍政権は、侵略と植民地支配の歴史を否定する安部談話を策動しています。靖国問題でも公式参拝策動を強めています。歴史的、今日的にアジア民衆との敵対を本性とする安倍政権との全面対決していく必要があります。侵略と植民地支配の歴史を否定する安倍政権の歴史認識は、今日の新たな軍事出動の強化と結びついています。こうした側面でも、本年度は改めてたたかいを大衆的に強化する必要があります。
E差別・排外主義扇動との対決を進めよう。
こうした安倍政権を背景に、連動した差別・排外主義勢力の増長が顕著となっています。在特会などによる差別・排外主義襲撃を絶対に許さず、こうした勢力と対峙する大衆的包囲戦を各地でともにたたかっていきましょう。
F国際連帯・国際共同闘争を進めよう。
国際連帯・国際共同闘争を一層強めましょう。一部、重複しますが、国際連帯、国際共同闘争という面から、本年度、特に以下のたたかいを成功させよう。
五月、フィリピン、韓国メーデー連帯。
六月アジア共同行動を、集団的自衛権法制化阻止の日韓共同闘争でたたかう。各地で、アジア共同行動集会デモを開催し、国会包囲・首都総決起に結実させる。日韓共同闘争でたたかう。
八月 反戦反核・広島闘争に結集しよう。日韓共同闘争でたたかおう。
八月 第二回岩国国際DAYの国際・国内での開催をより広範に成功させよう。
十一月、フィリピンAPEC反対闘争をマニラに結集し国際共同闘争でたたかおう。
十一月二十八日二十九日、集団的自衛権行使反対・基地強化新設反対の岩国国際連帯集会の成功を実現しよう。
二〇一六年、二月〜三月、 AWC第四回国際総会の日本開催を成功させ、反帝国主義の国際共闘を新たに前進させよう。AWC第四回国際総会の成功から今夏のサミット反対国際共同闘争(日本開催)へたたかいを進めよう。
GAWC第四回国際総会
二〇一六年二月か三月にAWC国際総会を開催します。国際的にも国内的にも情勢は大きく変化しています。変化する主体的客観的な特徴を明確にし、これに対応したAWCの新たな国際的前進を実現していこう。アジア太平洋地域に置ける反資本主義・反帝国主義闘争の国際的共闘闘争の新たな発展と強化を実現していきましょう。東アジア、東南アジア、米国、ヨーロッパとの連携を進めていこう。
H二〇一五年度、三大闘争をたたかおう。
以上のたたかいを通年を通して推進し、本年度、次の三つのたたかいの山場を作り上げるかたちで本年度のたたかいを進めていきましょう。第一は、国会を包囲する決起を実現し、集団的自衛権法制化・派兵恒久法・安保法制大改悪を粉砕することです。五月から六月には、国会へ総決起するたたかいを全国闘争としてたたかっていきましょう。六月アジア共同行動を、集団的自衛権行使に反対する日韓共同闘争として各地で開催するとともに、国会包囲の全国決起にたちあがろう。第二は、集団的自衛権行使反対と結合して反基地闘争を総力で進め、辺野古新基地建設絶対阻止のたたかいを現地および各地で強めること、および、岩国基地大強化阻止の全国闘争として今秋の岩国行動をたたかうことです。第三は、AWC第四回国際総会の日本開催を反帝国際共同闘争として全国闘争として成功させることです。AWC第四回国際総会を一六年二月から三月頃に開催し、一六年夏に日本開催となるサミットに反対する国際共同闘争の呼びかけを発します。総会では、変化する国際・国内情勢に対応して、反帝国際共同闘争の新たな前進を実現するものとしてアジア各国地域の仲間と共に成功させていきましょう。以上を二〇一五年度の三大全国闘争としてともに作り上げたたかっていきましょう。
●(4)組織方針
第一に、大衆行動の拡大に対応したアジア共同行動の改革と拡大を進めていくことです。安倍政権打倒の共同闘争を強化するとともに、資本主義・帝国主義に反対する国際共同闘争の流れを前進させていきましょう。特に、安倍政権に反対する街頭行動・直接行動の拡大という運動の特徴に対応し、行動するアジア共同行動への変革を各地で進めていきましょう。また、これに伴うかたちで、宣伝・学習活動の強化をすすめましょう。この間、大きなたたかいでのアジア共同行動の全国統一ビラなども次第に頻繁になってきました。これらは一層強化する必要があります。第二に、そのためにも、若者をより中心とした組織への移行を各地・全国を貫いて進めていきましょう。昨年、関西では、AWC関西青年部準備会が発足し、若者独自の運動が始まりました。若者自身の反資本主義反帝国主義の国際連帯・国際共同闘争を目指す運動として集団的自衛権行使と基地に反対する若者運動が作られてきました。世界各国地域で、今日の反資本主義反帝国主義運動を推進する若者の決起が生み出されてきています。こうした若者の立ち上がりを支持し、若い世代の立ち上がりを促進し、かyつ、若者がより中心となった組織改革を各地・全国を貫いて推進していきましょう。こうした努力を、本年度を通して人事の大幅な更新へ結実させていきましょう。また、ネットの活用、ホームページ、メールマガジン、プログなど、情報伝達、宣伝についてのネット分野での整備を進めます。この分野での全国的連携と担当者の設置を展望していきます。第三に、アジア共同行動活動家合宿としての夏期反戦合宿を本年度も開催します。アジア共同行動を推進する活動家合宿として、第二の課題と結合させて準備していきたいと思います。
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