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1672号(2025年1月20日) |
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反戦闘争を全力で闘い 石破政権を打倒しよう 激化する排外主義を粉砕し反帝国際連帯運動進めよう 二〇二五年の世界情勢の特徴は混迷と不安定化である。アメリカでは差別排外主義者であるトランプが大統領に就任する。日帝では改憲論者であり軍事拡大を指向する石破が政権についた。そして韓国では尹錫悦大統領による戒厳令の発令とこれを粉砕した韓国民衆の闘いが爆発している。ロシアによるウクライナ侵略戦争は激化し、イスラエルによるパレスチナ人民の大虐殺など、戦火と人民の犠牲が拡大している。 東アジアにおいては日米帝国主義による対中国軍事包囲がいっそう強化され、琉球弧を最前線にした侵略反革命戦争体制づくりが進行している。二〇二五年はまさにアジア人民と連帯した反戦闘争の高揚が求められている。 反帝国主義・プロレタリア国際主義に立脚し、全世界で立ち上がる労働者階級人民と共に、国際反戦闘争に立ち上がろうではないか。差別排外主義と対決し、ますます侵略反革命戦争体制づくりにのめり込む石破政権を打倒する全人民的政治闘争の前進をかちとろう。本稿において、われわれ共産主義者同盟(統一委員会)の昨二〇二四年の闘いの総括と二〇二五年の方針について提起する。 ●二〇二四年の闘いの総括 共産主義者同盟(統一委員会)として昨二〇二四年の闘いの総括を確認する。 第一にわれわれは反戦・反改憲の闘いを全人民的政治闘争として闘いぬいた。 首都圏では国会前での行動が左派共闘の枠で闘われた。また関西では憲法改悪反対集会の大衆的成功がかちとられている。日米共同統合演習キーンソード25に対しては全国各地で抗議行動が闘われた。そして九州では国際反戦デー闘争が福岡・天神地区でのデモンストレーションとして闘われた。 これら反戦闘争でわれわれはアジア人民と連帯した闘いの意義を押し出し、もって左派共闘の路線として全人民的政治闘争として闘いぬいたことを党派的特徴として積極的に確認できる。 第二にこうした反戦闘争の位置づけをもって、反基地闘争の推進を断固として推し進めた。岩国基地反対闘争をはじめとして反戦・反基地闘争を果敢に闘いぬいてきたのである。 岩国ではアジア共同行動が主催する「岩国行動2024」の成功をかちとってきた。岩国市民と結合した反戦・反基地闘争は、この当日にF35Cステルス戦闘機三五機が岩国基地に配備されたこともあり、デモ隊列には沿道からエールを送る人々もあった。また地元マスコミにも取り上げられ、まさに岩国市民と結合した反基地闘争として「岩国行動2024」が成功した。地元住民の闘いとがっちりと結合できたことに大きな意義がある。 われわれは沖縄・辺野古の新基地建設反対闘争を沖縄人民の闘いと結合して闘ってきた。こうした闘い方は京丹後のXバンドレーダー基地建設反対、東京の横田基地反対闘争にも貫かれている。 第三には反戦の拠点である三里塚闘争を断固として闘ってきた。 われわれは二〇二三年、反対同盟農民市東孝雄さんの農地をめぐる闘いを実力闘争として闘いぬいた。そしてこの闘いの地平を引き継ぎ発展させる闘いとして二〇二四年の三里塚闘争に取り組んできた。南台の市東さんの農地をめぐる耕作権裁判闘争は結審を迎え、判決が出されようとしている。われわれは南台農地をめぐる闘いを天神峰決戦の継承として闘いぬく。 第四に全人民的闘いの重要な領域として、反原発の闘いに取り組んできた。 二〇一一年の福島原発事故と反原発運動の全国的な高揚を受け、いったんは日本のすべての原発がその稼働を停止した後、一二年七月に最初に再稼働されたのは関西電力が所有する福井県・若狭湾に面する大飯原発三号機であった。こうした政府・関西電力に対してこれを許さない闘いを推進してきた。「老朽原発うごかすな! 実行委員会」による高浜現地全国集会、若狭での原発再稼働に対する現地での抗議行動、美浜三号機の再稼働に対しても緊急の抗議行動に取り組んでいる。 山口県上関では、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設策動を許さない闘いを行ってきた。この上関での中間貯蔵施設建設を阻止することは、関西電力による原発再稼働を阻止する闘いにとっても重要な課題である。 首都圏では経産省前テントひろばの座り込みを支援し、「さようなら原発」等の集会にも積極的に参加してきた。同時に東電前抗議行動等も貫徹してきた。三月一一日を前後する福島の闘いにも参加し福島の住民とともに闘ってきた。さらにわれわれは国内の闘いだけではなく、汚染水海洋放出問題などを課題とする韓国の反原発運動と結合しながら、国際的な反原発闘争を推進してきた 第五にわれわれはこれらの闘いを国際主義的に闘ってきた。アジア人民の闘いと実践的具体的な連帯を掲げる「アジア共同行動(AWC)日本連絡会議」を支援し、ともに闘ってきた。それはまさに反帝国際共同闘争を貫徹する闘いである。 六月のアジア共同行動は首都圏、関西、九州、山口で大衆的に取り組まれた。さらに一一月の韓国労働者大会などの闘争現場に積極的に赴き、まさにアジア人民との連帯を具体的実践的に推進してきた。 われわれはこうした国際連帯の闘いを大衆的に闘ってきた。AWCの闘いはアジア人民連帯一般ではなく、まさしく反帝を掲げた国際共同闘争としてある。「アジアからの米軍総撤収」を掲げる反基地闘争の展開は必然的に反帝闘争である。アジア規模、国際規模の労働者の闘いでは反帝の主張が多数派である。すなわち、AWCの反帝国際主義的運動展開の中身は、国際的基準としてあることを断固として確認しようではないか。国際主義とは一般的な立場表明ではなく、具体的運動実践としての連帯運動にあることをAWCは証明している。 ●二〇二五年の政治方針 以上、二〇二四年の共産同(統一委員会)の闘いの総括を確認したうえで、二〇二五年の政治方針を提起する。 反戦闘争 第一には戦争が続く世界情勢のなかであるからこそ、国際主義を掲げた反戦闘争の爆発をかちとることである。同時に日米安保反対の闘いを推進していかなければならない。 ロシア―ウクライナ戦争、イスラエルによる中東・パレスチナ人民の虐殺など世界では戦争と虐殺が今も続いている。日本では、戦争に向けた基地建設と軍備増強がなされている。こうした情勢の中にあって帝国主義の侵略戦争策動を阻止することは共産主義党にとって極めて重要な任務である。われわれは自国帝国主義打倒を掲げた闘いとして反戦闘争を闘う。石破政権打倒を鮮明にした反戦運動だ。 ロシア―ウクライナ戦争反対、即自の停戦。イスラエルによる中東・パレスチナ人民虐殺弾劾。米帝・日帝はイスラエルを支持するな。さらに日帝の軍事拡大路線反対を掲げた反戦運動の断固たる推進。三月には自衛隊の統合作戦司令部が発足しようとしている。自衛隊の実戦部隊化、米帝との軍事一体化を許してはならない。多国間軍事演習に反対していこう。対中国や対朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)を想定した日米、日米韓合同軍事演習に反対していこう。石破の訪米策動を日米安保強化反対として闘う。 改憲阻止 第二にそうした反戦運動の具体的軸として反改憲の全人民的高揚を勝ちとることである。 明文改憲の危機が切迫している。自公政権が少数与党となったからといって改憲策動が止まったわけではない。改憲に対して絶対反対の立場を明確にした政治勢力は圧倒的に少数である。かかる状況を勘案すれば、むしろ改憲の危機はさらに増したと確認すべきであろう。われわれは、アジア人民との連帯を掲げて憲法改悪に反対していく。反改憲の闘いをまさに全人民的闘いとして準備していかなければならない。 改憲を阻止することは「日本が戦争に巻き込まれる」という以上に、日帝が侵略戦争に打って出ることを阻止する闘いである。それは本質的にアジア人民との連帯を意味する闘いである。 そもそも歴史的に言えば、現行の憲法は日帝が侵略戦争に敗北したことの一つの結果である。憲法はブルジョア的限界性を有しているとはいえ、アジア人民に対する侵略戦争の国家的反省を含むものとして戦争放棄が規定されたのだ。であるならば、改憲とはすなわち先の侵略戦争の歴史を清算し、もってあらたな侵略に打って出ようという国家的宣言に他ならない。 また、改憲勢力の中には韓国の非常戒厳令の事態を受けて「我が国にも緊急事態に対処するための緊急事態条項を憲法に盛り込むべきである」なる恐ろしい発言が吐露されている。為政者が自分たちの「危機」を口実に緊急事態をでっち上げ、人民へ制圧や抑圧を行うことは、ナチスドイツや今回の韓国の事態で明らかだ。にもかかわらず、「我が国にも緊急事態条項を」と口にする改憲派は、権力者の思うままに人民を支配し抑圧したいのである。絶対に「緊急事態条項」など作らせてはならない。 われわれはアジア人民との連帯、すなわち現在的な侵略戦争の阻止と歴史的な侵略戦争の清算を許さないものとして改憲阻止を闘っていく。 こうした明文改憲反対の闘いと同時一体的に実質改憲(軍事拡大と国家再編)反対の闘いに取り組んでいく。 世界の不安定化の中で日帝自身が帝国主義国家としての低迷から巻き返しを図るには、戦争に打って出るしかない。そして、いかなる侵略戦争もその「大義名分」は「防衛」であることは歴史が証明している。日帝が「台湾有事」の危機煽動や中国脅威論をもって大軍拡路線を貫徹しようとしているのは明らかだ。 一二月二七日、日帝は過去最大の防衛予算を八兆七〇〇五億円とすると発表した。今後も防衛力強化として年一兆円以上のペースで拡大しながら二三年度から二七年度で総額四三兆円、国内総生産比2%を目指している。しかも円安の中では、この数字すら突破する可能性がある。そして、この金額の捻出を増税によって行おうとしている。政府与党のみならず、国民民主・維新などの改憲勢力はこうした軍事費の増大を問題にすらせず、党利党略のための取引に終始している。軍事費拡大のための増税を許さない大衆的な闘いを繰り広げよう。 一方で戦時体制とは自国人民に対する治安強化でもあることを忘れてはならない。日帝の海外軍事展開と国内治安強化が結合するのは必然である。 二〇二五年初頭の国会において能動的サイバー防御関連法案を成立させようとしている。この「能動的サイバー防御」とは他国からのサイバー攻撃に対して、常日頃から監視・防御を確立するための省庁横断組織の建設を意味する。「能動的」という用語に端的に示されているように「能動的敵基地攻撃能力」と同一の国家再編攻撃である。自衛隊や警察庁、さらには内閣調査室をも含めて省庁横断的な組織で、平時から有事に備えるということだ。つまり平時と有事の垣根はなくなるということである。より率直に言えば社会全体の監視を強め、「戦時下」におくということであり、「能動的サイバー防御」は憲法で保障されている「通信の秘密」の侵害である。すなわち能動的サイバー関連法案成立は実質改憲攻撃そのものだ。絶対に許してはならない。 またこれ以外にも刑事訴訟のIT化などの諸反動立法が目論まれている。石破政権打倒を掲げた反戦運動の高揚で立ち向かっていこう。 反基地闘争 第三に石破政権打倒を掲げた反戦運動の推進と一体のものとして、沖縄―岩国―神奈川―横田を貫く反基地運動を闘う。「琉球弧の戦場化」を許さない闘い、沖縄・辺野古の新基地建設反対の闘いを推進していく。 政府は二〇二四年一二月二七日に翌二八日から辺野古の地盤改良工事を行うと発表した。二〇二五年はこの辺野古沖埋め立て工事―新基地建設を巡り、これまで以上のし烈な闘いに入ることは間違いない。沖縄人民と連帯して新基地建設反対を闘っていこう。 岩国基地反対の闘いを地元住民と結合した闘いで断固として推進していこう。日帝が実質改憲を強行し大軍拡路線を推し進めようとするなかにあって、基地周辺住民の被害はますます耐え難いものになってくる。トランプ政権の登場で日米安保と在日米軍基地のあり方も根底から変えられる可能性も有している。いずれにせよ、基地周辺住民の反基地感情と闘いに結合した反戦・反基地闘争の推進は二〇二五年においても重要な政治課題である。 陸自オスプレイ佐賀空港配備反対の闘い、日米共同使用が画策されている築城基地闘争と連帯していこう。そして祝園弾薬庫建設反対の闘い、さらに馬毛島や奄美、琉球弧の軍事要塞化を許さない闘いを地域住民とともに闘っていこう。 反原発闘争 第四に老朽原発の再稼働を許さない闘いを大きく前進させていくことである。 二〇一一年の福島原発事故以降、原発の危険性は明らかになり、大きな大衆運動として反原発闘争が闘われた。われわれはその危険性とともに、原発は日帝の核戦略と不可分の戦争政策として位置づけこれと対決してきた。 二〇二四年一月一日に能登半島地震が起き、半島全体に甚大な被害が出た。発生当初林官房長官は状況がハッキリしない中「原発は安全だ」などと先走った発言を繰り返し、地震はたいしたことは無いイメージを振りまき、岸田政権の救援初動は遅れ被害は拡大した。この時、志賀原発でも多数の被害を受けていた。また新潟の柏崎刈羽原発でも被害が出ていた。能登半島の先端の珠洲市も甚大な被害があったのだが、五〇年程前にこの地で原発建設の計画に対して地元住民運動の力で建設を阻止した歴史がある。逆に言えば、このような反対運動がなければすさまじい被害が出ていたのだ。 日本は原発を作る場所など無い地震国であることが二〇二四年にあらためて証明された。しかし、日帝は昨年一二月二五日「第七次エネルギー基本計画案」を公表した。これは、福島原発事故の教訓をかなぐり捨てた原発推進政策である。原発再稼働を進め、「次世代革新炉」の新増設に向けた研究開発、いわゆる核のごみの処理のための中間貯蔵施設建設の抜本的推進、使用済み核燃料の再利用(プルサーマル計画)を進めるなど、どれをとっても許すことのできない内容である。われわれは、闘いを強化し、原発再稼働絶対阻止、東海第二原発、関電管内の老朽原発の再稼働を許さず、山口県上関の使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設反対を地元住民とともに闘おう。 三里塚闘争 第五に反戦の砦・三里塚闘争に決起しよう。 三里塚の闘いは帝国主義の象徴ともいうべき空港廃港の闘いである。まさに社会の在り方そのものを根底から問いかける闘いである。われわれはアジア人民との連帯を掲げた反帝勢力として三里塚の闘いに結集する。 三里塚の闘いは全国の反戦派が結集する闘いである。三里塚芝山連合空港反対同盟の「農地死守・実力闘争」の基本路線に表現されるように、その闘い方は国家権力と実力で対峙するものである。「空港廃港」というスローガンは資本主義社会の矛盾を追及する闘いであり、それは日帝の根幹を脅かす闘いであることを表現している。こうした三里塚の闘いに決起し、反帝派としての闘いを推進していこう。南台の市東さんの農地をめぐる耕作権裁判闘争が千葉地裁で結審し、判決を目前にしている。千葉地裁を包囲し、農地強奪判決を絶対に阻止しよう。反対同盟の闘いと連帯し、二〇二三年の天神峰決戦を継承して闘おう。 ●階級闘争の新たな構造の建設 次に二〇二五年の階級闘争構造建設の方針を提起する。 高まる階級的労働運動の意義 ここ数年、急激な物価高騰が労働者人民を直撃している。実質賃金は低下し続け、労働者人民の生活苦はますます増大し、とりわけ非正規職労働者、女性、外国人労働者にその犠牲が集中している。 こうした状況のなかで、最も犠牲を強いられる層の労働者の利害に依拠しつつ、その生活と権利を守る闘いを全力で推進していかなければならない。大幅賃上げや全国一律最低賃金一五〇〇円以上の実現などが切実な課題として浮上してきている。そして技能実習生など外国人労働者の権利確立の闘いを進めていこうではないか。本年の二五春闘の勝利を戦闘的階級的労働組合とともに勝ち取っていこう。 また、労働組合の団結を破壊し集団的労使関係を否定する動きも強まっている。二〇二四年一二月二四日「労働基準関係法研究会(労基研)」は、報告書をまとめた。この報告書を受けて労政審での「労基法」等の改悪が審議され、二六年中にも労基法等の改悪案が国会に提出されると報道されている。この動きの中で最も警戒すべきことは、労働基準法以下の労働条件で働かせることが可能となることである。「労基研」報告によれば、それは「労使合意」の下で可能ということであるが、労働組合との協議ではなく、「過半数代表」と称する資本家の息の係った組織や個人との間で行われる可能性があることだ。まさに労働組合の団結と闘いを否定するこうした攻撃を許さない闘いを取り組もう。また、連帯労組関西生コン支部への大弾圧をはじめ、闘う労働組合に対する弾圧、組合つぶしを許さず、その反撃を拡大していこう。 われわれは、労働組合としての国際連帯活動を推し進めてきた。この闘いの地平を継承し発展させていこう。 同時に、石破政権による侵略反革命戦争体制づくりとその一環としての労働者の戦争動員体制づくりが強まるなかで、労働組合による反戦闘争の重要性が高まっている。岩国反基地闘争など積み重ねられてきた労働組合による反戦・反基地闘争の地平を引き継ぎ、全国各地で労働者の反戦闘争への決起をつくりだそう。労働組合の政治闘争を推進していこうではないか。同様の闘いとして労働組合としての国際連帯活動を推進しよう。さらに、連帯労組関西生コン支部への大弾圧をはじめ闘う労働組合に対する弾圧、組合つぶしを許さず、その反撃を拡大していくことが必須の課題である。 われわれは労組の闘いを産業別・業種別労働組合の建設と他方での地域合同労組・地域一般労組建設の重層的な推進を当面する階級的労働運動の路線として措定してきた。この二つを「縦糸と横糸」とする共闘構造を各地で編み上げ、同時に全人民的反戦闘争や反差別闘争や国際連帯闘争、すなわち政治闘争と結びつくことで、労働組合・労働運動を日帝―独占資本と闘う階級闘争の基礎基盤として再構築することをめざしてきたのである。二〇二五年もこの闘いを断固推進していかなければならない。 被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争の推進 差別・排外主義勢力は公然と議会内に席を占め、一方、街頭で暴力的排外主義煽動を繰り返している。われわれは国家権力との闘い、戦争遂行政策に対する重要領域として差別排外主義と闘っていく。 部落解放運動においては、このかん無実の石川一雄さんの狭山第三次再審の実現をめぐる煮詰まった攻防が続いてきた。二〇二五年は最大の山場を迎えようとしている。今全国各地では、再審無罪を勝ち取った袴田さんに続き「次は狭山だ」を合言葉に闘いが繰り広げられている。何としても再審を実現し、石川さんの無罪を勝ち取るために全国各地での取り組みを発展させ、裁判所を包囲する闘いをつくりだしていこう。 また、全国各地で部落差別を繰り広げる「鳥取ループ・示現舎」に対する「全国部落調査」復刻版阻止闘争は、二〇二四年一二月四日最高裁において上告が棄却され、二三年六月二八日の東京高裁が決定した「差別されない権利」が確定された。この勝利的地平を受け継ぎさらなる差別糾弾闘争を推し進めよう。 日帝による歴史的・現在的な障害者政策の差別と闘っていこう。ここ数年、精神病院や施設において障害者が虐殺される事例が頻発している。こうした事件の背景には人民の貧困の現実も存在するが、その思想的背景には間違いなく天皇制優生思想にもとづく障害者への差別が存在する。障害者への隔離・抹殺攻撃を許すな。その攻撃を打ち砕き、地域での自立解放闘争を進めつつ、障害者・精神障害者の解放闘争を前進させよう。日帝打倒―障害者解放の総路線を鮮明にした闘いを爆発させよう。 被爆者、被爆二世・三世は、広島闘争をはじめ反戦・反核闘争の先頭に立ってきた。また、上関原発建設阻止をはじめ反原発運動を持続的に推進してきた。昨年は被団協のノーベル平和賞受賞もあり、被爆者、被爆二世・三世問題が社会的に重要な問題として浮上してきた。われわれはこれまでの地平の上に、反戦・反核・反原発・被爆者解放を掲げた闘いのさらなる前進を勝ちとっていく。被爆者援護法にもとづく援護を求める被爆二世集団訴訟に勝利しよう。すべての被爆者、被爆二世・三世に対する国家補償を実現するために闘おう。被爆者、被爆二世・三世とともに、戦争に向かわんとする石破政権打倒の闘いを推し進める。 沖縄解放闘争は、「代執行」攻撃―大浦湾側の埋め立て工事の着工という状況下一層緊迫した局面に突入している。「台湾有事」論など排外主義煽動を粉砕し、全島的な闘いをさらに発展させていくために闘おう。昨年は沖縄の女性が中心となって米兵による性暴力事件を許さない闘いが爆発した。こうした闘いとがっちりと結合した沖縄解放闘争を推進していかなければならない。 沖縄―「本土」を貫く沖縄解放闘争の前進を勝ち取り、安保粉砕―日帝打倒・米帝放逐に向けて闘おう。 あらためて、三月八日の国際婦人デーの意義を確認しながら、女性解放闘争を進めていこう。女性解放の闘いは階級闘争における重要な課題であり、われわれは日帝国家権力さらには天皇制と天皇制イデオロギーとの闘いとして闘う。 二〇二三年に強行可決された「LGBT理解増進法」は、「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意する」という条文を加えることで、当事者の要求に敵対し、セクシャル・マイノリティへの差別を強化する差別立法となった。 一方、同性婚やセクシャル・マイノリティに関する法規制に対して裁判闘争が行われ、勝利判決が積み重さねられている。セクシャル・マイノリティの置かれている現実に接近し、われわれ自身の取り組みを前進させ、闘いに立ち上がっている当事者ともに、あらゆる性差別・性暴力を許さない闘いを推進していく。 入管体制との闘いを前進させようではないか。在日・滞日外国人の闘い、それに対する連帯を進めていかなければならない。入管収容所での被収容者に対する虐待は、外国人差別にもとづく国内階級支配の一環である。残虐な入管体制を許してはならない。 技能実習制度は一昨年の有識者会議で「廃止」が提言されたが、「育成就労制度」と名前を変えただけで存続している。外国人労働者の権利に制限を加え、雇用の調整弁として底辺労働に据え置こうとするものであることは何ら変わっていない。われわれは、外国人労働者の権利と人権の保障要求を、共に生き働く者として連帯する闘いを更に進めていこう。 朝鮮学校は無償化制度から排除され続けている。また在日クルド人に対する暴力的排外主義煽動が激化している。差別政策と排外主義を許してはならない。差別・抑圧と排除を基調とする入管法―入管体制の解体に向けて闘いを前進させよう。 青年運動の前進 青年運動は入管法改悪反対の闘いや気候変動に関する取り組み、セクシャル・マイノリティ差別を許さない闘いなど、さまざまな運動に多くの青年たちの立ち上がりを組織してきた。イスラエルのパレスチナ人民大虐殺に反対する反戦行動を闘ってきている。この動きは全世界の闘いとつながっている。 この青年層の闘いと結びつき、推進しよう。そのなかから反帝国主義・プロレタリア国際主義に立脚した青年自身の運動と組織をつくりだし発展させていかなくてはならない。歴史的にも青年の政治闘争への決起が政治的攻防環の突破口になってきた。反帝国主義、反戦闘争の現場で常に青年がその最先頭で闘ってきた。あらためて、こうした青年層のエネルギーを政治闘争へと結集させていこうではないか。 青年の労働組合への組織化を進め、階級的労働運動の担い手としての青年労働者の決起を実現していこう。階級闘争の未来を担う青年層の決起をあらゆる戦線・課題において押し広げていこう。 国際連帯闘争の推進 今、「台湾有事」が煽り立てられ、日米韓による三国軍事同盟化をはじめ日米帝が主導する集団的な安保体制の構築が進められている。多国間の軍事演習が頻発している。まさに東アジアとインド太平洋において戦争体制づくりが強められ、軍事緊張が拡大している。こうした情勢のなかで反戦・反帝国主義にもとづく国際共同闘争を前進させていくことがますます重要になっている。 アジア共同行動(AWC)の闘いを支え、アジア各地の労働者人民と連帯し、反帝国際共同闘争の前進を勝ち取ろう。 韓国や共和国など東アジア情勢は極度の緊張を迎えている。まさに国境を越えた闘う者同士の連帯と団結が急務の課題として浮上してきている。われわれは国際連帯闘争を実践的具体的な運動課題として設定し、これを推進していく。 日帝による植民地支配・侵略戦争およびその歴史の居直り、歪曲を許してはならない。強制動員被害者や日本軍性奴隷制度被害者をはじめ日帝の植民地支配・侵略戦争のすべての被害者に対する日本政府による謝罪と国家賠償の実現に向けて闘っていこう。二〇二五年は「日韓条約」から六〇年になる。あらためて、侵略戦争の歴史を真正面に据えた論議と運動が問われている。 左派共闘の前進 分断と対立が進む現代世界において、左翼が分裂していることは国家権力の利益にしかならない。大胆な左派共闘の形成が追求されなければならない。この形成の如何が今後数年にわたる日本階級闘争の帰趨を決するといっても過言ではない。 左派共闘の形成は日本帝国主義を打倒していくことの内実を実践的に作り出していく。全人民的政治闘争、反帝国主義闘争における実践を共通の基盤として、様々な分野での討議と共同行動を積み重ね、日本階級闘争の戦闘的再編を切り拓く左派共闘の前進を勝ち取ろうではないか。 行動における一致を追求し、その過程での論争を積極的に組織していこう。運動での結合は必然的に内容上の党派闘争を内包することになる。こうした党派間の論争を通じてわれわれの綱領路線的中身が検証されていく。左派共闘の推進をもって現代における共産主義運動を前進させよう。 ●二〇二五年共産主義運動の飛躍をかけて闘いぬこう 帝国主義の世界支配の暴虐性、資本主義の矛盾はますます明らかになっている。 ロシア―ウクライナ戦争の泥沼化やイスラエルによるパレスチナ人民虐殺はその矛盾の噴出でもある。またアメリカにおけるトランプ政権の再登場、ドイツにおける与党連合の崩壊、カナダでもトルドー首相が辞任した。韓国では昨年一二月三日、尹錫悦大統領が「非常戒厳」の発令を強行した。現代世界の支配者たちは、今まで通り支配できない現実を前にして混迷を深めている。こうした中で、労働者階級人民の闘いは継続している。韓国の戒厳令発令に対する民衆の闘い。全世界で巻き起こるパレスチナ連帯・イスラエルの虐殺弾劾の闘い。 反戦闘争・反帝闘争を全力で遂行しその闘いをプロレタリア革命に向かって牽引するためには、革命的で階級的な党の建設が不可欠である。労働者階級、被抑圧人民・被差別大衆と結びつき、労働者階級人民の闘いをその先頭で切り拓く革命的労働者党建設を共に闘おう。 反戦闘争を闘い、労働者階級人民とともに、党建設の前進をつくりだしていく。われわれは排外主義と対決し被抑圧人民・被差別大衆の解放を目指し、日本革命と世界革命の結合に向けて闘う。 当然強まるであろう国家権力による弾圧とも真正面から闘っていく。逮捕・投獄に対しては完全黙秘―非転向で闘う。獄中における闘いはまさに国家権力内部における政治決起に他ならない。こうした闘いを貫徹することこそがブルジョア国家権力そのものを粉砕し、党建設と階級闘争の前進を勝ち取っていく闘いである。 資本主義の改良の内に労働者人民の闘いをおしとどめる社会民主主義、現実の階級闘争とは切断されたところで党の同心円的拡大のなかに未来社会を夢想する宗派主義と分岐した日本における革命的労働者党建設の前進を勝ち取ろう。 労働者人民が担うべきプロレタリア革命、プロレタリア独裁の内実を階級闘争の実践と理論活動の前進のなかから作り出していかなければならない。それは現代革命の実現に向けた綱領的内容の深化を勝ち取る闘いである。労働者階級の革命的実践をまさにプロレタリア革命に向けた経験として党的に蓄積していかなければならない。 われわれは二〇二五年、党勢拡大を闘っていく。われわれの政治的影響力を拡大し、具体的に党員の拡大、党組織の拡大を目指していく。党勢拡大そのものを目的意識的に独自の闘いとして追求していく。 われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、これらの闘いを政治闘争の中で実現していく。革命的理論は革命的実践との相互関係のなかでしか創出されない。思想的綱領的深化は真空の中で創造されるのではない。それは、国家権力との闘い、労働者階級人民との結合を最大の根拠とする。 すべての皆さん! 日本の階級情勢は二〇二五年から数年にわたって戦争と改憲をメルクマールに進んでいくであろう。われわれは、この戦後日本社会の在り方を根底から問う情勢下にあって、真っ向から国家権力と闘っていく決意である。国家権力に肉薄する闘いの貫徹のなかでこそ現代共産主義の中身が明確になっていく。それこそが共産主義運動の飛躍に他ならない。われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、本二〇二五年をアジア人民と連帯した反戦、そして反改憲の重要な年として構えて闘っていく。全国・全人民はわが共産主義者同盟(統一委員会)とともに反戦・反改憲決戦の二〇二五年を闘いぬこう! |
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