共産主義者同盟(統一委員会)


1670号(2024年12月5日)







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 戦争と排外主義の激化を許すな!
 
今こそ自国帝国主義打倒の闘いを

 
12・22沖縄県民大会 全国でともに闘おう




 一一月米大統領選で前大統領トランプが再び選出される結果となった。
 ロシア・ウクライナ戦争、イスラエルのガザ虐殺戦争が続き、世界は分断と対立が強まっている。自国第一主義を掲げるトランプは、独善的な人事を次々に発表している。トランプが排外主義と戦乱を激化させることを決して許してはならない。
 反戦闘争を闘い抜く米国の労働者階級人民とともに、今こそ自国帝国主義打倒の闘いに立ち上がろう。


米帝トランプが激化させる世界の分断と対立

再登場したトランプ

 米大統領選挙は一一月五日に投開票され、共和党の前大統領ドナルド・トランプが次期大統領に決まった。年明けの一月二〇日に就任式が行われる。トランプは、選挙人獲得数だけでなく、得票総数でもハリスを上回った。二〇二〇年と二〇二四年の大統領選挙の得票数を比べると、トランプは、二〇二〇年は約七四二二万票、二〇二四年は約七五三五万票だった。確かにトランプへの投票数は増えているが、それは約一一三万票だった。それよりも、民主党候補者への投票は、二〇二〇年に約八一二八万票あったのが、二〇二四年には約七二一三万票と、約九一五万票も落ち込んでいる。つまり、共和党トランプの票が増えるよりも、民主党への投票が相当に落ち込んでいるのだ。二〇二〇年にトランプ政権を批判し、民主党に期待した人たちの少なくない人たちが、二〇二四年の選挙では投票に行かなかったのだ。
 これには経済的また政治的理由が挙げられる。バイデン政権は労働者や貧困層が物価高騰で生活に困窮する中、その対策に力を傾注するよりも、パレスチナ人民の虐殺を続けるイスラエル―ネタニヤフ政権を支持し、武器を供与し続けた。これに対する反発から、少なくない人たちが民主党に投票しなかった結果だ。こうした事態について、サンダース上院議員は「労働者階級の人々を見捨てた民主党が労働者階級から見捨てられても、さほど大きな驚きではない」と指摘している。

ガザ虐殺戦争の支援強化許すな

 トランプは、ウクライナ戦争、イスラエルのガザ侵攻・中東戦争拡大を止めると言いつつ、中東に関しては「イスラエルの勝利が必須だ」と強調している。
 前政権時代にトランプは、在イスラエル米大使館をエルサレムに移転する暴挙など、ネタニヤフ政権を全面的に支える政策を強めた。今、ガザ虐殺戦争の最中にイスラエル支援を強めようとするだろう。
 トランプ政権下で強まるであろうネタニヤフ支援に対して、パレスチナ人民の虐殺を弾劾し、国際的な反戦闘争に立ち上がろう。

「米国第一主義」の横暴

 物価高、低賃金労働者の生活苦、貧困が進む米国にあって、その物価高騰を民主党政権の責任だと言いなして、トランプはバイデンとハリスを批判し、大統領の座をもぎとった。
 トランプは「米国第一主義」「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again(MAGA))」を振りかざして、環境政策を後退させ、関税を引き上げ、移民に対する強制送還など排外主義政策をさらに激化させるだろう。
 米帝国主義の利害を振りかざすトランプは、米国内での格差と対立、そして世界規模での分断と対立を、さらに強めるだろう。
 むき出しの帝国主義の利害で、戦争へと突き進む政治を絶対に許してはならない。
 トランプ政権と対決して闘うアメリカの労働者階級人民と連帯し、国際的な反戦闘争の一翼を担っていこう。アメリカ人民にも日本の人民にも、今こそプロレタリア国際主義が問われている。


石破政権と保守野党の結託を許すな

 自公政権が敗北した総選挙後、一一月一一日の臨時国会で首班指名が行われ、石破茂自民党総裁が、第一〇三代首相に就任した。少数与党の第二次石破政権が発足した。
 衆議院では三〇年ぶりとなる決選投票が行われたが、維新の会や国民民主などは自分たちの党首名を記入することによって石破政権の成立を後押し、自公の補完勢力であることを明確にした。
 石破政権は、衆議院の多数を確保できないがゆえに、維新の会や国民民主党などの野党と、政策ごとの協議を行うことで国会運営をなそうとしている。維新の会や国民民主は、野党ではあるが、日米安保や原発推進政策などでは自公とさしたる違いはない。
 物価高、実質賃金低下が続き、労働者人民が生活苦に直面する状況の中で、国民民主は「手取りを増やす」などの主張で一定の支持を確保してきた。石破政権はこうした国民民主などの野党を取り込みながら、裏金問題に端を発した政治資金問題や、生活に直結する課題での政策的な「成果」で、支持を回復しようとするだろう。
 しかし、石破政権も国民民主、維新も労働法制の改悪など格差と貧困を拡大してきた新自由主義政策の根本には手を付けようとはしない。労働者の手取りがいくら増えるのか、ということだけの協議で政策が決定される状況を絶対に許してはならない。
 石破政権が少数与党に転落しているとはいえ、自公政権として、改憲と戦争準備を強める政策を抑制している訳では決してない。
 石破は、自民党総裁選において、憲法改正については緊急事態条項の創設や9条への自衛隊明記など、国会で憲法改正議論を促進し、総理大臣在任中に憲法改正の発議を実現すると主張してきた。また自衛権のあり方などを規定する「安全保障基本法」の制定、アジア地域の新たな多国間安全保障体制「アジア版NATO」の構築、米国の核兵器を日本で運用する「核共有」の議論の必要性などを主張した。
 石破首相は、トランプが大統領選に勝利するや即座に電話会談を行い、「日米同盟を新たな高みに引き上げるために協力していくことを確認した」。
 石破政権は、改憲攻撃、日米軍事同盟強化を進めてくるだろう。日米軍事同盟の強化、日米共同軍事演習、多国間の軍事演習、自衛隊基地の強化こそ、改憲と戦争に向かう具体的攻撃だ。この一つひとつの攻撃を許さず、阻止しよう。


戦争と改憲を打ち破る反戦反基地闘争を

 日米同盟を基軸として、中国敵視、朝鮮民主主義人民共和国敵視の軍事同盟の拡大、強化が進んでいる。
 一〇月二三日から一一月一日まで、日米共同統合演習(実働演習)キーンソード25が行われた。自衛隊約三万三〇〇〇人、米軍約一万二〇〇〇人が参加した大規模な演習で、二三都道府県で自衛隊施設・米軍施設をはじめ多くの民間空港・港湾が使用された。石垣島では今回初めてキーンソード演習が行われ、米海兵隊KC130輸送機が新石垣空港を使用して高機動ロケット砲システム・ハイマースが搬入された。与那国島では初めて、米海兵隊と陸上自衛隊のオスプレイが展開した。しかも、陸自オスプレイは離陸時に機体を損傷する事故をひき起こしている。
 敵基地攻撃能力の確保、増強を許してはならない。この闘いの現場は反基地闘争だ。
 全国の反基地闘争、反戦闘争の結合を強化しよう。在日米軍基地、自衛隊基地の強化が進んでいる。辺野古新基地建設阻止をはじめとした全国の反基地闘争の結合が重要だ。琉球弧、大分・敷戸、京都・祝園などで、自衛隊ミサイル基地や弾薬庫建設に反対する新しい基地反対闘争が始まっている。そうした全国の反基地闘争の交流、結合を進めよう。
 プロレタリア国際主義に立脚し、アジア人民とともに闘おう。改憲を阻止し、侵略反革命戦争反対に立ち上がろう。
 石破自公政権は「台湾有事」「朝鮮半島有事」を煽動し、「台湾有事」「朝鮮半島有事」を想定した実動演習、日米合同軍事演習・多国間軍事演習を強めてきている。今年に入って六月、一一月と日米韓合同軍事演習「フリーダムエッジ」が行われている。
 自公政権は、中国、朝鮮民主主義人民共和国を敵視し、民族排外主義を煽り立てて、戦争情勢を作り出そうとしている。排外主義戦争を打ち破り、韓国、台湾、フィリピンをはじめとするアジア人民との連帯行動を実践し、国際共同行動として反戦反基地闘争を進めよう。
   

 


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