1668号(2024年11月5日) |
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11月岩国行動に全力で結集しよう 窮地の石破政権を反戦反基地闘争で打倒 新たに発足した石破政権は、労働者人民の利害を代表するものではない。政治資金裏金問題が改めて暴露した自民党の腐敗を温存させ、戦争・改憲攻撃に突き進もうとしている。このような政権は労働者人民の力によって打倒するしかない。 日米軍事同盟と対決し、石破政権を打倒する全人民的政治闘争の高揚に向けた闘いの一環として、「2024岩国行動」を支持し、その成功を勝ち取るために奮闘しよう。 ●政治腐敗を存続させ、軍拡を推進する石破政権を打倒せよ 自民党総裁選を制した石破茂は一〇月一日、国会で首相に選出され、自らの内閣を発足させた。その直前に、「一〇月九日に衆院を解散し、二七日に総選挙を行う」ことを表明した。総裁選の過程では国会での論戦を経なければならないとして早期解散に否定的だった石破だが、わずか数日のうちに態度を変え、首相就任から最も短期間での衆院解散・総選挙に突き進むことを宣言した。 石破はもともと、日本独自の軍事展開能力を増強しつつ、いわば「対等な日米同盟」を追求することを持論としてきた。それは自民党総裁選での石破の政策集のなかでは、「安全保障基本法の制定」、「日米同盟の対称化」、「日米地位協定の改正」、「地域の多国間安全保障体制(アジア版NATО)の構築」などとして語られていた。しかし、一〇月四日に行われた所信表明演説では、それらの主張はまったく影をひそめ、経済政策を含めて、自らが岸田政権の諸政策を継承することが押し出された。異なるところは、「地方創生」を多少強調していることぐらいである。 石破はそのように自らの突出した主張をいったん「封印」することで、政権の安定および自民党の党内安定を図ろうとしている。しかしそれは、安保三文書(二〇二二年一二月)や今年四月の日米首脳会談での日米統合司令部の創出に向けた米軍と自衛隊の指揮・統制での連携強化など、自衛隊による敵基地攻撃体制の本格的な構築と日米軍事同盟の新たな段階への飛躍という岸田政権が敷いた路線をいっそう前に向かって進めるものである。それは日帝ブルジョアジーの要請であり、この点では石破新政権と岸田前政権の間には何の矛盾もない。われわれは、石破政権に引き継がれることになる琉球弧を最前線とした日帝の侵略反革命戦争体制構築策動、日米軍事同盟の飛躍的強化と、断固として対決していかなくてはならない。 また、所信表明演説の最後に石破は、改憲についての意思を表明し、「私が総理に在任している間に発議を実現していただく」と述べた。 自民党の「憲法改正実現本部」は、岸田が在任中の九月二日に、改憲に関する党内の「論点整理」をまとめた。その内容は第二次安倍政権時代の二〇一八年に自民党がまとめた「条文イメージ(たたき台素案)」を基本的に踏襲するものであるが、その核心は憲法への「自衛隊」の明記、および、緊急事態条項の創設だ。 憲法への「自衛隊」の明記については、現行の憲法九条(一項、二項)の後に「九条の二」を新たに設け、そこに「自衛のための実力組織」として「自衛隊」を明記するという案が有力だ。また、緊急事態条項の創設に関しては、「武力攻撃、テロ・内乱、感染症蔓延など」を口実としながら、非常時に内閣の判断で発出できる個別法を超えた「緊急政令」や、国会議員の任期延長などを明文化しようとしている。 石破はもともと「九条の二」の新設ではなく、現行の九条二項を削除して、現在の自衛隊を「国防軍」に改めて憲法に明記するという、より反動的な主張を繰り返してきたが、総裁選後の記者会見では「論点整理」に沿って進めると表明している。しかし、いずれにせよ、現在進行中の実質改憲のみならず明文改憲に向けた動きは、石破政権の下でますます強まっていこうとしており、この策動を打ち砕く労働者人民の闘いの前進・拡大は不可欠である。 加えて、政治資金裏金問題への対応の問題である。解散・総選挙にあたって、石破は当初、問題となった議員に対して原則公認の態度をとった。しかし、世論およびそれによる選挙結果を憂う自民党内からの反発を受けて、慌てて態度を変え、安倍派を中心とした裏金問題で処分を受けた議員一二人の「非公認」を決めた。このことは、石破にとって裏金問題は些細な問題にすぎないこと、それを許容するような腐敗を石破もまた共有していることを示している。 安倍晋三と統一教会の関係に関して新事実も暴露されている状況だ。石破政権の法相に就任した牧原秀樹は、統一教会の集会や会合に一〇回も出席していたことが明らかになっている。 政治腐敗を存続させ、戦争・改憲攻撃を推進しようとする石破政権の打倒に向けた全人民的政治闘争の前進を勝ち取っていかなくてはならない。 ●日米軍事同盟と対決し、岩国行動に全国から結集しよう 一〇月二三日から一一月一日まで、自衛隊三万三〇〇〇人、米軍一万二〇〇〇人の参加によって大規模な日米共同統合演習「キーンソード25」が実施された。奄美大島から与那国島に至る琉球弧の島々を主要な舞台に、全国二三の都道府県の米軍基地・自衛隊基地で関連演習が行われた。この演習はまた、オーストラリア、カナダ、韓国、フィリピンその他の軍隊が参加する多国間軍事演習として展開されている。 沖縄島、宮古島、石垣島では、陸自の12式地対艦誘導弾の展開訓練が行われ、与那国島には米軍と自衛隊の双方のオスプレイが飛来した。石垣島や奄美大島ではロシア・ウクライナ戦争のなかで有名になった高機動ロケット砲ハイマースを使用した訓練が行われた。この演習はまさに沖縄の島々を敵基地攻撃のための出撃拠点とし、そして戦場に見立てた実戦的な戦争演習であった。「特定利用空港・港湾施設」の指定など、民間施設の軍事利用が強まるなかで、今回の演習でもいくつもの空港・港湾施設が軍事演習のために使用された。 このキーンソード25が象徴するように、中国包囲を目的とした日米帝国主義による「インド太平洋戦略」の下、日米軍事同盟が自衛隊の敵基地攻撃体制の構築を含めて画段階的な強化に向かうなかで、二国間・多国間の合同軍事演習は頻度を増し、その内容も強化されている。それは東アジアおよびアジア太平洋地域の軍事緊張をいっそう拡大させていかざるをえない。 このような情勢のなかで、アジア共同行動(AWC)日本連絡会議と岩国・労働者反戦交流集会実行委員会は、きたる一一月一六日と一七日に「2024岩国行動」を開催する。われわれはそれを全面的に支持し、闘う仲間に全国から総結集することを訴える。 米軍岩国基地は日本「本土」における米軍の展開拠点としてますます強化されている。厚木基地からの空母艦載機の移転は、岩国から広島西部など広範囲に深刻な騒音被害を拡大させてきた。それだけでなく、今年に入って米海軍のCMVオスプレイと最新鋭ステルス戦闘機F35Cの岩国配備が決定された。「遠征洋上基地」と呼ばれる米海軍の大型艦船ミゲルキースや強襲揚陸艦アメリカなど、米艦船の入港が相次いでいる。先般の日米共同統合演習キーンソード25においても岩国はその演習地となってきた。 このような状況の中で取り組まれる「2024岩国行動」の意義と獲得目標は鮮明だ。 第一に、ますます強化される日米軍事同盟と対決し、日本帝国主義の戦争・改憲攻撃を粉砕する現場からの闘いとしてその成功を勝ち取ることである。「台湾有事」や「朝鮮有事」を煽り立てる政府の排外主義を許さず、日米軍事同盟と正面から対決する闘いとして「2024岩国行動」の成功を実現していくことである。 第二に、岩国の住民の粘り強い闘いと結びつき、その闘いの前進に寄与していくことである。岩国では、毎月三回の「愛宕山見守りのつどい」をはじめ、基地と基地強化に反対する住民の行動が続けられている。七月二一日には、日米共同訓練レゾリュート・ドラゴンに対する抗議行動が取り組まれた。これら不屈に闘う岩国住民との連帯をさらに拡大していかなくてはならない。 第三に、全国反基地闘争の結合とその前進を勝ち取っていくことである。琉球弧の島々を最前線に全国規模で加速する戦争体制づくりに対して、全国各地の現場での闘いを結びつけ、全国的に共同した闘いを組織していこう。辺野古新基地阻止闘争への連帯を進めること、琉球弧での自衛隊ミサイル基地建設およぴそれと関連した大分・敷戸、京都・祝園(ほうその)などでのミサイル弾薬庫建設に対する抵抗の連帯・結合を推進していこう。 第四に、労働者反戦闘争の前進を勝ち取っていく機会とすることである。現在の情勢下、経済闘争と政治闘争を結合し、労働者の階級形成をおし進めていくために、労働組合の反戦・反基地闘争への決起はきわめて重要な課題である。現在の情勢下、労働運動活動家による岩国・労働者反戦交流集会実行委が積み重ねてきた努力と成果をさらに大きく前進させていこう。 第五に、アジア人民と連帯した国際共同闘争として、「2024岩国行動」の成功を勝ち取っていくことである。日米帝国主義の「インド太平洋戦略」に対して、反帝国主義・プロレタリア国際主義にもとづくアジア太平洋地域人民の連帯と共同闘争を大きく前進させていかなくてはならない。そのような闘いとして、「2024岩国行動」を実現していこう。 排外主義を打ち破り、現場から日米軍事同盟粉砕―石破政権打倒の闘いの前進を切り拓いていこう。 |
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