1667号(2024年10月20日) |
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労働者階級の力で石破政権打倒 11月岩国行動に全国から結集を 九月二七日自民党総裁選を経て、一〇月一日石破自公連立政権が発足した。石破は総裁選での主張「国会で野党と十分な論戦を行なってから解散総選挙をするべき」を翻し、首相に就任する前日に、最短日程での衆院解散総選挙を行うことを公表した。ぼろが出ないうちに信任を得ようとする戦略だ。解散前の予算委員会の見送りについて、多くの批判がある。自らの方針を貫くことができない党内基盤の弱さがある。また安倍政治の後継をうたった高市も約47パーセントの得票で二位となり、自民党内の支持が二分した。高市支持に極右・日本会議が大きな影響力を持っている。警戒が必要だ。 ●軍事同盟再編強化めざす自民党新総裁石破 二〇一三年一一月、第二次安倍政権の自民党幹事長だった石破は、自民党本部で沖縄「県」選出・出身の自民党国会議員らに辺野古移設を容認させた。会見の様子は「平成の琉球処分」と沖縄では厳しく批判された。二〇一四年の名護市長選では、名護に限定した五〇〇億円規模の「振興基金」創設を掲げ、「アメとムチ」だと非難された。 総裁選の直前に、米シンクタンク・ハドソン研究所のホームページに石破の寄稿が掲載された。「安保条約改定、アジア版の北大西洋条約機構(NATO)」の創設を前提に日本を含む参加国への米国の核兵器の持ち込みを検討すべきだと主張した。持ち込みを禁じる日本の「非核三原則」に反するものだ。中国を敵視し、アジア地域の緊張を煽ることを許してはならない。また米国に自衛隊訓練基地を作り、日米地位協定改定を求めていくとする。でたらめな主張だ。 石破は自衛隊が定員割れとなっている状況を憂い、自衛隊の充実を主張する。憲法への自衛隊明記や制度の見直しを求めている。 靖国神社は戦死、戦傷病死をした軍人、軍属とそれに準じる人々を英霊として祀る神社である。明治時代に建てられた。その宮司に、今年四月元海将が就いた。政教分離違反の疑いが強い。陸自、海自の幹部が部下と一緒に靖国神社に集団で参拝している。戦前のように士気高揚に靖国神社を活用しようとしている。石破は徴兵制を持論とし、天皇の靖国神社参拝を求めている。 石破は、安倍や岸田のように、米帝の言いなりの軍事同盟ではなく、対等の立場で日帝の利害を主張しながら軍事同盟を強化していこうとするだろう。「日本の国益」から主張し、日帝が主導的立場で軍事同盟の強化、拡大を進めていこうとするものだ。石破自公政権を打倒しよう。 自民党が改憲への「論点整理」 自民党は、国会で憲法審査会を積み重ね、改憲に向け突き進んでいる。自民党「憲法改正実現本部」は九月二日、改憲を具体化するための「論点整理」を公表した。改憲に向けて機運醸成を図ろうとしている。 九条に条文を新設して自衛隊を明記し、シビリアンコントロール=文民統制についても規定するとしている。シビリアンコントロールに関する条文は、九条ではなく、内閣の職務などを規定する七二条や七三条に盛り込むことも選択肢だとする。また「緊急事態条項」の新設について、大災害や武力攻撃、感染症のまん延などを「緊急事態」とし、政府が法律と同等の効力を持つ「緊急政令」を国会の議決なしに定めるとする。そして、条文化の作業を加速させ、速やかに改正原案の国会提出につなげるとしている。憲法の平和主義を最終的に破壊する策動を粉砕しよう。 自民党の腐敗と反動 岸田から石破に首相が変わったからといって、政治資金裏金問題も、統一教会との癒着問題も全く変わってはいない。安倍政権と統一教会の関係に関して新事実も暴露されている状況だ。腐敗と反動、排外主義を強める自公政権を放置してはならない。 ●戦争と改憲を打ち破る反戦―反基地闘争を 今秋期、われわれは、沖縄―辺野古新基地建設阻止をはじめとする反基地闘争、反原発闘争、三里塚闘争、狭山闘争など、連続して闘い抜いてきている。石破自公政権の反動攻撃と対決し、改憲阻止の反戦―反基地闘争に立ちあがろう。 大浦湾への杭打ち工事は、八月に強行されて以降、今も続いている。技術的に困難な工事が無理やり強行されている。沖縄防衛局はこれまで調査を拒否していたB27地点(大浦湾で海面下九〇メートルまで軟弱地盤が続いている地点)でボーリング調査をはじめた。その結果、地盤があまりに軟弱であることが明らかになるだろう。設計の見直しが求められることは必至である。防衛省は、調査結果は公表しないとするが、大浦湾の護岸の安定性が問われるものであり、結果を速やかに沖縄「県」に報告し、公表しなければならない。調査結果によっては設計の見直しが必要となる。しかし、再度の設計変更申請で済むことではなく、辺野古新基地建設事業が頓挫する可能性が高まってきたといえる。少なくとも、今回のボーリング調査結果により護岸の安定性を精査するまで、大浦湾の全ての工事は中止するべきである(北上田さんのブログ九月八日)。 六月二八日、安和桟橋の土砂ダンプに対する抗議行動で、警備員が亡くなり、抗議する女性が重傷を負う事故が発生した。女性は、ダンプが二台続けて出ることに抗議し、二台目の車を止めようと車に近づいたが、警備員に止められた。ダンプも一旦止まった。右側についていた警備員が安全不確認で発車誘導を行い、ダンプ運転手も安全不確認で発車させ、左側にいた警備員と女性を轢いてしまった。救急車で運ばれ、女性は二回の大手術で一命をとりとめた。現在も入院中で、亡くなった警備員、発車の誘導をした警備員、当事者のダンプ運転手に対し「心が痛い」と声を詰まらせる。「みんなが犠牲者。加害者は防衛局だ。民意に反して工事を強行し、作業の加速まで命令した。なのに市民側を犯罪者に仕立て、ふんぞり返っている」と話す。女性は再び現場に立つことを目指しリハビリを続けている、 安和桟橋前では、辺野古土砂運搬のために桟橋の利用を開始した二〇一八年以降、約三〇件の事故が起きている。工事の強行により、事故が増えるばかりである。安和桟橋を使うのをやめ、工事をやめるべきだ。事故を「理由」にして、警察の警備が強化されている。沖縄の人々は、基地建設を止めるため、少しでも遅らせるため、ゲート前、海上で、不屈に闘っている。連帯して闘おう。 六月二五日の報道で、米空軍の兵士が少女に性的暴行をしたなどとして起訴されていたことが明らかになったのをはじめ、女性への性暴力事件について、報道されるまで「県」警・外務省が「県」に連絡しないケースが相次いだ。 七月一二日、那覇地裁でこの事件の初公判があった。国の動きとしては、一二月二八日、辺野古の新たな区域の埋め立てに必要な設計変更を「県」に代わって国が承認する「代執行」をした。四月八日から岸田首相は国賓待遇で米国を訪問し、首脳会談や議会で演説した。五月には、米国のエマニュエル駐日大使が、台湾に近い日本最西端の与那国島を初めて訪れ、「戦争を防ぐいちばんの方法は確かな抑止力だ」と日米同盟の重要性を訴えるセレモニーを行った。六月一六日に沖縄「県」議会議員議選が行われ、玉城デニー知事の「県」政与党は議席を減らした。六月二三日、沖縄慰霊の日。「沖縄全戦没者追悼式」には岸田首相も参列し、追悼の言葉を述べた。 これらの政治日程のために、事件を公表することが政権にとって都合が悪かったのだろう。「被害者のプライバシー保護」を口実に、半年にわたり隠蔽した。一九九五年沖縄少女暴行事件のあと、一九九七年の日米合同委員会合意は、在日米軍に関する公共の安全や環境に影響を及ぼす事件については「地域社会に対し正確かつ直ちに提供する」としたが、後退している。速やかに「県」に連絡し、報道されることで、次の被害を予防しうる。沖縄「県」の公表のあと、長崎、福岡、山口、神奈川、青森の各県でも、非公表事例が明らかになった。 解決策は基地をなくすことである。沖縄人民と怒りをともにし、新基地建設を阻止しよう。 琉球弧、九州のミサイル配備許すな 琉球弧、九州を中心に、ミサイル弾薬庫の新設・増設が強行されている。 対中国包囲を企図した日帝の敵基地攻撃能力は、まずもって、琉球弧をはじめとした西日本へのミサイル配備として物質化されてきている。二〇一九年三月佐世保に、水陸機動団(日本版海兵隊)の分屯地が開設された。島の奪還作戦を担うとされる。湯布院駐屯地に置かれているミサイル部隊「西部方面特科隊」が「第二特科団」に格上げされた。九州・沖縄に展開しているミサイル部隊を統括する司令部となる。奄美大島には奄美駐屯地(奄美市)と瀬戸内分屯地(瀬戸内町)が開設された。宮古島に駐屯地、保良訓練場(弾薬庫)、与那国島に沿岸監視隊、石垣島に八重山警備隊を配備。 弾薬庫を、大分・敷戸、京都・祝園、鹿児島さつま町、宮崎えびの駐屯地などで作ろうとしている。これこそ、改憲―戦争攻撃の具体化だ。地元の住民が、国際人道法・軍民分離の原則に違反すると批判し、反対している。 九月二六日夜、新石垣空港で、国民保護法に基づく「武力攻撃予測事態」の発出を想定した住民避難の手順の確認(内閣官房・消防庁、沖縄「県」、石垣市、竹富町共催)が行われた。武力攻撃予測事態になれば、着の身着のまま、生業を奪われ九州・山口へ避難を強いられる。沖縄の人々は「軍隊は住民を守らない」ことを知っていて、ミサイル基地や弾薬庫に反対している。 琉球弧、敷戸、祝園をはじめ各地で、住民とともに反基地闘争に立ち上がり、この攻撃を粉砕していこう。 岩国に全国から結集しよう 岩国基地は、「台湾有事」を想定した日米合同軍事演習の拠点基地となっている。七月二八日から八月七日までレゾリュート・ドラゴン(離島奪還訓練)で、九州・沖縄を舞台に合同演習が行われた。はじめて岩国基地が使われた。 合同演習反対、オスプレイ配備反対、米兵犯罪隠蔽を弾劾して七月二一日、岩国市内で集会デモを闘った。 一の日愛宕山見守りの集いで、市民は粘り強く反対の声を上げている。岩国基地に反対して国際共同行動をとることは重要だ。韓国、台湾などアジア各国・地域の民衆との国際連帯行動こそ、日帝の民族排外主義煽動に対する実践的な反撃だ。岩国・労働者反戦交流集会実行委員会とアジア共同行動が主催する一一月一六、一七日岩国行動を成功させよう。 |
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