共産主義者同盟(統一委員会)


1666号(2024年10月5日)







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 アジア版NATO粉砕! 石破政権打倒
 
改憲阻止掲げ、反戦反基地闘争を闘おう





 九月二七日の自民党総裁選で新たに石破茂が自民党総裁に就任し、組閣に入っている。
 岸田は自民党総裁選に不出馬を表明しながら、首相在任中の最後にも、改憲と戦争の反動的路線をさらに推し進めようとしてきた。一つには改憲への道筋をより強めることであり、もう一つは米帝、韓国、オーストラリアなどとの軍事外交関係を積極的に推進することである。
 石破自公政権も、この岸田政権の腐敗と反動を引き継ぐものである。戦争と改憲の攻撃が加速する状況下にあって、この大軍拡の現場、軍事基地に対して、断固反対して闘い抜くことが問われている。全国で反戦―反基地闘争を闘い抜き、日帝―石破政権打倒を闘い抜こう。


改憲に突き進む自公政権打倒

自民党が改憲への「論点整理」

 自民党「憲法改正実現本部」は九月二日、改憲を具体化するための「論点整理」なるものを公表した。
 一つは、「九条への自衛隊明記」である。岸田政権は、「九条の二」を新設して自衛隊を明記するという安倍政権時代の方針を継承することを確認した。
 二つ目は、緊急事態条項である。緊急事態とする対象を「国難ともいうべき武力攻撃、テロ・内乱、感染症まん延等」とすることを確認。非常時に内閣の判断で発出できる「緊急政令」の制度を新設することを提起している。また、緊急時における国会議員の任期延長に関する「特例」についても条文化する必要性があるとした。
 岸田は、「憲法改正に向け、自衛隊の明記を含めた複数のテーマについて一括して国民投票にかけるべく議論を加速させる。その準備が整ってきた」と述べ、「新総裁に引き継いでもらえるよう、私自身も申し送りする」と語った。
 新総裁石破は、岸田政権の「論点整理」を引き継ぐ発言をしている。岸田が進めた改憲攻撃は、次期首相が誰であろうが、自公政権である限り、継続強化されようとしている。
 そうである以上、戦争体制と改憲の攻撃を打ち破るには、自公政権を打倒する以外にはない。

岸田の反動外交を許すな

 政権移行直前の九月六、七日、岸田は訪韓した。岸田は自らが着手した日米韓の三国軍事協力を再確認して、次期政権の外交にも影響を及ぼそうとしているのだ。
 九月六日の岸田と尹錫悦(ユンソギョル)の日韓首脳会談においては、第三国に滞在する日韓両国民の保護のための相互協力の覚書を結んだ。「第三国の情勢悪化」によって自国民を出国させる場合、日韓が緊密に連携し協力する、という合意文書だ。日韓、日米韓の軍事協力関係強化の一環として確認された覚書だ。
 岸田はさらに、九月二二日から国連総会出席のためとして訪米した。デラウェア州ウィルミントンのバイデンの私邸で日米首脳会談を行った。岸田、バイデンともに最後の首脳会談だが、日米で強めてきた対中包囲網、そして米軍・自衛隊の指揮統制の連携強化(戦時の指揮権の一体化)を再確認するものだった。
 そして、この直後には、日米豪印四カ国のクアッド首脳会合を開催し、「ウィルミントン宣言」なる共同声明を発した。日米豪印四カ国の沿岸警備部門での連携強化、半導体の供給網の強化などを確認した。とくに、南中国海情勢に関して「深刻な懸念」を表明し、「海上保安機関と海上民兵船舶の危険な使用を非難」という文言で中国を非難した。
 岸田政権として九月五日には、外相上川と防衛相木原がメルボルンで、日豪外務・防衛担当閣僚会議(2+2)を開催した。「敵基地攻撃」に関して日豪が協力を深化することを確認している。「中国のフィリピンへの威圧的行動」に対する批判で一致し、二〇二五年の日米共同訓練に豪軍が初参加することを確認した。
 岸田政権はオーストラリアを「準同盟国」と位置づけてきた。日米同盟を軸にしながら、オーストラリア、韓国、フィリピンなどアジア太平洋諸国の同盟関係強化に踏み出そうとしているのだ。戦争準備の外交を絶対に許してはならない。


自公政権打倒! 秋期政治闘争を闘おう

辺野古埋め立て阻止、基地撤去

 岸田が退陣を決めて総裁選で自民党が「再生」するかのごとく騒がれてきたが、その自公政権の腐敗と反動は、この総裁選中も進んできた。中国、朝鮮民主主義人民共和国に対する敵視を強めることで、軍事同盟の強化と拡大がなされてきた。そして、敵基地攻撃能力の確保のためのミサイル弾薬庫の新設、拡張、強化が琉球弧から西日本を中心に進んでいる。
 沖縄では、辺野古新基地工事の設計変更承認を「代執行」で強行した上で、大浦湾の軟弱地盤工事着工が今夏強行された。海面下九〇メートルまで杭を打ち込んで、マヨネーズ状の海底の上に新基地を建設しようという、現在の技術では全く不可能な工事だ。大浦湾の貴重な生態系を破壊し、結果として失敗するような工事が強行され続けているのだ。
 この状況の中で、在沖米軍の性暴力事件が明らかになった。しかも、政府は事件を隠蔽していた。
 沖縄人民の怒りは八月一〇日、沖縄県民大集会への二五〇〇人の大結集となった。東京をはじめ、全国で、この沖縄人民の怒りをともにする行動が闘い抜かれた。
 しかし、九月に入って、さらに在沖海兵隊員による新たな性暴力事件が明らかになった。事件は六月に起こり、容疑者の海兵隊員は九月五日に送検されている。
 辺野古新基地建設、自衛隊基地の新設、増強など、岸田政権の大軍拡は岸田が退陣しても進んでいる。基地建設と米兵の性暴力事件の続発を絶対に許してはならない。岸田の大軍拡の現場となっている米軍基地、自衛隊基地に対する闘いこそ、反戦闘争の根幹である。反戦―反基地闘争を闘い抜き、自公政権を打倒していこうではないか。
 沖縄人民と怒りを共にし、辺野古現地攻防、全国での沖縄解放闘争を強力に進めよう。
 反基地闘争を闘い抜き、一一月岩国行動に全国から結集しよう。

10・13三里塚全国総決起集会に結集しよう

 市東さんの南台農地をめぐる耕作権裁判は、一審の最終局面になっている。九月三〇日に千葉地裁で最終弁論が行われ、早ければ年内にも判決が出されることになる。
 成田空港会社は、市東東市さん・孝雄さんが耕作してきた農地を取り違えたまま裁判を続けてきた。東市さんが署名捺印したとする「同意書」「境界確認書」を「証拠」として提出したが、その文書作成過程の記録文書提出を拒み続けたため、証拠としての価値はなくなっている。本来ならば空港会社側の訴えそのものが棄却されるべきだが、三里塚の裁判ゆえ予断を許さない。
 昨年二月に天神峰の農地が強制執行された。反対同盟は「再びの強制執行は許さない」という構えで連日闘っている。市東さんの南台農地強奪を絶対に許してはならない。反対同盟とともに裁判闘争を闘い抜こう。
 空港会社は、「空港機能強化策」として、二〇二二年にB滑走路北延伸工事に、昨年末に第3滑走路(C滑走路)工事に着手している。いずれも「準備工事」と発表しているが、二九年三月完成に向けた工事が開始されている。この空港拡張工事に伴って、深夜・早朝の飛行制限時間を四時間にまで短縮しようとしている。空港周辺住民に、騒音地域拡大による生活破壊が襲いかかろうとしている。
 空港会社はさらに空港機能強化後に向けて、「新しい成田空港構想」なるものを掲げ、その「とりまとめ2・0」なる文書を、七月三日国土交通省に提出した。その中身は、①ターミナル全体の集約型ワンターミナルへの建て替え、②新貨物施設の整備、③空港アクセスの整備、④「地域共生・まちづくり」というものである。つまり、空港内部と周辺地域を成田空港中心に作り変えていこうという「構想」だ。税金を湯水のごとく注ぎ込み、空港周辺の住民に対して移転―叩き出しを強いる攻撃を絶対に許してはならない。
 軍事空港建設阻止を掲げて五八年間闘い続けてきた三里塚闘争は、今こそ反戦の砦としての真価を発揮する時だ。「農地死守・実力闘争」の基本原則を貫いて闘う反対同盟とともに、空港廃港まで闘い抜こう。
 10・13三里塚へ、全国から総結集しよう。

10・31狭山中央闘争に結集しよう

 現在狭山闘争は最大の決戦局面にある。二〇二二年八月二九日、石川一雄さん夫妻と狭山弁護団は、狭山第三次再審闘争の「事実取調請求書」を東京高裁第四刑事部・大野裁判長(当時)に提出した。再審への新証拠鑑定人一一人の証人尋問・事実調べと万年筆インクの鑑定を求めてきている。証人尋問・事実調べを要求する署名は全国で五二万筆以上を数え、東京高裁に提出された。だが大野は判断をせずに、逃亡した。昨年末に家令和典裁判長に交代し、攻防の山場は今も継続している。
 今年八月二七日に第六一回三者協議が開かれた。その場で検察官は、弁護団が前回六月の三者協議前に提出した筆跡、スコップ、万年筆インクについての新証拠、補充書に対する反論書面を一〇月末までに提出する予定だとした。狭山弁護団はこれに先立ち八月一九日、万年筆インクの鑑定に関する申入書を東京高裁第四刑事部に提出した。弁護団は鑑定に向けた準備を進め、今後は専門家による分析鑑定も含め、弁護団が求める鑑定人尋問の実施が焦点となる。証人尋問の実施、そして再審開始の実現に向けた重要局面だ。
 事実調べを求める署名運動・街頭行動や東京高裁への抗議・要請はがき運動をさらに推し進めていこう。
 狭山闘争は、差別の元凶たる国家権力に対する差別糾弾闘争として、石川一雄さん・早智子さんならびに部落解放運動の大衆的闘いを基本にして進められてきた。それらを支援する闘いもまた極めて重要である。
 部落解放運動は、戦前のアジア侵略戦争において天皇制権力に屈服したことを痛苦な教訓としている。戦後は新たに階級闘争の一翼を担い、戦争は最大の差別であると批判・糾弾してきた。そして反戦・反差別・反天皇の闘いを原則的に取り組み、かつ日帝ブルジョア政権と闘ってきた。何よりも六〇年にわたる狭山闘争の中で、「部落の解放なくして、労働者の解放なし」とする狭山共同闘争の内実をつくり、多くの労働運動や反差別運動との連帯・共闘を勝ち取ってきた。われわれはこのような狭山闘争の巨大な内実を生かし、部落解放―日帝打倒を闘っていく決意である。
 今年の10・31狭山中央闘争は、一一月一日に日比谷野音で開催される。全国から総力で決起していこう。全国で部落解放運動を闘う仲間とともに、石川さんの無罪を何としても勝ち取ろう。
   

 


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