共産主義者同盟(統一委員会)


1659号(2024年6月5日)







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 虐殺やめろ イスラエルは停戦せよ
 今こそ国際共同行動を進めよう!

  
老朽原発うごかすな! 6・9大集会・デモへ



 イスラエルのガラント国防相は五月一六日、ガザ地区南部の都市ラファでの軍事作戦に地上部隊をさらに投入すると表明した。この間の戦闘の激化に伴い、一五日までにラファで約六〇万人が難民なったといわれている。ガザ全体では人口二三〇万人の三分の二以上が故郷を追われ、食料や医療などの保障もないまま難民生活を余儀なくされている。ガザの保健当局は、五月一五日までに犠牲者が三万五〇〇〇人を超えたと発表している。これ以上の戦闘拡大、人民虐殺を許してはならない!
 われわれは今こそ、プロレタリア国際主義を貫き、反戦闘争に立ち上がろう。六・七月に行われる一連のアジア共同行動を成功させ、国際共同闘争の前進を勝ち取ろう。


国際反戦闘争を闘い抜こう

 イスラエルのガザ大虐殺、ロシアのウクライナ侵略戦争が続く中で、アジア共同行動(AWC)日本連絡会は、六・七月に全国各地で国際連帯集会を準備している。アジア共同行動日本連は結成以来、反戦・反基地闘争を実践的な国際共同闘争として闘い続けてきた。この闘いの発展を勝ち取ろう。

南部ラファへの大規模地上作戦を許すな
 エジプトとカタールの仲介で五月七日からカイロで開かれていた停戦交渉は、ハマス側が停戦案受け入れの姿勢を示したにもかかわらず、イスラエル側がこれを拒否し、合意がなされないまま終了した。イスラエルはこの期間にもラファへの空爆を続けた。ネタニヤフは、米国が武器供与停止を示唆したことに反発し「(米国などの支援がなくとも)単独でも(軍事作戦を)行う」と述べる(五月九日)など、戦闘の継続・強化を示唆している。
 イスラエル軍はパレスチナ最南部の都市ラファ空爆に加え、北部の都市ジャバリエなどでも地上戦を展開している。攻撃を激化し、ラファで大規模な地上戦に踏み込もうとしている。
 一方、バイデン政権は五月一五日には、イスラエルに対して一〇億ドル相当の武器を供与すると発表するなど、イスラエルのガザ虐殺に加担する姿勢をあらわにしている。

世界で沸き起こるパレスチナ解放闘争
 イスラエルの同盟国である米国内においても、イスラエルが「報復攻撃」を開始して以降、学生たちによるデモや座り込み、授業ボイコット、ハンガーストライキ、キャンパス内での野営などの形態で、この戦争への抗議が継続している。
 例えばニューヨークのコロンビア大学では、四月三〇日夜に一〇〇人以上が逮捕されるなどし、抗議参加者の逮捕はこれまでに一〇〇〇人を超えている。また、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)では、抗議行動に反対するイスラエル支持派集団が棒やバットなどを手にバリケードに襲撃を仕掛けるなどしている。学生たちはこうした襲撃をはね返し、抗議闘争を継続してきた。
 しかしバイデン政権は、大学内に警官隊を投入するなどし、爆音筒や閃光弾を使って学生を排除、バリケードやテントを撤去した。四月末までに多くの大学で学生たちは強制排除された。
 大学キャンパスでの抗議行動は、四月末時点で少なくとも四五州、約一四〇校に広がったという。また、米国以外でも、イギリス、フランス、オランダ、カナダほか各地で、大学生や高校生が抗議行動に参加し、ガザへの攻撃停止、イスラエル企業への投資や共同研究の停止などを訴え、闘いを展開している。
 米国をはじめとする帝国主義諸国内でのイスラエル軍事支援に真っ向から反対する反戦闘争は、反政府闘争―反帝闘争に直結する闘いだ。全世界の学生・青年と結合し、国際反戦闘争―パレスチナ解放闘争に断固立ち上がろう。


労働者階級の国際共同行動を

 労働者、労働組合が反戦闘争、反基地闘争に立ち上がり、また、アジア諸国地域の人民との直接交流をもって進めてきた運動をさらに強化し、AWC日本連の国際連帯運動を拡大していこう。

アジア各国地域の労働者―労働組合との交流・連帯を
 アジア共同行動(AWC)日本連は、来年で結成から三〇年を迎える。約三〇年にわたって、日米帝国主義のアジアへの侵略・支配に抗する闘いと、そのためのアジア各国・地域の労働者・労働組合や民衆団体との交流や共同行動を積み重ねてきた。
 昨年からは、コロナ禍で中断を余儀なくされた相互訪問・人的交流を徐々に回復させてきた。五月のG7広島サミット反対現地闘争や六月のアジア共同行動各地集会、一一月の二〇二三岩国行動では、AWC参加団体の代表を招き、直接の人的交流を実現した。さらに一一月には、AWCに参加する各国・地域の代表が韓国に集い、第一九回CCB(国際幹事国)会議が開催された。実際に労働現場や反基地・反原発闘争の現場で闘う仲間たちと行動を共にし交流・討論することは、相互の労働者にとって貴重な経験であり、理解を深めあうことになると同時に労働者の国際連帯の必要を確信させるものとなった。
 今年も六月アジア共同行動が各地で取り組まれ、一一月には岩国行動も取り組まれる。アジアの闘う仲間との交流、共同行動を進めよう。

労働者―労働組合こそが反戦―反基地闘争を
 一一月岩国行動に向けて、岩国・労働者反戦交流集会実行委員会の結成が準備されている。沖縄や各地の反基地闘争・反原発闘争の中でも、労働者・労働組合は継続して闘いを担っている。労働者が経済闘争だけではなく、政治・社会を変革する運動を担い、日帝のアジアへの経済的・軍事的侵略を阻止していく闘いに立ち上がることは、きわめて重要なことだ。そうした位置づけの下、この春・夏の闘いをやり抜こう。
 連帯労組関西地区生コン支部は、六年にわたって権力弾圧と闘い続けている。関生支部の闘いは、ゼネコンなど大資本の労働者搾取と闘い組合員の生活を防衛するための闘いである。それと同時に、現在の社会が大資本の搾取・収奪によって格差や貧困が生み出されていること、大資本が利益を確保するために労働者の健康や生命、さらには人としての尊厳をも踏みにじることに対する抵抗である。労働者の解放のために社会を根本的に変革しようという闘いである。
 そうであるからこそ、資本と権力からの集中的な弾圧にさらされている。関生支部に対する弾圧は同時に、闘う労働者・労働組合全体に対する弾圧でもある。全国の労働者の闘いでこの弾圧をはね返し、勝利を闘い取ろう。

岸田政権の大軍拡攻撃と対決しよう
 岸田は今年四月に訪米し日米首脳会談を行った。そして日米首脳共同声明(「未来のためのグローバル・パートナー」)を発表し、統合作戦司令部の創出を打ち出すなど、日米同盟の強化が進められようとしている。
 岸田政権は、戦争立法を次々と成立させ、文字通り戦争をする国づくりを強引に進めている。陸海空の各自衛隊を一元的に指揮する常設の「統合作戦司令部」を設置するための「改悪自衛隊法」、半導体や宇宙開発といった先端技術を扱う職業に従事する者に「適正評価」(セキュリティ・クリアランス)という事実上の思想調査や身辺調査を行う「経済秘密保護法」などを五月に成立させた。さらに、これまで対等の立場であった「国」と「自治体」との関係を大きく変容させ、国に自治体への指示権を与えようという地方自治法の改悪案を上程するなどしている。
 こうした動きは、二二年末の安保三文書の閣議決定と軌を一にするものである。岸田は訪米に際し、フィリピンのマルコス大統領とも会談し、自衛隊のフィリピンへのローテーション派遣も画策している。さらに岸田は「総裁任期中(=今年九月まで)に改憲をする」と繰り返し発言している。
 これらの大軍拡路線、改憲策動を絶対に許してはならない。二度とアジア諸国への侵略戦争をさせない闘いは、日本の労働者階級の責務だ。


全国の大衆運動と結合した闘いを

弾薬庫新設に対する闘いと結合を
 岸田政権の進める戦争政策のひとつに、自衛隊の敵基地攻撃能力と継戦能力の強化がある。長距離ミサイルや大量の弾薬を保管するために、全国的な規模で自衛隊の弾薬庫の増設がおし進められようとしている。政府は「一〇年間で弾薬庫約一三〇棟を増設する」としている。
 先行してきた宮古、石垣、与那国など沖縄・琉球弧に加えて、陸自大分分屯地(敷戸弾薬庫)と青森県の海自大湊地方総監部で、それぞれ二棟の大型弾薬庫の増設工事がすでに始まっている。二〇二四年度予算では全国一四カ所で、弾薬庫の増設工事やそのための調査費用が計上されている。
 京都府南部の陸自祝園分屯地については、最も多い八棟の弾薬庫の増設が打ち出され、一〇二億円の建設予算がつき、二〇二四年度中の着工が計画されている。これに対し、大阪府や奈良県を含む周辺地域の住民が幅広く結集して「京都・祝園ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」が今年四月に結成され、宣伝活動・反対運動を推進している。このネットワークは「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」など各地の基地周辺の住民運動や反基地団体と連携して闘いを進めようとしている。こうした住民運動との結合して闘いを進めていこう。

危険極まりない原発を廃炉にする闘いを
 岸田政権はまた、GX(グリーントランスフォーメーション)推進法とGX脱炭素電源法を昨年五月に強行成立させ、原発推進政策の姿勢を改めて明らかにした。産業界の利益と戦時のエネルギー確保、さらには核兵器の保有という野望も透けて見える。
 しかし今年元日の能登半島地震は、原発施設そのものの脆弱性が明らかになると同時に、周辺住民が屋内退避や遠方避難することは全く不可能であることを明らかにした。
 各地で反原発運動を進めていこう。とりわけ、美浜、大飯、高浜の三発電所が集中している福井県・若狭地方の原発再稼働を止めるための闘いは重要だ。ここには国内で稼働している一〇基の原発のうち七基が集中している。さらに関西電力は、稼働から四〇年を超えた老朽原発(高浜一・二号、美浜三号)を日本で唯一稼働させ、他の電力会社が老朽原発を再稼働させるための「露払い」役を担っている。裁判や街頭行動などあらゆる手段でこれらの原発群の稼働を止めれば、他地方の原発への波及効果も大きい。全力で反原発・脱原発の闘いを進めていかなければならない。
 以上の闘いを、アジア民衆との国際共同闘争として闘いぬこう。沖縄をはじめ各地の闘う人民と連帯し、日帝の戦争準備と闘おう。

   

 


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