共産主義者同盟(統一委員会)


1657号(2024年5月5日)







■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

     
 
  アジア集団安保体制構築粉砕
  五月沖縄解放闘い岸田打倒へ




 ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃が始まってから七カ月が経過し、ガザのパレスチナ人民は極限的な状態へと追い込まれている。ガザ地区二二〇万人のうち約八割にあたる一七〇万人が域内避難者となり、ガザ南部ラファに追いやられている一五〇万人の市民に飢餓と虐殺の波が迫りつつある。イスラエル首相ネタニヤフは「勝利のためにはラファの侵攻とテロリストの排除が必要で、必ず実現する」と強調し、世界からの侵攻停止要求を一切拒否している。バレスチナ側の死者はこれまでに三万三〇〇〇人を超え、ガザの建物全体の五割以上に当たる一六万棟以上の建物が破壊された。
 四月一日、イスラエルによるシリアのイラン大使館への攻撃で、イラン革命防衛隊の司令部メンバー七人を含む一三人が死亡した。これに対してイランは報復を表明し、さらなる中東全域への戦闘拡大へと突き進む可能性が高まっている。この以上にわたるイスラエルのガザ大虐殺の一連の事態は、米帝の中東政策そのものの失敗とバイデン政権の中東支配力の衰退を如実に示している。ネタニヤフ政権に足蹴にされる米帝―バイデン政権にもはや解決する政策も能力もないのだ。
 こうした中で即時停戦と人質解放を求める集会とデモが全世界で連日連夜闘われている。イスラエルでもネタニヤフの退陣と人質の即時解放を求める大規模な抗議集会とデモが拡大している。イスラエルによるパレスチナ人民虐殺を阻止できるのは、こうした全世界の国際的な反戦闘争、連帯闘争以外にないのだ。
 二〇二四年、共産同(統一委員会)政治集会の成功を突破口に、ウクライナ戦争即時停戦とパレスチナ人民虐殺の即時停止をもとめる国際反戦闘争に決起しよう。五月沖縄闘争に全力で決起し、日帝―岸田政権打倒の反戦闘争に勝利しよう!


日米首脳会談―日米比三国首脳会談弾劾!

 政治資金裏金問題で窮地に追い詰められ支持率が自民の政権復帰後最低水準に落ち込む中、死に体状態の岸田政権は、対中国包囲網を強め、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)敵視政策を激化させて、大軍拡路線のもと政権の維持を図ろうとやっきになっている。衆院解散総選挙に勝利し、次期総裁選勝利を狙い岸田は訪米を果たした。また、バイデンは一一月に迫る米大統領選挙ではトランプとの接戦が予想される中で、岸田を国賓として迎え自らのアジア太平洋グローバルパートナーシッブ戦略の正当性と成果を積み上げ、大統領選挙での勝利を狙っているのだ。バイデン政権下、この間国賓、国賓待遇で招待されたのは、韓国、インド、オーストラリアの三カ国であり、インド・太平洋地域重視の意図と狙いが明白である。
 四月一〇日、日米首脳会談では、冒頭で中国抑止に向けた防衛協力に重点を置き、強固な日米の同盟を強調した。会談はインド太平洋地域における安全保障・防衛協力問題を中心に、共和国への対応で協力を確認。ウクライナやガザ情勢、先端技術分野やエネルギー分野での連携強化などを焦点に約二時間にわたり行われた。岸田は、この間日本が敵基地攻撃能力や防衛費のGDP比2%への大幅増額に踏み切ったことを強調。「(日本が)強い決意をもって防衛力強化に取り組んでいることを伝え、バイデン大統領から改めて支持を得た」と語った。
 今、ウクライナへの軍事支援、とりわけ装備の在庫不足に陥っているアメリカは、今年一月に「国家防衛産業戦略」を発表し、同盟国と協力して防衛装備の開発、生産を加速させる必要があるとしており、会談においても日米間で防衛産業の協力を進めるための協議体の設置も検討されている。すでに岸田は三月に英、伊と共同開発する次期戦闘機を第三国へ輸出することを閣議決定している。これはアメリカと共同開発する装備を将来的に第三国に輸出していくことが念頭にあることは明白だ。また、米海軍の戦艦の日本での補修も話し合われている。
 新たな日米同盟強化にむけて自衛隊の部隊運用について岸田は、「指揮統制」の日米間の連携について「米軍と自衛隊の相互運用性強化のため、それぞれの指揮統制枠組みを向上させる」と述べ、五月末にも予定されている日米外務・防衛担当閣僚会合(2+2)で具体的な協議を進める考えを示し、今年度末までに「統合作戦司令部」の設置を目指している。「統合作戦司令部」創設を柱とする自衛隊法などの改定案は四月四日の衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りしている。
 また、米軍からすれば、米軍と韓国軍の間で戦時の作戦統制権は米軍が握ることになっている現状から東アジア地域において、日・米・韓が単一の指揮統制の下に軍事作戦が展開できる体系に踏み込もうということだ。
 日本政府高官は、今回の訪米において岸田の米連邦議会(上下両院)での合同会議演説をとりわけ重要な日程と位置づけているとしている。今回の演説案は官邸、外務省、国家安全保障局が起案したとしており、その演説基調は「アメリカに国際秩序維持のためにアジア太平洋地域への関与の継続を呼びかけること」だとしている(外務省幹部)。これには、米国内での分断状況により政治の混乱が続き、さらにはトランプ前大統領の強い影響を受けてウクライナへの追加支援を含む緊急予算案に消極的な(いまだ可決できていない)共和党とその「内向き」志向への強い危機感が背景にあると考えられる。さらに、接戦が予想されている米大統領選挙において、トランプが勝利した場合に一層の「アメリカ第一主義」が先鋭化することも予想され、アメリカがインド太平洋地域に関与し続けることを求めると同時に、日本もその責任を担っていく決意を表明しようというのである。
 さらに、一一日には日米帝のインド太平洋戦略に基づいて、フィリピン大統領マルコスとの三国首脳会談を行った。これは明らかに南中国海で中国との緊張と対立を深めるフィリピンがこの間アメリカとの関係強化に乗り出している中で「台湾有事」を睨んで対中国包囲網への取り込みを狙ったものである。
 アメリカは昨年二月新たに米軍が使用できる基地四カ所を増やすことでフィリピンと合意した。このうち三カ所は台湾とフィリピンの間のバシー海峡を望むルソン島の北部にある。これは中国が台湾の東側や西太平洋へと展開する上で重要な海峡としており、その封じ込めを狙ったものである。
 また、日比間においても現在、自衛隊とフィリピン軍の共同訓練などを行う上でその対応を決める「円滑化協定」の交渉を進めている。締結すれば日本が「準同盟国」と位置づける豪、英に続き三カ国目となる。四月七日には、日米比豪の四カ国が南中国海で対潜水艦戦訓練を含む初の本格的な共同訓練を実施している。
 また、ニッケルなど重要鉱物のサプライチェーンの強化を盛り込んだ共同声明を発表した。中国がニッケルの獲得を強化する中、日米は主要生産国のフィリピンとの連携で安定供給の強化を図り、軍事的強化とあわせて経済安保面での連携強化を内外にアピールしようというのだ。
オバマ政権が対中国を念頭に「アジア重視」戦略への転換を図って以降、日米豪印によるクアッド、日米韓三国同盟化、米比、日比軍事的連携の強化、さらにはNATO軍との多国籍的軍事強化など、「台湾有事」を煽り立て対中国包囲網の重層的な政治軍事的構造が形成されつつある。安倍政権を引き継ぎアジア太平洋における米帝国主義の覇権確立と維持の一翼を担い、その延命を目論む岸田―自公政権は打倒しなければならない。日米首脳会談弾劾! 日米安保同盟粉砕! アジア人民との連帯を強化し、日米両帝国主義打倒をかちとろう。


5月沖縄解放闘争を闘おう

 四月一四日悪天候のため延期されていた名護市瀬嵩の浜で「民意・自治・尊厳を守り抜く4・14県民大集会」が開催され、三〇〇〇人が結集した。今、沖縄では二月最高裁による「代執行訴訟」における沖縄「県」上告不受理決定の門前払い暴挙を徹底糾弾し、辺野古(安和・塩川)現地闘争の強化を軸に、大浦湾埋立て工事阻止闘争を全国の仲間とともに闘い抜いている。
 また、沖縄・琉球弧の軍事要塞化、ミサイル基地化が一挙的に推し進められる中で、奄美大島、宮古島、与那国島につづき昨年三月、石垣市民の反対運動を封殺し陸自石垣駐屯地の開設が強行された。しかし三月二三日には「島々を戦場にさせない! 全国とつながろうin石垣島集会」が開かれた。反動中山石垣市長の下、米海軍ミサイル駆逐艦の石垣港入港・米軍上陸強行に抗議し、全港湾・港湾労働者は果敢にストライキ闘争を闘い抜いている。
 沖縄島では防衛省が三月二一日、うるま市の陸自勝連駐屯地に新たに12式地対艦誘導弾部隊の第七地対艦ミサイル連隊司令部(奄美、沖縄島、宮古島、石垣島を統括)を発足させた。地対艦ミサイル連隊は、日本に侵攻する敵艦艇を陸上から迎撃するミサイル部隊をまとめる上部部隊で北海道や青森県、熊本県に五つあり、今回で六つ目となる。来年度末には大分県(湯布院)に七つ目を発足させる予定だ。三月一〇日には中城港からのミサイル装備搬入に対して「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会」を先頭とする沖縄人民は車輌の前に座り込んで抗議、阻止闘争に決起した。ミサイル発射機材を空輸し、空自那覇基地から搬入せざるを得ない状況へと追い込んだのである。
 さらに、同じうるま市では三月二〇日、ゴルフ場跡地への陸自訓練場建設に反対する「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会」主催による「住宅地への自衛隊訓練場計画の断念を求める市民集会」に一二〇〇名が総決起している。この闘いによって、政府は訓練場設置を断念した。こうした沖縄人民の実力決起に連帯して闘いぬかなければならない。
 5・15沖縄反革命的統合五二年弾劾! 辺野古新基地建設阻止―沖縄・琉球弧の軍事要塞化・戦場化粉砕! 沖縄―「本土」を貫く沖縄解放闘争に勝利しよう! 五月沖縄現地闘争に決起しよう。昨年の「全国連帯11・23県民大集会」と全国で同時に取り組まれた闘いを引き継いで全国で五月沖縄闘争を闘い抜こう。六月沖縄県議選に勝利しよう! 沖縄闘争の爆発で大軍拡―改憲を目論む岸田政権を打倒しよう!
   

 


Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.