1652号(2024年2月20日) |
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原発も中間貯蔵施設もいらない GX―原発推進の岸田政権打倒 今こそ反原発闘争を全国で闘い抜こう! 一月二六日、通常国会が開会した。慣例では通常国会は、首相による施政方針演説から始まるが、今国会は昨年末に火を吹いた自民党の裏金問題を集中審議する衆参両院の予算委員会から開催されるという、異例の事態となっている。 政治資金パーティーで得た収入の政治資金収支報告書への不記載=裏金化が発覚して以降、岸田政権は言うに及ばず、自民党そのものへの支持率も急降下している。メディアによっては、かつて下野を余儀なくされた時期にも匹敵するか、それ以下の史上最低の数字が出ている。まさに自民党はグラグラだ。 「安倍派」=清和政策研究会を中心とした、巨額の裏金づくりは、自民党総体の腐敗構造が露呈したものと言え、人民の憤激はとどまるところを知らない。このような私利私欲のみで集まり結束する集団に、低賃金と物価高騰にあえぐ人民の未来と、能登半島地震の被災地で苦吟する被災者の未来をあずけられようか。腐敗集団をのうのうと演壇に立たせている場合ではない。岸田自公政権打倒あるのみである。 ウクライナ侵略戦争、ガザ虐殺を許さない反戦闘争の高揚を巻き起こそう。 腐敗を極める自民党 ロシアによるウクライナ侵略に起因する物価の急上昇で、人民がかつてない生活苦にあえぐ中、発覚した自民党議員どもの金権腐敗ぶりに、憤激が高まっている。 昨年末、当時自民党の政調会長だった萩生田光一は、「(ガソリン高騰にも)国民はある程度は慣れていただかないと」などと放言し、今春四月以降の補助金支出の継続を渋ったものだ。その一方で自分たちは政治資金パーティーを開催して荒稼ぎして、収入を政治資金収支報告書に記載せずに裏金としてプールしていたことが次々に発覚したのだ。 「しんぶん赤旗」の報道と刑事告発とを受けて昨年末、東京地検特捜部が捜査に乗り出しはしたが、国会開会前の捜査は、ごく一部の国会議員の逮捕起訴と会計責任者たちの立件のみという、「ガス抜き」にすらならない茶番で幕を下ろそうとしている。しかし、一月三一日に(ようやく!)一端が明らかになった腐敗の内訳たるや、安倍派だけでも九割、九一人の議員が裏金を作っており、総額は二〇二〇年からの三年だけで四億円超、一八年までさかのぼれば六億七六五四万円だ。これだけの金を隠れて懐に入れ、使途についても明らかにせぬまま、政治資金収支報告書の訂正さえすればおとがめなしとは、許しがたい。仮に民間人がこれだけの金を隠し持っていれば、たちまち脱税で摘発されよう。それでなくとも、インボイス制度の強行や軍事費倍増のための増税と、人民からの収奪は強化される一方だ。私服を肥やし、あるいは隠然と買収工作を行っていたのだろう自民党議員どもが逃げ切るなどということが、許されていいわけがない。 今回検察は安倍派「五人衆」と呼ばれた歴代の事務総長らと会計責任者たちとの間の共謀を立証出来なかったとされているが、笑止であろう。議員でもない会計責任者が独断で、総額数千万、数億という金を報告書に記載せずに秘匿する動機がどこにあろうか。しかも複数の事務所で同様の事態が偶然起こっていたなど、誰が信じると言うのか。 彼らが勝手にやっていたのであるならば、自民党は彼らを刑事告訴するべきだろうにその気配はない。典型的な「とかげの尻尾切り」である。検察も所詮は行政組織、権力機関であり、政権や与党に致命的打撃を与える捜査をするわけもない。相手が政権与党議員でない、民間人であれば状況証拠だけでも立件するくせに、恥を知らぬとはまさにこのことである。 全くもって怒りは尽きないが、しかし情況は政権打倒の好機でもある。裏金づくりへの人民の怒りを組織し、自公政権を打倒するのでなくてはならない。 任期中の改憲を宣言する岸田の施政方針演説 先述の通り、「裏金国会」としていきなり予算委での集中審議から始まることを余儀なくされた岸田政権だが、一月三〇日、岸田はようやく施政方針演説を行ったが、実に無内容かつ反人民的なものであった。 何より、今般自民党が露呈させた政治腐敗への言及はようやく三番目であり、最低限のものでしかなかった。「派閥」を「政策集団」と言い換え、「裏金」と言いすらしなかったのだから呆れる。「揺らいでいる」「政治への信頼」を取り戻すと言うのなら、何より自民党が下野することしかない。裏金議員どもが辞職もせずに居座り続けて低支持にあえぐ政権が、能登半島地震の復興復旧も、賃上げも実現出来るわけがない。 にもかかわらず「あえて自民党総裁として」と断わりつつ、今年九月までの自身の自民党総裁としての任期中に「憲法改正を実現したい」と宣言した。尋常ならざる事態であろう。政権浮揚のための、右派支持層への露骨なアピールであるとともに、憲法擁護義務を規定した憲法九九条への、明確な違反である。「外交・安全保障」問題では対ロ制裁を続け、軍備強化を続けると宣言するばかりで、ガザの殺戮に対して停戦のための外交努力の言葉もない。能登半島地震の発災当日に非常災害対策会議を召集すらせず、救助や支援が大きく遅れたことの政治責任も認めていない。 ウクライナ侵略戦争やめろガザでの虐殺をやめろ 昨年一〇月、ハマースによる越境攻撃の敢行を口実に開始された、イスラエル軍によるガザ地区住民への大量虐殺は、全世界人民からの非難を浴びながらも継続されている。ガザ住民の犠牲はすでに二万五〇〇〇人を超えた。 しかしながら昨年末、南アフリカ政府が国際司法裁判所(ICJ)にジェノサイド禁止条約違反でイスラエルを提訴。軍事作戦の即時停止を求めていた。アパルトヘイト時代、経済制裁を受ける南アフリカの白人政権をなお支援し続けたのがイスラエルであった。反アパルトヘイトを闘っていたアフリカ民族会議(ANC)はパレスチナの闘いへの支持と連帯を表明していた歴史を有している。 ICJは一月二六日に、軍事作戦の即時停止は命じなかったものの、数年を要するとみられるジェノサイド訴訟の本案審理に先立って、イスラエルに対してジェノサイドを防止し、人道支援が行き渡るようにするためにあらゆる措置を講じるよう、仮保全措置命令を出した。これは強制手段こそ有しないが、法的拘束力を持つとされ上訴不可能である。訴訟の棄却を求めていたイスラエルと支援国にとっては間違いなく打撃である。日帝の外相上川も、二八日に措置命令への支持を表明せざるを得なかった。 イスラエルはICJの命令が出た直後、対抗するかのごとく、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の一部職員がハマースに協力していたとの主張を始めた。これを受けて米帝など一五カ国がUNRWAへの資金の拠出を止め、ふざけたことに日帝もこれに追随している。UNRWAは、疑いがあるとされた職員を解雇した。UNRWAの事業が滞れば、ガザ住民がさらなる苦境に陥ることは明らかであり、許してはならない。日々戦争犯罪に組織的に手を染めるイスラエル軍への支援は続けつつ、UNRWAへの資金を止めるのはダブルスタンダードだ。イスラエルによる占領が続いていることこそが問題の根幹である。 ネタニヤフ政権は追い詰められている。ウクライナへの支持とロシアへの制裁を呼びかけつつ、他方でイスラエルを支援する者たちの姿は、ことにグローバルサウスから見ればまさに帝国主義そのものであり、だからこそ彼らとイスラエルは、孤立を深めている。全世界民衆の声が、ネタニヤフはじめシオニストどもの耳に確実に届き、揺さぶっている。その確信を胸に、街頭で虐殺をやめろ、占領をやめろ、パレスチナに自由を、の声を響かせよう。 武器輸出の拡大―戦争への加担を許すな 昨年一二月二二日、岸田政権は防衛装備移転三原則の改悪を、閣議決定のみで強行した。一〇年ぶりのことである。従来禁止していた殺傷能力のある武器の輸出を解禁した。そして同日の国家安全保障会議(NSC)で直ちに、パトリオットミサイルのアメリカへの輸出を決定した。 日帝がパトリオットをアメリカに提供することで、アメリカは現下のウクライナにパトリオットを提供しやすくなる。つまりは日帝の、ウクライナへの間接的な武器供与だ。また、これを突破口に日帝の軍需産業が対外輸出に乗り出せるようにするということだ。平和主義に反する明確な憲法違反である。 二〇一四年に、武器輸出三原則を防衛装備移転三原則へと閣議決定で「移行」させた安倍政権も、今回の岸田政権も、いずれも国会審議なしに改悪を強行した。当初の武器輸出三原則が国会で決定された歴史を踏まえるならば、その改定は国会での審議を経るべきなのに、それをせずなし崩しにことを進めようとする岸田政権の反人民性は際立っている。日帝資本の戦争への加担を許してはならない。 「代執行」弾劾! 大浦湾を埋めるな 琉球弧の軍事要塞化を阻止しよう 沖縄の玉城デニー知事は沖縄人民の民意を背景に、辺野古沖の新基地建設のための設計変更を拒んできた。一二月二〇日、福岡高裁那覇支部が知事に承認を命じたが知事がそれを拒否したのを受けて、二八日、国交相斎藤は沖縄「県」に代わって設計変更を承認する「代執行」に踏み切った。地方自治体の事務を国が「代執行」するのは史上初のことであり、地方自治を踏みにじるまさに暴挙である。沖縄防衛局は大浦湾側の工区で一月一〇日より、工事を開始した。沖縄人民は「令和の琉球処分だ」としてキャンプ・シュワブゲート前に結集し、抗議の声を上げている。岸田は一月三〇日の施政方針演説で日米の軍事同盟を「公共財」だと言いなし、辺野古新基地建設の強行を正当化して居直った。沖縄の鮮明な基地反対の民意を踏みにじり、琉球弧全体の軍事要塞化、戦場化をなお推し進める岸田政権を許してはならない。 沖縄―「本土」を貫く闘いで新基地建設を阻止し、岸田の大軍拡路線を粉砕していこうではないか。 |
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