1650号(2024年1月20日) |
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反戦闘争・反基地闘争を闘い 戦争に突き進む岸田政権打倒 政府の「代執行」を弾劾する 大浦湾埋立をやめろ 現代世界は大きな転換期、再編期にさしかかっている。強大な軍事力、経済力を背景にして世界的な覇権を維持してきた米帝がその力を減退させるなかで、帝国主義諸国と中国・ロシアとの対立が強まり、それが各地で情勢の不安定化をもたらしている。世界の分断と対立の強まりのなかで、ロシアによるウクライナ侵略戦争、そして昨秋以来のイスラエルによるパレスチナ人民の大虐殺など、戦火と人民の犠牲が拡大している。東アジアにおいては、日米帝国主義による対中国軍事包囲がいっそう強化され、日帝―岸田政権が琉球弧を最前線にした侵略反革命戦争体制づくりにまい進している。 反帝国主義・プロレタリア国際主義に立脚し、全世界で立ち上がる労働者階級人民と共に、今こそ国際反戦闘争に立ち上がろう。差別排外主義と対決し、ますます侵略反革命戦争体制づくりにのめり込む岸田政権を打倒する全人民的政治闘争の前進をかちとろう。『戦旗』一六四九号(一月一日号)の世界情勢・国内情勢分析に続いて、今号ではわれわれ共産主義者同盟(統一委員会)の昨二〇二三年の闘いの総括と二〇二四年の闘争方針、および党建設の基本方向について提起する。 ●(1章)二〇二三年の闘いの総括 昨二〇二三年を通して世界の分断と対立はいっそう明白なものになった。これまでの支配秩序の動揺に直面し、何とかしてその世界覇権を維持しようとする現代帝国主義の動向がそれを加速し、世界各地で戦争の火種を拡大している。 米帝を先頭とする帝国主義諸国によるウクライナのゼレンスキー政権への巨額の軍事援助の継続は、ロシア・ウクライナ戦争を長期化・泥沼化させ、双方の人民・兵士の犠牲を拡大してきた。東アジアにおいては日米帝国主義が、「自由で開かれたインド太平洋」戦略の下、同盟国・友好国を巻き込んで中国への対抗と軍事的包囲・圧力を強めている。 米帝―バイデン政権はそのような自らの政策を「民主主義と専制主義との闘い」として描き出そうとしてきた。しかし、パレスチナ人民の大虐殺を続けるイスラエル―ネタニヤフ政権への支持が示すように、帝国主義は自らを中心とする世界秩序、地域秩序を維持し、その覇権を確保するためにこそ、ウクライナやイスラエルその他の反動的政権への支援を続けているのだ。そのような労働者人民の血の犠牲の上に成り立っている帝国主義の支配への批判と抵抗が今、イスラエルの蛮行を弾劾しパレスチナ人民の解放闘争に連帯する国際的な反戦闘争として拡大している。 そうしたなかで日帝―岸田政権は、二二年一二月に閣議決定した安保三文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)の下、自衛隊による「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の確保を掲げ、琉球弧を最前線とする侵略反革命戦争体制の構築にまい進してきた。岸田政権はさらに、昨年の通常国会において、GX(グリーントランスフォーメーション)推進法など原発推進法、入管法改悪、人民管理のためのマイナンバー法改悪、セクシャル・マイノリティ差別を拡大する「LGBT理解増進法」など一連の反動法制を数の力で強行成立させ、八月には福島原発事故の放射能汚染水の海洋投棄に踏み出した。 ▼①広島サミット粉砕闘争を貫徹 このような状況のなかでわれわれは、岸田政権の反動的・反人民的政策と対決する全人民的政治闘争の一翼を全国各地で担いつつ、反帝国主義・プロレタリア国際主義に立脚した闘いを推進してきた。とりわけ五月のG7広島サミット粉砕闘争を昨年前半期の全国闘争の焦点として位置づけ、その成功に全力をあげてきた。 G7広島サミットは、中国・ロシアとの対抗を鮮明にし、ゼレンスキーを直接参加させ、日米韓の軍事的連携強化をおし進めるなど、まさに「戦争会談」としてあった。また、採択された「広島ビジョン」が示すように、大国による核独占体制と核抑止戦略を正当化し、被爆者、被爆二世・三世の解放闘争に敵対するものであった。 二万四〇〇〇人の警官を全国から動員した戒厳体制のなかで強行されたこの広島サミットとG7首脳による欺まん的な原爆資料館訪問に対して、われわれは事前弾圧を粉砕し、「G7広島サミット反対現地デモ実行委」に結集した全国の仲間とともに、広島現地での二日間の現地実力闘争を貫徹した。 この闘いは帝国主義の世界支配強化と正面から対決する反戦・反帝国主義闘争であり、米国、韓国、台湾、フィリピンなどアジア・世界の各地から広島に結集した民衆団体との国際共同闘争として闘い抜かれた。この反戦・反帝国主義の国際共同闘争の地平を、現下の国際情勢・アジア大平洋情勢のなかでさらに大きく発展させていかなくてはならならい。 ▼②反戦・反基地闘争の推進 われわれはまた、岸田政権の戦争体制づくりを許さず日米軍事同盟と対決する反戦・反基地闘争を全国各地で闘い抜いてきた。横田や京丹後、築城などでの米軍基地・自衛隊基地の強化に反対する行動の一翼を担い、佐賀空港への自衛隊オスプレイ配備反対運動、大分・敷戸でのミサイル弾薬庫建設反対運動などにも取り組んできた。また、沖縄人民の闘いに連帯し、琉球弧での自衛隊配備増強や辺野古新基地建設阻止を闘った。一一月二三日の「県民平和大集会」をはじめ、沖縄での闘い、そして首都圏での国会前や対防衛省行動をはじめ各地での闘いを進めてきた。加えて、8・6広島の反戦・反核闘争や憲法審査会を通した改憲策動反対行動、そしてイスラエルのガザ侵攻の即時中止を求める街頭行動などに各地で取り組んできた。 アジア共同行動(AWC)日本連絡会議と岩国・労働者反戦交流集会実行委が主催した「2023岩国行動」については、全国からの結集でその成功を支えてきた。一一月末に屋久島沖で墜落した米軍オスプレイが所属する横田基地から岩国基地を経て沖縄の嘉手納基地に向かう途中だったことが示すように、岩国基地はこのかんハブ基地としてますます強化され、そのために軍事演習が拡大し、騒音被害も拡大している。こうしたなかで一一月岩国闘争は、基地強化を許さない現地住民の闘いと結びつき、沖縄そして、台湾や韓国の仲間を迎えて、「台湾有事」煽動を伴って強まる岸田政権の戦争準備と対決する反戦・反基地・反安保闘争として大きく成功した。 ▼③三里塚・強制執行実力阻止闘争 三里塚闘争は二二年一〇月に成田空港会社が反対同盟・市東孝雄さんの農地に対する強制執行の法的手続きを開始して以降、文字通りの決戦の渦中にあった。反対同盟は強制執行阻止決戦本部の下、それ以前からの座り込み、泊まり込みの防衛体制を強化し、全国からの決戦への参加を呼びかけてきた。 そして昨年二月一五日午後八時、日帝国家権力と成田空港会社は、機動隊一〇〇〇人を動員し、ついに天神峰の農地への強制執行を強行した。市東さんをはじめ反対同盟と支援者の抵抗を排除するための夜間執行というだまし討ちだ。 この暴挙に対して、反対同盟と現地支援勢力は、全国から駆けつけた仲間とともに徹底した実力行動で闘い抜いた。われわれも現闘・行動隊を先頭にその一翼を担い抜いた。一五日から一六日にかけての断固たる闘いは報道機関やSNSを通して広く発信され、多くの人々の共感を集めた。それに対する報復として国家権力は現場での弾圧、事後弾圧によって三里塚勢力の破壊を試みたが、被弾圧者全員は完黙非転向で闘い抜き、権力の報復弾圧を敢然と粉砕した。 日帝―国家権力と成田空港会社は天神峰の農地を暴力的に奪い取った。しかし、市東さんの営農の意思を挫き、三里塚闘争を破壊することはできない。市東さんと反対同盟は、市東さんの営農再建に取り組みつつ、三月芝山集会、七月農楽まつり、一〇月全国集会などの闘いや裁判闘争に取り組んでいる。二月強制執行実力阻止闘争の地平に立ち、反対同盟と共にさらなる農地強奪阻止、空港機能強化=第3滑走路建設粉砕に立ち上がろう。 ▼④反帝国際共同闘争の推進 われわれはさらに、AWCの闘いを支えつつ、国際連帯闘争を推進してきた。 G7広島サミット粉砕闘争や岩国闘争はアジア・世界の民衆団体との国際共同闘争として勝ち取られた。国際ネットワークとしてのAWCはまた、一一月に韓国・ソウルで第一九回キャンペーン調整委員会(CCB)会議を開催した。そこには韓国、台湾、インドネシア、フィリピン、日本の民衆団体が結集した。日米帝国主義の「インド太平洋戦略」が東アジアの緊張を拡大し、台湾海峡をひとつの焦点にして日米韓の実質的な三国軍事同盟化や日米比の軍事的連携強化が進むなかで、このAWC―CCB会議は「共同行動の方針」を決議し、緊迫する情勢に対してアジア各地の民衆団体が共同の反撃を組織していく新たな出発点となった。 AWC―CCB会議の参加者はまた、韓国の民主労総が主催した全国労働者大会に参加するとともに、イスラエルのガザ軍事侵攻の即時停止と米国のイスラエル支援の中止を求める米大使館行動、日本政府による放射能汚染水の海洋投棄を弾劾し、その中止を求める日本大使館行動にも取り組んだ。 われわれはまた、勝利解決した韓国サンケン労組支援の地平を引き継いで、労働運動を闘う同志たちを先頭に韓国ワイパー労組争議支援、韓国オプティカル・ハイテック争議支援に取り組んできた。 ▼⑤さらなる闘いの前進を 上記の闘いに加えて、われわれは四〇年超え老朽原発をはじめとする原発再稼働阻止と福島原発事故の放射能汚染水の海洋投棄の中止など反原発の闘い、難民申請者の強制送還を推進するための入管法改悪に対する闘いをはじめ、岸田政権の反動諸政策に対する闘いを推進してきた。同時に、全国各地で階級的労働運動をおし進め、その一環として連帯労組関西生コン支部への大弾圧に対する反撃の闘いの一翼を担ってきた。また、差別排外主義と対決し、被差別大衆・被抑圧人民の解放闘争を持続的に推進してきた。そして、これら日帝国家権力と対決する政治闘争、階級的労働運動、被差別大衆・被抑圧人民の解放闘争を結合し、体系的に推進することを通して、反帝国主義・プロレタリア国際主義に立脚し日本帝国主義と対決する階級闘争の新たな構造を全国各地で建設し発展させていくために奮闘してきた。その闘いをさらにおし進め、アジア・全世界の労働者人民の闘いと連帯・結合した日本階級闘争の前進を勝ち取っていかなくてはならならい。 これまでの世界支配秩序が動揺するなかで、世界の覇権を維持するための帝国主義の策動は、世界の分断と対立を拡大し、そのなかからこれまでとは異なる社会と世界のあり方を望む数多くの労働者人民の立ち上がりを生み出している。日本においては、岸田政権が侵略反革命戦争体制づくりをはじめとする反動的・反人民的政策を推進する一方で、その支持率を続落させている。新自由主義政策がもたらしてきた貧困と社会保障の削減に加え、このかんの物価高騰による生活苦の増大、政治資金パーティー券の裏金問題として暴露された自民党政治の腐敗のなかで、労働者人民は岸田政権に何の期待も抱いていない。 求められているのは社会と世界の根底的な変革に向けた闘いであり、労働者人民の苦悩と怒りに結合し、それを日本帝国主義と正面から対決する階級闘争へと組織しうる革命的労働者党の組織的・綱領的な飛躍である。情勢は資本主義の根底的変革、帝国主義の世界支配の打倒、それを実現し階級解放・全人民の解放に向けて闘う共産主義運動の新たな前進を求めている。昨年一年間の成果を条件に、そうした革命的労働者党建設のさらなる飛躍を何としても実現し、全世界の労働者・被抑圧人民の闘いと連帯・結合した日本階級闘争の前進を勝ち取ろう。 ●(2章)二〇二四年の政治闘争の方針 ロシアによるウクライナ侵略戦争に加えて、昨秋以来のイスラエル―ネタニヤフ政権によるガザ軍事侵攻―パレスチナ人民大虐殺が年を跨いで続いている。東アジアにおいては日米帝国主義の対中国軍事包囲が強められ、岸田政権はいまや政権存続の危機に直面しながらも、差別排外主義を煽動しつつ、侵略戦争体制づくりをはじめとする反動的反人民的政策にますますのめり込んでいる。われわれはパレスチナ人民の解放闘争をはじめア全世界で立ち上がる労働者人民の闘いに連帯し、反帝国主義・プロレタリア国際主義に立脚して、帝国主義の世界支配と正面から対決する闘いをおし進めていかなくてはならない。国際情勢が大きく激動するなかで、二〇二四年を国際階級闘争の新たな前進の年とするために奮闘しよう。差別排外主義と対決し、日帝―岸田政権を打倒し、日本階級闘争の飛躍を勝ち取ろう。 ▼①国際反戦闘争に立ち上がろう そのための第一の課題は、ウクライナとパレスチナにおける戦争、人民大虐殺をやめさせる国際反戦闘争に立ち上がることだ。 昨年一〇月のハマスをはじめパレスチナの武装解放勢力による「アルアクサの洪水」作戦の敢行に打撃を受けたイスラエル―ネタニヤフ政権は、「戦争状態」を宣言し、「ハマスの絶滅」を掲げてガザへの全面的な軍事侵攻を開始した。ガザは孤立状態に置かれ、街は破壊され、パレスチナ人の死者はすでに二万人を超えている。軍事作戦はヨルダン川西岸地区でも行われてきた。 シオニスト―ネタニヤフ政権が行っていることは、無差別的なパレスチナ人民虐殺であり、民族浄化―パレスチナ抹殺の攻撃である。これに対して、パレスチナ人民の抵抗に連帯し、イスラエルによる攻撃の即時停止を求める国際反戦闘争がアラブ諸国、イスラム諸国のみならず全世界で拡大している。米国や欧州諸国でも弾圧を突破して巨大な反戦デモが打ち抜かれている。 イスラエルは帝国主義が自らの中東支配のために打ち込んだくさびである。今回の事態は、イスラエルの蛮行と同時に、米帝を先頭とする帝国主義の存在がイスラエルによるパレスチナ侵略・占領と人民抑圧・虐殺を支えてきたことをあらためて示している。日本を含む帝国主義諸国のイスラエルへの支援・加担を輸さず、パレスチナ人民の解放闘争に連帯し、全世界で立ち上がる労働者人民と共に、国際反戦闘争に決起しよう。日本政府・日本企業によるイスラエル支援を許さない闘いをおし進めよう。 また、ロシア・ウクライナ戦争の停戦を実現しなければならない。米欧日のウクライナ軍事支援は戦争を煽り立てるだけで、ロシア―プーチン政権のウクライナ侵略を止めることはできない。労働者階級人民の闘いこそが真に戦争を止める力となる。二月日本ウクライナ経済復興推進会合反対行動に立ち上がろう。 ▼②東アジアでの戦争体制づくりを許すな 第二に、東アジアにおける日米帝国主義の侵略反革命戦争体制づくりと対決し、岸田政権の打倒に向けた全人民的政治闘争を推進することである。 米中対立の深化のなかで、東アジアの軍事緊張は拡大し続けている。日米帝国主義は、「台湾有事」を叫び立てながら、いわゆる第一列島線に沿った中国包囲の軍事体制を増強してきた。そのなかで、日米豪印のクアッドや米英豪によるAUKUSに加えて、昨年八月の米国・キャンプデービッドでの日米韓首脳会談を通した日米韓三国の実質的な三国軍事同盟化、日米比の軍事的連携強化など、アジアにおいて日米帝国主義が主導する集団的・重層的な安保体制の構築がおし進められている。とりわけ日帝―岸田政権は安保三文書の下で、日米軍事同盟の強化と自衛隊の敵基地攻撃体制づくりをおし進め、沖縄をはじめ全国各地で日米合同軍事演習を拡大し、自衛隊基地の強化と民間空港・港湾施設の軍事利用を推進してきた。さらに、五年で四三兆円の軍事費倍増や「防衛増税」策動に加えて、「防衛装備移転三原則」の緩和によって米国へのパトリオット・ミサイルの輸出など武器輸出の拡大と自国の軍需産業の育成を進めようしている。 排外主義煽動と対決し、自国帝国主義打倒を鮮明にして、全国各地で反戦・反基地闘争に立ち上がろう。安保三文書の下で飛躍的に強まる侵略反革命戦争体制づくりを粉砕する全人民的政治闘争の前進を勝ち取り、岸田政権を打倒しよう。 ▼③琉球弧の軍事要塞化、辺野古新基地建設阻止 第三に、沖縄人民の解放闘争に連帯し、琉球弧の軍事要塞化・出撃拠点化を粉砕する闘い、辺野古新基地建設阻止の闘いを前進させていくことである。 周知のように、岸田政権による侵略反革命戦争体制づくりは、とりわけ沖縄を犠牲にして強行されている。琉球弧の島々で自衛隊配備が大規模に増強され、ミサイル基地・レーダー基地が次々と建設・強化されてきた。それは、琉球弧を侵略反革命戦争の最前線に置こうとするものに他ならない。その下で、琉球弧を戦場に見立てて、そこに向けて全国から自衛隊や米軍の部隊を集結させる大規模な軍事演習が頻繁に行われてきている。これに対して、沖縄人民は、「沖縄を再び戦場にするな」をスローガンに、昨年一一月、那覇・奥武山公園に一万人以上を結集してその圧倒的な民意を示した。この闘いへの全国からの連帯をさらに強めていかなくてはならない。 さらに、辺野古新基地建設阻止闘争が新たに緊迫した局面に突入してきた。「設計変更」をめぐる代執行訴訟での昨年一二月二〇日の福岡高裁那覇支部による不当判決を受けて、日帝―防衛省は年明けから大浦湾側の埋め立て工事の着工に踏み出した。それは沖縄人民の怒りをますます拡大している。幾度となく示されてきた沖縄人民の意思を踏みにじるこの暴挙を弾劾し、あくまで辺野古新基地建設を強行しようとする日帝―岸田政権を許さず、沖縄現地での闘いへの決起、全国各地における連帯行動を強化していこう。沖縄人民の解放闘争を共に闘い、沖縄現地と「本土」を貫く闘いの前進を勝ち取ろう。 ▼④原発回帰政策を許すな 第四に、反原発闘争を推進していくことである。 岸田政権は昨年の通常国会において、原発の新増設、原発の運転期間の六〇年以上への延長、次世代型原子炉の研究・開発などを内容とするGX(グリーントランスフォーメーション)推進法など原発推進法案を強行可決した。原発推進を明確にした岸田政権は、四〇年超え老朽原発を含む原発の再稼働を繰り返し強行し、さらに中国や韓国、大平洋諸国をはじめ世界の労働者人民の大きな反対を無視し、福島原発事故の放射能汚染水の海洋投棄に踏み切った。さらに、CОP28においては、米国が提案した「二〇五〇年までに世界の原子力発電の設備容量を三倍に拡大する」という有志国宣言(二二カ国が署名)に名を連ねた。 労働者人民の過半は原発の廃炉を求めている。その民意を踏みにじり、原発推進を明確にする岸田政権を許してはならない。若狭(美浜、高浜)や東海第二での四〇年超え老朽原発をはじめ原発再稼働を阻止するための大衆的闘いを広範な労働者人民とともに推進し、全原発の廃炉に向けた展望を切り拓こう。地元住民の闘いと結合し上関原発建設を最終的に断念させるために闘うと同時に、新たに浮上した上関での使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設計画を白紙撤回させよう。放射能汚染水の海洋投棄を中止させ、福島からの避難者ヘの支援の打ち切りを許さず、福島の人々の困難な闘いへの連帯に取り組もう。 ▼⑤三里塚闘争の前進を 第五に、昨年二月の強制執行実力阻止闘争の地平に立ち、さらなる農地強奪と空港機能強化を粉砕する闘いを反対同盟とともに闘い抜いていくことである。 強制執行実力阻止闘争は三里塚闘争の不屈性をあらためて示した。しかし、成田空港会社はさらなる農地強奪をもくろんでいる。耕作権裁判においては市東さんの南台の農地の一部が空港会社の土地であるとし、市東さんを「不法耕作者」と言いなして、農地の明け渡しを要求している。この裁判が重要な攻防の段階に入ってきた。 成田空港会社はさらに、「空港機能強化」として第3滑走路建設、B滑走路の再延伸、深夜・早朝の飛行制限時間の短縮という攻撃に踏み出している。それは、芝山町を中心に農民・住民の土地を奪って空港面積を現在の二倍にまで拡張し、新たに多くの住民に耐え難い騒音被害を強制するものであり、廃村化を強制するものだ。これに対して、深夜・早朝の離発着の差し止めや損害賠償請求を求める周辺住民の新たな闘いが始まっている。 反対同盟とともに、市東さんの営農再建を支え、現地での攻防、裁判闘争を闘い抜き、さらなる農地強奪を阻止し、空港機能強化を粉砕しよう。強制執行実力阻止闘争の地平に立ち、反帝闘争の拠点として三里塚闘争をともに前進させよう。 ●(3章)階級闘争の新たな構造の建設に向けて われわれは、情勢が要求する政治闘争を闘い抜くと同時に、その闘いを全国と各地における闘争拠点の建設としっかりと結びつけ、日本帝国主義と対決する階級闘争の新たな構造をつくりだし、発展させていかなくてはならない。それは新たな社会を準備する階級の力量、革命の内実を今日から形成し、日本におけるプロレタリア革命の勝利を準備するための闘いだ。この闘いを粘り強く体系的におし進めていこう。 ▼①高まる階級的労働運動の役割 新自由主義政策が蓄積してきた貧困と格差の固定化に加えて、このかんの急激な物価高騰が労働者人民を直撃している。実質賃金は低下し続け、労働者人民の生活苦はますます増大し、とりわけ非正規職労働者、女性、外国人労働者にその犠牲が集中している。また、コロナ禍のなかで医療・介護などの現場では苛酷な労働実態が強いられている。 こうした状況のなかで、最も犠牲を強いられる層の労働者の利害に依拠しつつ、その生活と権利を守る闘いを全力で推進していこう。大幅賃上げ、全国一律最低賃金一五〇〇円以上の実現、均等待遇、技能実習生など外国人労働者の権利確立などの闘いを進め、24春闘の勝利を勝ち取ろう。 同時に、岸田政権による侵略反革命戦争体制づくりとその一環としての労働者の戦争動員体制づくりが強まるなかで、労働者反戦闘争の重要性が高まっている。岩国反基地闘争など積み重ねられてきた労働組合による反戦・反基地闘争の地平を引き継ぎ、全国各地で労働者の反戦闘争への決起をつくりだそう。 また、日系侵出企業下での労働争議の支援をはじめ労働者・労働組合としての国際連帯活動を推進しよう。さらに、連帯労組関西生コン支部への大弾圧をはじめ闘う労働組合に対する弾圧、組合つぶしを許さず、その反撃を拡大していこう。 日帝ブルジョアジーと岸田政権は、「リスキリング」や職務給の導入の推進などによって、「能力向上支援」などの言葉で労働者を分断し、相争わせる政策を推進していこうとしている。 また、ギグワーカーやフリーランスとして働く労働者の労働者性を否定し、労働者保護制度の解体を進めるなど、労働者から階級としての集団性と団結を奪いとろうとしている。芳野会長体制の下で自公政権へのすり寄りを強める連合はこのような資本の攻撃と対決できず、困難を強いられる労働者下層の利害を守れないことは明らかだ。 階級的労働運動の果たすべき役割はますます重要なものになっている。われわれはこのかん、一方での産業別・業種別労働組合の建設と他方での地域合同労組・地域一般労組建設の重層的な推進を当面する階級的労働運動の路線として措定し、この二つを「縦糸と横糸」とする共闘構造を各地で編み上げ、同時に全人民的政治闘争や反差別闘争と結びつくことで、労働組合・労働運動を日帝―独占資本と闘う階級闘争の基礎基盤として再構築することをめざしてきた。この闘いをさらに推進していこう。 ▼②被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争の推進 日帝の侵略反革命戦争体制の構築は、差別排外主義の強化を伴っておし進められている。これと闘う被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争とその拠点建設、反差別共同闘争の推進は、日本階級闘争の前進のための不可欠の課題だ。 部落解放運動においては、このかん無実の石川一雄さんの狭山第三次再審闘争の実現をめぐる煮詰まった攻防が続いてきた。10・31寺尾差別判決四九カ年を弾劾する日比谷集会・デモには二〇〇〇人以上が結集し、五二万筆を超える再審要求署名が提出された。何としても再審を実現し、石川さんの無罪を勝ち取るために全国各地での取り組みを発展させ、東京高裁を包囲する闘いつくりだしていこう。同時に、鳥取ループ・示現舎の「全国部落調査」復刻版出版事件に関する昨年六月の東京高裁判決を引き出した力をもとに、あらゆる部落差別煽動を許さず断固として闘い抜こう。 日帝による歴史的・現在的な障害者政策の差別性は、一昨年の国連障害者権利委員会の勧告書においても指弾されてきた。また、コロナ禍のなかで、障害者は必要な対策や介護を受けられず「生きる権利」を脅かされる現実を強制され、この困難は今も続いている。さらに、侵略反革命戦争体制づくりのなかで、天皇制優生思想にもとづく障害者への差別、隔離・抹殺攻撃が強まっている。その攻撃を打ち砕き、地域での自立解放闘争を進めつつ、障害者・精神障害者の解放闘争を前進させよう。 被爆者、被爆二世・三世は、広島サミット粉砕闘争を闘い抜き、8・6広島闘争をはじめ反戦・反核闘争の先頭に立ってきた。また、上関原発建設阻止をはじめ反原発運動を持続的に推進している。これまでの地平の上に、反戦・反核・反原発・被爆者解放を掲げた闘いのさらなる前進を勝ち取ろう。被爆者援護法にもとづく援護を求める被爆二世集団訴訟に勝利しよう。国籍を問わずすべての被爆者、被爆二世・三世に対する国家補償を実現するために闘おう。 沖縄解放闘争は、すでに述べたように琉球弧の軍事要塞化の推進、辺野古における国の「代執行」攻撃―大浦湾側の埋め立て工事の着工という一体となった攻撃に直面し、新たに緊迫した局面に突入している。これに対して、「台湾有事」論など排外主義煽動を粉砕し、全島的な闘いをさらに発展させていくために闘おう。沖縄―「本土」を貫く沖縄解放闘争の前進を勝ち取り、安保粉砕―日帝打倒・米帝放逐に向けて闘おう。沖縄人共産主義者とその闘いの建設・前進を実現しよう。 貧困の蓄積と拡大、コロナ禍、物価高騰のなかで、女性に対する抑圧は強まっている。コロナ禍は女性の自死率を急増させ、労働現場においては非正規職として働く女性の統計上には現れない隠された失業を拡大させてきた。また、戦争体制づくりが性と生殖の国家統制の強化を伴って進められてきたことは過去の歴史が教えている。労働現場と家庭、社会における女性への差別と抑圧、犠牲が再生産されますます拡大するなかで、あらゆる性差別・性暴力を許さない女性解放運動の前進を勝ち取っていこう。 昨年の通常国会で強行可決された「LGBT理解増進法」は、「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意する」という条文を加えることで、当事者の要求に敵対し、セクシャル・マイノリティへの差別を強化する差別立法となった。とりわけトランスジェンダー女性が攻撃の矢面に立たされてきた。同時に、昨年の広島サミット粉砕闘争に向けた闘いのなかでのトランスジェンダー差別問題の発生が示すように、社会運動のなかにも根強く差別が存在しており、その克服が問われている。セクシャル・マイノリティの置かれている現実を学び、われわれ自身の取り組みを前進させ、声をあげ解放に向けた闘いに立ち上がっている当事者ともに、あらゆる性差別・性暴力を許さない闘いを推進していこう。 入管体制との闘いを前進させよう。在日・滞日外国人の闘い、それに対する連帯を進めていこう。スリランカ人女性ウィシュマさんの虐殺事件をはじめ入管収容所での被収容者に対する虐待は、外国人差別にもとづく国内階級支配の一環としての入管体制の残虐性を明らかにしてきた。また、「現代の奴隷制」と呼ばれる技能実習制度は、昨年の有識者会議による最終報告」でその「廃止」が提言されたが、「育成就労制度」と名前を変えただけだ。外国人労働者の権利に制限を加え、雇用の調整弁として底辺労働に据え置こうとするものであることは変わっていない。朝鮮学校は無償化制度から排除され続けている。これら差別政策と排外主義集団によるヘイト・スピーチや襲撃を許さず、在日・滞日外国人の権利の前進と確立に向けて共に闘い、差別・抑圧と排除を基調とする入管法―入管体制の解体に向けて闘いを前進させよう。 ▼③青年運動の前進を このかん入管法改悪反対の闘いや気候変動に関する取り組み、セクシャル・マイノリティ差別を許さない闘いなど、さまざまな運動に多くの青年たちが立ち上がってきた。イスラエルのガザ侵攻―パレスチナ人民大虐殺の即時停止を求める闘いにおいても、全国各地で青年・学生たちによる反戦行動が生み出されている。 そうした青年層の闘いと結びつき、それを支え推進すると同時に、そのなかから反帝国主義・プロレタリア国際主義に立脚した青年自身の運動と組織をつくりだし発展させていかなくてはならない。労働者階級、被抑圧人民・被差別大衆の解放の闘い、反戦・反差別・国際連帯の闘いを推進し、資本主義・帝国主義の打倒をめざす青年運動のさらなる前進を勝ち取ろう。 あわせて青年の労働組合への組織化を進め、階級的労働運動の担い手としての青年労働者の決起を実現していくことである。階級闘争の未来を担う青年層の決起をあらゆる戦線・課題において押し広げていくために闘おう。 ▼④国際連帯闘争を推進しよう 国際的な情勢の激動のなかで、国際反戦闘争に立ち上がり、全世界の労働者人民との連帯を築いていくことが求められている。東アジアおよびアジア大平洋地域においては、「台湾有事」が煽り立てられ、日米韓による三国軍事同盟化をはじめ日米帝が主導する集団的な安保体制の構築が進むなど、戦争体制づくりが強められ、軍事緊張が拡大している。こうした情勢のなかで排外主義を打ち破り、反戦・反帝国主義にもとづく国際共同闘争を前進させていくことがますます重要になっている。アジア共同行動(AWC)の闘いを支え、アジア各地の労働者人民の闘いと連帯・結合した闘い、反帝国際共同闘争のさらなる前進を勝ち取ろう。 岸田政権による侵略反革命戦争体制づくりや韓国、フィリピンなどとの軍事的連携の強化は、日帝による植民地支配・侵略戦争およびその歴史の居直り、歪曲と一体のものとして進められている。これを許さず、強制動員被害者や日本軍性奴隷制度被害者をはじめ日帝の植民地支配・侵略戦争のすべての被害者に対する日本政府による謝罪と国家賠償の実現に向けて闘っていかなくてはならない。また、日系侵出企業下での労働争議、反動的・反人民的政権による弾圧と闘う各地の人民運動への支援・連帯を進めよう。 ▼⑤左派共闘の前進を 全人民的政治闘争を発展させ、自国帝国主義の打倒に向けて日本階級闘争の前進を切り拓いていくことは、資本主義批判・帝国主義批判に立脚する全国の共産主義者や闘う活動家の共通の課題だ。 日帝―岸田政権はいま、侵略反革命戦争体制の構築にのめり込み、反動的政策を全面展開させる一方で、腐敗と反人民性をあらわにして支持率をますます続落させている。そうした状況のなかで、実力闘争を基礎にしつつ、労働者人民の広範な闘いを戦闘的にけん引するために左派勢力の共闘を前進させていかなくてはならない。われわれは、首都圏での「戦争・治安・改憲NO! 総行動実行委員会」や「資本主義を超える新しい時代を拓く反戦実行委員会」(反戦実)をはじめとする闘いを通して、それを推進していく。 同時に、岸田政権の打倒にとどまらず、日本帝国主義を根本打倒し、それに代わる新たな社会とその内実をつくりだしていくことが左派勢力の共同の努力として求められている。全人民的政治闘争、反帝国主義闘争における実践を共通の基盤として、様々な分野での討議と共同行動を積み重ね、日本階級闘争の戦闘的再編を切り拓く左派共闘の前進を勝ち取ろう。 ●(4章)共産主義運動の飛躍と前進を 米帝を中軸とした帝国主義が主導するこれまでの世界支配秩序が大きく揺らいでいる。そのなかで何とかして世界覇権を維持しようとする帝国主義の動向が、世界の分断と対立、戦乱を拡大してきた。 これに対して、帝国主義の世界支配そのものへの批判が広がっている。とりわけイスラエルのパレスチナ人民大虐殺に対する抗議と即時停戦を求める国際反戦運動のなかで、ブラック・ライブズ・マター運動がそうであったように、帝国主義とその植民地主義の歴史に対する批判が世界的に広がっている。また、資本のあくなき利潤追求のための新自由主義政策による貧困と格差の極限的な拡大のなかで、ストライキに立ち上がる労働者が世界各地で拡大している。気候変動問題は、独占資本の野放図な活動と問題解決を先送りにしようとする帝国主義諸国政府の対応を暴露しながら、資本主義というシステムそのものの限界性を問うものとなっている。 帝国主義の世界支配の暴虐性、資本主義の矛盾はますます明らかになっており、労働者階級人民の闘いが広がっている。日本においても、新たな社会の実現を求める労働者階級人民の闘いはさまざまな形で前進している。拡大する労働者階級人民の抵抗と結びつき、資本主義・帝国主義を打倒し、搾取・抑圧・差別を世界的な規模で廃絶し、階級解放・全人民の解放の実現に向かって進む共産主義運動の新たな前進と飛躍こそが今、切実に求められている。われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、ますます激動する世界の激動と国際的な労働者階級人民の闘いの拡大のなかで、自らに要求される実践的・綱領的な飛躍を成し遂げ、この全世界の共産主義者に求められている課題を全力で遂行していく決意だ。 資本主義・帝国主義を打倒し、それに代わる社会をつくりだしていくためには、労働者階級人民の闘いをプロレタリア革命に向かって牽引する革命的で階級的な党の建設が不可欠だ。労働者階級、被抑圧人民・被差別大衆のなかに深く根を張り、解放に向けた労働者階級人民の闘いをその先頭で推進する革命的労働者党建設の事業を共に担っていこう。 われわれは自国帝国主義の打倒をめざし、労働者階級人民の現実の闘いの先頭に立って闘い抜くなかから、そのような党建設の前進をつくりだしていく。われわれは排外主義と対決し、プロレタリア国際主義に立脚した闘いを推進し、日本階級闘争と国際階級闘争、日本革命と世界革命の結合に向けて闘う。 また、完全黙秘―非転向の闘いを基礎にして、階級対立の非和解性に根拠をもったブルジョア国家権力の弾圧を粉砕し、党建設と階級闘争の前進を勝ち取っていく。資本主義の改良の内に労働者人民の闘いをおしとどめる社会民主主義、現実の階級闘争とは切断されたところで党の同心円的拡大のなかに未来社会を夢想する宗派主義と分岐した日本における革命的労働者党建設の前進を勝ち取ろう。 さらに、一国主義と生産力主義、労働者人民の自己権力としてのソヴェトを否定・破壊のうえに破産したスターリン主義の総括を深めていく。労働者人民が担うべきプロレタリア革命、プロレタリア独裁の内実を準備していくために、階級闘争実践と理論活動の前進のなかから現代革命の実現に向けた綱領的内容の深化を勝ち取っていかなくてはならない。 資本主義・帝国主義の延命は、労働者人民の生存とは相いれない。今年二〇二四年、国家・資本の攻撃と対決し、アジア・全世界での労働者階級人民の闘いと連帯して、資本主義の根底的変革、帝国主義の世界支配の打倒に向けた階級闘争のさらなる前進を実現していかなくてはならない。 階級解放・全人民解放に向けた闘いを共に推進し、それを牽引する現代共産主義運動の前進と飛躍を勝ち取ろう。全国の闘う仲間の皆さん、共産主義者同盟(統一委員会)とともに闘おう。 |
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