共産主義者同盟(統一委員会)


1646号(2023年11月5日)







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  2023岩国行動の成功を
  イスラエルは虐殺と破壊をやめろ
  
パレスチナ人民連帯の反戦決起を




 ハマスによる「アルアクサの洪水作戦」に打撃を受けたイスラエルのネタニヤフ政権は、パレスチナ・ガザ地区への空爆を続け、さらに地上戦へと踏み出していこうとしている。米帝―バイデン政権を筆頭とする帝国主義諸国はイスラエルとその軍事攻撃を支持している。これを弾劾し、パレスチナ人民の抵抗に連帯する反戦行動に立ち上がることは全世界の労働者人民の緊急の課題だ。
 他方、東アジアにおいては、岸田政権が「台湾有事」などの排外主義煽動をもって、米帝とともに戦争体制づくりをおし進めることで、この地域の軍事緊張を拡大している。沖縄に対しては、琉球弧の軍事要塞化を推進し、辺野古埋め立て工事の設計変更をめぐる代執行訴訟に踏み出すことで、沖縄にますます犠牲を強要しようとしている。
 それを許さず、沖縄、アジア、闘う全世界の労働者人民と連帯し、この一一月の反戦行動に立ち上がろう。


●イスラエルはガザ軍事侵攻をやめろ

 パレスチナのガザ地区を拠点とするハマスは一〇月七日早朝、「アルアクサの洪水作戦」と名付けたイスラエルに対する電撃的な軍事攻撃を開始した。数千発のロケット弾をイスラエル側に打ち込み、いくつもの地点で「分離壁」を突破してイスラエル領内での地上戦を展開するなど、近年にない大規模な軍事作戦の展開である。この作戦はハマスを中心とするものだが、PFLPやイスラム聖戦など他のパレスチナ勢力も参加している。また、イスラエル領北部ではレバノンのヒズボラによる攻撃も行われてきた。
 これに対してイスラエルの首相ネタニヤフは「戦争状態」を宣言し、戦争遂行のための「挙国一致内閣」を成立させるとともに、電気、ガス、水、食糧や燃料の供給を停めてガザ地区を完全に封鎖し、「報復」と称してガザ地区などへの無差別的な空爆に踏み出した。イスラエルによる連日の空爆によってパレスチナ側の死傷者は拡大の一途をたどっている。ガザの街は破壊され、封鎖のなかで人道危機・食糧危機が発生している。イスラエル軍は過去最大の三〇万人の予備役を召集するとともに、一〇万人の部隊をガザとの境界地帯に集結させており、全面的な地上侵攻に踏み出していこうとしている。
 米帝―バイデン政権はただちにイスラエル・ネタニヤフ政権への全面支持と軍事支援の強化を表明した。また、米英独仏伊の米欧帝国主義五カ国は共同声明を発表し、イスラエルへの「揺るぎない結束した支持」を明らかにした。米国は原子力空母ジェラルド・フォードを中心とする空母打撃群を東地中海のイスラエル沖に展開させており、さらにイスラエルの後方支援のために海兵隊など約二〇〇〇人の米軍部隊が中東での即応体制をとっている。一〇月一八日にはバイデンがイスラエルを訪問し、ハマスを「テロリスト集団」と非難するとともに、「アメリカはイスラエルとともにある」と述べ、あらためてイスラエルとそのパレスチナに対する攻撃への支持を明らかにした。日帝―岸田は、イスラエル、アラブ諸国双方との友好関係が石油利権維持のために必要との立場で「中立」を装ったが、米欧帝国主義諸国と協調してハマスを強く非難している。
 しかし、今回の事態は突然に起こったことではない。帝国主義に支えられたイスラエルは、パレスチナ占領を継続し、パレスチナ人を追い出して入植地を拡大し、アルアクサ・モスクなどイスラム教の聖地を蹂躙してきた。パレスチナ人民の抵抗に対しては、民間人を犠牲にする無差別の空爆やパレスチナ人指導者や戦闘員の暗殺をはじめ徹底的な弾圧と虐殺で応えてきた。とりわけ昨年末に発足したネタニヤフ政権は極右政権として、パレスチナ人民に対する民族浄化というべき行動をとり続けてきた。今年七月のパレスチナ・ヨルダン川西岸地区のジェニンでの大規模な軍事作戦をはじめ、ネタニヤフ政権の下でイスラエル軍の攻撃によるパレスチナ側の犠牲は近年にない規模で増加してきた。「アルアクサの洪水作戦」はそのようなイスラエルによる歴史的な抑圧と虐殺に対するパレスチナ人民の反撃の一環として決行された。
 問題の根本はイスラエルによる不当なパレスチナ占領にある。これに対するパレスチナ人民の抵抗闘争、解放闘争を断固として支持しよう。イスラエル・ネタニヤフ政権によるガザ軍事侵攻を止めるための反戦行動に立ち上がることは全世界の労働者人民の緊急の課題になっている。帝国主義に支援されたイスラエルによるガザ攻撃を許さず、パレスチナ人民の抵抗に連帯しよう。


●大軍拡―戦争動員許すな 岸田政権打倒

 東アジアにおいては日米帝国主義がこの地域の軍事緊張をますます拡大させている。さる一〇月一四日から三一日にかけては、沖縄の島々や九州を主要な舞台にして陸上自衛隊約二八〇〇人と米海兵隊約一四〇〇人が参加する日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23」が実施された。「島しょ防衛」を目的に、これまで北海道や東北で行われきたものを沖縄や九州で実施し、より実戦的な演習として行われている。この演習をはじめ、琉球弧を戦場に見立て、そこに向けて全国の自衛隊や米軍を集結させる合同軍事演習が、昨年一一月の「キーンソード23」や今年七月の「ノーザン・エッジ23」、九月の「オリエント・シールド23」など繰り返されている。安保三文書の下で進む琉球弧を最前線にした戦争体制づくり、自衛隊による敵基地攻撃態勢の構築に反対する闘いをおし進めていこう。
 辺野古新基地建設をめぐっては、軟弱地盤の改良工事に関わる防衛省による設計変更申請を沖縄側が不承認としていることに対して、最高裁が九月四日に沖縄側の主張を却下する反動判決を下した。それを受けて、国側―国土交通相は、設計変更申請を承認するよう勧告・指示したが、沖縄・玉城デニー知事がそれに従わず実際上の不承認の姿勢をとり続けたことに対して、国土交通相は一〇月五日に「代執行」を提訴した。
 これに関して玉城知事は、「承認するという立場には立てない」、「基地負担が現在も過重であるにもかかわらず、固定される基地が建設されることに対する県民の反対の民意は明確に出されている」として、不承認の立場で裁判に臨むことを明らかにしてきた。一〇月三〇日には代執行裁判の第一回口頭弁論が行われた。あくまで設計変更を認めない、辺野古新基地建設を認めないという玉城知事の姿勢は沖縄の民意を反映するものである。その民意を踏みにじる国による「代執行」提訴を弾劾し、辺野古新基地建設阻止の闘いを沖縄―「本土」を貫いて進めていこう。
 沖縄の人民は、この国による辺野古「代執行」攻撃を弾劾するとともに、「沖縄を再び戦場にするな」のスローガンの、琉球弧での自衛隊配備増強に反対する闘いを進めており、一一月二三日には那覇市の奥武山公園で県民大集会が開催される。
 このような戦争体制づくりが強行される一方で、物価高騰などに伴う生活苦の増大のなか、岸田政権の支持率はますます低下している。一〇月の毎日新聞の世論調査では、内閣支持率は実に25%で、他のマスコミの調査でも支持率は低迷し続けている。政権批判の強まりのなかで、岸田政権は「総合経済対策」をまとめたが、補正予算で一時的なばらまきを寄せ集めるものでは、労働者人民の民生を根本的に向上させることはできない。戦争を準備し、労働者人民にさらなる貧困化を強いる岸田政権を打倒する闘いに立ち上がろう。


●プロレタリア国際主義貫き、反戦闘争に立ち上がろう

 一一月、プロレタリア国際主義に立脚し、反戦闘争をおし進めていこう。帝国主義に支援されたイスラエルによるガザ攻撃を許さず、全世界の労働者人民と共にパレスチナ人民の抵抗闘争に連帯する国際反戦闘争に立ち上がろう。
 同時に、東アジアにおける反戦闘争の前進に向けて、以下の闘いを進めていこう。
 第一に、アジア共同行動(AWC)日本連絡会議による訪韓団と「日米のアジア侵略・支配と闘うアジア・キャンペーン」(AWC)が韓国で開催するCCB(キャンペーン調整委員会)会議の成功を共に勝ち取っていくことである。
 東アジアの軍事緊張が高まるなかで、排外主義煽動を打ち破り、日米帝国主義の戦争政策と対決する日韓、そしてアジア各国・地域の労働者人民との実践的連帯を前進させていくことである。
 第二に、AWC日本連と岩国・労働者反戦交流集会実行委が呼びかけている「2023岩国行動」を支え、その成功を勝ち取っていくことである。
 岸田政権の戦争政策、日米安保体制の飛躍的強化のなかで、米軍岩国基地は米軍の展開拠点としてますます強化されている。全国から岩国に結集し、日米軍事同盟粉砕―アジアからの米軍総撤収に向けて闘おう。戦争体制づくりが強化されるなかで、労働者階級が反戦闘争に立ち上がることが今こそ問われている。
 第三に、沖縄・奥武山公園で開催される「沖縄を再び戦場にさせない! 11・23県民大集会」と共に、全国で沖縄人民の闘いと連帯する反戦・反基地行動に立ち上がることである。
 「台湾有事」を煽動し、琉球弧の要塞化・戦場化に向かおうとする岸田政権に対する沖縄人民の怒りは、新たに大きく拡大している。「11・23県民大集会」を沖縄人民とともに闘い、全国各地での闘いを成功させよう。
 プロレタリア国際主義に立脚した反戦・反基地闘争の前進を共に勝ち取ろう。


   

 


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