1645号(2023年10月20日) |
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イスラエルはガザ侵攻をやめろ 今こそ労働者階級の反戦決起を 岸田大軍拡阻止!岩国行動に結集を ●ウクライナ侵略戦争を即時停戦せよ ▼戦争支援が長期化する帝国主義 九月に開催された第七八回国連総会において、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアを激しく非難し、ロシア軍の全面撤退を求め、さらなる軍事支援を訴えた。米大統領バイデンも、ロシアの侵略を非難し、軍事支援継続を主張した。バイデンはウクライナ側が強く求めていた長射程の地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」を供与する方針を伝えた。領土奪還に向けたウクライナ軍の反転攻勢を後押しする狙いがある。米帝は、あくまでも戦争の「継続」を主張し、支援国の「団結」を訴え続けている。 ウクライナの「反転攻勢」が開始されてから半年近くが経過したが、「停戦」にむけた動きはまったくみられず戦争の長期化にともなって支援国の間にも「足並みのみだれ」が指摘されはじめている。必ずしも国際世論がウクライナ支援一辺倒ではなく、ウクライナを支援する欧米や日本などとロシアに一定の理解を示す中国やベラルーシ、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)のように支援を表明する国々とに大きく二分されている現実が明らかになってきている。G20サミット首脳宣言ではロシア名指しの非難をすることができなかった。 戦争の長期化の中で米共和党はウクライナ支援縮小を主張し、米連邦政府の一一月中旬までの運営費をまかなう「つなぎ予算」が九月三〇日夜に成立したが、つなぎ予算からはウクライナへの支援が除外され、支援の継続性に対する懸念が公然化した。 また、ポーランドは食糧禁輸問題をめぐってウクライナとの対立がエスカレートしており、ポーランドのモラヴィエツキ首相は九月二〇日、ウクライナへの武器供与をやめると表明した。さらに、NATO加盟国であるスロバキヤの総選挙において、ウクライナへの軍事支援に反対する「スメル(道標)」が、支援の継続を訴える「プログレッシブ・スロバキア」(PS)を抑えて、第一党となった。今後の連立次第ではNATO内でのウクライナ支援をめぐり分裂、対立などが予想されている。 他方、ロシアも戦争長期化によってナゴルノ・カラバフをめぐる紛争では、アルメニア支援継続が困難になっていた。それを見据えたアゼルバイジャンは九月一九日、一挙に軍事制圧をおこなった。これによりナゴルノ・カラバフからのアルメニア系住民約一〇万人(全体で約一二万人)がアルメニアへと逃れる事態も生れている。 ロシアによるウクライナ侵略戦争は、米帝主導の対中国、ロシアの弱体化を狙った国際秩序の再編と強化の思惑を越えて、新たな世界再編成にむけた流動化を加速させている。国際世論がウクライナ支援を巡って二分化、対立が激化しているなどという単純なものではない。新興国や「途上国」といわれる多くの国がなぜロシアの制裁に反対、あるいは中立の立場をとるのか。ケンブリッジ大学がおこなった調査・報告書では「多くの新興・途上国では、ロシアとウクライナの戦争は米帝や日・欧帝国主義が言うような権威主義国家による民主国家への侵略ではなく、西側諸国とロシアとの国益の衝突と受け止められているのです」と分析、報告している。今後、ウクライナ戦争をめぐり各国は「国益」による動きを一層顕在化させることは明らかだ。 米欧日帝国主義は、ただちに戦争継続のための武器供与をやめよ! ロシアはただちに停戦せよ! ▼今こそ戦争継続反対を 今年一月にイギリスが主力戦車「チャレンジャー2」供与とともにウクライナに供与した軍事物資に劣化ウラン弾が含まれていることが、BBCなどの報道によって明らかになったが、米国もウクライナによる「反転攻勢」を助けるとして劣化ウラン弾の供与を九月に発表している。劣化ウランの大部分を占めるウラン238の半減期は、四五億年ともいわれており大地を汚染し、環境のみならず人体に内部被爆の被害をもたらし続ける。その深刻さは、湾岸戦争やイラク戦争で米英による劣化ウラン弾の大量使用により、今なお放射能汚染被害に多くの人民が苦しめられている現実を見れば明らかだ。 また、ロシア、ウクライナ双方が「非人道的」兵器として「オスロ条約」によって生産・貯蔵・使用が禁止されているクラスター弾の使用を継続しており、米国は七月、九月にその継続供与を決めた。NATO同盟国や日本は、その供与や使用に沈黙を貫いている。ベトナムやアフガンでも使用され、その残った不発弾などによって多くの一般市民が今も犠牲となっている。 戦争の継続は、こうした殺傷兵器のエスカレートをもたらし、ますます双方の労働者人民の命を奪い、国土を不発弾や放射能汚染まみれの土地に変えていく。米欧日帝国主義各国はウクライナの国土がどうなろうが、ウクライナ人がどれほど亡くなろうが、ロシアを追い込み弱体化させ解体するためにのみウクライナに軍事支援を続けているのだ。ウクライナ戦争即時停戦を掲げ、闘いぬかなければならない。 ●大軍拡―戦争動員許すな 岸田政権打倒 今、世界ではウクライナ戦争を奇貨として日本を含め各国が軍事力の増強に拍車をかけている。岸田政権は、ウクライナ戦争の継続と核使用の危機が現実的に迫っているとして被爆地・広島で開かれたG7広島サミットで「核抑止力」を改めて容認した。また、「国家安全保障戦略」では「自分の国は自分の力で守り抜ける防衛力を」「国民が我が国の安全保障政策に自発的かつ主体的に参加できるようにする」と明記されている。改憲を通して平和憲法を解体し、戦後の反戦・平和意識を国防意識へと転換させ戦争総動員にむけた土壌を作り出していこうというのだ。 ▼防衛相・木原稔の宮古・石垣訪問弾劾 九月一三日の内閣改造で防衛大臣となった木原稔は、「南西諸島の防衛体制の強化が喫緊の課題」と言い放って、九月二四日に宮古島、石垣島を訪問した。自衛隊基地と部隊の視察を行い、市長とは会談しながら、沖縄島に向かうことはせず、玉城デニー知事との会談も行わなかった。沖縄「県」が準備した要望書を受け取ることもなかった。沖縄人民と話す姿勢すら見せなかったのだ。 木原は、自民党第三派閥の茂木派所属だが、安倍元首相の存命中は親衛隊のひとりであり、安保三文書の改定をめぐっては、与党実務者協議で防衛費倍増や敵基地攻撃能力保有に向けて旗振り役を努め、防衛装備移転三原則の形骸化にも動いたゴリゴリの改憲タカ派だ。そのため、今後「武器輸出に向けてルールの緩和やセールスを積極的に進める可能性がある」と指摘されている(『東京新聞』二〇二三年九月一五日付)。「台湾有事」をことさらに煽り立てる岸田政権の急先鋒として、琉球弧の要塞化に突き進む攻撃だ。断固弾劾しなければならない。 ▼ミサイル部隊配備反対 弾薬庫建設を許すな 岸田政権は、安保三文書の閣議決定にもとづき五年間で総額約四三兆円という大軍拡予算を決定した。ただし、ここには毎年の二〇〇〇億円を超える米軍再編関連予算や海上保安庁などに絡む予算は含まれていない。 昨年、岸田政権は自衛隊の継戦能力を強化するため二〇三五年までに全国で新たに約一三〇棟の弾薬庫を整備する方向で調整に入った。陸上自衛隊が約九〇棟、海上自衛隊が約四〇棟の弾薬庫をそれぞれ整備する計画で調整しており、まず五年間で六〇~七〇棟の整備を目指すつもりだ。弾薬庫は全国に約一四〇〇棟あるが従来の弾薬に加え、長射程の「スタンド・オフ・ミサイル」の保管を主に想定している。そして、防衛省は二〇二四年度、北海道(六か所)、宮崎(えびの)、鹿児島(瀬戸内町)、沖縄(沖縄市)四道県の陸上自衛隊施設九か所で弾薬庫の整備に着手する方針を明らかにした。 すでに、大分県の敷戸弾薬庫では「スタンド・オフ・ミサイル」を保管する大型弾薬庫二棟の建設工事が一一月にも始まろうとしている。京都でも陸上自衛隊祝園分屯地に長射程ミサイル保管のための大型火薬庫を建設する計画が浮上しており、すでに調査費四億円が計上されている。今後、全国各地でこうした大型の弾薬庫建設が周辺住民を無視して強行されようとしている。 全国各地の弾薬庫建設を許さず、地元住民と連帯して闘い抜こう。 ●プロレタリア国際主義貫き、今秋期反戦闘争に立ち上がろう 今秋期闘争は、支持率の低迷にあえぐ岸田政権を打倒していく決定的に重要な闘いだ。反戦国際連帯闘争に総力決起し、岸田―自公政権を打倒しよう。 ▼2023岩国行動に全国から結集しよう 第一の闘いは、一一月一八―一九日に予定されている2023岩国行動に全力で決起することである。岩国米軍基地は、現在、米四軍が常時使用する基地となり、極東最大の空軍基地ともなった米軍の戦略的重要拠点のひとつである。アジア共同行動・日本連に結集する仲間たちは、この間在日米軍と自衛隊の再編強化が打ち出された直後から毎年岩国国際連帯集会と労働者実による労働者反戦交流集会を組織し、闘い抜いてきている。それは、単に日本国内に止まらず韓国、台湾、フィリピンで反米帝―米軍基地撤去を闘う労働者・市民との連携と連帯を形成し、対共和国、対中国の戦争策動と真向から対決する国際連帯陣形として形づくられてきている。 第一列島線に沿って米帝が目論む「中国封じ込め」戦略と真向から対峙する闘いこそアジア共同行動・日本連による闘いに他ならない。アジア共同行動・日本連と岩国・労働者反戦交流集会実行委員会とが呼びかける2023岩国行動に全国から結集し、反戦―反基地闘争を闘おう。 ▼沖縄を再び戦場にさせない! 11・23県民大集会へ 九月四日 最高裁第一小法廷は、沖縄「県」から出されていた国土交通省の是正指示の取り消しを求める訴えに対して「国の指示は適法だ」として上告を退ける判決を言い渡した。法廷を一回も開くことなく、また、建設にかかわる最も重要な軟弱地盤問題に一切触れることなく「手続き」論だけで棄却したのだ。権力の「番犬」らしい最高裁決定であり、絶対に許すことはできない。「辺野古」の工事を強行し、「台湾有事」を煽動しながら琉球弧の要塞化を急速に進める岸田政権に対する沖縄人民の怒りは、新たに大きく拡大している。七月に結成された「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」は、九月の「県民の会設立キックオフ集会」に続き、一一月二三日に那覇市で「県民大集会」の開催を予定している。沖縄人民とともに「県民大集会」の成功と全国で呼応した闘いに全力で決起しよう。 ▼11月韓国労働者大会へ結集しよう コロナ禍で中断を余儀なくされていた日韓労働者連帯の闘いとして一一月韓国労働者大会へ結集しよう。労働者への抑圧と共和国への敵視を強める尹錫悦政権と闘う韓国労働者と交流・連帯し、ともに闘うことは東アジアにおける分断と対立を乗り越え、軍事的緊張と対決し、日米韓による対共和国、対中国の戦争を阻止していくきわめてプロレタリア国際主義的な闘いなのだ。先進的労働者は、一一月韓国労働者大会へ全力で決起しよう。 |
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