共産主義者同盟(統一委員会)


1644号(2023年10月5日)







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  アジアでの集団的安保体制構築を許すな
  10・15、10・21反戦闘争に結集を!
  
狭山再審を決定せよ 10・31日比谷集会へ
  


岸田政権の軍事外交を絶対に許すな

 岸田首相は九月六日・七日、とインドネシアでのASEAN関連の会議に出席した。ASEAN+3(日中韓)首脳会議では、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)のミサイル発射問題を強調し、強く共和国を批判した。朝鮮半島の非核化ではなく、共和国の非核化の実現を主張した。さらに、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化が不可欠」と、ここでは名指しはしなかったが、中国を牽制した。
 これらは、八月の日米韓首脳会議=「キャンプ・デービッドの精神」なる三カ国同盟強化の合意を基底に据えて、ASAEN諸国に対しても中国包囲に加わることを促すものに他ならない。
 ASEAN+3で岸田首相は、放射能汚染水の海洋放出に関して「安全性に万全を期した上で実施」したと主張。そして、「中国は、今回の海洋放出を受けて日本産水産物の輸入を全面的に一時停止するなど突出した行動をとっている」と、ここでは名指しで中国を非難した。
 岸田首相は、インドネシア訪問に続いて九月九日・一〇日にはインドを訪問し、G20に参加した。岸田首相は、インドネシア、インド訪問の間の会議(多くの二国間の首脳会議を含む)で、汚染水の海洋放出の正当性を主張した。汚染水の海洋放出直後でもあり、まさに汚染水外交とでも呼べる外交を展開した。その一方で、中国の李強首相とは首脳会談を設定せず、「立ち話」で、放射能汚染水の海洋放出に関しての日本側の主張を行うだけだった。


今秋期闘争に立ち上がろう

▼放射能汚染水の海洋放出をやめろ

 八月二二日、岸田政権は、放射能汚染水の海洋放出を閣議決定した。そして東電は二四日に放出を開始した。この過程で岸田首相は、全漁連とは面会したが、福島県漁連とは会ってもいない。全漁連も、福島県漁連も海洋投棄には反対してきた。にもかかわらず岸田首相は、「理解は進んでいる」として、海洋投棄を開始したのだ。政府と東電は、二〇一五年に「関係者の理解なしにいかなる処分もしない」と約束していたが、一方的に反古にしたのだ。絶対に許すことはできない。
 福島原発からの放射能汚染水は、通常の原発からでる排水とは異なる。核燃料デブリに接した汚染水には多くの放射性核種が含まれ、それは処理しても処理しきれないものだ。安全でないからこそ、これまで地上のタンクで保管してきたのだ。それを「汚染水ではない」「処理水は安全」という宣伝をマスコミを通じて繰り返し行いながら、海洋放出を正当化しようとしているのだ。
 放射能汚染水の海洋放出に、韓国、中国、アジア太平洋の島嶼国の人々もまた強く批判している。岸田政権は、そうした人々の反対の声を無視し、中国のみが反対しているかのように、国際・国内の世論を誘導しようとしている。われわれは国内外で取り組まれている原発反対、汚染水の海洋放出反対の声を受け、海洋放出中止に追い込むための活動を行おう。

▼原発推進政策に断固反対しよう

 福島原発事故後、リスクの高い老朽原発稼働を抑えるために、「原則四〇年、最長六〇年」とした。それを岸田政権は、原発推進政策に大転換し、今年五月には、六〇年を超える運転を可能とする法律を成立させた。
 九月一五日、関西電力は高浜二号機を一二年ぶりに再稼働させた。これで関西電力は、新規制基準の下で全七基を再稼働させたことになる。関西電力の使用済み燃料プールの貯蔵率は八割を超え、再稼働を続ければ数年後にはプールは満杯になり、原発の運転を止めざるを得ない状況だ。
 福井県は、使用済み核燃料の県外への搬出を求めており、関西電力は、本年末までに中間貯蔵施設を福井県外に確定させることを約束していた。
 中間貯蔵施設問題で切羽詰まった関西電力は、六月には、二〇二〇年代後半には使用済み核燃料の5%をフランスに搬出して再処理するので約束を果たしたなどとうそぶいた。さらに8月2日、関西電力は、中国電力と一緒になって山口県上関町に中間貯蔵施設建設のための調査の申し入れを行ってきた。上関原発建設に反対してきた人々の思いを踏みにじるもので、絶対に許すことはできない。
 これら関西電力の暴挙に対して、一〇月二二日「使用済み核燃料の行き場はないぞ!全国集会」(関西電力本社前)、一二月三日「とめよう! 原発依存社会への暴走 一万人集会」(大阪市内)に結集しよう。

▼10・8三里塚全国集会に結集しよう

 今年二月、政府-成田空港会社による市東孝雄さんの天神峰の農地強奪に対して、反対同盟と支援は大衆的実力闘争で断固としてたたかい抜いた。その後五月になって六名を不当逮捕する報復弾圧を強行してきた。サミット反対闘争に向けた事前弾圧でもあった。この弾圧に対しては木更津七三号をはじめ被弾圧者全員が、完黙―非転向で闘い抜き、これを粉砕した。
 市東さんは、天神峰の農地を奪われただけでなく、農作業場やビニルハウスなど営農に必要な施設を破壊撤去されたが、今夏、営農に必要な施設を支援とともに再建した。市東さんは自ら宣言した通りに、天神峰で農業を続けている。成田空港会社の営農破壊を敢然と粉砕しているのだ。
 成田空港会社は、一〇月にも第3滑走路(=C滑走路)の準備工事に着手しようとしている。これは、昨秋のB滑走路延伸のための準備工事に続く、空港機能強化、空港拡張工事の着手攻撃だ。また、「新しい成田空港」構想と称して、新ターミナル建設などを行おうとしている。これらは、農村を破壊し、騒音被害を拡大するものだ。
 農地強奪を阻止する闘い、第3滑走路建設と空港拡張を阻止する闘い、そして空港会社が掲げる『新しい成田空港』構想を粉砕するべく、10・8全国総決起集会に結集して、反対同盟とともに闘おう。

▼第三次再審闘争勝利! 10・31狭山闘争に結集を

 一九六三年の狭山事件の発生から六〇年、一日も早く石川一雄さんの無罪判決を勝ち取らなければならない。
 二〇〇六年から始まっている現在の第三次再審請求の中で、万年筆のインクなどの重要な新証拠提出が行われている。石川さんの家から「自白通り発見された」として有罪の根拠となった万年筆について、弁護団は、二〇一八年に、蛍光X線分析によるインクの鑑定を提出した。被害者が使っていたインクからはクロム元素が検出されたが、石川さんの家から発見された万年筆のインクからはクロム元素が検出されていない。つまり「発見された万年筆」は、被害者のものではないことを科学的に明らかにした。石川さんの無実と警察のデッチ上げ―権力犯罪は明らかだ。
 正念場を迎える第三次再審請求で、インク鑑定の事実調べと鑑定人尋問を求める活動をさらに広げよう。10・31狭山闘争に結集し、狭山再審闘争勝利の突破口を切り開こう。
   

 


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