共産主義者同盟(統一委員会)


1637号(2023年6月5日)







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  G7サミット粉砕実力デモ貫徹
  核独占支配の「広島ビジョン」弾劾

  
警察権力の弾圧打ち破り5・11被弾圧同志を奪還
                          



 五月一九―二一日、広島において帝国主義戦争会議としてのG7サミット開催が強行された。われわれは、五月七日の大阪での集会・デモ、一八日新宿でのデモなど各地において反対闘争を展開した。サミット当日は広島現地において、サミットに反対する左派勢力・労働者人民とともに国際フォーラムを開催し、反戦と帝国主義打倒を掲げた国際連帯のデモが勝ち取られた。
 日帝―公安警察は、このような我々の闘いに対して、五月十一日朝、二月の市東さんの農地強制執行に対する実力阻止闘争を口実にして、A同志をはじめ闘う仲間六名を「公務執行妨害」「窃盗」容疑によって、でっちあげ不当逮捕し、各所への家宅捜索を強行した。この弾圧はG7広島サミットへの露骨な予防反革命弾圧であることは明白だ。徹底的に弾劾する!
 戦争国家化と治安弾圧強化は一体のものだ。不当弾圧を断固として跳ね返す、三里塚・市東さん農地強制執行実力阻止闘争の地平で今後も闘い抜こう。アジア―全世界で帝国主義と闘う人民と連帯し、プロレタリア国際主義を貫いて闘うアジア共同行動日本連を支持・支援し、六月アジア共同行動を成功させよう!


G7広島サミット弾劾! 核保有国の反省なきヒロシマ入りを弾劾する

 岸田首相は一九日、核兵器保有国首脳を広島に招き入れ、G7サミットを開催した。サミット初日の一九日、各国の首脳は原爆資料館を四〇分程度視察し、原爆慰霊碑に花輪を手向けた。その後核に関する討議がなされ、特別文書「広島ビジョン」にまとめられた。また、当初オンラインでの参加とされていたウクライナ大統領ゼレンスキーの来日の報がこの日に公にされ、劇的な演出が最大限なされる形となった。
 岸田は「被爆地ヒロシマ・ナガサキ」を売り物にして、G7首脳国は自分たちこそが平和や民主主義を守る側であるかのような欺瞞を振りまいた。しかし、サミットの実態は核兵器保有を重要な根拠にした現代帝国主義の世界支配体制について方針を決める会議に他ならない。現に、人々の頭上に原子爆弾を落とした唯一の国は米帝であり、英帝によって供与された「劣化」ウラン弾が今ウクライナ戦争で使用されているのだ。
 現在九二の国・地域が署名し、六八の国・地域が批准している核兵器禁止条約に、G7の中で署名・批准している国は一つもない。今回の「広島ビジョン」でも改めてG7の安全保障政策について「核兵器は、それが存在する限りにおいて、防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、戦争と威圧を防止すべきとの理解に基づく」と主張し、「核抑止」を確認している。どれほど核軍縮・不拡散を口で語ろうとも、彼らは核兵器を手放す気などないのだ。
 ロシアのウクライナ侵攻は決して容認できるものではないし、ロシアによる核の脅しは許されない。しかし「核を持っていい国」と「核を持ってはいけない国」を勝手に線引きし、自らの核保有を正当化し、自分たち以外にのみ核軍縮・不拡散を押し付けることが正義であるはずがない。そのような彼らの戦争会議であるサミットの広島での開催、原爆資料館への視察・慰霊碑への献花はどこまでも欺瞞であり、核廃絶を願う被爆者、被爆二世・三世の思いを踏みにじる暴挙だ。徹底的に弾劾する!


●6月アジア共同行動を成功させよう

岸田訪韓弾劾! 排外主義と対決する国際連帯運動を

 岸田政権は、韓国―尹錫悦(ユン・ソギョル)政権が徴用工問題の反動的決着を受け入れたことをもって、三月一六日の日韓首脳会談を皮切りに、五月岸田訪韓、G7サミットへの韓国の招待と、日米韓の軍事同盟強化を急速に進めてきた。
 五月七日に岸田が訪韓して行われた首脳会談後の記者会見で、岸田は歴史認識に関し「歴代内閣の立場を引き継ぐことを明確にした。この立場は今後も揺るがない」、徴用工問題についても「当時、厳しい環境の下で多数の方々が大変、苦しい、悲しい思いをされたことに心が痛む思いだ」と発言した。岸田は、多くの人々の生命と生活と尊厳を奪い、蹂躙した植民地支配の歴史的事実を一切認めず、戦争責任を謝罪しないどころか、「心が痛む」と言ってのけたのだ。腹の底からの怒りを禁じえない。このような歴史歪曲と戦後補償問題の清算策動を断じて許すことはできない。
 米帝バイデン政権は、自らの覇権をかけた中国に対する軍事的圧力強化構想を何としても達成せんがために、東アジアを次なる戦争の緊張と分断の中に落とし込もうとしている。日帝・岸田政権はこの米帝バイデン政権の思惑にかこつけて、軍事同盟強化―新たな侵略反革命戦争の準備に踏み込もうとしているのだ。日本の労働者階級人民は、反帝国際共同行動を積み重ね、アジア―全世界の人民との連帯を勝ち取り、今現在も続く戦争も、新たな戦争も止めていかなくてはならない。
 一方で、岸田政権は五月九日入管法改悪の衆院可決を強行し、参院でも採決を強行して、入管法改悪を狙っている。本法案は、二〇二一年の通常国会で廃案になった入管法改定案とほぼ同じ内容であり、衆議院で行われた一部修正を経てもなお、多くの人の命や人権を脅かす重大な問題を含んでいる。難民申請を拒絶し、難民の排除を強行しようとするための法案としか言えない。
 「現代の奴隷制」とまで批判された「技能自習制度」の問題もある。岸田政権は、これまで数々の人権侵害や労働問題を引き起こしてきた技能実習制度を廃止するとしたが、すでに今回の技能実習制度の廃止がいわば看板のかけ替えに過ぎず、技能実習制度廃止後に導入するとしている「新たな制度」でも、技能実習制度の奴隷労働構造の問題点が解消されないのとの指摘がなされている。
 中国、朝鮮民主主義人民共和国、ロシアに対する脅威論、韓国との関係強化に対する激しいバックラッシュ、これに移民・難民問題、入管法改定問題も加えて、SNSを中心に差別・排外主義的言説が吹き荒れている。入管法改定案の参院本会議の審議で、日本維新の会の梅村みずほが放ったデマは典型的だ。戦争国家づくりの政策は、敵を作りだし、差別・排外主義を煽って進められていく。これらの分断攻撃に抗う反帝―国際連帯運動を進めよう。

岸田大軍拡と対決する大衆的な反戦運動を

 安保三文書に基づく岸田大軍拡は、中国、朝鮮民主主義人民共和国、ロシアに対する敵対を強め、「台湾有事」を煽動して、日本が敵基地攻撃能力保有を進め、侵略戦争に踏み込むことを可能にするものだ。
 より具体的には、琉球弧の軍事要塞化である。二〇一六年に与那国島、一九年には奄美大島と宮古島、そして今年三月に石垣島に、それぞれ自衛隊基地の開設が強行された。そのいずれにも敵基地攻撃用のスタンド・オフ・ミサイルの配備が計画されている。同時期に沖縄島においても自衛隊部隊の新設・増強が行われている。
 また、一九七四年に日米両政府が合意したままいまだ実現していない那覇軍港の浦添移設も今年の四月代替施設の位置や形状の合意がなされ、移設へと大きく動き出している。移設先の浦添市の西海岸は名護市辺野古と同様、イノー(サンゴ礁に囲まれた浅い海)が残る自然豊かな貴重な海だ。それを埋め立てて、軍港が新設されようとしている。そして、名護市辺野古においても新基地建設のための埋め立て工事が強行され続けている。まさに、沖縄―琉球弧の軍事要塞化、前線基地化だ。
 このような沖縄の軍事要塞化は、日帝が先の侵略戦争において沖縄を「本土の捨て石」とした、その差別構造が今も変わることなく続いていることにほかならない。これほどの基地の集中・強化それ自体が、差別でなくてなんであろうか。
 沖縄の人々は、この日帝の沖縄差別軍事支配攻撃に対して、屈することなく闘いを続けている。再び戦争の犠牲者にも侵略の加害者にもならないための闘いだ。立ち上がる沖縄人民とともに、日帝―岸田政権の大軍拡、侵略反革命戦争攻撃を打ち破ろう。

労働者としての国際交流実現を 反帝闘争として闘い抜こう
 アジア共同行動日本連は五月一九―二〇日、広島現地でのG7サミット反対闘争を全国結集で闘い抜いてきた。この闘いの政治内容をもって、六月国際連帯運動を推進しようとしている。
 二〇二〇年からのコロナ禍で、直接の国際連帯行動は困難を極めてきた。ウクライナ戦争が続き、東アジアでの軍事的緊張が強められる中にあって、今こそ、国境を越えた労働者階級人民の国際連帯行動が求められている。
 今回の六月各地で予定されている国際連帯集会では、韓国の労働運動との交流が準備されている。新自由主義政策の下で、国境を隔てていても、資本の強搾取の下で闘い抜いてきた労働者同士が交流することの意義は大きい。
 プロレタリア国際主義の旗の下、アジア―全世界の人民と連帯し、力を結集させて、帝国主義の強盗どもによる侵略反革命戦争を阻止しよう! AWC日本連を支持し支援して、六月国際連帯集会を成功させよう。
   

 


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