共産主義者同盟(統一委員会)


1633号(2023年4月5日)







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  青年・学生よ、共に革命をやろう!
  戦争、貧困、差別・排外主義と闘おう!

                           青年組織委員会
 



 青年・学生のみなさん! 貧困・差別・失業などで多くの人々が苦しみ、軍靴の音がますます強く聞こえてくるこの社会の現状を前にして今こそ共に立ち上がろう! 改憲・軍拡を推進しようと目論み、労働者・民衆の生活を蔑ろにし、差別・排外主義を煽動する岸田政権とこの国の支配層に怒りをぶつけていこう! 支配層の分断攻撃を跳ね返し、侵略の銃を取るのではなく、日本帝国主義打倒の闘いに立ち上がろう! 富裕層による富の独占・コロナ禍・ウクライナでの戦争・物価高などに見られる資本主義社会の矛盾に根本から立ち向かい、共産主義社会実現に向けて革命を共にやろう!


帝国主義の共同謀議 広島サミット粉砕闘争を闘おう

 ウクライナへのロシアによる侵略戦争は開始からすでに一年が経ち、未だ終息の気配すらない。旧東側諸国を自国帝国主義の勢力圏内に置こうとする米帝らがウクライナを支援し、それに対抗して自国の勢力圏を確保しようとするロシアとの争闘戦は多くのウクライナ人民を犠牲にしてきている。戦争を終わらせるためには前線にいる兵士が自国の支配層に銃を向け、多くの人民たちが自国の支配層に対して闘って帝国主義者の野望を打ち砕くのが最も近道だということを歴史は示している。すでにロシアでは侵略を進めるプーチン政権への抗議の声を民衆が上げている。戦争に動員され、前線で殺し合いをさせられるのは多くは青年だ。現在、ウクライナでの戦争で殺し合いをしているのは多くがウクライナとロシアの青年だ。彼らと同世代の日本の青年・学生が、相互に戦わされているウクライナとロシアの人民と連帯するためには何をなすべきか? それは日本の加害こそを問い、日帝の戦争加担を止めるために闘うことである。
 現在、日帝はロシアへの経済制裁に加え、ウクライナへの軍需品を含む支援を行うなどしてこの戦争への加担を強めている。日帝は米帝などと共に帝国主義国としての自国の権益を維持・拡大するためにこの間策動してきており、ロシアへの敵対を強めると共に、東アジアでは台頭する中国との争闘戦にますます本格的に乗り出している。昨年米、豪、印の首脳と共に岸田が東京で行ったクアッド首脳会議は中国包囲網構築のためのものであり、今年五月に広島で行われるG7サミットは帝国主義諸国の権益維持・拡大を目論む共同謀議に他ならない。
 「台湾有事」を煽りながら、岸田政権が昨年一二月に強行した「安保三文書改定」と軍事費倍増の策動、そして九条改憲の動きは東アジアの緊張をますます高め、多くの人民を戦火にさらしかねないものである。すでに琉球弧への自衛隊配備が格段に強化され、沖縄・辺野古の新基地建設や米軍岩国基地の強化に見られるように戦争準備のための日米軍事同盟強化は進んでいる。
 排外主義的煽動に揺るがされることなく、支配層の思惑を知り、この国の戦争策動を阻止しよう。日本人の青年・学生はかつてアジアを広範囲に侵略し、二千万人もの人々を虐殺したこの国の加害の歴史を問い直し、東アジアの民衆と連帯するために闘おう。岸田政権の中国敵視とウクライナでの戦争への加担を打ち砕くために五月の広島サミット粉砕闘争を共に闘おう!


資本主義の矛盾と青年・学生の現実

 岸田政権は今後五年で四三兆円もの軍事費を使おうとしている一方、医療・福祉・介護・教育・保育などの予算は削られる一方である。この三〇年あまりで法人税率が半分以下に減らされた一方、消費税は10%に上げられ、軍事と独占資本優先・民衆軽視の政策が取られ続けている。この間、「勝ち組」「負け組」という言葉が人口に膾炙し、多くの青年は競争のなかを自助努力で勝ち残ることこそが正しいと教え込まれ、資本に「良質な労働力」を売るために自己の労働力の商品価値を上げることに努めるように煽られてきた。その結果、雇用の調整弁として多くの青年が使い捨てられてきた。青年労働者の多くは非正規雇用で賃金が上がらぬ中ひたすら心身を酷使され、細々に分断されているのが現実である。政府も企業も青年たちを都合よく使い捨てることしか考えておらず、さらには戦争の駒にしようとしているのだ。また、大学は就職のために行くものとしての性格を一層強め、学生の自由な活動は長年にわたる学生運動・学生自治の弾圧の果てにコロナ禍を口実にしてますます規制されるようになってきている。大学の学知は国家・資本の道具としてのみ価値を認められるように一段となり、軍事研究への大学の動員の策動が進んでいる。学費は年々上昇する傾向にあり、民衆に広く開かれてしかるべき大学のあり方はむしろ一部の特権的な層にのみ閉じていっているのが現状である。
 その一方で、労働組合の組織率低下、学生自治の衰退により多くの青年・学生が政治について語り、現実を変えるために何をなすべきかを考え、行動する機会を奪われてきているのは確かだ。しかし日々の生活で感じる辛さは実践的な行動なくしては変えられないし、闘って生き残るには共に闘う仲間が必要だ。闘う場は新しく生まれてもいる。すでに気候変動の問題、あるいは入管体制下での暴力と差別などを見て、また安倍の国葬に憤って、立ち上がっている青年・学生も存在する。青年・学生は自己責任・自助努力こそが大事なのだというイデオロギーと決別し、社会のあり方こそを問おう。街頭に出て、仲間たちと出会い、自分たちのおかれた状況を問い返そう。


支配層の分断に抗し、差別・排外主義と闘おう

 貧困がますます深刻になるなかで、差別・排外主義も深刻化している。歴史修正主義とも結びついた中国・朝鮮・韓国に対する排外主義は岸田政権の中国・朝鮮敵視政策及び元徴用工への謝罪と賠償金の支払いの拒否の態度によってますます助長されている。日本軍性奴隷制度のサバイバーに対して加害の謝罪と補償を行う動きも未だに見られない。高校無償化・幼保無償化からの朝鮮学校排除は依然として継続され、朝鮮学校の児童・生徒への差別が一層深刻化している。京都・ウトロでの放火事件などのヘイトクライムも発生している。
 また、入管体制下での暴力と差別の問題も何ら解決することなく深刻な状況である。難民を受け入れるどころか、強制送還を推進するための刑罰化をも盛り込んだ入管法改悪を岸田政権は企んでいる。技能実習制度の下での外国人労働者の使い捨てもおぞましい限りである。排外主義の根源として天皇の名の下に行われた侵略戦争・植民地支配・戦争犯罪を何ら清算せずに今日に至っているこの国のあり方が今改めて問われなければならない。
 上述の排外主義に基づく差別に加えて、優生思想に基づく障害者への差別、ミソジニー、トランスフォビア、セックスワーク差別、生活保護受給者への攻撃などさまざまな形の差別が社会に流通し、ツイッターやグーグルなどの媒体で差別・排外主義に満ちた言説に触れる機会が非常に増加している。貧困が深刻化し、社会の二極分化が進むなかで、社会への不満を被抑圧民族・被差別大衆・貧困層に向けることで捌け口を得ようという傾向が一層強まっている。青年・学生もその悪影響を免れ得ない。だからこそ、青年・学生は現実の空間のなかでの討論と学習を通して歴史と社会をきちんと知る必要があるし、実践を通して差別・排外主義と闘うことで自己変革を行っていくことが必要だ。支配層による分断に抗して差別・排外主義と闘い、広範な連帯を実現しよう!


共産主義社会の実現をめざす革命へ

 現在起きているさまざまな社会の矛盾は単なる為政者の施策の問題に還元できるものでも、人心のあり方に還元できるものでもない。むしろ、資本主義社会が抱える根本的矛盾がもたらしているもの、そこから派生しているものが多くを占めている。気候変動に見られるように資本がひたすら利潤を拡大するために自然を破壊し続けてきたことの矛盾が露呈していることでも明らかなように、資本主義とは搾取なしには成り立たず、かつ限りある人間を含む生命と自然を破壊しつくすことで自らの存立基盤も壊してしまうものだ。資本による搾取を暴力で維持・拡大し、戦争を引き起こすのが国家であり、ウクライナでの戦争に見られる帝国主義戦争は資本主義のもたらす帰結なのだ。
 岸田政権の進める軍拡・中国敵視政策もまったく同様である。資本が利潤を増やすためにこそ労働者は酷使され、能力主義と競争が煽られ、他人は敵となり、人間の相互関係の歪みが進む。差別・排外主義が浸透するのはその隙間だ。このような資本主義社会を変革することなくしては気候変動も戦争も終わらせることは出来ない。
 最近では資本主義それ自体を問う観点の言説がにわかに活気付いており、これは実に歓迎すべきことである。しかし、それらの言説の中身を見ると、国家=権力の問題が捨象されていたり、具体的な資本主義後の世界が曖昧にされていたりすることが多い。
 われわれが青年・学生に提起することは明確である。資本主義後の世界は共産主義社会であり、それは生産手段の私的所有がなくなり、賃労働制がなくなり、能力に応じて働き必要に応じて受け取る社会であり、国家が死滅する社会であるということである。その過程では暴力革命が不可欠であり、労働者・民衆の鉄腕で出来合いの国家機構を破砕することが不可欠である。改めて青年・学生に呼びかける、資本主義社会の変革に向けて共に闘おう、共産主義社会の実現に向けて革命を共にやろう!

   

 


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