共産主義者同盟(統一委員会)


1627号(2023年1月1日)







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   プロレタリア国際主義貫き
   戦争と排外主義を打ち破れ

   市東さんの農地守り抜く天神峰決戦に勝利しよう




 二〇二〇年から続く新型コロナウィルスの世界的蔓延と、昨年二月二四日に開始されたロシアのウクライナ軍事侵攻は、「新自由主義グローバリゼーション」の時代に代わり、「分断と対立」の新たな時代の流れを一段と加速させた。
 米帝―バイデン政権は昨年一〇月、新たな「国家安全保障戦略」を公表し、「冷戦終結後の時代が決定的に終わった」と宣言した。日帝ブルジョアジーもまた、二一年四月に発表した提言において、「グローバル化と自由主義経済を謳歌する時代は終わりを迎えた」(経済同友会「強靭な経済安全保障の確立に向けて」)との時代認識を示した。
 ブルジョア支配階級の側から、「冷戦終結後の時代」、あるいは「新自由主義グローバリゼーション」の終焉が宣言された現在、その後の世界支配秩序構築をめぐって、帝国主義諸国と中国、ロシアなど諸大国間の「分断と対立」が、戦争にも至る事態となって激化している。
 「分断と対立」の先鋭化は、それぞれの国家が「国益」を全面的に主張するものであるがゆえに、敵対国への差別排外主義煽動や、それと表裏一体のナショナリズムによる国民統合をも必然的に激化させていく。世界的に同時進行する極右ファシスト勢力の伸長、ヘイトクライムの続発は、その表れである。
 帝国主義諸国が押し付ける新たな世界秩序再編の構想は、この間蓄積されてきた矛盾の先送りにしか過ぎない。また、それらの矛盾を「このままでは生きられない」という極限的レベルまで労働者人民に押し付けようとするものだ。ゆえに、世界各国・地域でブルジョア支配階級に対する労働者階級人民の抵抗闘争を激化させている。
 コロナ禍や、新自由主義グローバリゼーションの終焉という時代状況の中に、現代資本主義そのものの歴史的限界がはっきりとあらわれている。
 今こそわれわれとともに労働者階級人民の怒りの奔流を創り出し、帝国主義を打倒していこう。
 共産主義者同盟(統一委員会)は、今号(一月一日)と次号(一月二〇日)において二〇二三年年頭の見解を明らかにしていく。『戦旗』今号では「情勢」を、次号では「総括、方針、党建設」を提起していく。


■1章 世界情勢

ウクライナ侵略戦争と分断と対立の激化

 昨年二月二四日、ロシア大統領プーチンは、「ネオナチから親ロシア系住民を守る」なる口実によって、ウクライナへの「特別軍事作戦」を開始した。だが、ロシア軍の攻撃はウクライナ全土に及んでおり、首都キーウの陥落、ゼレンスキー政権打倒を目的とした全面的な侵略戦争であったことは明らかだ。プーチン政権は九月三〇日、東部と南部四州を併合したと一方的に宣言した。
 一九九〇年を前後する東欧・ソ連のスターリン主義政権崩壊以降、バルト三国をはじめ、ジョージア(旧グルジア)など旧ソ連邦を構成していた国々が相次いで独立し、その多くが親欧米政権となった。ウクライナもまた、親ロシア派が「ユーロマイダン革命」で敗北し、その後EU、NATO加盟を主張する親欧米派のゼレンスキーが大統領に就任した。この一連の政変は「カラー革命」といわれているが、これには米帝による巨額の資金援助―介入が行われている。
 この旧ソ連邦構成国家の政変をロシアの政治エリート側から見るならば、欧米帝国主義覇権の東方への拡大ということになる。さらに「カラー革命」の波はロシアと国境を接する諸国を越え、ロシア国内にまで波及しつつあった。ロシアの覇権復権を企図するプーチンからすれば、これはNATOの東方拡大=ロシア攻囲であり、ロシア国内への「カラー革命」の波及は、自らの権力基盤を解体するものであり、断じて許しがたい事態ということになる。
 だが、プーチンがこの戦争の正当性をいくら主張しようとも、その本質は、大ロシア主義に基づくウクライナ全土の侵略・併合であることは明白だ。かつてのソ連邦構成国家だからといって、独立した国家への侵略戦争が正当化できるはずがない。
 戦争は長期化している。ウクライナの反転攻勢やパルチザン戦争は継続している。一〇月下旬にロシア軍兵士三〇万人の追加招集がなされたことからも、ロシア軍の苦戦とウクライナ軍の反転攻勢、およびロシア支配地域の奪還は事実であろう。これは侵略に対するウクライナ人民の頑強な抵抗闘争の結果であることは確かだ。だが一方で、ウクライナ側の巻き返しが、米帝やNATO諸国などからの巨額の軍事援助に支えられていることもまた事実だ。
 これまで、米帝だけでも一八九億ドル(約二兆七五〇〇億円)もの巨額の軍事支援をウクライナに供与してきた。これらは戦争が長引くほどに軍事援助を行う各国の軍産複合体に利益をもたらす。「死の商人」としての軍需産業が空前の好景気に沸く中で、戦場においては、「死の商人」が提供した兵器によってウクライナ、ロシア双方の兵士が殺し殺され続けている。この残酷な現実を忘れてはならない。
 苦戦を強いられるプーチン政権は昨年一〇月二六日、侵攻後では初の核戦力演習を実施し、核兵器使用の威嚇を行った。また、ロシア軍はミサイルや自爆型ドローンを使ったウクライナ全土の発電所などインフラ施設への無差別攻撃を繰り返している。
 ロシア軍は兵士の追加招集対象を予備役のみならず、重大刑法犯にまで拡大した。だが、これらは逆に兵士の士気を一段と低下させ、ロシア国内の厭戦気分の拡大、反戦運動の再度の高揚を結果している。戦争の長期化は、ロシアの経済的な疲弊とプーチン独裁政治への反発をもたらし、やがてはプーチン政権の権力基盤を掘り崩していくことになるだろう。
 肥沃な農耕地帯であったウクライナの大地は戦場となり荒廃した。ロシア軍の黒海封鎖により、穀物などの輸出入は制限されている。さらに米欧日帝国主義諸国による強力な経済制裁も加わり、世界各国で食料・エネルギー価格が高騰し、労働者人民の生活を圧迫している。アフリカや中東諸国の貧困にあえぐ人民の食糧危機はより深刻なものになっている。米国や欧州諸国においても電気やガス料金(EU諸国の約46%がロシアの天然ガスに依存)、食料品などが高騰し、労働者人民の困窮化を促進している。
 全世界の労働者人民とともに、ウクライナ侵略戦争反対、ロシア軍の即時撤退を掲げ闘おう。

米帝の衰退と新たな覇権争闘

 ウクライナ侵略戦争は、米帝を中心国とする帝国主義諸国が主導してきた世界支配体制の崩壊と、それに代わる世界の分断と対立を基調とする新たな時代の到来を示した。
 米帝は、一九七一年の金・ドル兌換停止―ブレトン・ウッズ体制の崩壊、七四―七五年恐慌を画期とした中心国としての力の衰退と、同時期のベトナム民族解放革命戦争の勝利=米帝の敗北によって、米帝単独での覇権(世界の憲兵)を維持できなくなった。これを受けて、七五年からは先進国首脳会議=サミットが開催され、帝国主義列強間の政治的経済的諸問題への共同対処を意思統一する場を形成していくことになった。
 米帝は以降、同盟国に米軍展開への軍事的経済的負担を肩代わりさせることで軍事プレゼンスを維持してきたのだった。日帝に対しては、在日米軍駐留経費=「同盟強靭化予算」の大幅増額、辺野古新基地建設や岩国基地大強化など在日米軍基地の拡大・強化、琉球弧へのミサイル基地配備=日米軍事一体化であり、その要求は質、量ともに拡大している。日帝支配層は、単に米帝の要求に追従するのでなく、自らの覇権維持・強化のために、積極的に日米軍事一体化を推し進め、改憲と大軍拡へと突き進んでいる。
 米帝―バイデンは、米軍のアフガニスタン完全撤退(二〇二一年)からも明らかなように、中東地域での「対テロ」戦争を基軸とした軍事力を縮小・整理し、それを中国への包囲網形成―東アジア地域に振り向けている。ロシアによるウクライナ侵攻は、米帝の軍事戦略転換を見据え、米軍介入の可能性がないとの判断によって強行されたものだった。

中国の台頭

 一方、九〇年代以降、新自由主義グローバリゼーションの下で、「改革開放路線」の下に「社会主義市場経済」へと転換した中国は、一四億人という膨大な人口と低賃金労働者の存在、広大な国土面積、中国共産党の一党独裁―スターリン主義的官僚統制などを条件に、帝国主義資本を積極的に呼びこみ急速に工業化を果たした。国家独占資本主義化を推し進め、「世界の工場」と形容されるまでに生産力を飛躍的に増大させた。この急成長を背景に、中国は政治的経済的影響力を拡大させたのだった。それは現在、「一帯一路」構想など、世界の覇権確立をも視野に入れ、米帝にとって唯一最大の脅威と位置付けられるまでの影響力をもつに至っている。
 中国は昨年一〇月中旬、第二〇回中国共産党大会を開催し、従来の二期までという慣例を破り、習近平の総書記三期目続投を確認した。党最高指導部には習近平腹心を多数起用し、習近平一強体制を固めた。また、米帝バイデンが主張する「民主主義と専制主義との戦い」に対する回答として、「中国式現代化」を強調し、スターリン主義一党独裁の継続を「独自の現代化」だと言いなし正当化したのだ。さらに、二〇三五年までに「社会主義現代化の基本的実現」をし、二〇五〇年には中国を「社会主義現代強国」にするという中・長期目標を設定した。これは、軍事力を含む総合的な国力で米帝を追い抜き、中国の世界的覇権を確立しようとするものだ。実際に中国のGDPは二〇三〇年代に米帝を追い抜くことが確実視されている。
 中国は新疆ウイグル自治区などでの強権的な少数民族抑圧・絶滅政策や、香港特別行政区での国家安全維持法の制定強行と反対運動の徹底弾圧など、スターリン主義的強権支配を強めている。
 また、中国の資本主義化が国家統制による「国家独占資本主義」として完璧なわけではない。これまで右肩上がりだった経済成長は、この数年で停滞・鈍化が鮮明になっている。その理由の一つには、「ゼロコロナ政策」継続によって、上海など大都市部における都市封鎖(ロックダウン)が長期化し、経済活動が停滞したことがある。行動制限の長期化への人民の怒りは限界を超え、北京や上海など大都市圏、ウイグルなどで大規模抗議行動が発生した。その怒りはコロナ政策への批判に止まらず、習近平―共産党一党独裁体制への批判として発展している。また、中国の資本主義化の進展は、当然にも投機資本の受け入れを加速してきた。過剰な不動産投機はこれまで中国の経済成長を牽引してきたが、その「不動産バブル」がはじけた現在、膨大な不良債権となって中国経済停滞の主要因となっている。

米国内の分断と対立

 米国内では、コロナ禍やウクライナ戦争による資源価格の高騰で、前年比8%強にまで悪化した歴史的物価高が続いており、米労働者人民の困窮化が進んでいる。米国人民の怒りは民主党バイデン政権へと向けられた。このような情勢の中で昨年一一月の米中間選挙は行われ、民主党の大幅議席減が予想されていた。
 だが、中間選挙の結果は予想を覆すものだった。上院では民主党が引き続き過半数を掌握し、下院でも民主党は大幅議席減を免れた。トランプ・共和党の巻き返し=いわゆる「赤い波」は起こらなかった。
 その背景の一つには、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めたこれまでの判決を、米連邦最高裁が覆した(二一年六月)ことに対する女性、若年層の怒りがある。さらには、トランプ派が主流の共和党自体への拒絶が広がったことだ。トランプは、これまで米社会の中心であった没落する白人中間層(男性)の利害を代表し、その伝統的価値観であるキリスト教保守派を支持基盤にしつつ、陰謀史観集団Qアノンなど極右勢力とも結びつき、移民排除をはじめ、米社会の分断と対立を増幅させる政策を強行してきた。米労働者人民は、このトランプ・共和党の分断政策への回帰を拒絶したのだといえる。だが、トランプは一一月一五日この選挙結果にもかかわらず二四年の大統領選への出馬宣言を行った。
 民主党バイデン政権の下でも人種、民族、性的マイノリティなどへの襲撃事件(ヘイトクライム)は続発している。警官の黒人射殺は、「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動高揚以降も続発している。米国内の分断・対立は修復されることなく、極めて深刻なレベルにまで高まっている。

グローバリゼーションの破綻

 一九九〇年を前後する東欧・ソ連圏の解体によって、米帝を中心とした帝国主義諸列強は「共産主義の敗北」と「自由主義(=資本主義)の勝利」を喧伝した。この戦後「冷戦構造」崩壊を契機に、帝国主義ブルジョアジーは、新自由主義的経済政策を「グローバル・スタンダード」だと言いなし、市場経済化の徹底、資本輸出の規制撤廃を推し進めた。インフラ、公共部門も民営化され、多国籍資本の投機の対象となった。その結果、各国において福祉などの社会保障費が大幅に削減された。労働法制の改悪が行われ、労働者人民の非正規化など無権利状態化が進み、全世界で格差の拡大と貧困化が進行した。
 帝国主義ブルジョアジーは、より安価な労働力を求めて世界中を駆け巡り、解体した旧スターリン主義諸国や、残存「労働者国家」をも世界経済体制へと組み入れていった。同時に、資本の国境を越えた展開は、投機熱をも加速させ、実体経済とは大きくかけ離れた金融資本の野放図な世界的展開を生み出した。だが、二〇〇八年の「リーマン・ショック」を契機に金融バブルははじけ、それが全世界へと連鎖する「世界金融危機(〇八年恐慌)」を引き起こしたのだった。
 新自由主義グローバリゼーションとして進展した資本輸出―全世界的規模での生産体系の再編成は、一九年一二月から急拡大した新型コロナウイルスの世界的なパンデミックにより突如寸断された。
 コロナ感染は、人やモノが国境を越え大規模に移動するグローバリゼーションの特性と、米軍をはじめとする軍隊の地球規模での移動によって、世界中に急拡散した。感染拡大防止のために、治安機関による都市封鎖・国境封鎖が行われ、世界中で人の移動が厳しく制限されたことにより、サプライチェーン(供給網)の寸断・停滞が起こった。
 このコロナ禍中において、米中の覇権をめぐる対立もまた激化した。さらに、ロシアによるウクライナ侵攻の勃発によって、国境を越えた「自由な資本輸出」を基調とする新自由主義グローバリゼーションの一時代はついに終焉を迎えたのだ。
 これに代わり、国家利害を前面に押し立て、戦争をも想定した「分断と対立」を基調とする新たな時代への移行が始まっている。帝国主義と大国間の対立・競合の激化を背景にして、帝国主義諸国は、コロナ禍や戦争などの「有事」に備え、自国内あるいは同盟国内で完結するサプライチェーンの再構築に向けて動き始めた。資本の利害と国家戦略との一致を基準に据え、その観点から資本の再生産活動を管理・統制する「経済安全保障」戦略への転換である。それは、米中が世界的シェアの獲得をめぐってしのぎを削る半導体、量子科学、宇宙などの戦略的産業の開発、育成、生産などに対して、「国益」という基準をもって管理・制約を課すものだ。保護主義の正当化であり、経済領域での対中国包囲網の構築を企図したものだ。
 だが、この路線転換は、世界中で新たな矛盾と停滞、長期の混乱を生み出していかざるを得ない。なぜなら、新自由主義グローバリゼーションの下で形成されてきた生産体系や再生産の構造を、早急に別のものへと置き換えることなど不可能だからだ。これまで米帝にとって、中国は重要な貿易相手国であったし、中国にとっても米帝は同様であった。日帝にとっても、米帝と中国は重要な貿易相手国としてある。日帝資本は、生産や輸出の基軸を長年にわたって中国に置いており、現在でも最大の輸出入相手は依然として中国なのだ。日本経済は中国との共存関係によって成立しているといって過言ではなく、この連関を断ち切ることなど到底不可能だ。
 実際にも、米帝は対中国包囲網の形成を呼号しながら、中国との経済的関係はコロナ禍でも拡大し続けているのが実態だ。もし帝国主義列強諸国が、「分断と対立」路線のもとに「自国第一主義」を全面化させ、経済安保戦略を厳格に実行するならば、世界中で未曾有の経済的混乱と停滞を招くことは疑いない。
 政治的、経済的な「分断と対立」を深めつつも、経済実態においては帝国主義諸国と中国は相互に依存しあう関係性にある。これが、新自由主義グローバリゼーションが抱えもつ矛盾だ。
 世界情勢は、当面の間、政治的には米欧日帝国主義が喧伝する「民主主義と専制主義との戦い」と、経済的には経済安保戦略により、帝国主義諸国と大国との間の分断と対立が一段と進行しつつも、一方においては新自由主義グローバリゼーション特有の経済的相互依存関係もまた併存するという不安定な状態とならざるを得ない。

米帝―バイデンの中国包囲網形成 東アジアでの戦争危機の拡大

 昨年一〇月一二日、米帝―バイデン政権は、初の「国家安全保障戦略(NSS)」を公表した。米帝は、この中で、冷戦終結後の時代が「決定的に終わった」と宣言し、「次の時代を形成する大国間競争が始まっている」との時代認識を示した。その上で、中国を「国際秩序を塗り替える意図を持ち、それを行う経済的、外交的、軍事的、技術的能力を増す唯一の競争相手」と位置づけ、「中国に打ち勝ち、ロシアを抑制する」ために、対中国包囲網構築の姿勢を鮮明にした。
 また、インド太平洋について、「(米国にとって)死活的利害がかかった地域」と強調し、「インド太平洋が二一世紀の地政学の震源地となる」と述べている。そして、この地域における同盟国として、「オーストラリア、日本、韓国、フィリピン、タイ」を挙げて、それら諸国への強固な関与と、その具体化としての日米豪印安保対話(クアッド)や、米英豪安保枠組み(AUKUS)の重要性を確認し、インド太平洋戦略枠組み(IPEF)の推進を方針化している。
 総じて、米帝―バイデン政権下のNSSは、ウクライナ侵略戦争の渦中にあっても、米帝にとっての主要敵は中国であり、中国との覇権争闘にうち勝つことこそが、米帝の「国益」であると表明したものだ。そして、米中対立の最前線はインド太平洋であり、米帝はここに注力して中国の政治、経済、軍事的包囲を、同盟国を巻き込みつつ実現するということだ。その意図を正当化するイデオロギーとして、「民主主義と専制主義との戦い」、あるいは「自由で開かれたインド太平洋」構想を打ち出しているのである。
 対中国、対共和国、対イランといった、この間のアジア太平洋地域、とりわけ東アジアでの政治・軍事的緊張の高まりは、衰退する米帝の巻き返しをかけたインド太平洋戦略を主要因として生み出されてきたものだ。だが、米帝も必死であるがゆえに、緊張は今後も不断に高まり続けていかざるを得ない。
 したがって、われわれ日帝足下共産主義者の最重要の任務は、プロレタリア国際主義の旗をかかげ、解放を求めて闘う全世界、とりわけアジア太平洋各国・地域の労働者階級人民との団結・連帯の一層の促進による反日米帝闘争を前進させていくことにこそある。

NATO戦略概念改定と中国包囲網への関与

 ウクライナ侵略戦争を受け、北大西洋条約機構(NATO)は昨年六月下旬、首脳会議を開催した。その場において、これまで「中立政策」を取ってきたスウェーデンとフィンランドのNATO加盟手続き開始が合意された。フィンランドはロシアと隣接する長い国境線を有している。NATOの北方(スカンジナビア半島)への拡大だ。
 NATO首脳会議では、新たな「二〇二二年戦略概念」を発表した。その中で、ロシアを「欧州・大西洋地域における最大の脅威」と規定した。また、これまで四万人だった「NATO即応部隊(NRF)」を三〇万人に大幅増強することを決定した。米陸軍第五軍団の欧州司令部のドイツからポーランドへの移転も決定され、ロシアの軍事的封じ込めが飛躍的に強化された。
 改定「戦略概念」の最大の特徴は、中国について一章を割いて言及していることだ。「中国が公にしている野心と脅迫的な政策は、われわれの利益、安全、価値への挑戦」であり、「中国は(中略)多種多様な政治的、経済的、軍事的手段を使ってグローバルな足跡を増やし、影響力を拡大しようとしている。(中略)中国は宇宙、サイバー空間、海洋で国際的な秩序を覆そうとしている」と、米帝―バイデンが主張する「民主主義と専制主義との戦い」と似通った中国批判を展開している。
 そして、このNATO首脳会議には、NATOと「共通の価値観」を持つアジア太平洋諸国首脳(日本、豪、ニュージーランド、韓国)の友好国を招聘し、インド太平洋地域に対する西欧帝国主義列強の関与の姿勢を鮮明にしたのだ。
 英帝、仏帝、独帝は一昨年以降、空母やフリゲート艦をインド太平洋地域に派遣し、同盟国との共同軍事演習を繰り返し実施している。これは、中国の軍事的封じ込めの一翼を担い、インド太平洋における自国権益防衛のためには軍事的対決をも厭わないという、中国に対する意思表示としてある。
 米欧日帝国主義諸国による、中国包囲網形成の動きがより鮮明となっている。インド太平洋地域を最前線とした軍事的緊張関係は今後も高まることが必至だ。
 帝国主義諸国と大国間による、戦争をも想定した対決の姿勢が激化する中で、その犠牲となるのは労働者階級人民である。今こそ、国境を越えた労働者階級人民の国際主義的連帯を強め、帝国主義を打倒していかなければならない。

全世界で解放を求め闘う労働者階級人民

 地球的規模でのコロナ禍の継続と、ウクライナ侵略戦争の泥沼化によって、分断と対立を深める帝国主義諸国と大国による覇権争いが激化している。これらを要因として強まる物価高騰によって、全世界で労働者人民の困窮化が進んでいる。
 新自由主義グローバリゼーションの終焉が鮮明となる現在、帝国主義諸列強は、「国益」を全面にかかげた経済安保戦略への転換を開始した。
 このような世界情勢の流動化の中、世界各国・地域において、労働者階級人民は、帝国主義諸列強が押し付ける新たな世界秩序構築の動きを拒否し、生きる権利を獲得するための闘いを推し進めている。

中南米諸国を貫く左派政権の誕生
 近年、中南米において、貧困層対策を重視する左派政権が相次いで誕生している。メキシコ、ペルー、チリに加え、昨年六月には、コロンビアにおいて、接戦を制し、史上初めて左派が大統領選に勝利した。これにつづき、昨年一〇月には、ブラジル大統領選において左派のルラが選挙で勝利した。
 これまで中南米は長年にわたり、「アメリカの裏庭」、あるいは「新自由主義の実験場」と位置づけられ、米帝とその傀儡政権による支配が続いていたが、中南米労働者人民はこれを拒否し、新自由主義からの変革の道を選択したのだ。
 今後も、米帝をはじめとする帝国主義諸国の反革命干渉や、独占資本・多国籍企業の抵抗の激化は必至であり、各国の左派政権が労働者人民の期待に応える政策を貫くことができるかは未知数だ。だが、この中南米を貫く左派政権の誕生という現実は、新自由主義政策によって困窮化を強制される全世界の労働者人民に、別の未来を切り拓く可能性を指し示す巨大なインパクトを与えたものであることは確かだ。

韓国 第二のろうそく革命 尹錫悦政権打倒へ向かう韓国民衆
 昨年八月から、右派尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の退陣を求めて各地で始まったろうそく集会は、ソウルだけで数万人が結集するまでに拡大しており、一〇月二二日のろうそく集会には三〇万人という、朴槿恵(パククネ)打倒の第一次ろうそく集会以来最大規模の結集となった。
 昨年一一月一二日、民主労総呼びかけの二〇二二年全国労働者大会が開かれ、ここでも最大規模の九万人が結集した。大会では、尹錫悦政権による労働改悪阻止、民営化中断を要求。加えて、梨泰院(イテウォン)惨事犠牲者一五六人を追悼し、大統領の謝罪、国務総理の辞任、責任者の処罰を要求した。
 尹錫悦は、福祉予算を削減し、法人税率引き下げを画策する全面的に企業寄り政権だ。さらに、教科書内容の右翼的書き換えや、共和国への軍事的強硬策、日米韓三角軍事同盟による戦争危機を高めており、李明博(イミョンバク)、朴槿恵元政権を上回る極右ブルジョア政権だ。
 尹錫悦政権打倒をかかげ、力強く前進する韓国民衆と連帯する闘いを推し進めていかなければならない。

国軍との内戦を闘うミャンマー人民
 二〇二一年二月の国軍による軍事クーデター以降、ミャンマーにおいて、人民の抵抗闘争が粘り強く継続されている。国軍トップのミンアウンフライン司令官は、「今後も抵抗する勢力には容赦しない」「テロリストや、その支持者と交渉することはない。全滅させる」と宣言し、武力による抵抗闘争鎮圧を行っている。すでに一七〇〇名以上の人民が国軍に虐殺され、ヤンゴンやネピドーなど都市部での大規模抗議活動は、国軍の弾圧で現在ほとんど抑え込まれた状態だ。だが、軍の弾圧を逃れた若者たちは、ミャンマーとタイの国境地帯に移り、人民防衛隊(PDF)を結成して、少数民族武装組織と共闘し武装抵抗闘争を継続している。ミャンマーでの抵抗闘争は、国軍との内戦へと発展している。
 国軍は、PDFや少数民族武装抵抗勢力の大規模な掃討作戦に乗り出し、各地において村丸ごとの焼き討ちや、村人の無差別殺戮を繰り返している。戦火を逃れた避難民は国内で五六万人を超え、深刻な人道危機に陥っている。
 これら国軍による数多の蛮行は、ミャンマー人民の怒りをさらに倍加させている。不屈の抵抗闘争―内戦の継続は、やがて軍事独裁を打倒する大きな力へと発展していくだろう。ミャンマー人民の闘いに連帯していかなければならない。

体制変革を求めて立ち上がるイラン人民
 昨年九月一三日、イランの首都テヘランで、クルディスタン州出身の女性、マフサ・アミニさんが、「ヘジャブ(女性が髪を隠す布)の付け方が不適切」との理由で風紀警察に逮捕され、その三日後に急死した。マフサさん急死への抗議行動がイラン全土で起こった。九月二〇日には、抗議行動に参加した女性ニカ・シャカラミさんが、治安部隊に追われているとの連絡後に音信不通となり、その後死体で発見された。
 イラン人民は催涙弾や実弾を使った治安当局の弾圧に対して、命がけの実力抗議を闘っている。すでに一〇月一七日時点で、二一五人が治安部隊に虐殺されている。
 最高指導者ハメネイは、この抗議行動の拡大を、「アメリカとイスラエルが事前に仕組んだ暴動」と決めつけている。治安当局はインターネット接続を大幅に制限して抗議行動を鎮圧しようとしているが、その勢いはいまだ衰えていない。
その背景には、女性への宗教的抑圧だけではなく、イスラム主義勢力の長年の独裁的支配、富の独占と政治腐敗、米帝などによる経済制裁の長期化でイラン人民の困窮化が進んでいることへの怒りがある。抗議行動では、「独裁者に死を」「最高指導者(=ハメネイ)打倒」といったスローガンが叫ばれていることからも、この抗議行動は、イラン政治体制の根底的変革を求める闘いへと発展しているのだ。


■2章 国内情勢

政権末期の岸田政権を打倒しよう

 岸田政権は昨年七月の参院選で「勝利」した。日本維新の会や国民民主党などの右派ブルジョア政党も加えた改憲勢力が三分の二以上を占める結果となり、今後も改憲論議が加速していくことになる。岸田政権は改憲のための憲法審査会を強行しており、引き続き改憲阻止闘争は最重要の闘いとしてある。
 参院選ただ中の七月八日、安倍晋三の銃撃死事件が発生した。岸田はこれを、当初は「民主主義への挑戦」「言論を暴力で封じるテロ行為」などと政治的文脈で描き出し、統一教会問題の隠蔽をはかった。そして、安倍国葬を決定し、安倍の神格化による政権支持率の浮揚を企図した。
 だが、「加害者」の供述が明らかになり、安倍銃撃死をめぐる潮目は大きく変わった。この事件は、反共犯罪集団統一教会に家族を破壊されたことへの「私怨」が原因であることが明らかとなった。同時にまた、統一教会と自民党との歴史的な癒着構造の実態が次々と暴き出された。この問題の曖昧な決着をはかり、反対世論を無視して国葬を強行する岸田政権への怒りの声が沸き起こり、政権支持率は急落した。国葬反対の世論は多数派となった。全国で反対闘争が巻き起こった。一〇月の世論調査で内閣の支持率は、27・4%と最低記録を更新した。安倍国葬の強行は岸田の思惑とは真逆の結果をもたらしたのだった。
 さらに閣僚の「辞任ドミノ」が起こり、岸田政権は窮地に追い込まれている。経済再生相山際と統一教会との接点が次々と発覚して辞任したのに続き、法相葉梨が死刑をめぐる放言で、総務相寺田は「政治とカネ」をめぐる疑惑で辞任した。
 岸田政権は発足当初、「新しい資本主義」や「分配と成長」など、「脱アベノミクス」を標榜して登場した。だが、その実態は、政治の私物化と腐敗、戦争と改憲を推し進める右翼反動という「安倍政治」そのものだった。岸田もまた首のすげ替えに過ぎなかったことがこの間の政治過程で露呈したのだ。
 ウクライナ侵略戦争と日銀総裁黒田の金融緩和政策の継続によって、円安と物価高騰が同時に起こり、日本の労働者人民の生活は一層困難なものとなっている。高まる人民の怒りの中で、岸田政権は昨年一〇月の臨時国会で、物価高対策を重要政策として位置づけたのだった。
 岸田政権は「分配」を言いながら、これまでやってきたことは、中途半端なばらまき政策でしかない。困窮化の根本的原因は、三〇年間上がらないままの労働者の賃金――実質賃金は下落――にあることは明らかだ。しかし、最低賃金の再引き上げなど、賃金上昇のための政策を取らず、「資産所得倍増」なるものを打ち出したのだ。これは個人資産の貯蓄から投資、投機への転換を促すものであり、一部の富裕層や資本家らの資産を増やすための政策だ。岸田の「資産所得倍増」政策とは、あえて「所得倍増」との意図的な混同を狙った、労働者人民を欺くためだけの悪質詐欺的な手法なのだ。労働者人民をなめ切った岸田政権を一刻も早く打倒しなければならない。
 岸田政権はまた、気候変動対策としての脱炭素や、ロシアのウクライナ侵略を利用した「エネルギー危機」による「電力逼迫」を喧伝している。これらを名目に、四〇年超え老朽原発の再稼働、最長六〇年の規制撤廃、「次世代革新炉の開発・建設」などの原発回帰政策を次々と打ち出している。本年には福島第一原発の高濃度汚染水の海上放出も目論まれている。福島の原発事故はいまだ収束していない。原発の再稼働阻止、全ての原発の廃炉にむけて闘おう。

戦争と改憲攻撃強める岸田政権打倒

 日帝―岸田政権は、「安倍政治」を継承し、米帝―バイデン政権の「インド太平洋戦略」と一体となって、改憲と大軍拡、戦争体制構築の道を突進している。
 岸田は、昨年一〇月、国会冒頭の所信表明演説において、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」「日米同盟の強化がますます重要」と語り、「反撃能力(=敵基地攻撃能力)」保有の本格的検討や、軍事力の五年以内の抜本的強化=軍事費のGDP比2%への倍増、辺野古新基地建設の推進など大軍拡方針を表明した。岸田はウクライナ侵略戦争という現実に進行する殺りくを全面的に利用し、段階を画する改憲と大軍拡路線へと踏み込んだのだ。
 さらに岸田政権は、「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画(中期防)」の「防衛三文書」の改定を強行した。自衛隊の「敵基地攻撃能力」保有や、軍事費倍増の大軍拡予算編成方針が正式に盛り込まれ、日本の軍事政策の抜本的転換が強行された。
 すでに琉球弧から台湾、フィリピンを結ぶ「第一列島線」に沿う形で、対中国ミサイル包囲網の構築が進められている。宮古島、与那国島、石垣島、沖縄島などに自衛隊のミサイル基地などが続々と作られ、自衛隊員が配備されている。戦争になれば、軍事基地は真っ先に攻撃の目標となることは必至であり、岸田政権は、「本土」防衛のための「捨て石」として琉球弧を再び戦場化しようとしているのだ。昨年九月には、沖縄人民の反基地運動つぶしを主要な目的にした「土地規制法」が全面施行された。
 日米帝国主義は、「台湾有事」への自衛隊参戦を想定した日米共同作戦計画の策定と、島嶼奪還や弾道ミサイル対処のための日米大規模合同演習「オリエント・シールド22」(八月)、琉球弧全体を使った「キーン・ソード23」(一一月)を、相次ぎ実施した。これら演習には、沖縄「県」警の国境離島警備隊と海上保安庁第一一管区の巡視船数隻も参加した。二一年には陸自一〇万人動員の大演習(陸演)が行われ、民間輸送会社や鉄道会社、港湾などが大量の兵站や兵員の輸送に動員された。これは、「戦時徴用」への全社会的な動員訓練であったのだ。
 そして同時に、韓国で尹錫悦右派政権が発足して以降、米韓、日米韓の合同軍事演習が相次いで強行されており、朝鮮半島の軍事的緊張が高まっている。
 昨年八月、米韓は二〇一八年に廃止された大規模米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド」を四年ぶりに復活させ、共和国敵視政策への回帰を鮮明にした。九月には原子力空母ロナルド・レーガンなど米海軍の空母打撃群が釜山港に入港し、韓国海軍との合同海上演習を実施した。これと並行して日米韓合同の対潜水艦作戦の共同訓練やイージス艦による三軍合同演習も実施された。
日米韓の合同軍事演習はその後も切れ目なく続き、昨年一〇月末から一一月には米韓合同軍事演習「ビジラント・ストーム」が実施された。米海兵隊のステルス戦闘機F35BやB1B戦略爆撃機など、米韓両軍の戦闘機約二四〇機が参加した大規模演習であった。
 このような朝鮮半島での大規模演習の連続的な強行は、共和国への戦争挑発そのものだ。だからこそ共和国は対抗のために核兵器の開発や大陸間弾道ミサイルの発射実験を繰り返しているのだ。日本政府は、これら日米韓の戦争挑発の実態には触れず、共和国のミサイル発射実験のみを取り出し、軍事的脅威として盛んに喧伝して、大軍拡の口実としているのだ。
 朝鮮半島での軍事的緊張関係の根底には、朝鮮戦争がいまだ休戦状態のままだという現実がある。韓国民衆の「ろうそく革命」と、その後の文在寅(ムンジェイン)政権誕生(二〇一七年)によって、南北首脳会談(一八年)、史上初の米朝首脳会談が実現し、軍事緊張緩和と朝鮮戦争終戦、平和協定締結の展望が拓かれた。だが、この流れは、米帝の路線転換によって中断されたままとなっている。
 これを打開し、朝鮮戦争の真の平和実現の展望を引き寄せる力は、自主的平和統一をめざす南北在日朝鮮人民の闘いと、日韓、日朝の労働者人民の団結・連帯による他ない。朝鮮半島の軍事的緊張を高める日米帝国主義と韓国―尹錫悦政権の日米韓三角軍事同盟強化を許さず、朝鮮―アジア人民と共に反戦、反基地、反安保闘争を闘おう。


■3章 分断と対立を打ち破り共産主義運動の前進を

 支配階級・ブルジョアジーの側から、新自由主義グローバリゼーションの終焉が宣言された今日、世界的な支配秩序の再編をめぐって、帝国主義と諸大国間との対立と競合が激化している。だが、帝国主義列強による軍事同盟強化と経済安保路線が行き着く先は、排外主義を煽ることで国民を統合し、「国益」のためには戦争をも厭わないという分断と対立の構造の先鋭化しか結果しない。
 新自由主義グローバリゼーションがもたらしたものは、1%の富裕層と99%の貧困層という極端な格差拡大であり、侵略反革命戦争の災禍であり、地球温暖化=気候変動の深刻化であった。すでに世界中の多くの人びとが、これまで通りのやり方では人類の維持そのものができなくなっていると感じている。
 中南米を貫く左派政権の勝利、尹錫悦政権打倒に向け力強く前進する韓国民衆、国軍の軍事クーデターに抗し武器を手に取り内戦を闘うミャンマー人民、イスラム主義宗教勢力による独裁支配からの変革を求め闘うイラン人民、極右シオニスト政権との実力攻防を闘うパレスチナ人民、ドゥテルテ独裁を引き継ぐマルコス・ジュニア反動政権と闘うフィリピン人民、物価高騰に見合った賃金上昇を求め続々とストライキに立ち上がるイギリス、ドイツ、フランス、アメリカの労働者人民など、世界各地において帝国主義・大国が勝手に決める世界秩序構想に抗して、自らの手で未来を切り拓こうと労働者階級人民は闘い続けている。この現実の闘いの中にこそ全人民の解放―共産主義を切り拓く展望がある。
 われわれに求められているのは、このような時代の再編期に対応し、全世界の労働者階級人民の解放を実現する共産主義を今こそ復権させていくことだ。
 われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、現実の労働者階級人民の闘いと共にあり続け、ブルジョアジーの階級支配、差別排外主義煽動による分断支配を打破する闘いを全力で推進する。国境を越えた労働者人民の団結を促進し、全人民の解放を実現する共産主義運動の前進に向け、真一文字に突き進んでいく。
 同志、友人の皆さん、共に二〇二三年階級闘争の最前線で闘いぬこう。

   

 


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