1623号(2022年10月20日) |
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国葬強行と対決した人民の怒りで 岸田の改憲―大軍拡を打ち砕こう 労働者の反戦決起で11月岩国行動成功を 九月二七日、安倍晋三の国葬が強行されました。その国葬の内容も、国が「功績」があったと認めた個人の死を皇室と軍隊が権威づけ祀り上げるという、日本の中枢が第二次大戦時と何ら変わらないイデオロギーのもとにあることを露わにする酷いものでした。生前、安倍晋三が破壊してきたもの・ことに対する責任をなかったことにするわけにはいきません。追及の声を強めていこう。 ロシア―プーチン政権、そして帝国主義各国の支配層の思惑や軍需産業の利益拡大のためのウクライナ戦争の拡大、核戦争化を絶対に許してはなりません。今こそ反戦闘争に起ちあがろう。 沖縄・辺野古をはじめとする琉球弧、岩国で強行される軍事基地新設・強化に反対して闘おう。一一月二六日、二七日に行われる2022岩国行動を、反基地闘争を闘う労働者人民が全国から結集して成功させよう。 ●ウクライナ侵略戦争を停戦し、終結せよ 戦争の拡大を許してはならない 米帝をはじめとする米欧帝国主義の支援を受けたウクライナ軍はウクライナ東部で反撃し、ハルキウ州を奪還しました。 ロシア軍がウクライナ東部から潰走する状況の中で、プーチンは九月二一日に戦争をさらに維持・拡大することを表明しました。もはや補いきれない兵力不足の中で「部分的動員令」を発し、予備役三〇万人を招集して投入しようというのです。さらにはウクライナ東部・南部の親ロシア派の四州を併合し、「ロシアの領土的な一体性」を脅かす場合には「さまざまな兵器」(核兵器)の使用を辞さないことを改めて示しました。 一方、このロシアによる侵略戦争の当初から「民主主義と専制主義の戦い」を強調し、ウクライナ・ゼレンスキー政権を全面的に支援してきた米帝バイデン政権は多額の軍事支援に加え、この一、二カ月ほど前からは細かなシミュレーションなどを含む作戦支援も行なってきています。今回のハルキウ州奪還についても、アメリカの軍事衛星による情報提供とアドバイスによってなされたといいます。NATO(北大西洋条約機構)もロシアへの対決をより鮮明にし、ウクライナに対してその兵器や装備の相互運用性を高めることで、正式加盟の以前からNATO勢力の一翼へと編成しようとしています。 戦場と化し、荒廃したウクライナだけでなく、この戦争によって引き起こされた食糧・エネルギー価格の高騰はアフリカや中東諸国の食糧危機をより深刻にしています。しかし、そのような人民の呻吟を意にも介さず、ロシアと帝国主義各国の為政者たちは世界の分断と対立をますます拡大させようとしています。 プーチンが全面戦争に踏み込むことすら辞さないと宣言する中で、ロシア人民は弾圧に抗して反戦闘争に立ち上がっています。「部分的動員令」の発表後には、ロシア全土で抗議デモが行われ、これまでに二〇〇〇人以上が拘束されています(九月二九日現在)。 ウクライナ戦争を拡大し、泥沼化、核戦争化することを絶対に許してはなりません。戦争によって前線に立たされ、殺し殺されることを強いられるのは労働者人民です。改めて、ウクライナ反戦闘争に立ち上がろう。 ウクライナ侵略戦争を利用するな ウクライナ侵略戦争の継続、さらなる拡大の危機の中、岸田首相は国連総会に出席し、九月二〇日に一般討論演説を行ないました。 ロシアのウクライナ進攻を名指しで非難はするものの、米帝、欧州各国帝とともに経済制裁を強め、ゼレンスキー政権への軍事支援をなしてきたことを再確認する以上のものではありませんでした。そして、国連の信頼性が危機に陥っていると強調し、安保理改革を主張しました。つまりはウクライナ戦争に乗じて、安保理常任理事国入りを果たそうという魂胆なのです。 日帝―岸田政権は米帝―バイデン政権と共に「台湾有事」を煽り、「明日は我が身」とばかりに中国の「脅威」を排外主義的に煽動して、これまでにない軍拡と改憲に突き進もうとしています。ロシアによるウクライナ侵略戦争を最大限利用して、東アジアにおいても分断と対立、緊張を激化させ、自国の戦争体制構築を図ろうというのです。 戦争準備は具体的には軍隊―軍事基地の強化として進められます。沖縄・辺野古、琉球弧、岩国で強行される軍事基地新設・強化に反対して闘おう。 ●国葬強行弾劾! 岸田政権打倒 国葬強行と安倍政治の既成事実化を許さない 全国各地で国葬反対の闘いが取り組まれる中、この反対の声を踏みにじって九月二七日、国葬は強行されました。武道館に迫るデモには六〇〇人が、国会前には一万五〇〇〇人が参加し、最後まで安倍の国葬を認めない声を上げ続けました。 この反対闘争のうねりは国葬それ自体への反対のみによって形成されたものではありません。安倍晋三は際限なく政治を腐敗させ、私物化を行ってきました。「アベノミクス」なる金融緩和に依存するインフレ政策によって、多くの労働者の生活をいっそう疲弊させました。また、「自由民主党立党以来の悲願」などと改憲を幾度も目論み、これまでの武器輸出三原則を撤廃し武器・兵器の輸出を解禁させて、大軍拡を進めてきました。そのような安倍と、勝手に莫大な血税を使ってその安倍の「功績」を称え、継続していこうという岸田政権と自民党への怒りが一体となって巻き起こったものです。 今後、これまで同様「もう終わったことだから」とあらゆる問題はうやむやにされ、安倍が「国葬が行われるに値する首相」であったことを既成事実化する動きが出てくることは必定です。このまま終わらせてはなりません。人々の生活を破壊して戦争体制の強化・改憲を推し進め、今なお「安倍なきアベ政治」を継続しようと目論む岸田政権を打倒しよう。 統一教会問題の徹底的な暴露を 岸田政権は日々強まる批判と支持率の低下に、慌てて自民党所属議員へ旧統一教会に関するアンケート調査を実施、九月八日にその結果を公表しました。しかし実施されたアンケート調査には、多くの漏れや抜け道があることが指摘されています。本人が亡くなり、実態把握に限界があるとして安倍晋三が調査対象から外され、教団との複数の接点が指摘される衆院議長・細田博之も党派離脱中という理由で対象外とされました。また、この調査では教団側への便宜供与や政策への影響の有無は質問項目に入っていません。対象は現職国会議員だけで、地方議員は調べられていません。このような穴だらけの調査は批判そらしのために行われたに過ぎません。反共犯罪集団=統一教会と自民党の関係が何も終わっていないことの証左とさえ言えます。 旧統一教会は詐欺で集めた膨大な資金を背景に、自民党政治を強力に支えてきました。その中でも安倍晋三は特に密接に関係を持ち、集金・集票の見返りに彼らに「お墨付き」を与え、強力に庇護してきたことはもはや明らかです。安倍の政治的責任を徹底的に追及していかなくてはなりません。 労働者人民の利害を対置しよう 日銀黒田は、物価高騰を放置して金融緩和を継続しています。米・欧の中央銀行が利上げに進む中で、日銀のみが金融緩和を続け、円は急落しています。進む円安によって大企業の企業収益は拡大したとしても、労働者の実質賃金は下がり続けています。円安による物価高騰が労働者の生活を直撃し、私たちの生活は苦しくなるばかりです。 しかし、岸田政権は抜本的な対策をとろうとはしません。なぜなら、岸田が掲げる経済政策は所得倍増ではなく、「資産所得倍増」なるまやかしだからです。ブルジョアジーと富裕層の資産を増やすことしか考えておらず、労働者人民の生活に対する政策ではないからです。 岸田政権を打倒し、最低賃金を引き上げさせ、労働者人民の生活を向上させる政策に転換させなくてはなりません。 ●2022岩国行動の成功に向け奮闘しよう アジア共同行動日本連と岩国・労働者反戦交流集会実行委員会は一一月二六日、二七日の両日、2022岩国行動を開催します。 前述したように、「台湾有事」を煽り立てる日帝・岸田政権は中国を挑発し包囲する軍事同盟を強めています。この対中国包囲網づくりの要として岩国基地の強化が進められています。岩国基地では強襲揚陸艦や遠征洋上基地ミゲルキースなど米軍の大型艦船の入港が相次いでいます。 本年六月から七月の台湾東部海域での作戦にも岩国基地所属の米軍戦闘機が参加、外来機三〇機も飛来して展開しました。米海軍の大型無人偵察機の一時配備もされています。騒音など急増する基地被害に、岩国住民は苦しめられています。 そして、岩国基地は今日まで一貫して朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)への侵攻のための米韓合同軍事演習の拠点となってきました。岩国基地の強化は、そのまま共和国への軍事的恫喝であり、朝鮮半島の平和と統一への敵対となります。日帝・米帝は共和国への敵視政策と経済制裁を強め、差別と排外主義の煽動を続けています。 岩国基地の強化は、それ自体が東アジアの軍事的緊張を高めるものです。沖縄、岩国をはじめとした反基地闘争を闘う労働者人民が全国から結集して、岩国基地の撤去を求める2022岩国行動を成功させよう。アジア民衆と共に東アジアに分断と緊張を持ち込む米軍の総撤収を闘いとろう。差別・排外主義を許さず、国際連帯を掲げてあらゆる戦争への道を拒否しよう。 |
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