1622号(2022年10月5日) |
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強制執行阻止! 農地を守ろう 空港機能強化―第3滑走路粉砕 10・9三里塚に結集しよう 鑑定人尋問を実現し狭山再審闘争勝利を 岸田政権は多くの反対にもかかわらず、国葬を強行した。しかし全国各地で反対集会やデモが闘われた。法的根拠を無視し国会審議も経ないまま弔意を強制するものであった。国民の同意が得られていないことは支持率の下落にも明らかに現れている。安倍晋三が銃撃された背景には統一教会との関係があり、それは政界全体を巻き込み人民の不信感を増大させている。 今年五月の日米首脳会談で防衛費の「相当な増額」を約束した岸田は今後五年でNATO並みのGDP比2%の大軍拡を目指している。これは東アジアの平和を脅かす政策であり、何としても阻止しなければならない。 三里塚では、国策の前には農地を強制執行しても構わないという国に対峙する市東孝雄さん―反対同盟の闘いが続いている。最高裁、東京高裁の不当判決を跳ね返す闘いである。国が農地の権利を侵害し、農地を強奪する強制執行をなんとしても阻止しなければならない。 国葬を強行した岸田政権弾劾! ▼人民の反対を無視した安倍国葬 改憲、戦争準備、大軍拡、原発再稼働・新増設と、安倍政治を引き継ごうとする岸田は、安倍銃殺事件の直後の七月二二日、国葬を行うことを閣議決定した。国葬の基準や法的根拠があいまいなままの強引なやり方だった。それは、「桜を見る会」や森友学園問題などの疑獄、疑惑の一切を不問に付し、改憲や大軍拡の安倍政治を引き継ぐ意志の表れだった。 事件直後に明らかになった安倍晋三と統一教会の癒着問題は安倍派のみならず、政界全体に波及している。自民党が行った点検という名のアンケート「調査」では、所属国会議員三七九人のうち半数近くの一七九人に関係があり、そのうち一二一人は特に関係が深いとして氏名を公表した。 統一教会は一九六八年に「共産主義からの解放」を掲げる政治団体「国際勝共連合」を設立し、当時首相を退任して四年あまりの岸信介に接近した。岸と統一教会は「反共」という理念で一致し結びつきを強めて来た。その関係は孫の安倍晋三に引き継がれ、教団を権威づける役割を果たしている。安倍は教団票を差配したり、今回の銃撃事件のきっかけにもなったビデオメッセージを送り、その関係は明らかだ。しかし、岸田首相は「本人が亡くなった今、確認するには限界がある」として「調査」の対象から外している。「調査」の役割は全容を解明することよりも、問題の幕引きを狙ったものである。教団との関係は中央政界のみならず地方議会にも及んでおり、徹底的に事実を解明する必要がある。 九月八日に「国葬」をめぐり衆参両院で閉会中審査が行われた。岸田首相はその開催理由を安倍政権が八年八カ月にわたる長期であったこと、東日本大震災からの復興、日本経済の再生、日米関係を基軸とした戦略的外交などの大きな実績を積んだこととしている。しかし政権の長さは政策が適正であったことを意味しない。東日本大震災の避難者は現在でも三万人を超えている。戦略的外交とは、中国を敵視した米帝を中心とした軍事同盟の強化に他ならない。安倍政権下で行われたアベノミクスは完全に失敗であり、貧困と格差を拡大し労働者の生活は苦しくなった。 首相経験者の国葬は五五年前の吉田茂のみであった。当時の佐藤栄作首相でさえ少なくとも野党の理解を得ようとはしている。また佐藤栄作首相の葬儀に関しては、当時の内閣法制局長官の「三権の了承」が必要であるとの見解を受けて国葬が見送られている。 内閣府設置法に基づいて閣議決定をしたものであり、「国葬儀」の決定は「行政権の範囲内」であるとという岸田の説明は、前例を無視した強行に他ならない。国葬は服喪を強制するものではないかとの質問に「弔意を強制するものではない」としたが、官公庁や自治体、学校に文書で伝えてほしいという要請には答えなかった。 国葬の意味が納得されたとは言い難く多くの世論調査では国葬に対し過半数が反対であり、賛成は30から40%にすぎず、更に岸田政権の支持率は下がる一方である。 「丁寧な説明」と言いながら、あくまでも国葬を強行しようとする岸田政権に対して、八月三一日の国会前デモには、四〇〇〇人の人々が参加して抗議さいた。さらに国葬当日弔意の強制を許さず多くの国葬反対デモが全国で行われた。人民の意志を無視して国葬を実施し、統一教会との関係が暴露され支持率低下にあえぐ岸田政権を、労働者人民の力を結集して打倒しよう。 改憲―大軍拡を許すな 岸田政権打倒 ▼日米帝が強める東アジアの軍事的緊張 日米帝国主義は、ウクライナ侵略戦争が継続している状況を全面的に利用して、戦争の「現実性」「切迫性」を煽り立てている。 ナンシー・ペロシ下院議長が八月二日深夜、台湾を訪問した。ペロシ議員は大統領権限の継承順位が副大統領に次ぐ二位の高官であり、中国に対して批判的なことで知られている。七月二八日の米中首脳による電話会談で習近平国家主席は「火遊びすれば必ず自らの身を焦がす」とバイデン大統領に対し発言している。その発言を無視した訪台により、中国は台湾本土を取り囲む六カ所で軍事演習を実施している。 また、七月二七日から元防衛大臣の石破茂衆議院議員や防衛副大臣経験者の長島昭久衆議院議員ら四人の議員が「日本の安全保障を考える議員の会」として台湾を訪問した。蔡英文総統と会談した。 このような行動は日米帝の中国に対する挑発にほかならず、軍事的緊張を高めるものである。 米海軍が主催してハワイ周辺の海域で実施される「環太平洋合同演習」リムパックが欧米やアジア、オセアニアなど二六カ国が参加して七月に行われた。岸信夫防衛大臣は日本の存立が脅かされる「存立危機事態」を想定した訓練を行ったと述べた。またリムパックにあわせて、日米韓が弾道ミサイルを探知・追尾する演習「パシフィック・ドラゴン」を実施した。 八月二二日から九月一日にかけて米韓両軍の定例の合同軍事演習が行われた。「乙支(ウルチ)フリーダムシールド」と改名し、コロナの影響などで縮小されていた訓練の規模を拡大した。これらの軍事演習は東アジアの軍事的緊張を高めるものであり、決して許してはならない。 岸田政権は本年末までに、防衛三文書「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」の改定を行なうとしている。防衛費をめぐっては、五月の日米首脳会談でバイデン大統領に対して「相当な増額」と述べており、六月の経済財政運営の指針「骨太の方針」で「五年以内に抜本的に強化する」として、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が「国内総生産(GDP)比2%以上」の目標達成を急いでいることも示した。八月概算要求で示した来年度防衛費は五兆六千億円で過去最大の規模だ。しかも金額を定めず提案する「事項要求」は一〇〇件を超える内容であり、許すことはできない。 岸田の改憲―大軍拡を粉砕すべく闘おう。 戦争準備は軍隊―軍事基地の強化として沖縄・岩国をはじめとして軍事基地新設・増設が進んでいる。とりわけ、岩国から九州・琉球弧への自衛隊基地の強化・配備反対を断固闘おう。 10・9三里塚に全国から結集しよう 三里塚芝山連合空港反対同盟は一〇月九日、成田市赤坂公園で全国総決起集会を開催する。 最高裁は二〇二一年六月八日に、市東孝雄さんの請求異議裁判に対して上告棄却という不当判決を言い渡した。現在、法的には強制執行がいつ行われるかも分からない状況が続いている。 また本年九月二日東京高裁は新やぐら裁判で反対同盟の控訴を棄却した。市東さんの敷地に建つやぐらや看板の収去を認めた。しかも確定判決前において強制執行を認める仮執行宣言を付した許しがたい判決だ。 反対同盟と支援連は昨年四月以降強制執行実力阻止態勢をとり、市東さんの農地強制執行を一年以上にわたって阻止し続けてきている。この勝利的地平に立って、本年三月芝山町での集会・デモ、七月樫の木まつり、9・4現地闘争を闘い抜いている。市東さんの決意に応え、現地攻防を闘い抜こう。 成田空港会社は、コロナ禍の航空需要の急激な減少の中にあっても、第三滑走路建設を軸とした「空港機能強化策」の実現を強行しようとしている。今秋にもB滑走路の延伸工事に着手しようとしている。 空港会社の利権のために、廃村化と騒音地域拡大を強制する拡張工事を阻止しよう。 10・9集会に全国から結集しよう。 |
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