1617号(2022年7月5日) |
|
|
大軍拡・改憲・生活破壊に進む 岸田政権打倒に立ち上がろう ロシアによるウクライナ侵略戦争は、ロシア・プーチン政権と帝国主義諸国双方の企図によって長期化しており、いまだ停戦に向かう状況にはなっていない。日帝―岸田政権は、米帝のロシア経済制裁-包囲網形成にいち早く荷担し、米帝―バイデン政権の尖兵として動き回ってきている。日帝―岸田の戦争協力を許してはならない。ウクライナ即時停戦を掲げ、反帝国際連帯の旗幟を鮮明にし、反戦闘争を闘い抜こう。 通常国会が六月一五日に閉幕し、七月一〇日には参議院選挙の投開票が行われる。今回の参院選は昨年一〇月の衆院選に続く国政選挙であり、安全保障政策や新型コロナウイルス感染症対応、改憲などが主な争点となる。日帝―岸田は、長期政権運営を展望し、戦争国家体制構築や排外主義攻撃を一層強めようとしている。参院選においては、反戦―反基地を鮮明にし、岸田政権と対決する候補を支持・支援していこう。岸田政権打倒を掲げ、全国各地でのアジア共同行動(AWC)集会の成功をテコに、反帝国際連帯の闘いを推進していこう。 ウクライナ侵略戦争の即時停戦を 二月二四日のロシアによるウクライナ侵略開始から四カ月がすぎた。当初プーチン政権が企図した短期間での決着は、ウクライナ軍とウクライナ人民の抵抗で挫かれ、戦争は長期化している。ロシア軍はウクライナ東部・南部に集中した攻撃にとどまらず、首都キーウなどの主要都市に対してもミサイル攻撃を強行している。 一方で米欧日は軍事支援、財政支援を拡大しており、武器・弾薬・情報の援助を得たウクライナ軍の反撃力は増大している。六月一六日、仏独伊の欧州帝国主義首脳がウクライナの首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。ウクライナのEU(欧州連合)加盟を視野に入れ、武器供与を含めたゼレンスキー政権への支援を明らかにした。翌一七日には英首相ジョンソンがゼレンスキーと会談し、軍事支援の拡大を表明した。 米帝―バイデン政権は、ウクライナ戦争長期化によってロシアの国力を削ぎ落し、プーチン政権を現代資本主義の世界的枠組みから排除することに躍起になっている。バイデンは、帝国主義各国とその同盟国に財政拠出させ、米軍需産業をフル稼働させて、ゼレンスキー政権に武器供与を続けている。 戦場はウクライナであり、殺され続けているのはウクライナ人民だ。一刻も早く、この殺戮をやめさせることである。帝国主義者どもの野望を許さず、全世界の闘う労働者階級人民とともにウクライナ即時停戦を掲げ、反戦闘争を闘いぬこう。 岸田政権の大軍拡を阻止しよう 自衛隊の本格的な海外派兵に道を開いたPKO(国連平和維持活動)協力法は六月一五日で成立三〇年を迎えた。この三〇年の間に派兵の目的はPKOへの参加から対米協力に大きくシフトしている。中東・イラクへの「復興支援」等で実戦経験を積んだ日帝は、第二次安倍政権による日米ガイドラインの改定―戦争法成立強行という安全保障政策の転換を受け、自衛隊と米軍の協力を大幅に拡大してきた。中国や朝鮮民主主義人民共和国に対する「脅威」をあおりながら、「抑止力」を強化すると強弁して、攻撃的な軍事力への転換を進めてきた。 一九九一年に中東湾岸戦争が勃発し、米国を中心とする多国籍軍への日帝の協力が「資金援助だけ」という他の帝国主義諸国からの批判を受け、PKO協力法は一九九二年六月一五日、当時の自民、公明、民社の三党が全国の労働者階級人民の反対の声をはねのけ、強引に成立させた。当時の首相宮沢は「国連協力をする上で憲法が障害になるとは考えていない」と国会で強弁。政府はこれを受け、カンボジアへの自衛隊派兵に踏み切った。その後PKO協力法に基づく自衛隊の海外派兵はモザンビーク、ゴラン高原、東ティモール、ハイチ、南スーダンへと続き、これまでに延べ約一万二五〇〇人の自衛隊員が派兵されてきている。 自衛外派兵の当初数年間は、憲法九条が禁じる武力行使との一体化の懸念から「要員の生命保護など必要最小限の武器使用」等の五原則を設けてきた。潮目が変わったのは、二〇〇一年九月一一日の米国の世界貿易センタービルなどへの同時攻撃以降だ。「対テロ」戦争に踏み込んだ米帝からの要請を受け、日本政府は特別措置法を制定して海上自衛隊の補給艦をインド洋に派遣、米艦船への給油を行った。派兵当初の目的であった「国連への協力」から転換し、戦時中の米国の後押しに一歩踏み入れたのだ。〇三年のイラク戦争を受け対米支援を加速。洋上補給にとどまっていた自衛隊の活動範囲を、イラク復興支援特措法を制定し同国領土へ拡大した。 第二次安倍政権が一五年に戦争法制定を強行し、一六年三月に同法が施行された後は、自衛隊と米軍の一体的運用は「以前とは比較にならないほど高いレベル」(自衛隊幹部の発言)にまでなった。宇宙、サイバー空間といった領域でも防衛協力が進んできている。 中国や朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に対する「脅威」や「台湾有事」をあおり、軍備強化・日米安保強化をもくろむ日帝―岸田政権を許してはならない。自衛隊の海外派兵を阻止しよう。 戦争情勢を利用した戦争・改憲攻撃粉砕 日帝―岸田政権は日米首脳会談、クアッド首脳会議日本開催を強行し、二三年G7サミット広島開催を主催しようとしている。ウクライナ戦争情勢に乗じて、軍備増強、戦争総動員体制づくり、改憲に突き進もうとしている。 岸田は、アジア安全保障会議、ドイツG7出席からNATO首脳会合への参加と、軍事外交に積極的に乗り出している。アジア安全保障会議は、英シンクタンク国際戦略研究所が主催する国際会議であり、インド太平洋地域の安全保障問題や防衛協力について論議するとされている。防衛相岸ととともに参加した岸田は、五項目からなる「平和のための岸田ビジョン」を発表した。岸田は、①ルールに基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化、②安全保障の強化、③「核兵器のない世界」に向けた取り組み、④国連の機能強化、⑤経済安全保障など国際的な連携強化を、その五本柱だと主張している。岸田ビジョンの実態は、日米帝が主導している「インド太平洋戦略」に基づいて、アジア太平洋地域の覇権を護持するということだ。 このアジア安全保障会議中には、日米韓の防衛相会談が行われている。中国、共和国への対抗を明確にした三国の軍事同盟強化が論議されているのだ。 岸田政権は六月七日、「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定した。「防衛力の抜本的強化」に関して期限を「五年以内」とその期限を明示した。さらに、防衛費倍増を企図して「NATO諸国の国防予算の対GDP比目標(2%)も念頭に」という文言を明記して、NATO諸国と並ぶ軍事予算をめざす意思を鮮明にしているのだ。 ロシアのウクライナ侵略を利用して、ウクライナ戦争への「貢献」を強め、防衛力強化・日米安保強化を企む日帝のもくろみを許してはならない。ロシア、中国、朝鮮民主主義人民共和国を敵視して強化されるアジア太平洋の軍事同盟強化と闘い抜こう。 今こそ、改憲阻止、反戦―反基地闘争に全力を傾注し、全国あらゆる場所から大衆的な反戦闘争を巻き起こしていかなくてはならない。反帝国際連帯の旗幟を鮮明にし、ウクライナ反戦闘争を闘い抜こう。沖縄をはじめ基地機能強化反対を闘う人民と固く連帯し、反基地闘争の大爆発を勝ち取ろう。労働者階級人民の圧倒的な力で、日帝―岸田政権を打倒しよう。 |
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.