1611号(2022年4月5日) |
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ウクライナ侵略戦争を止めよう 学生は全国で反戦闘争に起とう 沖縄、三里塚、入管闘争を闘おう 共産主義青年同盟(学生班協議会) 二月二四日に開始されたロシア軍のウクライナ侵攻から一カ月が経過した。ロシア軍は北部、東部、南部から侵攻し、西部への攻撃も一部で始まっている。戦車部隊が大挙して首都キエフに迫り、包囲しつつある。 国連人権高等弁務官事務所によれば、民間人の死者はこれまでに六九一人(三月一五日段階)にのぼるが、これには激しい戦闘が続く親ロシア派の支配地域はカウントされていない。国際移住機関は、すでに三〇〇万人以上が国外に脱出したとしている。ウクライナ軍、ロシア軍それぞれの死者は、双方の発表に大きな差がある。ウクライナ大統領ゼレンスキーはウクライナ軍の犠牲者は約一三〇〇人、ロシア軍は一万二〇〇〇人前後としている(ロシア国防省は自軍の犠牲者は四九八人と主張)。 すでにこれだけの犠牲が出ている。首都キエフでの戦闘が本格化すれば、人民虐殺がさらに増えることは間違いない。ロシア軍は今すぐ停戦せよ! そしてウクライナから撤退せよ! ●1章 ウクライナ人民、ロシア人民と共に国際反戦運動に起とう 闘う青年、学生のみなさん! ロシア軍によるウクライナ侵攻を私たちはどう受け止め、戦争を止めるためにどう行動すべきだろうか。 まず第一にはっきりさせておかなければならないのは、プーチン大統領がいかなる口実を設けたとしても、これは主権国家ウクライナに対する侵略戦争であるということだ。 プーチン政権によれば、これはウクライナ東部のロシア人保護のための「特別軍事作戦」であり、自衛権の行使だという。しかし実際にはゼレンスキー政権を転覆し、ウクライナの「中立化」だけでなく「非軍事化」まで要求しており、侵攻は東部のみならずウクライナ全土に及んでいる。 プーチンの歴史認識は昨年七月の論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的な一体性について」に示されている。それによれば一〇〇〇年前のキエフ―ルーシ公国にまで遡って、ロシアとウクライナ、ベラルーシは同一の起源をもつ民族だという。しかしロシアとウクライナをめぐる近現代史をみれば明らかなとおり、ウクライナは独自の民族として周辺諸国の支配を受けながらも民族解放闘争を展開してきた。一九一七年、ロシア革命の影響で、複雑な過程を経て一九一九年にウクライナ・ソヴェト社会主義共和国としてソ連邦の一角を形成した。 だがソ連の一構成国とはいっても事実上は共産党の支配下に置かれ、とくにスターリンによる農業集団化、穀物徴発によって三五〇万人にも及ぶ人々が餓死を強制された歴史を持つ。そして一九九一年のソ連邦の崩壊にともない主権国家として独立宣言をした。「民族起源が同一」だとしても、こうしたロシアとウクライナの歴史を振り返れば、抑圧・被抑圧の関係が浮かび上がる。 ゼレンスキー政権に至るまでのNATO(北大西洋条約機構)の東方拡大政策は批判されるべきだが、このことをもってロシアの侵略戦争を正当化することはできない。ウクライナ人民の自己決定権、ロシアに対する命がけの抵抗闘争を支持しよう。ロシア軍はウクライナからただちに撤退せよ。 そして第二に、一方で、NATOの東方拡大政策と、アメリカ帝国主義・バイデン政権の「専制主義対民主主義」なる論理にもとづいた軍事同盟の強化が戦争の背景にあること、したがって西欧諸国とバイデン政権にも責任の一端があることは無視すべきでない。 NATOはもともとソ連・東欧圏と対峙する反共軍事同盟として成立した。しかしソ連・東欧圏が崩壊して以降も存続し、東欧圏を呑みこんで勢力を拡大し続け、ロシアから見れば自国に迫る軍事的脅威となってきた。全面侵攻前、ロシアはNATOとの交渉で、ウクライナのNATO非加盟や近接地に攻撃型兵器を設置しないことを求めてきた。だがNATOはこれを拒否した。国連決議等はほぼ全会一致でロシアを非難しているが、こうしたNATO側の対応について一切触れていない。 NATOと日米安保を主導するバイデン政権が軍事同盟を強化して、ロシアと中国との緊張関係を盛んに煽り、この間、ロシアに対してはウクライナ支援を、中国に対しては台湾支援を、武器供与などの形で実際に進めてきた。ウクライナでいま起きているように軍事的な焦点となり、人命の犠牲が生じるのは、こうした覇権主義大国の狭間に置かれた民衆だ。ロシアもNATOもともに人民虐殺の犯罪者だ。 第三に、では私たちはどのような立場で戦争に反対し、行動すべきだろうか。 ウクライナを蹂躙するロシア・プーチン政権も、資源と労働力の収奪のために勢力圏を拡大するNATOも、どちらも支持できない。この勢力圏争いで犠牲になるのは労働者、民衆だ。戦争を決断し、労働者を動員して殺し合わせるのはいずれも資本家とその代理人たる政治家なのだ。 いま「専制主義対民主主義」を旗印に国家間の対立が煽られているが、コロナ禍と戦争が同時進行する今、私たちの「真の敵」は各国の資本家階級、好戦的な政治家たち、民族主義を煽動する右翼勢力だ。 とりわけ日本ではウクライナ侵攻を絶好の機会と見て、自民党や日本維新の会らが憲法改悪や「核共有」を主張しはじめている。「ロシアがウクライナに侵攻したように中国が台湾に侵攻する。台湾有事は日本有事だ。だから核武装や敵基地攻撃能力が必要だ」というのだ。 中国と台湾の関係は、ロシアとウクライナの関係とは全く異なる。脅威を煽って戦争準備をすることが現実に戦争を招く。 かつて中国東北部に「満州国」をでっち上げ(一九三一年)、上海の日本人謀殺を口実に中国軍と交戦し(一九三二年)、やがて中国侵略戦争にのめりこむという、まさしくプーチンと同じ手法の歴史を日本もかつておこなったことを想起しよう。 ナショナリズムや排外主義煽動がフェイク・ニュースの洪水とともに押し寄せる今、誰の立場に立って闘うのかが問われている。私たちは、ブルジョア国家の「経済制裁」あるいは武力介入によってではなく、抑圧された労働者、民衆の国境を越えた連帯と団結によって侵略戦争を止めよう。 プーチンの圧政下でも、ロシア民衆は反戦デモに立ち上がっている。ウクライナ侵攻が始まってから、抗議活動で逮捕された人は一万四〇〇〇人を超えている。やがて必ず、民衆の力でプーチンは打倒される。世界で立ち上がる民衆と共に、ウクライナ侵略戦争を今すぐ止め、戦争の根源である帝国主義の世界支配と闘おう。 ●2章 岸田政権と対決し、沖縄、三里塚、入管闘争を闘おう 沖縄は今年、一九七二年の反革命的統合から五〇年を迎える。米軍政の支配が終わったが、「基地のない平和な島」を願った沖縄民衆は裏切られ、米軍基地はむしろ拡大した。そしていま、名護市辺野古への新基地建設の埋め立て工事が強行されている。同時に、琉球弧への自衛隊の配備が進行して、中国との戦争準備の最前線にされようとしている。これに対し沖縄民衆は、「再び沖縄を戦場にする気か」と怒りをもって闘いに立ち上がっている。 「天皇制の護持」のため捨て石にされ、住民の四人に一人が亡くなった凄惨な沖縄戦を私たちは決して忘れてはならない。いま、東アジアで米中対立の激化が戦争へと至る可能性が高まりつつある。沖縄を再び戦場にさせないために、辺野古新基地建設や、自衛隊配備に対して闘いぬく沖縄の人々と共に闘おう。 三里塚では、反対同盟・市東孝雄さんの農地強奪の攻撃が強まっている。 昨年四月から空港会社は、強制執行によって農地を奪い取ることが法的に可能となった。しかし反対同盟と支援は「強制執行実力阻止態勢」をとり、日夜、天神峰で監視行動をおこない、これを阻んでいる。 三里塚空港は、そもそも住民に何の相談もなく空港建設を国が決めて、反対する農民には機動隊の暴力を使って建設された歴史がある。九〇年代に運輸省(当時)は一部住民との話し合いの中で「いかなる状況のもとにおいても強制手段をとらない」と約束した。まさにいま市東さんの農地強奪が迫るなかで、「国家権力は平気でウソをつく」ことが証明された。 しかもいまコロナ禍で航空需要が激減する中でも、新たな第三滑走路建設など空港機能強化策が狙われている。権力と資本はまったく見込みのない「経済成長」神話に基づいて、東京五輪やリニア建設と同様に破産必至の空港建設を進めているのだ。 反対同盟は3・27芝山現地闘争を開催して、空港機能強化反対を広く住民に訴えながら、市東さんの農地を守り続けている。この闘いを支持し、共に闘おう。 そして、全国でとり組まれている入管(出入国在留管理局)との闘いを取り組もう。 昨年三月、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性が亡くなってから一年が経ち、この間、入管施設での外国人に対する劣悪な処遇が暴露された。昨年、入管法改悪は阻止されたが、難民は受けいれず「外国人は送還一本やり」のこれまでの入管政策は何も変わっていない。 ウクライナ難民を難民として受け入れるべきだ。そのためには、これまでの入管体制を根本的に改めるべきだ。 入管体制の根底には、天皇制と差別・排外主義イデオロギーが横たわっている。このような入管体制そのものを糾弾する闘いが、青年・学生を先頭に始まっている。青年・学生は全国で連帯し、岸田自公政権打倒を闘おう。 |
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