1602号(2021年11月5日) |
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岩国行動に集まろう 陸自大演習弾劾! 岸田自公政権打倒 一〇月三一日の総選挙で与党が過半数を維持し、現政権の継続が決まった。経済分野での新自由主義と政治面での国家主義・民族排外主義を接合した右翼反動路線を引き継ぐ第四次安倍政権ともいうべき岸田政権を、労働者人民の渾身の力を込めた革命的鉄槌で粉々に打ち砕こう。 ●第1章 岸田自公政権を打ち倒そう 菅義偉は人民の怒りに追い詰められて退陣した。コロナウイルス感染の拡大を食い止めるどころか観光業優遇とずさんな防疫策で感染を拡大させて支持率が急落した。その挽回を狙って、幹事長二階降ろしを画策したが失敗し、自己崩壊した。 九月の自民党総裁選では、安倍政治の微調整を図った本命の河野が、その全面継承を掲げた岸田、安倍の支持の下で国会議員三分の一の票を得たファシスト高市、河野票の切り崩しのためにのみ出馬させられた野田による包囲網で河野が勢いを失い、岸田が党総裁に就いた。 一〇月四日の臨時国会で岸田が首相に指名され、安倍・麻生・甘利が作った案に沿った政府と党の報奨人事に基づいて自公政権が発足し、直後の一四日衆議院解散、三一日総選挙となった。 岸田は首相就任四日後の所信表明演説で、「新型コロナ対応」、「新しい資本主義」の実現、「国民を守り抜く、外交、安全保障」、憲法「改正」の議論を明示した。 第一に、コロナ禍への対応だ。岸田は、「国難」を乗り越えるために「丁寧な説明」と「丁寧な対話」を行って経済対策を策定するとしたうえで、前政権の対策を「他国に類を見ない速度でワクチン接種が進み、この闘いに勝つための大きな一歩を踏み出せました」と称賛している。 だが、私たちは忘れていない。当初から危機意識が著しく欠如し、今に至るまでなされたことは、ずさんな説明、話題そらし、無視で、PCR検査の実態があまりに不十分で、医療従事者および病床の確保など医療体制の確立が遅れに遅れ、思い付きの一斉休校から専門家の危惧を無視した観光業優先策の強行だった。さらには、癒着した電通などによる血税の簒奪に至るまで「国益」よりも私益と私腹を最優先した行き当たりばったりのでたらめ対応が二年近く続けられた。その結果、感染者が病院にたどり着けない事態が頻発し、影響を被った人々への支援策が全く不十分で、しかも甚だしく遅延したのだ。そしてそれらによって、失われずに済んだはずの無数の命が奪われ、数多くの感染者が回復後も深刻な後遺症に苦しんでいる。 医療体制が崩壊して医療従事者は疲弊の極に叩き込まれて退職者と感染者が続出している。数十万の労働者が解雇され、あるいは休業を強いられ、賃金を削られ、肉体的精神的な打撃を受けることも起こっている。労働条件は地に落ち、個人事業主と零細企業は絶望の淵に追いやられて生業を断たざるをえなくなった。野宿労働者やネットカフェ居住者はわずかな支援金さえもらえず、住まいを失い、食に困る人々もあとをたたない。居場所を失う子どもが激増し、自ら命を絶つ女性・若者が激増している。在日や外国人労働者は政府の不十分極まりない対策すら講じられず、完全に排除された。民衆の塗炭の苦しみは現在進行形だ。 「危機管理能力」を口にしながら実際は欠如した政府が行ってきたのは棄民政策なのだ。それを反省するどころか逆に褒め称えまでして、何が「信頼と共感を得られる政治」、「全ての人が生きがいを感じられる社会」だ。顔を洗って出直してこい! 第二に、所信表明の最大の売りである「新しい資本主義」だ。岸田は、深刻な貧富の格差を生んだという「新自由主義的な政策」の「弊害」に言及した上で「中間層を守り、気候変動などの地球規模の危機に備え、企業と政府が大胆な投資をしていく」とし、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」を「コンセプト」とする「新しい資本主義」を実現すると主張している。続いて、「成長戦略」の柱として「科学技術立国の実現」、「デジタル田園都市国家構想」、「経済安全保障」を、また、「分配戦略」の柱として「働く人への分配機能の強化」、「中間層の拡大、そして少子化対策」、「看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくこと」、「財政の単年度主義の弊害是正」を挙げた。 これは、バラ色の宣伝とは裏腹にあまねく失敗して貧富の格差を拡大し、実質賃金と生活水準の低下だけをもたらして労働者人民を今なお苦しめている悪夢のような安倍・菅政治そのままではないか。岸田は経済政策の冒頭で「デフレからの脱却」を成し遂げ、「大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略」を推進すると言い切った。アベノミクスの三本の矢の丸写しだ。安倍が腹話術をしているのか? 新自由主義を断固継承すると宣言しているのだ。新しさなどかけらもない。旧態依然たる資本主義の継続宣言だ。 目玉である「新しい資本主義実現会議」(一〇月一五日設置)の構成に岸田の「新しい資本主義」の内実が端的に表れている。経団連会長、経済同友会代表幹事、連合会長の労資、IT企業、AIベンチャー、投資会社、証券会社、企業再生会社、情報サービス企業、製薬会社、自動車部品会社の各経営陣、そして人工知能および経済学の学者だ。その多くが前政権の政府審議員を歴任している。労資協調の御用組合を含め、資本側をずらりと並べた成長一辺倒ではないか。また、商店に例えれば、看板はネオン付きで高々と掲げたが内装と商品陳列は何も決まっていなくてこれからなのに開店という体たらくだ。つまり岸田は最重要政策について、驚くべきことに、これまで考え抜いていなかった。いや、できなかったのだ。政治屋によくある、理念がそもそもなく出世すなわち私益と私腹が活動の目的になり果てた政治的残骸の一人が岸田総理大臣だ。そうした多数の残骸を少数の日本会議系右翼ファシストが軍国主義・歴史歪曲主義・民族排外主義を四方八方にまき散らしながら牽引する自由民主党のおぞましい現構造が、同会議だけでなく政権・与党人事に直接反映している。 また、「経済安全保障」は日帝ブルジョアジーの強い要求だ。内でのコロナ禍と外での米中対立という情勢の下、新自由主義グローバリゼーションの下でサプライチェーンの海外展開が進んだがゆえに、日帝資本の生産体制が国際的な危機に非常に弱いことが明らかになった。「戦争のできる国」以前に、有事に経済活動ができるのかというブルジョアジーの危機意識の反映だ。 自民党は二〇年六月に「新国際秩序創造戦略本部」を立ち上げた。本部長が岸田、座長が甘利だ。彼らが自民党の経済安全保障政策を牽引してきた。新政権では経済安全保障相を新設し、「経済安全保障一括法」の準備を進めている。 第三に、「外交・安全保障」だ。ここでは三つの覚悟、即ち、「自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を守り抜く覚悟」、「わが国の平和と安定を守り抜く覚悟」、「地球規模の課題に向き合い、人類に貢献し、国際社会を主導する覚悟」を挙げている。 その内容は、「自由で開かれたインド太平洋の推進」、基軸としての日米同盟、朝鮮民主主義人民共和国の「脅威」と拉致問題解決、中国・ロシア・韓国への言及など、書き写したかのように安倍・菅政権と基本的に同じだ。中国および共和国の「脅威」を煽動しつつ、日米軍事一体化の下で「戦争のできる国」作りを推進する軍事外交政策もそっくり受け継ぐということだ。 岸田は続いて「憲法改正」にも触れている。「今後、憲法審査会において(中略)建設的な議論を行い、国民的な議論を積極的に深めていただくことを期待します」と述べた。憲法改悪を力説しているわけではない。他人ごとのようなこの部分だけが安倍・菅との唯一の違いと言えば違いだ。しかし、岸田は「憲法改正」論者であり、前任者どもと同じ穴のムジナだ。 最後に、「明けない夜はありません」として、安倍・菅政権下で日本社会が闇の中にあり続けているという現状認識を図らずも吐露しながらも、「国民の皆さんと共に手を取り合い、明日への一歩を踏み出します」と、政府与党としての責任の一切に頬かむりをしたまま所信を締めくくった。 所信表明演説及びその後の言動は総じて、第四次安倍政権と言っても過言ではないほどの、新政権による前政権の路線の継承宣言にほかならない。 沖縄辺野古新基地建設の推進。ミサイル防衛能力の検討。核兵器禁止条約への不参加。原発再稼働の推進。アベノミクスの礼賛と「成長なくして分配なし」(所信表明では「分配なくして次の成長なし」)。売りだった金融所得課税見直しの棚上げ。森友・加計、桜を見る会、甘利の都市再生機構(UR)など疑獄事件に関する調査・追及の否定。選択的夫婦別姓の拒否など、何一つ変わっていないのだ。 岸田右翼反動政権を打倒しよう。 ●2章 軍事演習反対! 11月岩国行動へ 現在進行中の陸上自衛隊大演習に反対しよう。日米欧帝国主義による「台湾有事」介入という中国侵略策動を粉砕しよう。 そのために、2021岩国行動に全国から集まろう。全国の反基地闘争の結集を実現しよう。反戦反基地闘争を国際的に結びつけよう。労働者、労働組合の反戦決起として参加しよう。また、11・28米軍Xバンドレーダー基地反対の京都集会・デモに結集しよう。 老朽原発の再稼働策動を止めよう。10・25美浜現地行動に続き、11・23~27美浜―高浜リレーデモに参加しよう。 三里塚闘争に起ち上がり、市東さんの農地を守り抜こう。反対同盟とともに強制執行実力阻止の陣形を強化し、空港会社の農地強奪攻撃を粉砕しよう。 韓国では労働組合のナショナルセンターである民主労総が10・20ゼネラルストライキを行った。学校給食労働者・清掃労働者など非正規職を先頭に数十万人の労働者が全日ストを決行した。労働者は街頭に出て、政府の中止警告と警察の妨害を跳ね返して各地でストライキ集会をもった。一一月には労働者・農民・青年・女性・貧民など進歩陣営総体が結集する民衆総決起闘争が予定されている。 韓国大統領選挙は来年三月に投開票があり、五月に新大統領が就任するが、進歩陣営でも候補者擁立に向けた動きが加速している。 また、朝鮮半島情勢では米帝バイデン政権が休戦中である朝鮮戦争の終戦宣言の検討に入ったと報道された。来年二月の北京冬季オリンピックで様々な組み合わせの首脳会談が開催される可能性が専門家によって言及されている。朝鮮半島の平和を求めて立ち上がる南北在外の朝鮮人民の努力を断固支持し連帯しよう。 ともに闘おう。 |
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