1585号(2021年2月5日) |
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菅政権は感染拡大の責任をとれ 罰則ではなく医療と生活保障を コロナ特措法の改悪強行弾劾! 本年一月、菅政権はコロナ感染拡大状況に対応するとして緊急事態宣言を再発令し、コロナ特措法、感染症法の改悪案を閣議決定した。われわれは罰則付き改悪に断固として反対する。強権政治に突き進む菅右翼反動政権を打倒しよう! 昨年一二月一七日、東京高裁・菅野は請求異議裁判控訴審において反動判決を出した。成田空港会社が市東さんの農地を強奪することを認めたのである。しかし、三里塚芝山連合空港反対同盟は弾劾声明を出し、徹底的に闘う姿勢を明らかにしている。反対同盟とともに、市東さん宅―天神峰決戦本部に駆けつけて、空港会社と国家権力の横暴を打ち破るために闘おう! ●第1章 コロナを口実にした、強権政治を許すな 菅政権は、GoTo強行など自ら招いたコロナ感染拡大の失敗の責任をとることなく、問題を捻じ曲げて、労働者人民に対する罰則付の法改悪という、さらなる強権政治に突き進もうとしている。新型コロナ特措法、感染症法の罰則付き改悪を絶対に許してはならない。 菅政権内部では「入院拒否への罰則」などというとんでもない議論がなされている。コロナ禍の現実は、感染しても入院先や施設が準備されておらず、「自宅療養」や医療の不十分な隔離施設で重症化が急激に進んで命を落とすという事態が続いていることこそ問題なのだ。人民の側が入院を拒否しているのではない。入院―治療の体制が未だに不十分という、政府の失政の結果に他ならない。 政府、地方自治体が行うべきことは、科学的根拠に基づいた予防対策であり、感染者が納得して治療を受けられる社会全体の体制を整えることのはずだ。GoToなどというデタラメな政策ではなく、労働者人民の命を救うための方策をとり、そこに国家予算を重点的に配分すべきというのが圧倒的多数の世論だ。 国会で論議されているコロナ特措法・感染症法の罰則つき改悪とは、コロナ感染拡大の責任を人民に押し付ける思想である。 何度でも繰り返すが、コロナ感染拡大の責任は明らかに菅、そして前任者の安倍にある。実際、韓国や中国などのアジア諸国等においてはコロナ感染を最小限に抑え込むことに成功した国が多々ある。日本で感染が拡大したのはGoToやPCR検査の不徹底などの政策的問題である。 こうした責任を不問にし、あたかも「政府の言うことを聞かないで勝手なことをするから感染が拡大する」という論理が罰則付き改悪の根本的思想なのだ。罰則の中身が懲役刑であろうが、罰金、過料であろうが程度の差の問題である。われわれは、罰則付き改悪が失政の責任を人民に押し付けるものとして徹底的に批判していかなければならない。 そもそも、罰則などを設けなくとも生活や休業に対する十分な補償が実現されていれば誰もがコロナ対策をとる。罰則云々の前に、補償内容をきちんと拡充するのが政府の責任であるはずだ。 さらにコロナ対策で罰則を設けるということは、その罰則を逃れるため感染状況を隠蔽する方向に人々は動く。それはコロナ感染がより拡大するということにつながる。罰則によってコロナ感染状況が犯罪的問題として位置付けられ、「自粛警察」という民間の差別・排外主義現象がより激化することは間違いない。当然、警察権力が生活の諸場面で介入することも必至だ。 また現行感染症法はハンセン病等の感染症において差別的政策がとられた歴史的事実を認めたうえで、「感染症の患者等の人権を尊重しつつ……適確に対応する」(感染症法前文)というのが基本理念である。ここに罰則という強制性を加えることで当事者本人の意思確認を無視した強制措置が可能となる。すなわち強制的隔離・強制収用・強制入院が合法となるのだ。それはハンセン病差別や旧伝染病予防法の強制的隔離を反省し、成立した同法の基本的理念を清算するということでもある。本来治療のための感染症法が、差別・排外主義的に改悪されようとしている。コロナ特措法・感染症法改悪を許すな! ●第2章 菅右翼反動政権を打倒しよう 一月一八日、通常国会において菅の施政方針演説が行われた。しかしこの施政方針演説は怒りなくしては確認できないしろものである。 そもそもこの施政方針演説は昨年一〇月二六日の所信表明演説と構成・文言がほぼ同じである。つまり、コロナ感染拡大―緊急事態宣言再発令という事態にもかかわらず、前回演説を復唱したものにすぎないということだ。 しかし冒頭に書かれている小見出しが、前回は「新型コロナ対策と経済との両立」であったのが、という文言が消え、「新型コロナ対策」になっている。そして何の総括もないままGoToキャンペーンの自画自賛が消滅してしまっている。GoToという感染拡大の重要な要因を自ら作り出してしまったことの責任に触れた文言は一切ない。代わりに新型コロナ特措法の改悪を「罰則や支援に関して規定」し早期成立を目指すことを明言している。 このコロナ対策に関しては商業新聞各社からも「具体策なし」と批判れており、唯一明確な方針は罰則付き改悪だけだ。 一方、「外交・安全保障」において、「沖縄の皆さんの心に寄り添い…普天間飛行場の…全面返還を目指し、辺野古沖への移設工事を進めます」とぬけぬけと言い放っている。さらに、この期に及んでもまだ「イージス・システム搭載艦を整備するとともに、抑止力の強化について……引き続き政府内で検討を行います」と「敵基地攻撃能力」への野心を露わにしている。 「外交」分野では、外相茂木が演説の中で、「元慰安婦等による対日訴訟判決については、国際法上も、二国間関係上も、到底考えられない、異常な事態が発生した」と表現している。外交上「異常な事態」とは極めて特殊な表現であり、菅政権が日本軍「慰安婦」問題において韓国を徹底的に敵視していることが明らかになっている。 最後の「まとめ」では「夏のオリンピック・パラリンピックは、人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして、また東日本大震災からの復興を世界に発信する機会にしたい」と語っている。しかし、菅政権は新型コロナウイルスに一度も打ち勝ったことはないし、東日本大震災復興―福島原発事故の収束はいまだ何の展望も出せてはいない。 菅政権は「桜を見る会」問題における虚為答弁問題、河井案里の参院選買収事件における有罪判決なども併せて、すでに政権としての末期状況を呈している。 菅右翼反動政権打倒に向けてさらに進撃していこうではないか! ●第3章 市東さんの農地を奪うな 東京高裁裁判長・菅野は12・17判決をもって、市東さんの営農・生活の権利を否定し、成田空港会社の強制執行を認める判決を下した。絶対に許すことはできない。 しかし市東さんは上告し、弁護団の折衝によって千葉地裁での三月末までの「執行停止」暫定決定を勝ち取っている。また反対同盟は弾劾声明を発し、徹底的に闘う姿勢を鮮明にしている。しかし状況は予断を許さない。現在は最高裁の判断次第で、空港会社は隙あらば強制執行に踏み込もうとしていることは明らかだ。反対同盟と支援勢力は一七日の判決直後から「執行停止」暫定決定までの期間、市東さんはなれ―決戦本部における「座り込み」体制を堅持した。「農地死守・実力闘争」を掲げる反対同盟とともに市東さんの農地を守り抜こう。 コロナ感染拡大が第三波に突入している状況下で、航空需要は激減している。航空需要の増大は空港会社、航空会社が煽り立てて作り出したものであって、そもそも不要不急の需要であることがコロナによって鮮明になったということだ。航空各社も成田空港会社も自らの経営が危機的であり、第3滑走路を建設する状況ではない。 市東さんの農地に関しては、空港建設のために奪う必要性など全くないのだ。公共性も緊急性も全くないにも関わらず農民の生活を破壊して農地を奪うなどということは、絶対に許されてはならない。 市東さんは、農民としての当然の権利、正義を貫いているだけだ! 市東さんとともに、反対同盟とともに、市東さん宅―天神峰決戦本部に駆けつけて、空港会社と国家権力の横暴を打ち破るために闘おう! 農地を守るために天神峰に行こう! 援農、交流会を企画し、人民の流れを三里塚で創り出そう! |
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