1576号(2020年9月5日) |
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9・6―9・11反原発集会 9・27三里塚全国総決起集会 全国で反帝闘争に決起しよう 政治運動指導委員会 ■秋期政治運動方針 全国で闘っている同志・友人の皆さん! 新型コロナウイルスの感染拡大が、世界全体の政治や経済に未曾有の混乱をもたらしている。 世界各国で非常事態宣言が出され、大規模な都市封鎖や外出規制が敷かれ、これによって生産・物流・金融など経済活動の大幅な縮小が起こり、失業・貧困の拡大が増大し、格差拡大が進行している。夏には、感染が一定収まるとみられていたが、感染抑制に成功したヨーロッパ諸国でも、規制解除後、再び感染が増加する事態となっている。また、感染対策を名目に人権抑圧を強め、支配強化や弾圧に利用する為政者もいる。 これまでの帝国主義・資本主義の支配と搾取の上に、新型コロナウイルスの混乱が押し寄せ、世界中の労働者階級の失業や生活困窮に拍車をかけている。二〇〇八年リーマンショックを上回る景気経済の落ち込みとなり、今後も感染拡大と経済低迷が深刻化することが予測される。新型コロナウイルスに有効なワクチンや治療薬が開発されていない状況で、経済再開と感染対策のはざまで、世界の労働者階級の自己防衛、生存と解放のための苦難の日々が続いている。 だがコロナ感染拡大は、帝国主義や新自由主義が構築した支配と搾取の脆弱性を顕在化させた。資本の搾取・収奪を最優先にする社会が、弱者を切り捨て、共生・相互扶助といった社会的紐帯を切断した社会システムであることを浮き彫りにした。アメリカやヨーロッパで感染拡大や犠牲者が発生したのは、偶然ではない。この未曾有の情勢の下で、労働者階級の新たな階級闘争を必ずや発展させなければならない。 コロナ禍に加え、米帝―トランプ政権による米中対立のエスカレートが世界的混乱要因となっている。米帝の世界支配と搾取システムに対抗する勢力として中国を捉え、これまでの政策を転換し、政治軍事経済において激しい攻撃を打ち出すトランプ政権と、これに屈服せず対抗する中国との攻防は、先行きがわからない。アメリカ大統領選挙で民主党勝利となっても、米中対立の基調は変わらないであろう。長期的には、米帝を盟主とする帝国主義の世界支配は、中国との争闘の中で変容していくであろうが、日本帝国主義がその中でどのような生き残り戦略を選択するのか、これも現時点ではわからない。しかし日本労働者階級人民は、労働者階級人民の利害を基軸に据え、日帝の侵略戦争を絶対に許さず、祖国敗北主義の国際連帯闘争を闘わなければならない。民族排外主義に決して屈服してはならない。 ●1章 今秋期反政府闘争に立ち上がろう 新型コロナウイルスの世界的拡大という画歴史的な事態の出来は、安倍右翼反動政権の本性を暴き出した。アベノミクスの虚飾ははがれ落ち、その破産は明白となった。 コロナ禍にあって、安倍政権は右往左往し、科学的知見と論議を通じて政策を立案し、それを法律や制度として執行していくということができない。人民の支持を失い、安倍政権の本性、安倍自身の本性があらわになっている。 民族排外主義と新自由主義の徹底によって、これまでの戦後ブルジョア支配体制の転換を「戦後レジームからの脱却」として位置付けた安倍は、その狭量で稚拙な政治信念の実現こそが政治行動のすべてであり、本質的に人民の生活や福祉に関心がない。関心があるのは、支持率と選挙における集票のみである。安倍政権は小選挙区制を悪用した手段を選ばぬ選挙戦略によって国会の議席を支配し、秘密法から始まり共謀罪に至る強行採決を繰り返してきた。 今秋期、反戦反基地、辺野古新基地建設阻止、反帝国際連帯の政治闘争に全国で立ち上がろう。秋期政治闘争に全国で立ち上がり、反政府闘争を闘おう。 ●2章 敵基地攻撃能力を喧伝、軍拡攻撃粉砕せよ 第一の課題は、戦争態勢の強化と闘うことだ。 六月陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画停止から、安倍政権・自民党は、敵基地攻撃能力の保有についてキャンペーンをはじめ、一二月には防衛大綱、中期防衛力整備計画、国家安全保障戦力を改定する意向を明らかにしている。 敵基地攻撃能力の保有は、これまでの防衛政策の大転換であり、中国、朝鮮民主主義人民共和国を標的にしたアメリカの戦争作戦にさらに深く組み込まれ、侵略反革命戦争を日米帝国主義が一体となって遂行するということだ。絶対に許してはならない。 河野防衛大臣は、「イージス・アショア」の配備計画の理由として、ミサイル発射時のブースターの制御問題を挙げている。さも地元住民の安全に配慮しているかの説明だが、全くの虚偽だ。実際は、使い物にならないミサイルシステムの購入をやめただけの話だ。水面下ではアメリカと話をつけ、中距離弾道ミサイルなど敵基地攻撃兵器の新たな購入に踏み込もうとしているのだ。 とはいえ、秋田・山口における地元住民の強い反対運動があり、それがなければ、撤回という勝利はなかったことは確実だ。地元住民の頭ごなしに配備計画を決定し、杜撰な説明や資料作成をしてきた防衛省を厳しく追及し、ブースター制御問題を明るみに出した反対運動の闘いがなければ、配備撤回はなかった。 敵基地攻撃能力の保有をめぐる論議は今後、九月中に政府が新たなミサイル防衛の方向性を策定し、九月末の防衛予算の概算要求で具体内容が明らかになっていく。 コロナ禍にあって、生活に困窮する労働者人民が生み出されているにも関わらず、米帝から莫大な兵器を購入するなど絶対に認められない。コロナ対策に予算を振り分けるべきだ。武器の爆買いは、F35ステルス戦闘機や輸送機オスプレイの購入も同様だ。陸上自衛隊は、木更津に暫定配備を強行しつつ、佐賀空港への配備をあくまで強行しようとしている。佐世保・相浦駐屯地の「水陸機動団」の空輸にオスプレイを活用することが狙いだ。オスプレイの佐賀配備を許してならない。安倍政権の軍拡予算を打ち砕こう。 ●3章 辺野古新基地建設阻止! 沖縄―「本土」貫く闘いを 第二は、辺野古新基地建設阻止を軸として沖縄解放闘争を闘うことだ。現状、コロナ禍で沖縄現地に行くことはできないが、全国各地で辺野古新基地建設の不当性を宣伝・暴露し、埋め立て工事の中断と基地建設計画の撤回を訴えていかなくてはならない。辺野古新基地建設阻止! 普天間基地の即時無条件返還! 沖縄からすべての軍事基地・施設の撤去! を沖縄人民とともに闘おう。 沖縄におけるコロナ感染拡大は深刻で、玉城知事によって七月三一日「沖縄県緊急事態宣言」が出され、八月二九日まで延長されている。そのため沖縄防衛局が大浦湾埋め立てを強行するために提出した設計変更申請の公告・縦覧は延期されており、沖縄「県」への反対意見書提出運動も中断している。この中断を、反対意見書提出運動を拡大するために活用しよう。設計変更申請を打ち砕き、大浦湾埋め立てを阻止しよう。 辺野古現地では、コロナ対策でキャンプシュワブゲート前、塩川漁港、琉球セメントの安和桟橋、での抗議行動を中断している。埋め立て工事は、工事業者の作業員からコロナ感染者が出たことから、四月一七日から約二か月間工事を中断していたが、六月一二日工事再開を強行している。再開以降も、作業員から感染者が確認されているのにも関わらず、工事を強行している。 沖縄のコロナ感染は、何の検査も受けずに自由に出入りする米軍と「GoToトラベル」によって拡大したことは明確だ。七月に入り急速に拡大したコロナ感染は、沖縄の医療体制を崩壊の危機に追い込み、沖縄人民の仕事や生活を圧迫している。 安倍政権は、このような沖縄の状況に何ら対応しようとしない。徹底的に弾劾しなければならない。 ●4章 9・27三里塚に結集し、市東さんの農地守り抜こう 第三は、三里塚闘争に決起することだ。市東さんの農地をめぐる請求異議裁判控訴審闘争は、年内結審―判決が狙われている。 コロナ禍で、延期されていた公判が、九月二日に再開され、一〇月二二日に最終弁論となっている。不当判決が出されれば、空港会社は農地の強制執行を行うことが可能になり、市東さんの南台の耕作地の半分や営農に必要不可欠な育苗ハウスや耕作機械置場が奪われ、営農ができなくなる事態もありうる。 農地法を悪用した国交省―空港会社の農地強奪を絶対に許してはならない。九月二七日の全国総決起集会に全国から大結集し、強制執行を許さない陣形をより強固なものにしなくてはならない。市東さん、反対同盟とともに、農地死守の決戦に決起しよう。 ●5章 老朽原発再稼働阻止、全原発廃炉を 第四に、反原発闘争に立ち上がろう。安倍政権は、福島第一原発の大事故による甚大な被害と今も続く福島の深刻な放射能汚染をまったく顧みることなく、一貫して原発推進政策をとっている。原発利権による地域社会の分断と、原発支持勢力の育成、核武装能力の維持のため、原発は経済的合理性を無視して推進されてきた。 しかし、福島第一原発の事故は、政府や電力会社が主張してきた原発の安全性が、まったくの虚構であり核と人類は共存できないことを労働者人民に突き付けた。 安倍政権は、原発の再稼働を強行し、原発を維持しようとしてきたが、核燃料サイクル計画は完全に破綻し、原発稼働によって生み出される放射性廃棄物の処理すらままならない状況に陥っている。安倍政権の原発政策は、破産寸前まで追い詰められている。全国の原発立地地域で、粘り強く闘いは継続している。関西・首都圏では運転から四〇年越えの老朽原発の再稼働を許さない闘いが取り組まれている。高浜1・2号機、美浜3号機、東海第二原発は、運転から四〇年以上の老朽原発で事故の危険性が高い。老朽原発の再稼働を阻止し、廃炉に追い込もう。老朽原発の廃炉から全原発廃炉の道を切り拓こう。 福島第一原発では日々発生する汚染水の処理・貯蔵が限界に達しつつある。安倍政権と東京電力は汚染水の海洋投棄を画策している。安倍政権と東電は、汚染水はトリチウム以外の放射性物質はすべて除去しており安全だと言っているが、デタラメだ。海洋投棄を絶対に許してはならない。海洋投棄は、放射能汚染を拡散させ、新たな被曝を生み出す。再稼働に回す資金があるならば、汚染水の処理をはじめ福島第一原発の事故終息のために使うべきである。汚染水の海洋投棄策動を、粉砕しよう。 ●6章 2020岩国行動成功に向け、反帝国際連帯運動の推進を 第五は、反帝国際連帯闘争を闘うことだ。アジア共同行動日本連の仲間とともに、岩国基地・京丹後Xバンドレーダー基地、築城基地など反戦・反基地闘争、韓国民衆・フィリピン人民など世界の闘う労働者人民との国際連帯闘争、辺野古新基地建設阻止闘争を推進していこう。AWC運動を大衆的実践的な反帝国主義を基軸・国際連帯を闘う勢力として、さらに闘いの拡大を勝ち取っていこう。 コロナ禍の中で、AWC日本連は2020岩国行動の組織化を進めている。岩国市民とともに一〇年以上積み上げてきた岩国行動を、岩国基地が朝鮮半島・中国を見据えた前線基地として強化されている中で、継続させることは重要だ。岩国市民を勇気づけ、基地撤去を高く掲げ闘うAWC運動を、岩国基地正門前に登場させよう。 |
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