1566号(2020年3月20日) |
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文科省の「大学改革」反対! 改憲狙う安倍政権を今こそ打ち倒そう! 共産主義青年同盟(学生班協議会) 「緊急事態宣言」反対 安倍政権の暴走許すな 安倍首相は二月二七日、新型コロナ感染の緊急対策として、専門家の意見も聞かずに全国の小中高の一斉休校を打ち出し、人々の不安と反発を招いた。すると今度は、緊急事態宣言を出すために法改定を検討し始めた。総理大臣に権限を集中し、私権を制限し、集会等の全面禁止まで可能にするものだ。 いま政府がなすべきことは、安倍のデタラメなパフォーマンスでもなければ、改憲狙いの緊急事態宣言でもない。検査体制の拡充と医療機関の充実であり、休業で損失を受けるすべての人々への一律の補償ではないか。ひとまず東京五輪は中止にし、その分の予算をすべて感染症対策にまわすべきだ! ●1章 反戦・反基地、改憲阻止で安倍を打倒しよう 今年は一九六〇年、現行の日米安保条約の締結から六〇年を迎える。六〇年安保闘争では「安保粉砕」「岸(首相)を倒せ!」の怒りの声で巨万の労働者民衆が国会を包囲した。その先頭で闘っていた全学連の樺美智子さんが警官隊に虐殺されるなど、権力の弾圧がエスカレートするなかで安保改定案は強行採決された。 あれから六〇年が経った今、岸信介の孫である安倍晋三は二〇一五年、集団的自衛権に道を開く安保法制を強行成立させ、今年に入って中東海域への海上自衛隊派兵をおこない、今も首相官邸に居座っている。 日米安保条約はその主要敵国だったソ連邦の崩壊(一九九一年)以後、その位置づけを変えてきたが、全国各地に陸・海・空および海兵隊の米軍基地を置く、というその実態は何も変わっていない。米軍人だけで約五万人以上が日本に駐留しており、これは米国外では最大規模だ(在韓米軍は二万~三万人)。アメリカがこれだけ多くの軍隊を日本に駐留させている理由は、アジア太平洋における経済的・軍事的覇権を維持するためなのだ。実際にアメリカの国益を脅かすと見られた時は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、「対テロ」戦争へと在日米軍が躊躇なく出動し、無数の人々を虐殺の惨禍に叩き込んできた。 その在日米軍の約七割は沖縄に集中している。普天間基地をはじめ住宅街に隣接し、危険な訓練を繰り返し、凶悪な米兵犯罪は後を絶たない。その「普天間基地を返還する」と称して、安倍政権は、軍港などの機能も付け加えた新たな基地を名護市辺野古沖につくろうとしている。選挙でも「県」民投票でも何度となく「辺野古新基地反対」の意思表示をしてきた沖縄の人々の意志は踏みにじられている。 他方で自衛隊は、「専守防衛」を主任務とするこれまでの在り方を大きく変えて、米軍と共に戦争のできる軍隊へと変貌してきた。護衛艦「いずも」の空母化、自衛隊の琉球弧への配備、オスプレイの導入、イージス・アショア配備の動きはその現れだ。安倍・右翼反動勢力は、戦前のような「帝国日本」の復活を企んでいる。自衛隊を米軍と一体化させることで、日本の資本家が持つ海外権益を自力で守ることができるように強化することが狙いなのだ。海上自衛隊艦船を「調査・研究」名目で中東に派遣したのも、日本の石油利権と輸送船を守ることが目的だった。「安倍政権はアメリカ追従だ」と批判するだけでは、真の狙いである日本軍の復活を見過ごすことになる。 安倍政権にとって、憲法を改悪し自衛隊を正式な国軍にする、そのために「北朝鮮の脅威」が「脅威」であり続けることを願望し、朝鮮半島の自主的平和統一を妨害し続けているのだ。 日米安保から六〇年、沖縄と「本土」の基地周辺住民の犠牲はもう終わりにしなければならない。高額な戦闘機の大量購入、「思いやり予算」増額要求といった戦争準備にともなう多大な出費は、これを一切止めて、教育や福祉予算に回すべきだ。かつてアジアと日本の民衆を戦争の災禍に叩き込んだ歴史を真に反省するならば、「帝国日本」の復活など断じて認められない。沖縄、朝鮮半島の民衆と連帯して、日米安保体制粉砕、安倍政権打倒をともに闘おう! ●2章 新自由主義的「大学改革」許すな! 「戦争国家」に向けた動きの背後で、いま「大学自治」と「学問の自由」そのものが危機に晒されている。 昨年の「大学入試改革」は、英語入試、国語・数学の記述問題採点などを民間企業ベネッセなどに委託するという「入試の民営化」そのものだった。それは萩生田文科相の「自分の身の丈に合わせてがんばってもらえば」の発言と共に、受験生たちから怒りと反発を受け、「入試改革」は頓挫した。 政府の新自由主義的な教育政策の根本にあるものは、二〇一八年六月に安倍政権が閣議決定した「統合イノベーション(技術革新)戦略」と言われる国策である。それは、科学技術・イノベーションに関連の深い省庁や各種会議の司令塔として「統合イノベーション推進会議」を設立し、「世界で最もイノベーションに適した国」の実現に向けて「大学改革」および産学協同を拠点形成の重要課題としている。 ここには「大学自治」や「学問の自由」という視点はまったくない。成長戦略という国策に沿ったものへと大学を作り変えていこうとするものだ。このもとで、大企業の技術革新・製品開発に役立つ研究が優遇される一方、基礎研究や人文・社会系学部の廃止や縮小が進んで行くであろうことは火を見るよりも明らかだ。 さらに二〇一五年、防衛省は、軍事技術に応用可能な研究を助成する「安全保障技術研究推進制度」を開始した。だが日本学術会議が反対声明を出したこともあり、初年度は五八校が応募したものの、一九年度は九件にまで落ち込んでいる。 こうしたなかで「軍事研究はしない」としていた筑波大学が、「次世代ハイテク素材のカーボンナノチューブを使い、衝撃に強い素材を開発する」という内容で、五年間で最大二〇億円の助成を防衛省から受けることが決まった。筑波大は「広く民生利用される材料の基礎研究だ」というが、こういう「デュアルユース論」(軍事にも民生にも使える両用技術)で応募する大学は増える可能性がある。というのは、国立大学法人化(〇四年)の翌年から運営費交付金は毎年1%削減され、私学助成も減額が続き、大学は恒常的な研究費不足に陥っているからだ。 学生にとっては、依然として高い学費が学生生活を直撃している。大半の学生がバイトを掛け持ちしたり、生活費を切り詰めて生活している。安倍が掲げた「高等教育無償化」は四月から実施されるが、その対象は低所得層に限定されており、多くの学生が望むものとは程遠い。逆に、これまで授業料減免を受けてきた国立大の学部生のうち、約一万九〇〇〇人への支援が減額またはゼロになるという。 さらに決定的には、二月、文科省は国立大の授業料「自由化」を検討し始めた。国立大の授業料は国が標準額を定めている(年間約五三万円)が、自由化されれば値上げが相次ぐに違いない。学生の要求とまったく逆行している。 文科省は、大企業や防衛省の研究開発の拠点として大学を再編しようとしている。財界の狭い利益や、戦争のための研究に「学問」が従属するものであってよいのか。そもそも学生は借金漬けではまともに学問に打ち込めるものではない。「大学改革」に反対し、真の学費無償化を勝ち取ろう! ●3章 世界で立ち上がる青年、労働者と連帯しよう 世界では若者が中心となって、格差拡大に対する怒りや、気候変動への規制を求める運動が高まっている。 アメリカでは「社会主義」に賛成する青年が過半数を超えている。民主党大統領候補者予備選では、高等教育の無償化や労働組合の強化を主張するバーニー・サンダースが青年の圧倒的支持を受けている。また昨年、グレタ・トゥーンベリさんが開始した「気候変動ストライキ」がヨーロッパから日本にも波及した。 また東アジアの青年も、香港で「民主主義と自由」を求めて闘い、韓国で「積弊清算」や基本所得を要求して闘っている。 こうした中で、腐敗した安倍極右政権と対決し、戦争国家化を阻止するためには、そして大学で自由に学び、将来の生き方を選択できる社会にするためには、やはり日本でも学生自身が闘いにたちあがることが絶対に必要だ。 一五年安保法制との闘いは敗北したが、戦争への道を断つ闘いは終わっていない。改憲阻止・安倍政権打倒の闘いをキャンパスから始めよう! 沖縄の闘いに応え、辺野古新基地建設阻止の現場へかけつけよう! 半世紀にわたり農業つぶしの国策と対決し、「農地は命」を掲げ成田空港建設に抵抗し続ける三里塚闘争に学ぼう! あらゆる差別と排外主義に立ち向かい、資本主義の打倒と共産主義の実現をめざす労働者・労働組合と共に社会を変えよう! |
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