共産主義者同盟(統一委員会)


1562号(2020年1月20日)






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  第2新年号論文-総括・方針】

 戦争と排外主義うち破り改憲阻止―安倍政権打倒

 トランプの暗殺攻撃弾劾!自衛隊を中東に派兵するな

 関生大弾圧許すな!20けんり春闘勝利を



 
 二〇二〇年の新年号一部・情勢で捉えたように、歴史的な没落傾向にある米帝は、「米国第一」主義・差別排外主義であがきながら中国への経済戦争を強め、帝国主義諸国など大国の間で政治的軍事的覇権争い(戦争攻撃)と市場争奪戦を世界各地で激しく繰りひろげている。世界は新自由主義グローバリゼーションの階級矛盾がますます深まっている。資本が過剰化する中で金融投機資本や多国籍資本はさらなる利潤獲得を求め、労働者人民への搾取と貧困化・差別分断・抑圧をとことん強化する。ゆえに、全人民の民主的諸権利や生存権・生活権がいっそう破壊されるのだ。グローバルな危機の中で、世界中で労働者人民の生存と諸権利を求める闘いが沸き立っている。その一方で、極右排外主義者たちが移民・難民の排斥を強め、被抑圧人民・被差別大衆への攻撃が激しくなっている。
 貧富格差の拡大、生存権や地球環境の破壊、戦争と恐慌の危機、人種差別主義・排外主義が激化するなかで、現代資本主義・帝国主義の独占ブルジョアジーとその政治権力を打倒し、自らの民主的諸権利と階級的団結・国際主義に立脚する労働者人民の自由と解放を求める闘いを拡大していかなくてはならない。それは、スターリン主義の誤りと社会民主主義の限界を根底から突破する現代共産主義運動を再構築する歴史的任務なのである。われわれは、総路線的には、革命的労働者党と大衆的階級的基盤を相互にしっかりと建設する闘い、そしてアジア太平洋地域の反帝勢力の国際的結合を推進している。国内外を貫く現代の反帝実力闘争派・国際主義派という左派勢力=プロレタリア社会主義革命勢力の拡大強化を推し進めている。国内外の現実の階級闘争への影響力と実体建設を断固かち取らなくてはならない。
 日帝―安倍政権は、日米同盟と日米軍事一体化・軍事大国化を抜本的に強化している。中国・朝鮮民主主義人民共和国に加えて韓国への排外主義的敵視を煽り、さらには中国の「一帯一路」をけん制しながら、新自由主義による人民への権利剥奪と格差拡大・貧困化、日本独占資本の生き残りと膨張をめざすTPP・FTA・RCEPなどを進めている。安倍は、朝鮮半島の平和統一の動きを破壊し、日帝のアジア覇権回復を狙い、かつての日帝の朝鮮・アジアへの侵略戦争と植民地支配を正当化し、韓国の元徴用工や日本軍性奴隷制度被害者の謝罪と賠償要求に敵対し、極右反動の位置を露わにしている。安倍のアジア侵略と差別の政治態度は、独裁政治、現憲法の民主的権利の破壊、官僚の腐敗、森友・加計疑惑、自衛隊日報の隠蔽、毎月勤労統計調査ねつ造―アベノミクスの偽装、そして「桜を見る会」私物化、カジノ法疑獄など、右翼反動極まりない諸政策や階級再編、ファシズム攻撃として顕現している。
 米帝―トランプ政権は一月三日、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を無人機で殺害した。国家権力による暗殺攻撃だ。
 天皇主義者・安倍晋三は二〇年年頭の仕事始めに伊勢神宮を参拝した。安倍政権は米帝とイランの軍事衝突が激化する中東に、「調査・研究」として自衛隊海外派兵を強行した。これを絶対に許さず、安倍政権を全人民の実力で打倒していかなくてはならない。
 前号に続き今号では、年頭論文第二部として昨年の闘いを総括し、本二〇二〇年の階級闘争と党建設の方針を提起する。

 ●1章 二〇一九年の総括

 ▼1―1節 二〇一九年の政治闘争


 二〇一九年の日帝安倍政権打倒の闘いの第一は、天皇「代替わり」攻撃との対決であった。首都戒厳令ならびに天皇主義右翼勢力による逮捕・敵対攻撃をはねのけ、天皇制打倒と改憲阻止―安倍政権打倒を固く結合し、反帝闘争と国際主義をもって、集会と街頭デモを闘いきったことである。
 4・30アキヒト退位と5・1ナルヒト即位、さらに10・22「即位礼正殿の儀」などの天皇「代替わり」に対して、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃による排外主義的国民統合の本質を真っ向から批判する左派や全人民的勢力は大規模には現れなかった。一部には安倍改憲に反対しアキヒト「護憲」を擁護するリベラル派の天皇制に屈服する動きさえも発生した。
 天皇制は日帝国家権力の階級支配の要であり、侵略と差別の元凶である。われわれは、首都圏では「反天皇制・反戦・改憲阻止行動」を形成し、左派の反帝国際主義・街頭行動をもって、4・28反天皇制集会デモ、ひめゆり・白銀闘争の地平も内容として含んだ10・6集会、天皇制打倒と共産主義運動再生を内容とした10・20集会デモなどを闘いぬいた。
 加えて、「戦争法廃棄! 安倍たおせ! 反戦実」や「戦争・治安・改憲NO! 総行動」などの左派共闘で、5・25トランプ来日―天皇会談とG20大阪サミット反対も闘った。
 この反天皇闘争は、下層労働者、被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争、アジア人民連帯の階級的利害に立脚して闘うものであった。また「終わりにしよう天皇制! 『代替わり』に反対するネットワーク(おわてんねっと)」など幅広い反天皇共闘の一翼も担った。4・29立川デモ、5・1新天皇即位反対の銀座デモ、10・22「即位礼正殿の儀」=新天皇ナルヒト即位国会式典の反対集会デモを取り組んだ。
 関西では「天皇代替わりに異議あり! 関西連絡会」の共闘によって、4・27、10・22を闘った。「天皇代替わりを問う九州山口実行委」が4・29、10・19を闘い、福山では4・29「天皇制を問う連続学習会」を展開した。
 五月一日、新天皇即位の祝賀キャンペーンに抗議し、労働者の国際的団結を掲げたメーデー闘争を日比谷、中之島、京都、山口、北九州などで繰り広げた。
 安倍政権打倒の闘いの第二は、G20大阪サミット粉砕闘争をAWC六月行動とも連関させながら、大衆的な反帝国際共同闘争をもって、街頭抗議闘争を支えていった。AWC京都とATTAC関西などによる「G20大阪NO! アクション・ウィーク実行委」が左派諸団体・人士・個人の結集をもって闘われた。AWC韓国委など海外ゲストが入国拒否弾圧を受けた。警察権力約三万の戒厳令的態勢が市民生活や反対闘争を圧迫した。だが「アクション・ウィーク実」=左派系大衆的統一戦線はG20サミット粉砕闘争を貫徹した。6・23新町北公園集会と御堂筋デモ、6・28にはサミット会場のインテックス大阪の向かいに位置する天保山公園でG20反対集会を行い、抗議デモで会場へと迫った。
 AWC勢力は、G20反対行動を牽引し、全国的な結集を実現した。国際連帯メッセージ(AWC韓国委、インドネシア人民闘争戦線、米国ANSWER連合など)を組織した。6・25新宿でも、「トランプ来日―G20反対! 実行委」(総行動や反戦実など)が抗議デモを行った。
 第三には、沖縄解放闘争を推進した。昨年2・24沖縄県民投票では、有効投票数の72%=四三万四千余票が辺野古新基地建設反対であった、四月衆院三区の補選、七月参院選でも「オール沖縄」が支持した辺野古新基地反対―改憲阻止の屋良氏と高良氏が勝利。辺野古現地の阻止行動は連日、海とゲート前で闘われ、数千名の県民大行動、一万名の県民大会、また米兵による女性殺害事件への怒りの抗議集会が取り組まれた。与那国島、石垣島、宮古島、沖縄島、奄美大島などへの自衛隊のレーダー・ミサイル基地の建設、監視部隊設置などに対して、激しい攻防が闘われている。「本土」の闘いの責任は重大である。沖縄―「本土」を貫いた闘いを強め、基地撤去―日米安保破棄の沖縄解放闘争を断固として前進させよう。
 第四には、市東さんの農地強奪を阻止し、空港機能の強化に反対し、反戦の砦である三里塚闘争を貫いてきたことである。一昨年一二月、千葉地裁は市東さんの農地強奪阻止の「請求異議を棄却」し、「強制執行の停止取り消し」という反動判決を出した。市東さんは「農地死守」を明言して即日控訴した。反対同盟と支援は農地強奪阻止の実力座り込みを闘い、弁護団が裁判所から強制執行停止をかち取った。攻防は激しい。3・31現地総決起集会、九月の請求異議裁判控訴審開始、天神峰カフェや集会・デモなど現地の大衆行動や周辺住民への一斉行動などを闘っている。
 第五には、改憲―戦争国家化を阻止する全人民政治闘争を牽引し、安倍政権打倒を広範な闘いの一翼で闘いぬいた。
 第六には、辺野古決戦―沖縄解放闘争と結合し、反戦・反基地・国際連帯を闘いきった。岩国基地強化反対、萩・阿武へのイージス・アショア配備阻止、福岡・築城空自基地への反対行動、京丹後米軍Xバンドレーダー基地撤去、横田基地反対などを闘った。AWC勢力は、萩・阿武の現地反戦合宿を行い、一一月の岩国行動二〇一九を取り組み、アジアからの米軍総撤収、自衛隊海外派兵反対、安倍政権打倒の大衆的広がりや全国反基地交流、若者の決起を推進した。
 第七には、反原発闘争を粘り強く闘ったことである。三月には高浜現地の全国集会・デモ、東京や北九州のさようなら原発集会、福島県民大会などを闘った。9・11経産省前テント九カ年の闘い、「さよなら上関原発! 県民大集会」、11・23―12・8「老朽原発うごかすな! 高浜―関電本店リレーデモ」などを取り組んだ。
 第八には、反韓排外主義攻撃と対決し、戦後補償の闘い、日韓民衆連帯・アジア人民連帯を闘ったことである。8・15官邸抗議行動や日韓首脳会談時の12・24緊急行動を闘った。一一月韓国労働者大会には左派共闘の派遣団を展開した。
 安倍政権打倒において、立憲民主や日共など「野党共闘」は自衛隊・天皇制を容認・擁護し、反韓排外主義攻撃を粉砕する立場に立てない。リベラル派や社会民主主義派は、日帝と国益主義を免罪し、これに屈服する誤りに陥っている。これと根底から分岐しなくてはならない。同時に、自らの宗派主義的利害を強調し固執する狭さに陥ることなく、労働者人民解放闘争を牽引する革命的左翼として原則的に闘った。

 ▼1―2節 階級闘争構造建設

 日帝打倒―プロレタリア社会主義革命を準備し、これをかちとる上で、労働者、青年学生、被抑圧人民、被差別大衆の闘いと団結の階級闘争構造を建設することは決定的である。昨年の獲得地平を簡単に跡づける。
 階級的労働運動においては全労協系左派労働運動の一翼を牽引した。「働き方改革」といった「過労死・残業代ゼロ」など労基法改悪・労組法破壊の歴史的再編攻撃と闘った。基本的人権なしの外国人労働者を導入する入管・難民法改悪と対決した。一五〇〇円の最賃闘争を闘った。郵政の非正規職労働者など正規職との均等待遇を求めた労契法二〇条闘争を推進した。戦争と貧困化、差別に反対し、スト権を確立し、労働者国際連帯を担い、労働条件の改善を闘い、労働者の階級形成など、職場・地域で活動した。地域合同労組・ユニオンと産別・業種別による原則的労働組合を再構築すること。時代を画する警察権力・ファシストによる関西生コン労組への重弾圧を許さない全国的支援の闘い。活発な青年労働者を左派労組活動家へと組織する活動。各労働争議の勝利をめざす闘い。非正規職、女性、青年、高齢者、外国人労働者など「相対的下層」労働者を意識的に組織化するなど、左派の階級的労働組合運動の拠点建設を推進した。
 青年学生運動においては、中央学対を軸に各地方委において、青年・学生の運動と組織づくりに取り組んだ。青年学生の居場所や団結の形成を意識的に促進し、新自由主義の自己責任論や貧困化に対する怒りと立ち上がりを支援し、戦争―改憲・自衛隊派兵・基地強化に反対し、青年学生層の組織化を進めた。辺野古新基地建設阻止―沖縄解放闘争、市東さんの農地強奪阻止の三里塚闘争決起を広め、韓国元徴用工や日本軍性奴隷制度被害者への戦後補償実現を原則的に闘い、差別排外主義を許さず、日韓民衆連帯・アジア人民連帯を進めた。現代帝国主義への批判、共産主義運動への希望の構築などマルクス・レーニン主義の学習を組織した。より広い規模で青年・学生の決起と階級形成を進めていく段階に到っている。
 現代共産主義運動において、被差別解放戦線はプロレタリア革命綱領を豊富化し、日帝―安倍政権打倒の決定的で重要な一翼を構成している。
 沖縄解放委員会(準)は、日米帝の差別軍事支配から沖縄人民の自己決定権をもってする解放闘争と「本土」労働者人民解放闘争との結合を進め、安保粉砕―基地撤去・日帝打倒・米帝放逐の闘いを進めてきた。辺野古決戦や自衛隊配備強化阻止の現地実力行動を牽引し、沖縄人共産主義者の歴史的建設をめざして奮闘した。
 被爆二世解放委員会は、反戦・反核・反侵略・被爆者解放をかかげ、被爆二世への国家補償をかちとる裁判、核兵器廃絶・原発廃棄の闘い、韓国の青年との反核共同闘争など反帝国際連帯を推進してきた。
 障害者解放委員会(準)は、強まる改憲・戦争情勢の下、精神障害者・障害者への差別排外主義や抹殺攻撃を断固糾弾し、天皇制・天皇制イデオロギーと優生思想の攻撃を許さず天皇制打倒を闘い、あらゆる保安処分―監視・隔離抹殺の攻撃を批判し、障害者解放―日帝打倒の綱領的闘いをめざしてきた。
 女性解放委員会は、女性に対するすべての抑圧を許さず、韓国やフィリピンなどの日本軍性奴隷制度被害者の戦後補償実現の闘いを支援してきた。これに敵対する安倍政権を徹底的に批判し、女性の労働者・若者の決起と活動を促進している。
 この間、部落解放運動の党的蓄積と課題を総括し、部落解放委員会(準)を再構築した。石川一雄さんを先頭とする狭山差別裁判糾弾闘争の大きな正念場に際し、第三次再審闘争を全国各地でしっかりと闘っていく。部落解放の地域共闘を各地で充実化し、部落差別と闘う階級的労働運動や住民運動を前進させる方針である。ネット上で現代の「部落地名総鑑」や部落差別を煽動する鳥取ループ・示現舎など、悪質な差別排外主義者の跋扈を許さず、部落解放―日帝打倒を部落民とともに推進する活動を開始した。

 ▼1―3節 党建設

 現在の五大会路線下、党建設と党勢拡大は、きわめて意識的に取り組まれている。中央委員会を定期的に開催し、集団的指導部建設を軸にしている。そのもとで地方委・中央諸機関と基本系列によって、各地の労働者人民解放闘争―階級闘争と党組織建設を進め、地区委・細胞の組織会議をかちとっている。組織会議では、機関紙を軸とした論議と同志的連帯、財政活動、これらの三大組織活動を不断に闘いとっている。マルクス・レーニン主義を現代に継承し発展させた党組織活動は決定的に重要である。それを日々、展開していることは決定的な意義を持つ。即ち、日帝ブルジョアジーと国家権力、差別排外主義ファシスト勢力・敵対勢力と対決し、全党の反弾圧活動を担い、プロレタリア革命運動と党組織の防衛と前進・飛躍、そうした規律や内実を不断につくりだしていくことが可能となる。
 今日の党建設の焦点として、共産主義理論活動ならびに党勢拡大を大きな実践方針に押し立ててきた。昨二〇一九年、安倍政権打倒の政治闘争や新たな階級闘争構造建設を進めながら、後景化しがちの理論と党勢拡大の活動を意欲的に展開してきている。春期党政治集会の開催、諸機関・系列での理論学習、天皇制打倒のひめゆり・白銀闘争の歴史的地平の学習と反天皇の大衆的宣伝方針を討議したJCLフォーラム、青年層に対するマルクス・レーニン主義の古典や入門書の学習などが活発に行われた。『戦旗』の論議や読書会は基本中の基本であること、これが定着している。

 ●第2章 二〇二〇年方針

 ▼2―1節 戦争―排外主義と対決し、改憲阻止―安倍政権打倒


 昨一二月九日閉会した臨時国会では、相次ぐ閣僚の辞任や「桜を見る会」など自らの任命責任問題や不祥事により国民投票法改定案が審議されないまま先送りとなった。にもかかわらず安倍はこれらの問題に対するまともな説明もないまま閉会後「憲法改正は必ずや私の手で成し遂げていきたい」と執拗に改憲の意志を明らかにしたのである。自民党総裁としての任期残り二年中になんとしても改憲を行なおうというのだ。また、年末には中東ホルムズ海峡周辺への自衛隊派兵を閣議決定した。国会での審議を経ることなく「調査・研究」を名目に自衛隊の海外派兵の継続を強行しようというのである。二〇年、国会での改憲発議を阻止し、自衛隊の海外派兵を許さず安倍政権を打倒していかなければならない。
 歴代最長となった安倍政権下で「戦争のできる国家」づくりが急速に進んできた。〇六年に成立した第一次安倍政権は一年間ではあったが、「戦後レジームからの脱却」を大きくかかげ教育基本法改悪を強行した。「教育の目標」の一つに「愛国心」を位置づけ「教育改革」の名のもと民主教育解体にむけた先鞭を付けた。また、改憲にむけた突破口として国民投票法の成立が図られた。第二次政権下では実質的な九条改憲である安保関連法の強行成立により集団的自衛権行使へと踏み込み、特定秘密保護法、さらには共謀罪といった「治安」維持・弾圧のための反動立法を繰り返してきたのだ。
 安保関連法、特定秘密保護法、改正組織的犯罪処罰法の廃案にむけて全力で闘おう。
 安倍は昨年、韓国、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に対して慰安婦問題はじめ元徴用工問題、拉致問題、ミサイル発射問題などを最大限に利用して朝鮮民族人民に対する敵愾心を煽り、民族排外主義煽動を繰り返し続けてきた。民族排外主義煽動を粉砕し、日韓、日朝人民連帯の闘いを一層推し進めなければならない。
 全世界的なグローバリゼーションの危機の進行とアベノミクスの破綻が一層鮮明になってきた。
 「二年で2%」とした当初の物価目標は未だ達成されず、金融緩和を続け財政赤字を垂れ流し続けている。デフレ脱却はいまだ実現できず、トリクルダウンも起きず、地方創生は程遠い現状にある。資本主義破綻の引き延ばしだけが行なわれている。実体経済を無視した株価、不動産価格の上昇によって見かけの「好景気」が喧伝されているが、この間、労働者の実質賃金は10%も下がっている。そのうえに消費増税が重なり中間層全体の没落と解体が急速に進行しているのである。一方で資産を持つ富裕層は株価上昇と金融税制の優遇によって富を蓄え、貧富の格差は広がる一方となっている。オリンピック需要とも重なり、昨年までは不動産バブルが現出していたがオリンピック後の景気後退は避けられず、消費増税により内需も弱含みのまま推移することは必至であり、アベノミクスによる全面的な危機が露呈することは明白である。アベノミクスの破綻が露わになるとともにその支持率は急速に低下する。公明党の山口は、オリンピック後の衆議院解散に言及し始めた。
 アベノミクスの破綻を前に安倍は、改憲と民族排外主義煽動、治安弾圧を強化してくるであろう。昨年の天皇「代替わり」を引き継ぎ、オリンピック・パラリンピックを最大限に利用して国家主義的統合を強めながら、その危機の乗り切りへと打って出てくるであろう。二〇年、安倍自公政権を完全に打倒しよう。

 ▼2―2節 全国政治闘争を闘おう

 ◆2―2―1項 辺野古新基地建設阻止! 自衛隊中東派兵を許すな


 辺野古への土砂投入が強行されて一年が過ぎたが、安倍政権は、大浦湾の軟弱地盤に対する補強工事が必要であることを認めざるをえなくなった。工期は約一二年、費用は九三〇〇億円と見通しを示したがまったく根拠のない方便に過ぎない。辺野古に新基地など建設できないことが誰の眼にも明らかとなっているのである。キャンプ・シュワブ前の座り込みが二千日を超え、絶対にあきらめない決意が改めてしめされている。沖縄人民に連帯して普天間基地の即時撤去―辺野古新基地建設阻止の闘いに全力で決起しなければならない。
 安倍は中国、共和国による危機を煽りながら日米同盟強化路線のもと在日米軍の再編強化と自衛隊の増強をおし進めている。一昨年、岩国基地への米第七艦隊の空母艦載機の移駐を完了させた米軍は、昨年末には、海外で唯一配備される佐世保に新たな強襲揚陸艦「アメリカ」を配備した。また、安倍は現在、硫黄島で行なっている離発着訓練(FCLP)の移転を急ぐ米帝の意向に沿って馬毛島(鹿児島県)の購入を強引に推し進めた。馬毛島には、米空母艦載機FCLP訓練のための滑走路のみならず、自衛隊基地も建設され、将来的には物資や人員集積の基地を予定している。空母化が予定されている「かが」や「いずも」搭載の艦載機の訓練にも使うことはあきらかである。
 昨年三月には中国を睨んで奄美大島と宮古島にそれぞれ新たに警備部隊、地対艦・空ミサイル部隊基地を開設した。すでに一八年には与那国島に沿岸監視隊、佐世保には水陸起動団(島嶼奪還の主力部隊で日本版海兵隊といわれている)が配備されており、これに続く南西諸島防衛と称した自衛隊の拡充配備である。
 さらに、普天間返還の条件として「緊急時の使用」と称する「有事」の際に、築城(ついき=福岡県)と新田原(にゅうたばる=宮崎県)での米軍使用のために滑走路の延長(築城)、弾薬庫、駐機場、燃料タンクなどの建設が明らかにされ、自衛隊基地の日米出撃拠点化が図られようとしている。また、米帝のミサイル防衛体制の一環であるイージス・アショアの配備が秋田、山口でもくろまれている。
 こうした在日米軍再編と自衛隊の再編強化、さらに海外派兵に反対する闘いは、安倍の戦争のできる国づくりと対決する基軸的闘いである。沖縄―岩国―築城―佐世保―横田―経ケ岬、イージス・アショア(山口)を結んだ全国の反基地運動の連携をさらに拡大・強化し、安倍政権の日米同盟強化路線と真っ向から対決しよう。

 ◆2―2―2項 原発再稼働阻止 全ての原発を廃炉へ

 昨年一二月現在、再稼働されている原発は九基(定期点検中も含む)、設置変更許可が認可されているものが六基。申請中が一二基。廃炉が決定・予定のものが二四基となっている。老朽原発の再稼働を許さず、新規建設を阻止してすべての原発廃炉を勝ちとらねばならない。原発事故による避難者は未だ四万人を超えている。自主避難者への補償は打ち切られ、帰宅困難地区の一部が解除され、帰還による新たな被曝が強制されようとしている。
 昨年、東京電力旧経営陣三名の強制起訴に対して無罪判決が下された。最大の争点は、「巨大津波が予測できたかどうか」という点であったが、裁判所自らが政府の地震長期評価に疑問があるとして刑事責任を問えないという信じがたい判決を下したのである。民事賠償請求をめぐる裁判では、東電の責任を問う判決が次々と出されているにもかかわらずである。
 関西電力をめぐる金品授受の問題では、ことは二〇年以上にも遡り、その全容はまったく明らかになっていない。そして、福島第一原発を巡っては、汚染水を海洋放出あるいは大気放出するという案を経産省の小委員会がまとめた。
 安倍は、今年のオリンピックを「復興オリンピック」として位置づけ、全世界にむけ発信しようとしている。しかし、実態は、事故責任も明らかにならず、汚職の構造は全電力会社に及ぶ可能性は十分にあり、汚染水問題すら解決できていない。原発政策は完全に破綻しているのだ。安倍の「アンダーコントロール」の実態を逆に全世界の報道を通して世界へと発信しなければならない。オリンピックを利用した原発の事故隠し、隠蔽を許してはならない。

 ◆2―2―3項 強制執行阻止 三里塚闘争勝利

 昨年九月、市東さんの請求異議裁判控訴審が始まった。冒頭、市東さんは、一審判決を徹底して弾劾し、絶対に強制執行を許さない決意を明らかにした。現地では一七年年頭以来、市東さん宅離れを天神峰決戦本部とし、天神峰結集運動・現地行動強化の闘いをもって強制執行阻止の決戦態勢を堅持している。農地死守―実力闘争の闘いは五四年目に入り、強制執行を許すのか否かの決戦へと突入した。政府、空港会社は高裁による棄却攻撃をもって一気に強制執行攻撃を仕掛けてくるであろう。全国から天神峰結集運動を強め、強制執行実力阻止の決戦を闘い抜こう。
 昨年一〇月二七日からは空港機能強化の第一弾として飛行制限時間の短縮が始まっている。これは東京オリンピック・パラリンピックを口実として、かつそれを前倒しして一九年冬ダイヤからの実施が強行されたものだ。殺人的な睡眠時間破壊攻撃だ。
 成田空港会社は昨年一一月七日には、機能強化の全体像について「空港施設の変更」として、国土交通省に許可申請した。その内容は①空港用地そのものを現在の一一九八haから二二九七haに拡張する、②B滑走路を北に一〇〇〇m延伸し三五〇〇mにする、③第3滑走路(三五〇〇m)を新設する、④誘導路(全長七四七一m)を新設する、⑤完成予定は二〇二九年三月三一日、というものであり、総事業費は約五千億円としている。
 これをうけて国土交通省は急遽、昨年末一二月二四日に芝山文化センターで「公聴会」を行なうことを決定した。しかし、対象になる住民に連絡せず、新聞でも報じられない。住民に知らせず、住民が参加しにくい年末の平日に開催する、まさにアリバイのための「公聴会」だった。
 反対同盟は「公聴会」に対して、公述人、傍聴人として「公聴会」会場で反対意見を堂々と明らかにした。会場では、反対同盟以外にも住民たちが自らの立場で反対意見を述べた。空港会社と国交省の矢継ぎ早の暴挙に我慢できない人々が続々と立ち上がり始めたのだ。
 「公聴会」会場の外においても、反対同盟と支援連は抗議行動、抗議情宣、抗議デモを行なった。会場内外を貫いて、空港会社、国交省、そして利権をむさぼろうとする相川勝重町長など機能強化推進派と真っ向から対決した。
 国交省は一月中にも許可を出し、空港会社は今春にも用地買収に踏み込もうとしている。
 こうした空港会社の横暴に対して芝山、横芝光など周辺市町の住民たちが怒りの反撃に立ち上がっている。三里塚闘争は、周辺住民と呼応して広範な空港反対運動の展望を切り開く局面を迎えている。こうした中で市東さんに対する強制執行を許さない闘いは、この展望を大きく切り拓くものである。三里塚闘争勝利にむけ、控訴審に勝利し強制執行を必ずや阻止しよう。

 ▼2―3節 階級的労働運動 青年・学生運動

 ◆2―3―1項 関生弾圧粉砕 20けんり春闘勝利


 安倍政権の登場以降、昨一九年三月期の企業内部留保は四六三兆円と最高値を更新した。一方、労働者の実質賃金は低下し続けている。OECD統計では、賃金時給は日本のみ低下しており、〇七年比較で一八年は8・2%も下落している。昨一九春闘では、連合集計では加重平均2・14%アップ、中小企業では1・81%に過ぎず、大手と中小の格差、正規と非正規の格差は更に広がっている。また、法定最賃は、一九年全国平均九〇一円に引き上げられ、最高の東京、神奈川はようやく一〇〇〇円を超えたが、沖縄など地方一七県が最低七九〇円にとどまり、地方の疲弊と格差は拡大するばかりである。
 春闘は、連合大手の賃上げ額隠しは続き、その社会的役割終焉の中で、中小春闘・賃上げ闘争の再構築を闘いとっていかねばならない。
 昨年一一月に発足した「20けんり春闘全国実」では、要求のメインスローガンを「労働と生活そして社会を変えていく20春闘を! 八時間働けば生活できる賃金を! 八時間働けば暮らせる社会を!」とした。具体的要求は、どこでも誰でも月額二五万円以上、時給一五〇〇円以上の最低賃金保障を要求すること。中小零細・非正規労働者の低賃金是正、格差解消をめざして闘う、など九項目要求を提起した。また、官民連帯、職場・地域連携を強調して、スト配置を背景に闘う方針を堅持している。春闘日程として、第一波二月一四日けんり総行動、第二波三月一日外国人労働者総行動、第三波三月一九日経団連抗議行動などが方針化されている。春闘勝利にむけて全国で闘いぬこう。
 二〇年の政治闘争課題として、①九条改憲阻止、安倍政権打倒、②自衛隊の中東ホルムズ海峡派兵阻止、③辺野古新基地建設阻止、④原発再稼動反対、を闘おう。
 その中でも重要な課題はまず第一に、連帯労組関西生コン支部の組織壊滅型弾圧に全国各地から反撃をかちとることである。執拗に続く労組解体攻撃は、のべ八一人逮捕・起訴六四人にのぼる。裁判所も保釈条件として組合活動を一切禁ずるという不当労働行為そのものを警察とグルになって行なってきている。すべての労組―市民団体が各地で救援会を結成して、労働三権・憲法破壊を許さないという全国運動を構築しなけばならない。全港湾への産別最賃協定更新拒否など産別交渉を拒否して産別運動を封じ込めようという労使協調攻撃が強まっている中で、断固たる反撃をかちとろう。
 第二に、以下、労働者保護法制の改悪と「八時間労働制」解体攻撃に断固反撃して闘おう。
 ①差し迫る「解雇の金銭解決」や「裁量労働制の適用拡大」の労働法制改悪攻撃を許すな!
 ②雇用類似の働き方や、兼業・副業を拡大しての「八時間労働制」の破壊を許すな!
 ③公立学校教員の一年変形労働時間制の導入強行を弾劾する!
 改正教職員給与特別措置法(給特法)が一二月四日、成立した。「働き方改革」と称してみせかけだけ残業時間を減らそうというものだ。教員の長時間労働の軽減と闇残業の解消は、要員増以外にできるはずがない。さらに、この一年変形制は、労基法の労使協定要件にもかかかわらず、自治体条例をもって強行される。この一日八時間労働制の解体攻撃は、やがて地方公務員に拡大され、ついには変形労働制導入に労使協定不要とする労基法改悪の恐れがある。増員要求や残業代請求の運動・職場闘争で頑強に闘いぬこう。
 ④今年から実施される改定地公法は、非常勤公務員を「会計年度任用職員」として一般職に転換し、労組法が適用される特別職を廃止するという攻撃だ。公務職場の人減らし合理化はいよいよ強まり、公務労働の非正規化と公共サービスの委託・民営化が、コンセッション方式(PFI法)によって図書館・医療・保育・学校給食で進んでおり、水道事業にも及ぼうとしている。公務非正規の年度替り雇い止めを許さず、官民連帯・地域共闘で闘おう。
 ⑤ハラスメント防止関連法成立と、ハラスメント容認の政府ガイドライン案を許さず、職場の人権を確立させよう。

 ◆2―3―2項 青年・学生の決起で安倍政権打倒!

 青年・学生戦線より二〇年の闘いの方針が提起されている。
 第一は、安倍政権の改憲、戦争国家化に反対し、自衛隊の中東派兵に反対していくことである。
 一五年度から大学に資金を提供する制度(安全保障技術研究推進制度)が開始されたことにより、大学が軍事と結びつき軍学一体化が進もうとしている。大学の軍事研究反対の闘いを強め、軍事予算を削って真の学費無償化を勝ち取っていかなければならない。
 第二は、植民地支配を居直り、朝鮮半島の自主的平和統一を妨害する安倍政権の打倒に向けて、韓国の青年・学生と連帯し闘いぬくことだ。また、ドゥテルテ政権の弾圧とたたかうフィリピン人民と連帯して闘おう。香港の民主化運動弾圧に抗議しよう。新自由主義のもとで各国で闘いぬく青年・学生との連帯を広げ、青年・学生の怒りを安倍政権打倒に集中させよう。

 ▼2―4節 被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争に連帯して闘おう

 安倍政権による「戦争のできる国づくり」において、被抑圧人民、被差別大衆に対する排外主義、差別主義攻撃はますます激化する。被抑圧人民、被差別大衆との連帯を一層強め、安倍右翼反動政権を打倒しなければならない。
 第一は、原爆投下から七五年を迎える今年、新たな核軍拡ともいうべき時代状況の中で8・6広島、8・9長崎の闘いは、ますます重要になってきている。多くの被爆一世が亡くなっていく中で一世の闘いを引き継ぎ反戦・反核・被爆者解放の闘いを後世へと継承しようと闘い抜く二世、三世に連帯して闘うことは極めて重要である。入国拒否弾圧という不当極まりない妨害を粉砕して8・6広島闘争の日韓連帯闘争としての発展をかちとっていかなくてはならない。
 一七年に提訴された被爆二世への被爆者援護法適用を求める被爆二世集団訴訟は、原告陳述の山場へと移ろうとしている。親の被爆体験や健康状態、差別の現実そして自らの健康状態や不安など被爆二世の実態が裁判所であきらかにされようとしている。国はこの間一貫して二世への遺伝的影響を否定している。この国の主張を突き崩し、必ず被爆二世集団訴訟に勝利しよう。
 福島原発事故後も原発再稼働を推し進める安倍政権を許さず、被曝者、被曝労働者の裁判闘争の勝利に向け支援していこう。被爆者・被爆二世の解放、被曝者・被曝労働者の解放をともに闘おう。
 第二は、部落解放委員会(準)のもと狭山闘争の大きな正念場に際し、第三次再審闘争勝利にむけた闘いを強化していかなければならない。毎月二三日の23狭山デーなど各地における地域共闘を強化し、部落差別と闘う労働運動や住民運動を拡充していこう。寺尾判決で石川さんを犯人とした根拠である、万年筆と脅迫状に関する新証拠によって、寺尾判決そのものの誤りが明らかになっている。さらに弁護団は、三つの新証拠も提出して石川さん無実を明らかにしている。再審闘争勝利にむけた闘いを全国各地で強化しよう。部落差別を煽動する鳥取ループ・示現舎など、悪質な差別排外主義者の敵対を許さず、これを粉砕して闘おう。
 第三には、改憲と戦争への危機が深まる中、障害者への差別排外主義や抹殺攻撃を断固糾弾し、天皇制・天皇制イデオロギー、優生思想の攻撃と真っ向から闘い抜く障害者との連帯を強化しなければならない。闘いの現場で障害者差別発言をもって安倍政権批判や権力批判がなされることが多く発生している。あらゆる差別を許さないという質をもった闘いと運動をつくりださない限り、差別排外主義者の攻撃に勝つことはできない。障害者との共生・共存社会の実現にむけて闘いの連携を強化しよう。
 第四には、女性労働者、全女性の解放にむけた闘いが求められている。アベノミクスの下で非正規労働者は増えつづけ、中でも女性労働者の過半数は非正規労働者であり、賃金は男性労働者の半分程度という状態が続いている。格差の拡大が進む中で女性の貧困化は一層拍車がかかっている。また、セクシャル・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント、DVなど会社、家庭を貫いた女性差別が常態化している。こうした全社会を貫いた女性差別との闘い抜きに、未来社会はない。女性が女性として生きる権利を主張し、女性差別を許さない闘いを創出していかなければならない。安倍の「女性が活躍できる社会」なる欺瞞を暴きだし、女性解放闘争の前進をかちとっていかなければならない。

 ▼2―5節 革命的労働者党建設と左派潮流建設の前進を

 昨年、われわれは安倍政権による改憲・天皇「代替わり」攻撃粉砕、G20大阪サミット粉砕、辺野古新基地建設阻止の闘いを党の総力をあげて闘い抜いてきた。また、元徴用工問題を契機に国交回復後最悪といわれる安倍による民族排外主義が吹き荒れる中でこれと対決し、日韓民衆連帯―国際主義の旗を高く掲げ闘い抜いてきた。こうした闘いはわが党の綱領の物質化であり、反映である。
 党にとって綱領(あるいは党是)は、党そのものであり存立基盤である。だからこそ党の命である綱領を不断にうち鍛え、労働者階級・人民に明らかすることにより何と闘うのか、いかなる社会をどのように実現していくのかを明らかにしていかなければならない。われわれは一昨年「改定綱領」を勝ち取った。激変する世界情勢の中で戦争国家づくりと対決し日帝打倒にむけた指針であるこの綱領と機関紙『戦旗』の二つを武器に党と階級勢力の拡大をはかっていかなければならない。綱領の学習を強化し、機関紙の購読者の拡大と読書会の組織化を通して党勢の拡大を実現していこう。
 帝国主義グローバリゼーションの破綻が誰の目にも明らかとなっている。EUからの英帝の離脱はそのことを象徴している。この間の帝国主義グローバリゼーションの展開の中で格差と貧困は全世界的規模で拡散・拡大し、中間層の没落や労働市場からはじき出される若者世代の増大は、今や止まるところを知らない。
 こうした状況に対してイギリス労働党のコービン、アメリカのサンダース、ギリシャのシリザやスペインのポデモスなど社会主義を標榜する部分や「左派ポピュリズム」といった勢力が登場してきた。また、日本では安倍に対抗するものとして立憲民主を軸に野党共闘が追求されているが、安倍右翼反動政権打倒の展望を見いだすことはできない。それは昨年の天皇「代替わり」、G20攻撃に対して全く無力であるどころか、元徴用工問題に明らかなように国益主義と民族排外主義にすっかり足下をすくわれ、安倍政権と歩調を合わせて日帝の利害を口走るだけである。こうした勢力とは区別された左派=共産主義を闘いとる党と勢力の建設こそかちとらなければならない。マルクス・レーニン主義の立場を鮮明にして国際主義で武装された左派潮流建設を最先頭で闘いぬこう。
 一昨年から連帯労組関西生コン支部に対する執拗な組織壊滅型弾圧が続いている。また、昨年の天皇「代替わり」、G20に対しても「窃盗」「詐欺」「爆発物取締罰則違反」「貸金業法違反」などでっち上げによって全国で家宅捜査や逮捕が行われた。さらに、G20に反対して闘おうとした韓国からの活動家やその子供までも入国拒否弾圧にあうなど安倍右翼反動政権はその本性を露わにした。
 こうした弾圧は、昨年の天皇「代替わり」から今年のオリンピック・パラリンピックを通した国家主義的統合を強めながら、一層強化されてくることが予想される。関西生コン支部に対する弾圧が共謀罪のリハーサルや先取りと言われる所以である。「平成の治安維持法」と言われる共謀罪を使った弾圧は今後ますますエスカレートするであろう。戦前の治安維持法が京都学連事件を突破口に共産党の壊滅、人民戦線事件や横浜事件へと連なり、日本が戦争へと全面的に突入していった歴史を見れば、今日が同じくターニングポイントに位置しているといえるのだ。「治安」とはまさに「平時」のそれではなく「戦時」の治安を指すのであり、その要こそ革命党の破壊である。本格的な「戦争国家づくり」を目論む安倍政権打倒の闘いは、この組織壊滅型弾圧を粉砕することなしに勝利はない。関西生コン支部弾圧を許さず、裁判闘争勝利にむけて支援・連帯を強化しなければならない。あらゆる弾圧を許さず革命党建設に勝利しよう。



 

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