共産主義者同盟(統一委員会)


1558号(2019年11月5日)






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  首都戒厳態勢うち破り10月反天皇闘争闘う

 労働者―労働組合の力を結集し
  2019岩国行動成功させよう

 弾圧許すな! 11・16全国集会へ



 
■10・20
「即位国家式典」反対掲げ集会・デモ
「共産主義と天皇制」講演・論議


 一〇月二〇日、東京・千駄ヶ谷区民会館において、「即位国家式典糾弾! 反天皇制・反戦・改憲阻止行動」が、同実行委員会によって闘い抜かれた。一〇月六日に開催された反天皇制講演・討論集会(『戦旗』前号で既報)に続き、一〇月反天皇連続闘争の最重要環として取り組まれた。
 一〇月二二日、天皇ナルヒトの「即位国家式典」が首都圏全域を戒厳態勢の下において強行されようとしている。「祝賀」強制に対し、即位国家式典糾弾! 反天皇制を掲げた集会・デモに決起した。
 一三時三〇分、「本日の集会は四月二八日、一〇月六日の反天皇制・反戦・改憲阻止行の闘いに引き続く行動である。安倍政権の新自由主義政策の強化、差別排外主義煽動、憲法改悪―戦争態勢づくりを打ち砕く決起を作り出そう」という司会のあいさつで集会が開始された。
 集会前半、伊藤晃さん(日本近代史研究者)が「共産主義と天皇制」と題した講演を行った。
 伊藤さんは、「天皇制はなぜ現代共産主義運動にとって根本問題なのか」「近代天皇制は社会と人々の内面の形成においてどう働いたか」と問題提起した上で、語っていった。
 そもそも江戸時代においては、国民意識はなかった。明治維新以降、日本の資本主義化―急速な帝国主義化の過程において、明治政府による国家と国民形成の支柱として近代天皇・天皇制が上から作られていったことを明らかにした。
 これに対し、社会主義運動は、天皇、国家の敵として集中攻撃を受けていく。戦前日本共産党の運動は、人民のなかで孤立していき、天皇制打倒のスローガンも孤立していく。
 天皇制との対決が不徹底であるがゆえに、アジアへの植民地支配・侵略戦争が激化する過程で日本共産党の大量転向と共産主義運動が敗退していった。
 一九四五年敗戦後、アメリカ占領軍により天皇・天皇制は存続され、アメリカと同盟を組む日本支配集団によって、天皇制は再生されていく。支配集団主導の民主化に適応した戦後天皇制―象徴天皇制が形づくられ、「天皇・国民の対関係」の再生・更新がなされていく。
 戦後日本共産党は、「天皇は過去の遺物」として、軽視する。支配集団は、天皇・天皇制を戦後体制における「国民統合」の支柱として位置づけて上からイデオロギーを形成していったことなどを明らかにしていった。
 そして、反天皇制運動の課題として、①戦後民主主義の危機をどうとらえるか。労働者人民の内面で天皇との亀裂を作り出せるか。②われわれは人々の自立的な社会的共同を作り出し、天皇という国民の心の一体を人々の内面で無意味化できるか。この二点をあげて、講演を締めくくった。
 講演後の質疑応答では、会場の参加者から質疑・意見が出され、活発な論議が行われた。
 つぎに、連帯アピールが、「終わりにしよう天皇制! 『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)」、「直接行動(Direct Action)」から行われた。
 おわてんねっとは、一〇月二二日の即位式反対闘争への結集を呼びかけた。
 直接行動は、天皇制の下でのアジア諸国に対する、植民地支配・侵略戦争の問題を欠落した歴史観を徹底批判し、反天皇を共に闘う決意を明らかにした。
 つづいて、主催三団体の沖縄文化講座、労働運動活動者評議会、派兵反対実行委員会から報告と決意表明がおこなわれた。
 即位儀式の行われている状況のもとで、不当弾圧が強行されている。台風一五号、一九号による甚大な災害がおこっているにも関わらず、避難生活・復興作業に追われる労働者人民に対して、国は災害対策費用を七億円しか出さない。一方で、「即位国家式典」などには一〇〇億円を超える国費が使用されるのだ。言語道断である。侵略と差別の元凶、天皇制・天皇制イデオロギーと対決して闘おうという決意表明がなされた。
 最後に、決議文案(三面に掲載)を読み上げ、参加者全員の拍手で採択し、集会を終えた。
 いよいよデモ行進だ。戒厳態勢下の重警備をはねかえし、意気高くデモに打って出る。千駄ヶ谷区民会館前から、原宿駅前を通り、渋谷まで反天皇・反戦・反改憲・安倍政権打倒を力強く訴えた。

 
■10・20反天皇制・反戦・改憲阻止行動
  集会決議文


 本日、私たちは「即位国家式典糾弾! 反天皇制・反戦・改憲阻止行動」に結集した。
 周知のように安倍政権は、一〇月二二日、この日を「国民の祝日」にし、新天皇ナルヒトの即位を日本内外に宣明する儀式として「即位礼正殿の儀」を大々的に挙行しようとしている。
 「即位礼正殿の儀」の後には、二二日・二五日・二九日・三一日の四日間即位の祝意を受ける「饗宴の儀」が行われる。この一連の儀式には、国内から政党、都道府県知事や各議会議長、経済界代表など二五〇〇人、海外から一九五カ国・機関の代表が招かれており、巨額の税金を投入し、壮大華麗な新天皇即位祝賀が繰り広げられようとしている。まさに壮大な茶番である。
 私たちは、「万世一系」という捏造された神話をもとに、「国民に寄り添う天皇」を標榜しつつ、天皇制の権威・神格化を徹底的に強め、労働者階級人民を「臣民」に統合し、天皇制・天皇制イデオロギーの下に組み敷こうとする安倍政権の「天皇代替わり」攻撃を弾劾し、断固として反対する。
 あらゆるマスメディアを動員して強制される新天皇即位の奉祝を断固として拒否する。
 天皇制は、明治維新以降の日本帝国主義の確立、侵略戦争と植民地支配、戦争国家体制の強化と一体となって機能してきた。その役割は、靖国神社とともに、天皇制国家のために死ぬことを美化し、朝鮮半島・中国をはじめアジア太平洋地域への侵略と植民地支配を正当化する天皇制イデオロギーで労働者階級人民を支配し、加担させることであった。
天皇制・天皇制イデオロギーの戦争責任・植民地支配責任の清算は、天皇制そのものの廃絶によって果たされる。
 現代においても、天皇制・天皇制イデオロギーの役割は不変だ。
 改憲と戦争国家構築、排外主義扇動の安倍政権の下で強行される「天皇代替わり」攻撃は、国家権力とは別の支配制度として、天皇を頂点とする国家の臣民としての「国民意識」を注入し、天皇制の下への「国民の統合」を通して、自衛隊派兵・武力行使に反対する反戦運動や反政府闘争を武装解除させる役割を担い、労働者階級人民を戦争へと動員する強力な役割を担う。
 「祝意」の強制は、空前の警備体制・治安弾圧体制と一体だ。「要人警護」「テロ」対策として首都圏を戒厳令下の置き、日々の生活や経済活動を規制し破壊する交通規制・警備活動を弾劾する。
 本日、集会と共に街頭デモを闘おう。首都戒厳令を打ち破り、右翼・排外主義勢力の妨害・敵対を跳ね返して、「即位礼」反対・安倍打倒を掲げてデモを貫徹しよう。
 一〇月二二日、「反天皇制・反戦・改憲阻止行動」の新宿情宣とおわてんねっとの「東京戒厳令を打ち破れ! 10・22天皇即位式反対デモ」に立ち上がろう。
 以上決議する。


 ■10・22
 首都戒厳態勢突破し天皇即位式反対デモを闘う
 
三名の不当逮捕弾劾!

 一〇月二二日午後、「終わりにしよう天皇制! 『代替わり』反対ネットワーク(おわてんねっと)」主催の、「東京戒厳令を打ち破れ! 10・22天皇即位式反対デモ」が取り組まれた。「即位礼正殿の儀」が開かれている皇居至近の銀座において、およそ五〇〇名が天皇即位式反対の声をあげた。
 午後一時三〇分から新橋駅近くのニュー新ホールにおいて集会が開かれた。新橋駅周辺は大動員された機動隊や公安刑事が配備され、文字通りの天皇戒厳体制だ。
 集会では、米軍厚木基地に反対する「バスストップから基地ストップの会」や、アナルコ・フェミニスト・グループ、愛知で「表現の不自由展」中止への抗議活動に取り組むグループ、九州電力大分支社前で毎日原発再稼働反対のスタンディングを行っている方など、各地からさまざまな立場の人たちが発言し、天皇制・天皇制イデオロギーに反対する意思表示と決意表明を行った。
 集会の最後には「おっちんズ」による歌、「天皇に平和を語る資格なし」「天皇制はいらないよ!」が披露され、デモを闘う気運を高めていった。
 午後三時、参加者は銀座デモに出発した。完全武装の警視庁機動隊はデモ隊を並進規制し、さらに歩道には赤ベスト姿の大量の公安刑事が配備される重弾圧体制であった。機動隊はデモ隊に対する不当な規制を繰り返し、デモ隊を細切れに寸断してきた。これに抗議する参加者に対して弾圧が強行され、仲間三名が不当逮捕された。デモ隊は不当弾圧に対する徹底弾劾の声を叩きつけていった。
 また、在特会などの排外主義襲撃集団や、乱闘服を来た天皇主義右翼などの差別排外主義を丸出しにした敵対・妨害行為もあったが、それらは小規模なものであった。デモ隊はこれら右翼排外主義者の敵対を断固跳ね返して、最後までデモを貫徹した。沿道を歩く外国人観光客など多くの人々がデモに注目し、デモ隊の訴えに耳を傾けていた。
 デモ終了後には、「おわてんねっと」から不当逮捕に対する救援カンパと、仲間三名が不当逮捕されている築地警察署への抗議行動が呼びかけられた。
 築地警察署前での抗議行動は約六〇名で取り組まれた。参加者は「仲間を今すぐ釈放しろ!」「完黙・非転向で闘おう!」と、怒りの声を叩きつけ、仲間を激励した。



 

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