1557号(2019年10月20日) |
|||
|
安倍の排外主義煽動うち破り 11月岩国行動を成功させよう 11・10 米軍いらんちゃフェスタin丹後へ 憲法改悪と対韓制裁外交の継続を鮮明にした安倍第四次再改造内閣が発足した。その発足は、千葉県での台風による激甚な被災対応を組閣を優先して四日間なにもせず、一〇月からの消費増税をなんの躊躇もなく強行したことからも明らかなように、戦争と排外主義、搾取強化の性格を色濃く持つものだ。 韓国への経済報復、排外主義の煽動のなかで、安倍政権は一〇月「天皇代替わり」式典をおこなおうとしている。アジア民衆と連帯した反戦、反基地運動の真価を発揮するときだ。 「天皇代替わり」キャンペーンに抗し、2019岩国行動を反基地運動の全国連携強化をもって、労働者の国際連帯を力強く指し示す闘いとして大成功させよう! ●第1章 天皇即位式典反対! 改憲阻止! 安倍政権打倒 ▼1章―1節 安倍改憲を阻止しよう 首相安倍晋三は九月一一日、第四次再改造内閣を発足させた。 九月九日の台風一五号の被害によって千葉県全域で大停電が続く中、安倍は災害対策本部を設置することもなく、被害状況の把握もせず、一一日まで組閣に執心していた。一二日、一三日になって、東電や千葉県が予想を超える被害実態をつかみはじめて、停電が広範囲で長期にわたることが報道され始めた。安倍が「停電の全面復旧に全力を挙げること」など対応を指示したのは、すでに台風上陸から四日も経った後のことである。 もちろん東京電力の責任は大きい。だが大停電長期化の最大の要因は、安倍政権の初期対応の決定的な遅れだ。組閣を延期して、台風被害実態調査をなすべきだったのだ。選挙が目の前にあれば、自ら作業服を着て現場に赴く安倍は、参院選が終った状況では、パフォーマンスさえなそうとはしなかった。民衆の命と生活よりも組閣を最優先した安倍を許すな。 九月一一日、組閣を終えた安倍は記者会見で、「自民党立党以来の悲願である憲法改正へ挑戦」し、「必ずや、成し遂げていく」と改憲への決意を表明した。 翌日には、党内で憲法改正に関して議論し方針を決める憲法改正推進本部の本部長に細田博之元幹事長を、国会で改憲について審議する憲法審査会の衆議院側の会長には佐藤勉元総務相を起用した。細田は、九条への自衛隊明記をはじめとする四項目の改憲案を党内で取りまとめた人物だ。安保法制の成立を強行した時の国対委員長だった佐藤を衆院憲法審査会長に据えたのも、安倍の意向に沿った衆院審議を進めたいからだ。 しかし安倍ら改憲勢力は、七月参院選で改憲発議に必要な三分の二の議席を獲得できなかった。世論調査でも安倍の改憲に「反対」が賛成を上回っている。 そもそも安倍は「戦後最長政権」とは言え、アベノミクスの成果もなく、日朝、日ロ外交は進展せず、韓国への経済報復で日韓政府間の対立を泥沼化させた。これまで何ら政治的成果も残していない。改憲を焦点化するしか政権維持の求心力がないのだ。それだけになおさら、野党の分断や国民民主党などの懐柔、解散カードの温存、強引な国会運営を駆使してくるだろう。 改憲阻止―安倍政権打倒の全人民的運動を創出していくことが改めて問われている。 ▼1章―2節 「天皇代替わり」攻撃粉砕 安倍政権は九月一八日、「即位礼正殿の儀」を一〇月二二日に国事行為として行なうことを決定した。 この「即位礼正殿の儀」は、一九九〇年の前天皇アキヒト即位を踏襲した形で行われる。古事記や日本書紀に記された神話「天孫降臨」にもとづき、「万世一系の神の子孫=天皇」を崇め奉るという。まぎれもない宗教儀式だ。政教分離を定めた憲法違反であるばかりか、天皇を「神聖にして絶対不可侵」と位置付けた明治憲法への逆戻りなのだ。 安倍はこの儀式と「祝賀パレード」や「饗宴の儀」をセットにして、新天皇ナルヒトを日本の事実上の「国家元首」として内外にアピールしようとしている。「天皇の元首化」は自民党がその憲法改正草案で明文化することを目指してきたことだ。天皇を民衆の上に立つ「元首」とし、階級闘争を封殺して人民支配を強化しようとする「代替わり」儀式に断固反対しよう。 「天皇代替わり」を「国民すべてが祝っている」という虚構を貫くため、安倍政権は「テロ対策」や「天皇警護」の名の下、反対の声を封殺しようと企んでいる。儀式期間中、皇居周辺地域は警察権力の戒厳態勢下に置かれる。「代替わり」当日は本年限りの特例として「祝日」とされた。学校現場や自治体に対し「日の丸」掲揚が強制される。 こうした「天皇代替わり」を通じた「祝賀」強制、天皇制国家への権威と権力の集中に対し、リベラル勢力はおろか日本共産党も含めて翼賛体制に取り込まれるか、率先して加わっているところに日本階級闘争の歴史的弱点が露呈している。われわれは本年前半、「4・28反天皇制・反戦・改憲阻止行動」に断固立ち上がった。5・1即位式典に対しメーデーを断固貫いた労働者の闘い、首都圏における「おわてんねっと」をはじめとする各地の闘いを全国で担った。これをひきつぎ、一〇月「反天皇制・反戦・改憲阻止行動」の集会とデモを連続して闘い抜いてきた。この地平のもとに「代替わり」式典に反対し、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃を打ち破ろう。 ▼1章―3節 対韓制裁外交を許すな 安倍は第四次再改造内閣で、韓国に対する制裁外交を主導してきた河野太郎を防衛大臣に、茂木敏充を外務大臣に据えた。 河野は外務大臣としてこの間、安倍の意を受けて韓国・文在寅(ムンジェイン)政権に対し一切妥協も譲歩もしない姿勢を押し通してきた。昨年末に韓国大法院が元徴用工に対する補償判決を出した後、駐日韓国大使を呼びつけ、長々と「日本政府の立場」を語り、大使が発言し始めた途端「無礼だ」と口を挟むという、礼儀もなにも無視したパフォーマンスをおこない、安倍の歓心をかった。韓国に対して「日韓請求権協定の合意事項を一方的に覆し、国際法違反を続けている」と声高に叫び、河野個人のツイッターでも韓国への敵対感情を煽動してきた。その河野を防衛大臣に据えた安倍が対韓国制裁外交を継続するのは明白だ。 外務大臣になった茂木も安倍の腹心であり参謀である。第四次安倍内閣で経済財政・経済再生担当大臣を務め、米政府と貿易交渉などでパイプを作ってきたが、今後外務大臣としては日米連携して対韓国制裁外交を強化する役割が割り振られているのだろう。 第四次再改造内閣は、歴史修正主義と排外主義を本質とする日本会議のメンバーで占められている。とりわけ萩生田光一・文部科学相や高市早苗・総務相は「慰安婦」問題に関する河野洋平官房長官談話すら否定する発言をしてきた。韓国メディアが「反韓・極右」内閣と評価し、さらなる対韓強硬策を取りかねないと警戒するのも当然だ。 問題は日本の労働者人民の立場だ。元徴用工をはじめとする被害者の補償要求は正当であり、「日韓請求権協定で完全決着した」という安倍政府の主張は間違っていること、そもそも朝鮮植民地支配に関する歴史認識そのものが間違っていることを明確にしなければならない。韓国労働者民衆は、「反安倍」を掲げ、日本の労働者人民に連帯を呼びかけている。安倍政権の排外主義煽動を打ち破り、新内閣を打倒し、この呼びかけに応えようではないか。 ●第2章 2019岩国行動を成功させよう アジア共同行動(AWC)日本連と岩国労働者反戦交流集会実行委員会は、一一月一六日から一七日に「2019岩国行動」を開催する。 かつて日米両政府が二〇〇五年、日米安保協議委員会を開き、「日米同盟:未来のための変革と再編」を合意して以後、在日米軍の再編が急速に進行した。山口県・岩国米軍基地はその焦点の一つであった。 基地滑走路の沖合移設が住民を騙して強行され、神奈川県の厚木基地から戦闘攻撃機FA18スーパーホーネットなど六一機の米空母艦載機部隊が移転。さらに沖縄の普天間基地から空中給油機が移駐して、米軍機は約一二〇機に急増した。こうして岩国基地は嘉手納基地を抜いて極東最大級の米軍航空基地へと変貌したのだ。 この間、戦闘機事故が相次ぎ、騒音被害も高まっている。スーパーホーネットやF35Bといった最新鋭戦闘機は毎年のように墜落など大事故を起こしている。着艦訓練にともない、戦闘機騒音に対する住民の苦情も激増している。住民の不安や怒りは、想像するに余りある。 そもそも岩国市民は基地強化を容認してきたわけでは断じてない。住民投票や選挙を通じて基地強化に絶えずNO! の意志表示をしてきた。米軍住宅建設に反対する「愛宕山を守る会」も粘り強く闘ってきた。岩国行動はこうした住民の苦闘に連帯し、岩国基地の強化・拡大に反対して積み重ねられてきた。 岩国基地の強化・拡大は、沖縄―「本土」を貫く在日米軍と自衛隊の一体化とともに進行してきた。 岩国は今、米軍の事実上の中継空港となっている。戦闘機が普天間飛行場や厚木基地を往復し、深夜早朝に及ぶ飛行訓練を繰り返している。岩国基地と連動して佐世保の米海軍基地に新型の強襲揚陸艦が配備され、岩国所属のF35Bを搭載して朝鮮半島に向かっている。 さらに今、安倍政権は山口県と秋田県にそれぞれイージス・アショアの配備を画策している。山口県で配備先として自衛隊むつみ演習場内が狙われているが、岩国基地との一体的運用を想定して弾道ミサイル迎撃システムを構築しようとしている。 福岡県の築城航空自衛隊基地もまた、普天間基地の「有事展開拠点機能」の移設先とされ、滑走路を普天間基地と同じ二七〇〇メートルまで拡張する計画が狙われている。 岩国行動には、イージス・アショア配備とたたかう萩市・阿武町、築城での反対運動、京丹後Xバンドレーダー基地反対運動、沖縄・辺野古の新基地建設阻止運動などを担っている方々が集まろうとしている。全国の反基地運動の交流と連携を岩国において実現させよう。そして、反基地運動の連携した力で、日米軍事同盟そのものと対決する展望を拓こう。 岩国行動には、韓国やアメリカで反戦、反基地運動を担っている活動家が集まる予定だ。 安倍政権が韓国へ経済報復した結果、文在寅政権は日韓軍事情報保護協定(GSOMIA)破棄を決定した。日米韓の「三角軍事同盟」に重大な亀裂が生じつつある。一方、朝鮮半島は南北の和解が着実に進み、停滞してきた米朝交渉も再開の兆しがある。 こうした激動する東アジア情勢の中で、日米韓の労働者人民こそが立ち上がるときだ。今こそアジアから米軍基地を一掃させ、「平和の妨害物」安倍を国際連帯で打倒しよう。一一月、ともに岩国に結集しよう。 |
当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.