1555号(2019年9月20日) |
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農地を奪うな! 空港機能強化反対! 10・13三里塚に総結集しよう 10・6―10・20反天皇制集会へ 米中経済戦争の泥沼化と世界経済の更なる悪化、米英帝を中心に進むイラン侵略戦争の危機の高まり、香港での集会・デモの継続と警察の弾圧の激化、膠着状態が続き軍事対決の方向に転換する可能性が大きくなっていく朝米関係を軸とした朝鮮半島。そうした世界情勢の中で、日帝安倍政権は韓国との経済戦争に踏み込み、民族排外主義煽動を強めながら一〇月即位礼正殿の儀、「天皇代替わり」の国家式典を強行しようとしている。そして来年の東京オリンピックで国家主義的感情を煽りつつ憲法改悪へ突進しようと狙っているのだ。天皇制・天皇制イデオロギーを粉砕しよう。安倍政権を打ち倒そう。 ●1章 「日韓対立」煽動する安倍弾劾、日韓民衆連帯運動を前進を 安倍政権は七月一日に半導体生産に使われる化学製品三品目の韓国に対する輸出だけ規制を強めることを発表した。続いて八月二日、韓国に対する輸出優遇措置を取り消す閣議決定を行い、同二八日に実行した。この一連の措置は、昨年一〇月の徴用工裁判韓国大法院(最高裁)判決に対する日本政府の報復すなわち被害当事者の訴えを全面否定する攻撃であると同時に、日本帝国主義による韓国に対する経済戦争宣言だ。他方、韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を八月二三日通告した。変更がなければ三か月後に終了する。 植民地被害と歴史認識をめぐる日韓政府間の対立の火が、今年前半に起きた海上での軍事問題を経て、経済と軍事の領域にまで広がり全面対決にまで拡大した。今回の事態は落とし所がなく、行く所まで行く。安倍政権は韓国政府が「国際法」もしくは「国と国との約束」を「守っていない。だから信用できない」と繰り返し、極右国会議員が独島(トクト・日本名「竹島」)を戦争で奪還せよと叫び、右翼週刊誌が「韓国要らない」という現代版「鬼畜米英」論の特集を組んだ。テレビは「韓国たたき」一色だ。日本全体を重く覆っている民族排外主義の黒雲を一つ残らず吹き飛ばそう。 安倍政権の言う「国際法」もしくは「国と国との約束」とは一九六五年の日韓条約および請求権協定のことだ。しかし、日韓条約および請求権協定は国家の請求権を否定したが、個人の請求権は否定していない。このことは日本政府も国会答弁ではっきり認めている。徴用工裁判は韓国の個人が日本の民間企業を訴えたものだ。韓国政府が原告ではない。故に、韓国政府は「国と国との約束」を破ってはいないのだ。日本政府は嘘に嘘を重ねており、韓国の大法院判決という司法の判断に政府即ち行政が介入しろと要求している。三権分立の蹂躙を訴えているのだ。宗主国の発想そのものだ。だが、ほとんどのマスコミと立憲民主など野党の大部分はこれに同調しているのが日本のブルジョア民主主義の現実だ。 他方で日本政府による韓国への経済制裁に反対する声明や集会・デモも次々に起こっている。しかし、その多くが喧嘩両成敗的見地であったり、今回の問題が不当な朝鮮植民地支配に起因することを欠落させたりするなど不十分な内容に終わっている。 今回の事態について確認すべきことは第一に、その本質が戦争・植民地被害者をはじめとした韓国労働者民衆と日本帝国主義国家権力との闘争だという点だ。非は日本帝国主義国家権力にある。日帝―安倍政権の、朝鮮植民地支配を合法で正しかったとする捻じ曲げられ誤った歴史認識、それに基づく不当な施策、韓国大法院判決否定論を徹底的に批判して打ち砕くのでなければならない。 第二に、日帝は韓国を日米韓軍事協力の枠組みから離脱して朝鮮民主主義人民共和国及び中国の側へ移行していくものとみなし、その上で日米軍事同盟を土台とした米帝の副官としての軍事的影響力の拡大とそれを法的に根拠づける憲法改悪とを成し遂げる野望をあからさまにしたという点だ。 第三に、今回の事態は、台頭する韓国資本主義に対する日帝ブルジョアジーの露骨な帝国主義経済戦争突撃だという点だ。しかし実際は、規制品目を韓国側に卸している日本の製造企業と韓国人観光客が激減した地方都市が打撃を被っている。他方で韓国では政府が戦略分野への投資を加速させ、関連企業が必要物資の国産化とその供給元の多角化のめどを急速に立てつつある。日本帝国主義者の言う「国益」(すなわち資本家の利益)が損なわれていくのが現実だ。 われわれはどのように闘いを進めていくべきか。 第一に、韓国の被害当事者および労働者民衆と連帯し、日本国内における民族排外主義を踏みしだきながら、安倍政権の徴用工裁判判決の否定と歪曲した歴史認識を粉砕すべきだ。第二に、憲法改悪と戦争のできる国家への道を突き進む安倍政権の野望を打ち砕こう。第三に、日韓労働者民衆連帯をさらに強めていこう。 文在寅政権は日本政府を批判しながら「日本に負けない、勝つ」と戦闘宣言を発し「揺るぎない国づくり」を訴えた、だがその労働政策は完全に破たんした。最低賃金一万ウォン(約一〇〇〇円)と非正規職撤廃の公約は破棄されて久しい。それどころか与党の元国会議員の道路公団総裁が高速道路料金所の非正規職労働者の正規職化要求を無視したあげく一五〇〇人を解雇することまで起きている。自動車工場で働く非正規職労働者が裁判闘争で違法派遣の認定と正規職への転換を認める大法院判決を勝ち取ったのに会社が数年間も履行していないが政府は放置したままだ。現場の労働者は現政権と前政権と元政権の労働政策で本質的な変化はないと言い切っている。今後は日本との経済戦争という「国難」を理由に労働者民衆の諸要求を無視又は抑圧することを正当化していく可能性が極めて高い。すでに自動車労組に対してストライキを自重しろという発言も出ている。 そうした中で韓国労働者民衆は、安倍政権弾劾集会を毎週各地で開くなどして日本の政府の横暴と闘いつつ、同時に、国益論・国家主義を批判しつつ財閥資本との闘いも推し進めている。われわれは反帝国主義闘争と自国の資本家階級との階級闘争を一体的に進める韓国労働者民衆と結びつき、国際連帯の力で日帝―安倍政権を打ち倒していこう。 アジア共同行動関西青年部と梅田解放区が発表した声明「韓国への経済制裁の即時撤回ならびに朝鮮半島植民地支配への謝罪と賠償を求める」は優れた内容だ。賛同しよう。 ●2章 市東さんの農地を奪うな! 9・24請求異議裁判控訴審へ 成田空港会社が農地法を根拠にして市東さんの農地を奪おうとする攻撃に対して闘ってきた請求異議裁判で千葉地裁民事第五部高瀬裁判長は昨年一二月二〇日に強制執行を認める反動判決を出した。市東さんと弁護団は即日控訴。この九月二四日に控訴審が始まる。市東さんが天神峰で農民として耕作し生活し続ける当然の権利を守ろう。半世紀以上にわたって成田軍事空港建設に反対してきた三里塚芝山連合空港反対同盟の闘いの大義を再確認して勝利をつかみとっていくのでなければならない。 成田空港会社の新社長に田村明比古が就任した。政府と空港会社は、離着陸制限時間の短縮という殺人的な生活破壊に踏み込み、第3滑走路建設を強行しようとしている。耐えられない騒音地獄の中に地域住民を深夜と早朝もたたき込もうというのだ。絶対に許せない。 市東さんの農地を守る裁判闘争は、市東さんの権利と正義を守ると同時に、この闘いによって、成田空港周辺地域の新たな空港反対運動の希望を拓くものだ。市東さんの裁判闘争勝利! 空港機能強化阻止を鮮明に掲げて闘っていこう。 反対同盟は天神峰決戦本部を軸にして市東さんの農地を守る闘いを推し進めてきた。昨年一二月二〇日~二一日には高瀬反動判決に対して決戦座り込み態勢をとり、総力で闘った。現在、一〇月からの空港機能強化策の前倒し実施に対して周辺地域への一斉行動を強化している。 9・24控訴審闘争、10・13三里塚現地闘争に全力で決起しよう。 ●3 関西生コン弾圧を許すな 関西生コンの仲間への弾圧が労働組合という組織の壊滅を目的に一年以上の不当拘留をはじめ苛烈に進められている。ゼネコン=大資本の利益に「手をかける」闘いに対するブルジョアジーとその意を体現した日帝国家権力の反革命的な回答だ。 戦前の特高と変わらぬ取り調べ警官の労組脱退強要発言、組織破壊発言を通じてその階級意志が末端において露出している。戦前の日本共産党弾圧に匹敵する画歴史的な攻撃だ。三里塚と同じように憲法は効力停止状態だ。関西生コン弾圧は憲法改悪後の状況の先取りだ。同時にそれは「法治国家」だとか「自由と民主主義」というブルジョア的スローガンの階級的・暴力的・反労働者的本質を赤裸々に示している。 関西生コン弾圧は階級的労働運動全体にかけられている階級攻撃であり、労働者の自己解放闘争を根絶しようとする策動だ。絶対に許してはならない。関西生コン支部の仲間たちとの連帯を強め、日帝国家権力の剥き出しの暴力的弾圧をはねのけ、前に進んで行くのでなければならない。 ともに闘おう。 |
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