1553号(2019年8月5日) |
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安倍政権の排外主義外交弾劾! 戦争責任追及し戦後補償実現を 9・1東京都・多摩市総合防災訓練反対 米帝―トランプ政権はイラン核合意から一方的に離脱したうえで、軍事攻撃の可能性をもほのめかしながら独自の経済制裁を発動・強化するなど圧力を強めている。こうしたトランプ政権のイランに対する戦争重圧を弾劾しよう。 沖縄防衛局は六月一一日から、K8護岸からの土砂陸揚げを強行した。K9護岸とともに併用され、埋め立て工事は一層激化している。なりふり構わず工事を強行する安倍政権を打倒しよう。沖縄現地では、キャンプ・シュワブゲート前、安和桟橋、本部港塩川地区の三か所で陸上座り込み・搬入阻止行動を果敢に闘い抜かれている。沖縄人民の闘いに連帯し、全国から辺野古現地派遣の闘いを強化しよう。 ●1章 徴用工、「慰安婦」問題居直る安倍政権 安倍政権は七月一日、半導体生産に使われる化学製品三品目(フッ化水素、レジスト、フッ化ポリイミド)の韓国に対する輸出規制を強化することを発表し、四日にはそのための手続きを開始した。 安倍政権は輸出規制の理由として「不適切な事案があった」などと述べているが、具体的な事案は明らかにしていない。これは韓国人元徴用工の損害賠償判決に対する事実上の報復措置であることは明らかで、到底許されないことだ。 では、昨年一〇月の韓国大法院による判決はどういうものだったのか。 元徴用工の原告たちが新日鉄住金に対して損害賠償を求めてソウル中央地方院に提訴したのが二〇〇五年。韓国の大法院は新日鉄住金の上告を棄却し、元徴用工への賠償を命じた判決を確定させた。 同判決は、「日本政府の朝鮮半島に対する不法な植民地支配および侵略戦争の遂行に直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権は日韓基本条約・請求権協定の適用対象に含まれていない」としたうえで「日本企業の反人道的な不法行為」による被害に対して賠償しなくてはならないと結論付けた。 この判決に対して安倍首相は、「国際法上あり得ない判断」とし日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決した問題」という立場を改めて表明した。これらのことは、日韓請求権協定の第二条一項、第二条三項により「日韓間の財産および請求権に関するすべての問題は法的に解決済み」ということを根拠にしている。 しかし、これまでの日本政府の解釈は「完全かつ最終的な解決とは外交保護権の放棄を意味し、個人の請求権は消滅していない」というものだ。実際昨年の一一月の河野外務大臣は国会答弁で「個人の請求権が消滅したと申し上げるわけではございません」と認めている。 また、日韓請求権協定にもとづいておこなわれた「三億ドルの無償協力資金、二億ドルの有償融資(利子付きの貸付)」は、その内容、運用から言っても賠償ではなく「経済協力」であった。 このことは、椎名悦三郎外務大臣の参議院本会議での「経済協力というのは純然たる経済協力ではなくて、これは、賠償の意味を持っておるものだというように解釈する人があるのでありますが、法律上は、何らこの間に関係はございません。あくまで有償・無償五億ドルのこの経済協力は、経済協力でありまして」と答弁している。しかも有償・無償五億ドルは「生産物・役務」を提供した日本の企業や商社に渡された。日本の企業や商社はこれを資金に韓国での経済活動を始めたのである。決して韓国政府が自由に使えた資金ではなかったのだ。もはや安倍政権の元徴用工問題に関する論理が破綻していることは明らかだ。 そもそも、日韓間に外交問題が起こっている根本原因は、日本が戦争責任、戦後補償を果たさずにきたことにある。日本帝国主義の歴史的問題として、問い直されなくてはならない。 安倍政権は参院選を目前にして、トランプの真似をしたような排外主義外交に出た。民族排外主義を強めることで、日本の労働者人民の支持を得られると考えているのだろうか。 改憲と戦争、排外主義、搾取と収奪の激化へと突き進む安倍政権を労働者階級人民の力で打倒していかなくてはならない。 ●2章 新たな中東戦争を許すな、反戦・反基地闘争を闘おう 米帝―トランプ政権は、イランへの戦争重圧を急激に強めている。 六月二〇日にイラン領海上空に侵入した米無人偵察機をイランが撃墜すると、トランプはこれに対する「報復」としてイラン軍事攻撃を承認した。トランプ自身は「攻撃の一〇分前に止めた」としているが、原子力空母を急遽中東地域に派遣するなど軍事攻撃のできる態勢をとってイランへの重圧を強めている。また、七月九日には、米軍・ダンフォード統合参謀本部長が「ホルムズ海峡とバベルマンデブ海峡での航行の自由を保障する」ための「有志連合」結成をイギリス、フランスなどに呼びかけた。同時に、原油の輸出を禁じる制裁を一方的に実施するなどの経済制裁を強めている。 こうした米帝とイランの軍事的緊張の高まりの発端は、昨年五月、米帝―トランプ政権が一方的に「核合意」から離脱したことにある。八月にはイランに対する独自の経済制裁を発動し、一一月には「最大限の圧力」としてそれを大幅に強化した。 米帝―トランプ政権の特徴は、対軍産複合体の利害と一体となった軍備の拡大と武器輸出の推進であり、中東における軍事支配秩序の維持のために軍事介入を継続している。二〇一七年四月と一八年四月、シリア―アサド政権が「化学兵器を使用した」として英帝、仏帝とともにシリアを空爆した。こうしたトランプ政権によるシリア軍事介入は、アサド政権との関係を強めるロシアやイランと対抗し、中東における自らの覇権を誇示するためのものであることは明白だ。 また、トランプ政権はエルサレムを「イスラエルの首都」と認定し、昨年五月一四日には、米大使館のエルサレムへの移転を強行した。 この日は、「イスラル建国七〇周年」にあたり、難民になることを強いられたパレスチナ人民の怒りが爆発した。これに対してイスラエル軍は銃撃をもって応えた。その後も米帝は国連人権理事会を脱退し、国連パレスチナ難民救済事業機関への資金拠出を凍結するなどイスラエルを庇護する姿勢を鮮明にしてきた。 こうしたトランプ政権のイスラエル庇護の姿勢は、米国内事情だけではなく、中東における軍事的優位性を確保するためでもある。米帝は、中東において第五艦隊を駐屯し、シナイ半島のアラビア海からペルシャ湾岸などに航空基地を有している。その上で、核保有国であるだけでなく、通常兵器を含めた強力な軍事力を有するイスラエルと同盟関係を強めることによって中東に対する軍事的制圧を強め、戦乱を拡大しているのだ。 この状況の中で、イランは、本年五月「核合意」の一部履行停止を宣言し、「核合意」で定められた濃縮ウランの貯蔵量超過とウラン濃縮度(3・67%)超過をもって抵抗している。 われわれは、核武装にも原発にも反対する。イランの核武装にも米国の核武装にも反対である。その上で、トランプ政権のイラン核合意離脱、戦争準備、制裁強化がイランを追い詰め中東に惨禍をもたらそうとしていることを弾劾する。 米帝―トランプ政権は七月一九日、「有志連合」構想について日本など六〇か国以上を国務省に招いて説明会を開き、①艦船や部隊派遣などの軍事面での支援、②資金援助などの財政支援などでの「有志連合」に貢献することを求めた。トランプ政権は、「有志連合」結成のために具体的に動き出した。 自衛隊は今も中東周辺地域で活動している。海賊対処法に基づいてソマリア沖のアデン湾に護衛艦一隻を派遣している。ジブチ共和国には四〇〇人規模の自衛隊海外基地を設置している。今年四月には米軍主導の「多国籍軍・監視団」(MFO)に陸上自衛隊幹部を司令部要員として派遣している。米帝―トランプ政権のイラン戦争準備に反対しよう。安倍政権のイラン戦争参戦に反対しよう。自衛隊のイラン派兵阻止の闘いに起ち上ろう。 われわれはこの間、「天皇代替わり」攻撃粉砕闘争、G20大阪サミット粉砕闘争、改憲阻止―安倍政権打倒闘争を全力で闘い抜いてきた。これらの闘いを堅持し、より一層広範で力強い反戦・反基地闘争を築き上げよう。8・6広島青空式典に結集しよう! |
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