共産主義者同盟(統一委員会)


1549号(2019年6月5日)






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  G20大阪サミット反対

 6・23新町北公園―6・28天保山公園

 アクション・ウィークに結集を

 6月AWC集会を全国で成功させよう


 


 六月二八―二九日、G20サミットが大阪で開催される。
 G20サミットは、二〇〇八年恐慌に際して、それまでのG8首脳会議では対応しきれなくなった日米欧の現代帝国主義が、新興国や産油国などまで総動員してG20首脳会議を開催したことに始まっている。七四―七五年恐慌に対応して開催されるようになったG5―G7サミット、そしてソ連邦の崩壊以降ロシアが参加したG8サミットを基盤にしたものであり、根本的には帝国主義諸国が自らの利害を貫く目的で継続されてきたものだ。
 帝国主義国の首脳を軸にした現代資本主義世界体制の護持としてあるG20サミットに対して、国境を越えた労働者階級人民の共同の利害を突きつけ、断固たる反対闘争に立ち上がっていこうではないか。

 ●第1章 帝国主義の利害に貫かれたG20サミット

 日帝―安倍は四月二二日から二八日にかけて、大阪G20サミットの議題―宣言案をまとめるために、欧米諸国を歴訪した。フランス、イタリア、スロバキア、ベルギー、アメリカ、カナダと強行軍のスケジュールで、事前の根回しにやっきになっていた。
 四月二六日から二七日のアメリカ訪問時に行われた日米首脳会談は、日米帝国主義の利害対立がきわだつものであった。
 G7でもG20でも最も混乱要因となってきた米帝トランプとの間で、大阪G20に向けた一定の合意を確認しようとした安倍だが、思惑通りに会談は進まなかった。
 安倍政権は新天皇ナルヒトの最初の国賓として同盟国大統領トランプをすでに招請していたが、この来日に向けて、トランプは自らの利害を強く押し出した。トランプは、日米貿易交渉をこの五月トランプ来日時点で「合意」しようと切り出したのだ。二〇二〇年の大統領選を目前にしたトランプとしては、日米貿易交渉での「成果」をなんとしても上げたいのだ。
 参院選を前にした安倍自民党、そして二〇年大統領選を前にしたトランプが、それぞれの「外交成果」を狙って対立するという、見苦しい政治駆け引きが展開されたのだ。
 一方で、五月二五日から二八日にかけてのトランプ来日時には、日米同盟の強化の演出がうんざりするほどにくりひろげられた。安倍の得意とする接待ゴルフからはじまり、新天皇ナルヒトとの会見、海上自衛隊の横須賀基地で、護衛艦「かが」に乗艦するなど、日米同盟が優先されることを全世界にアピールしたのだ。ウソをついても平然とし、排外主義をばらまく日帝―安倍と米帝―トランプ。われわれ労働者階級人民にとって、両者ともに打倒すべき対象だ。
 安倍政権は、大阪G20を自らの政策貫徹のために最大限利用しぬこうとしている。
 安倍政権は「パリ協定」に基づく温暖化対策の「革新的技術」として「原子力の利用」を掲げ、原発を推進することを「長期戦略案」にする方針を打ち出している。「パリ協定」では、二一世紀後半に温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にすることをめざしている。日本は「五〇年までに温室効果ガスを80%削減」という目標を掲げており、温暖化対策として原発推進を明確に掲げようとしているのだ。安倍の指示で、政府の有識者懇談会が基本的な考え方を議論してきたが、そこでさえも原発を「安全性確保を大前提とした原子力の活用について議論が必要」だとして、推進までは踏み込んでいなかった。そもそも、福島原発事故で、安全性を確保すること事態が不可能であることが明確だ。さらに放射性廃棄物、廃炉にかかる費用、被曝労働などを考えれば、原発は運転してはならないものであり、温暖化対策は水力、風力、太陽光など再生可能エネルギーに転換していくべきなのだ。
 韓国が福島原発事故を理由にして日本の水産物を禁輸していることに関してWTO上級委員会で韓国側が勝訴したことを日本政府は問題視してきたが、安倍はカナダで「WTO上級委は紛争解決に資さない形で結論が出される」と批判し、WTO改革をG20の議題とすることを提案した。
 そもそも、福島原発事故は収束などしていない、現在進行形の状態だ。福島第一原発二号機のデブリは、遠隔操作で一部分をつまんだだけで、デブリをどのようにして除去し、処分をどのようにするかは、まったくめどがたっていない。汚染水は、日に日に溜まる一方で、一時的に溜める汚染水タンクは、今年の三月時点で一〇〇万トンに達しており、二年後には限界に達する状況だ。このような状況で、海洋汚染がないと言い切ること自体が、科学的根拠がないではないか。
 アメリカ第一主義を掲げるトランプは、イラン核合意から一方的に離脱し、イランに対し経済制裁を再開。現在、原子力空母エイブラハム・リンカーンを中心とする空母打撃群と米空軍の爆撃機部隊を中東地域に派遣し、イランに対する戦争重圧をかけている。
 米帝のイラン制裁強化によって原油価格が上がり続けている。さらに、米中貿易摩擦の激化は、日本経済を直撃している。安倍は都合のいい数値データを引っ張り出して、「経済は成長しつづけている」と豪語してきたが、現実の経済状況は、坂道を転げ落ちているのが実情だ。五月一三日、内閣府は三月分の景気動向指数の基調判断について、これまでの「下方への局面変化」から「悪化」に引き下げた。また、東京証券取引所の上場企業の二〇一九年三月期決算で、純利益が三年ぶりに減益に転じる見通しだ。とりわけ、製造業の業績悪化が顕著にあらわれている。残業や、休日返上での操業が続いていた製造現場は、いまや潮が引いたがごとく受注数が激減している。
 米中貿易摩擦の激化をはじめ、G20の帝国主義各国の首脳は、自国の利益・権益をより多く取ろうとするのは明白だ。われわれ労働者階級人民にとっては、資本主義・帝国主義下の搾取の強化、排外主義煽動、格差拡大を結果するものでしかない。G20大阪サミットは、粉砕あるのみだ。

 ●第2章 大阪G20サミット反対闘争に立ち上がろう

 六月二八、二九日に、インテックス大阪においてG20大阪サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)が開催される。安倍政権は議長国としての威信をかけてその成功のために総力をあげている。六月末、トランプや安倍をはじめとした世界各国の首脳が大阪に集結する。われわれは、全世界の労働者人民に連帯し、このG20大阪サミット反対闘争に全国から総結集しよう。
 アジア共同行動、ATTAC関西などが中心になって立ち上げた「G20大阪NO! アクションウィーク実行委員会」が、6・23大集会とデモ、6・28サミット会場に向けたデモを準備してきた。
 五月一一日にはプレ企画として講演会が開催され、一六〇人が結集した。講演、実行委員会に参加する団体・個人のリレーアピールを通して、大阪G20サミット反対闘争に向けた決意が打ち固められた。
 「アクションウィーク」は、①朝鮮半島と東アジアの平和のために! ②新自由主義はもうたくさんだ! ③分断とヘイトを越えて共存と連帯の世界を! ④核兵器廃絶と原発全廃で、持続可能な世界をへ! ⑤カジノ・万博・「大阪都」構想 あかん! ⑥サミットを利用した治安弾圧を許さない! のテーマを掲げて広範な労働者人民の参加を呼びかけている。「アクションウィーク」の呼びかけに応え、厳戒態勢をはね返して、全関西、全国から大阪現地に結集し、帝国主義の世界支配を打ち破る闘争を闘い抜こう。
 われわれは二〇一九年年頭、安倍右翼反動政権打倒を掲げ、「天皇代替わり」反対闘争、新天皇ナルヒト―トランプ会談粉砕闘争、そして大阪G20粉砕闘争を闘うことをはっきりと打ち出してきた。
 安倍右翼反動政権は、「天皇代替わり」「改元」「祝賀」を最大限政治利用し、自らの政権の延命、天皇制の強化、さらには、改憲―戦争体制構築に突き進もうとしている。
 この攻撃を断じて許さず、反天皇、反戦、安倍政権打倒を鮮明に打ち出した街頭政治闘争を闘い抜いた。
 「4・28反天皇制・反戦・改憲阻止行動」は、文字通り「祝賀」強制を打ち破るものとして闘い抜かれた。「天皇制国家の戦争責任の追及! 5・1メーデーつぶしの即位式反対! 10・22即位国家式典粉砕 琉球弧の軍事基地化反対! 日米安保粉砕、天皇制廃絶! 戦争と改憲の安倍政権打倒」のスローガンを高々と掲げた集会には、会場を埋め尽くす労働者階級人民が結集した。天皇制右翼ファシストの敵対をはね返して、渋谷において集会・デモを貫徹した。この闘いの成果と意義をがっちりと確認しよう。
 四―五月反天皇闘争に続き、六月大阪G20サミット粉砕闘争を全力で闘い抜こう
 アジア共同行動日本連は、大阪G20に対する闘いと連動して、全国各地で「六月アジア共同行動」を企画している。これを支持し支えていこう。



 

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