共産主義者同盟(統一委員会)


1535号(2018年10月20日) 政治主張






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 九月三〇日沖縄知事選で玉城デニー氏が勝利し、一〇月四日に新たな沖縄「県」知事に就任した。玉城知事は、安倍政権の辺野古新基地建設強行と対決して闘いぬく決意を表明した。わたしたちは、玉城知事の決意表明を断固として支持する。
 安倍政権の辺野古新基地建設強行を絶対に許さず、沖縄―「本土」をつらぬく反戦反基地闘争の爆発をかちとろう。安倍政権の改憲攻撃を打ち砕こう。
 安倍は自民党総裁選で三選を果した。そして、一〇月二日に内閣改造を行い、第四次安倍政権を発足させた。安倍は、秋の臨時国会で自民党改憲案を提出する方針を公言している。自衛隊の「合憲」化や緊急事態条項の創設など、絶対に許してはならない。
 アジア人民との反帝国際連帯をおしすすめ、沖縄―「本土」をつらぬく反戦反基地闘争の爆発をかちとろう。

  ●第1章 改憲に突き進む安倍政権打倒

 九月二〇日の自民党総裁選挙で安倍晋三が三選された。そして、一〇月二日に内閣改造を行い、第四次安倍政権が発足した。
 自民党総裁選で、安倍は国会議員票四〇五票のうち三二九票を獲得したが、党員票(地方票)は55%しか獲得できず、「圧勝」とは言い得ない結果となった。森友疑獄・加計疑獄をはじめとした数えきれない権力犯罪、腐敗しきった政治と官僚組織、これらを利用して自らの野心を実現させようとする安倍の独裁政治に対して、自民党内にも批判がたまっているということだ。
 しかし今回の内閣改造人事や自民党役員人事は、安倍政権と自民党の腐敗ぶり示している。財務省の公文書改ざんの最高責任者・麻生太郎は財務大臣に留任、議員会館で現金を受領した甘利明が自民党選挙対策委員長に就任した。自衛隊による日報隠蔽を引き起こした稲田朋美は自民党総裁特別補佐となり、就任直後に自衛隊は敵基地攻撃能力を保有すべきだを断言している。文科省・柴山は、教育勅語礼賛発言を行い、いなおっている。ほかの閣僚についても指弾するべき点はあるが、挙げればきりがない状況だ。
 安倍は、内閣改造後に会見を行い、政権の課題として次の二点を強調した。ひとつは少子高齢化対策であり、もう一つは自民党改憲案の国会提出だ。
少子高齢化については「国難」と位置づけ、労働法制改悪や社会保障削減を進めようとしている。これらを、政府に設置した未来投資会議で議論させようとしている。この未来投資会議は、かつての産業競争力会議を引き継いだものであり、竹中平蔵らが委員として参画している。この未来投資会議を司令塔にして、労働法制のさらなる改悪や社会保障制度の破壊をおしすすめようとしているのだ。
 そして安倍は「次の国会での改正案の提出をめざす」といい、改憲の意思を鮮明に示した。自民党改憲案を、一〇月下旬に開催されようとしている第一九七回臨時国会に提出するつもりだ。憲法九条に第三項を追加する自衛隊「合憲」化、そして国家緊急権の創設を軸とする安倍改憲案は、戦争のできる国づくりをめざし国家権力再編を完成させようとする攻撃である。絶対に阻止しなければならない。
 こうした安倍改憲攻撃と一体に、防衛省・自衛隊の動向が先鋭化している事態を見ておかねばならない。
 防衛省は九月一三日に、海自潜水艦を南中国海に極秘派遣し、対潜水艦戦を想定した訓練を実施した。これまで海自の対潜訓練は日本の周辺海域で行われてきたが、今回はじめて南中国海にまで潜水艦を派遣して訓練を行った。
 また、政府が陸上自衛隊のシナイ半島多国籍軍派遣を検討していることが明らかとなった。具体的には「シナイ半島多国籍軍・監視団(MFO)」に陸上自衛隊を派遣するという。このMFOは、国連に統括されない米帝主導の多国籍軍である。国連平和維持活動(PKO)の枠さえ越えた軍事行動となるのだ。戦争法制によって新設された「国際連携平和安全活動」を法的根拠として、自衛隊の海外進出をさらに推し進めようというのだ。
 そして、安倍は九月二五日に国連で演説を行い、朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に対して「(共和国が)歴史的好機を、つかめるか否かの岐路にある。手付かずの天然資源と、大きく生産性を伸ばし得る労働力が(ある)……拉致、核・ミサイル問題の解決の先に、不幸な過去を清算し、国交正常化を目指す日本の方針は変わりません」と、その悪辣な帝国主義的意図をさらけ出した。ここにあるのは、日帝が朝鮮半島へ侵略し植民地化した歴史とその責任の否定である。また、共和国に対する帝国主義的侵略への衝動をあらわにしている。そして、共和国政府が一方的に屈服することへの要求である。
 南北首脳会談と米朝首脳会談が継続的に行われ、朝鮮戦争の終結へと東アジア情勢が転換していこうとする中での、この悪辣な演説を許してはならない。安倍政権は、文字どおり東アジアにおける反動の牙城となっている。
 こうした共和国への悪辣な意思の表明と同時に、安倍は九月二六日に行われた日米首脳会談で、米帝から巨額の攻撃用兵器を購入する意思を示した。四月に行われた日米首脳会談で表明した武器購入の意思を再度確認したのだ。具体的にはイージス・アショアの国内配備である。
 しかし、政府が配備を目論むイージス・アショアに関しては、安倍の地元、山口県阿武町の花田町長が九月二〇日配備反対を表明した。佐賀空港に配備予定の陸自オスプレイに関しても、佐賀県知事は受け入れ表明したが、地元漁協は強く反対している。こうした住民の反対は当然である。軍事基地を生活地域に受け入れることは、住民の安全と矛盾する。軍事基地は最優先の攻撃目標となり、軍事訓練での事故被害は住民に押し付けられるのだ。
 安倍は対外的に東アジアにおける侵略反革命戦争を煽動し、国内に対しては労働者階級人民を抑圧する反動政策を強めている。しかし、東アジアにおいても、日帝足下においても、安倍の帝国主義的野望は、人民の抵抗に直面している。
 安倍政権の改憲―戦争国家化への攻撃を、反戦反基地闘争をもって打ち砕いていこうではないか。

  ●第2章 沖縄知事選に勝利、辺野古新基地建設阻止へ

 安倍政権の改憲攻撃―戦争国家化に対するたたかいにおいて、最重要の位置にあるのが、辺野古新基地建設阻止の闘いである。沖縄―「本土」を貫く反戦反基地闘争をもって、安倍政権の攻撃を断固として打ち砕こう。
 沖縄では九月三〇日、沖縄知事選の投開票が行われ、「翁長知事の遺志を継ぐ」と訴えた玉城デニー氏が当選した。これまでの沖縄知事選で最多得票の三九万六六三二票を獲得し、安倍政権が支援する佐喜眞候補に八万票差で圧勝した。辺野古新基地建設に反対する「オール沖縄」の勝利である。
 安倍政権は、辺野古新基地建設に反対する沖縄人民の意志を屈服させようと、なりふりかまわない選挙戦をしかけてきた。自民党幹部を続々と沖縄に動員し、自民党総務会長の竹下が沖縄に常駐して選挙戦を指揮するなど、異例の選挙戦態勢をとっていた。こうした安倍政権の攻撃を沖縄人民は打ち砕き勝利したのだ。
 玉城新知事は、四日に行われた県庁での就任会見において「故翁長雄志前知事の遺志を引き継ぐ。新基地建設阻止に向け、全身全霊で取り組む」と決意を表明した。そして、安倍政権が八月一七日に強行すると予告していた土砂投入は、現在まで阻止されている。今後、埋め立て承認の撤回をめぐって安倍政権との法廷闘争が予想されるが、玉城知事は「(撤回は)適法だ。県の主張が認められるよう全力を尽くす」とたたかう決意を明らかにしている。沖縄人民の辺野古新基地建設阻止のたたかいに正面から応え、断固として「本土」における辺野古新基地建設阻止の闘いを前進させよう。
 なによりもまず、中断している辺野古新基地建設工事の再開を阻止しなければならない。埋め立て承認撤回を断固支持し、土砂投入を何としても阻止するためにたたかおう。
 安倍政権は辺野古新基地建設の工事再開にむけて、いくつかの法的措置に踏み込んでくるだろう。これまでも、埋め立て承認撤回を無効とする裁判や、一日あたり二千万円の損害賠償を請求するなどの恫喝をかけてきた。こうした手続きと同時に、強権的に工事再開を強行することを絶対に許してはならない。
 辺野古現地のたたかいに固く結びついて、工事再開を断固として阻止しよう。
 安倍政権による警察権力を前面に出した弾圧を許さず、辺野古現地での新基地建設阻止行動への支援・連帯を強化していこう。キャンプシュワブ・ゲート前での阻止行動、海上での抗議行動を支え、現地での行動に参加していこう。全国各地で連帯集会や支援行動を展開しよう。沖縄人民に心を寄せる数多くの労働者人民を組織し、辺野古新基地建設を打ち砕くたたかいをさらにおし広げていこう。
 辺野古現地の闘いに呼応し、埋め立て阻止、新基地建設阻止を全力で闘いぬこう。



 

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