1533号(2018年9月20日) 政治主張 |
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農地強制執行阻止 10・14三里塚現地へ 辺野古新基地建設阻止 沖縄知事選に勝利しよう 全国でたたかう同志、友人の皆さん、『戦旗』読者の皆さん。 台風二一号が九月四日から、四国から北海道にかけて来襲し、特に関西地方に強風や高潮による甚大な被害をもたらしました。続いて、九月六日早朝にはその北海道地方を巨大地震(「北海道胆振東部地震」)が襲いました。最大震度は七を記録し、各所で家屋の倒壊や道路の寸断、土砂崩れが起きたほか、一時は道内すべての発電所が停止して道内の全戸が停電するという、史上初の事態となっています。 ご承知のように今年は既に、西日本の広範囲に、豪雨と暴風による甚大な被害がもたらされました。そしてその豪雨被害がもたらされる前に、気象庁があらかじめ記者会見を開いて対応を呼びかけるという、きわめて異例の状況にありながら、安倍晋三を中心とした自民党の国会議員たちは、災害に備えることもなしに議員会館で「赤坂自民亭」と称して宴会を催し、被害が広がるままに事態を傍観していたのでした。 安倍は今回、台風二一号の接近を前に、首相官邸での会議で指示を出したりこそしていたものの、記者会見を開いて広く警戒を呼びかけるようなことはしていません。朝鮮民主主義人民共和国による「ミサイル」が発射されるたびに会見を開いて「警戒」を呼びかけ危機を煽っていたのと比して、実に対照的で冷淡な姿と言わざるを得ません。そればかりか安倍は、関西の台風被害が既に明らかになっていた九月五日に、二〇日に投開票が行われる自民党総裁選挙の選挙運動のためだけに新潟に飛び、決起集会に参加していたのです。 とんでもない話ではありませんか。安倍にとって目下の最優先課題は、自民党の総裁として三選を果たすための選挙運動、党内多数派工作なのです。これだけ打ち続く災害と人民の苦吟は、安倍にとって全く重要ではなく、あくまでも総裁選挙の片手間に対応すればよい、というのです。「総裁選を延期せよ」という声が既に一部で上がっているものの、改憲のスケジュールを考えると時間的猶予は少なく、安倍は応じないでしょう。 戦後の日本帝国主義の宿願ともいうべき現行九条の改憲を最優先に、人民の暮らしと命を顧みないことが浮き彫りとなった安倍政権を、怒りをもって打倒しようではありませんか! 安倍よ、誰あろう、「国難」はお前だ! ●1章 翁長知事の遺志を継ぎ、沖縄知事選に勝利しよう 八月八日、沖縄「県」知事翁長雄志氏が膵臓癌により急逝しました。七月二七日に、前知事仲井真弘多による辺野古沖の埋め立て承認を撤回することを表明し、手続きに着手して間もなくのことでした。辺野古新基地建設阻止を掲げて「オール沖縄」の体制を作り上げ、自治体首長らとともに政府に対して「建白書」を突きつけるなど、まさに沖縄人民の思いを体現してたたかい抜いた果てに、しかし志半ばにして斃れたのです。 同志、友人の皆さん、読者の皆さん。私たちは、翁長氏と、彼を突き動かし押し上げた沖縄人民のたたかいを、何がなんでも引き継いで、沖縄と「本土」とを固く結んで前進させなくてはなりません。そのためには、急遽行われることになった知事選挙(九月三〇日投開票)に、何としても勝利することです。 沖縄人民は、知事の埋め立て承認撤回の表明に勇気づけられています。翁長氏急逝直後の八月一一日、辺野古新基地建設断念を求める8・11県民大会」が、那覇市奥武山公園で開催されました。台風が近づく、あいにくの天候にもかかわらず七万人が集まり、「辺野古新基地NO!」のプラカードを掲げました。また同日、「本土」各地でも、連帯する集会がかちとられました。 沖縄防衛局は従来、辺野古沖への土砂の投入を八月一七日から行うと宣言していましたが、「悪天候」を理由に断念せざるを得ませんでした。「既成事実」の積み上げだけを狙ったあからさまな強行姿勢が、知事選に悪影響を及ぼすことを意識しないではおれなかったということです。 八月二九日に、翁長氏の帽子を傍らに置いて、自由党幹事長の玉城デニー氏が野党五党の支援を得て、正式に出馬表明をしました。知事選は事実上、「オール沖縄」の玉城候補と、自公と維新が推す前宜野湾市長佐喜眞淳候補との一騎打ちです。 翁長氏に体現された沖縄人民の辺野古新基地反対の遺志を引き継ぐ玉城氏の出馬は全く正当です。建白書を実現し、普天間基地の閉鎖・撤去、オスプレイの配備撤回、辺野古新基地建設阻止を掲げる玉城候補の勝利をかちとりましょう。 一方の佐喜真は「普天間基地の一日も早い返還を」などという一方で、辺野古新基地建設や埋め立て承認の撤回については態度表明を避け続けています。メディアを前にした公開討論も受けようとせず、逃げ回っています。自公がこの間の大型地方選挙の常套手段としている、「争点隠し」です。原発と基地、この二つから何としても人民の目をそらさせようとする卑劣な手段です。 佐喜眞陣営が当選したら、後になって「辺野古推進」を押し出すつもりでいるのは明白です。その一方で、裏で菅ら政権幹部が沖縄「県」内の建設業界や経済団体を回って、IR=カジノの誘致など利権をちらつかせて票をさらっていこうとしています。決して許してはなりません。 八月三一日、謝花副知事が埋め立て承認を撤回し、沖縄防衛局に通知をしました。これにより、辺野古沖での工事は法的根拠を失い、止まりました。さらに九月五日には、普天間基地の辺野古への移設の賛否を問う「県民投票」を求めて署名を集めてきた「『辺野古』県民投票の会」が、市町村選挙管理委員会の審査を経た九万筆以上の署名を、謝花副知事に手渡して、「県」議会への「県民投票条例」案提出を、直接請求しました。臨時議会は二〇日以内に召集され、現与党多数で条例案は可決されると見られています。 沖縄人民のたたかいは、辺野古新基地建設を知事選における争点とさせずにはおかない、「争点隠し」など許さない状況を、安倍政権に強制しているのです。 沖縄人民のたたかいに連帯しましょう。沖縄「県」知事選に勝利し、辺野古新基地建設を断固阻止しましょう! ●2章 改憲阻止 自公政権を打倒しよう 先述のとおり、自民党の総裁選挙が九月七日告示、二〇日投開票で行われます。総裁三選を目指す安倍と、石破茂の一騎打ちとなっています。いうまでもなくどちらもが改憲派ですが、石破は自民党が野党時代に策定した「自衛軍」をうたった改憲草案に沿うべきという主張であり、現行九条の一項、二項をそのままに「九条の二」を加え、自衛隊を明記するという安倍の改憲案を批判しています。そしてキャッチフレーズとして「正直、公正」を掲げることで、「森友、加計」疑惑を生起させた安倍の政治姿勢を批判して見せています。 私たちはもとより自民党員でなく、どちらを支持するとかしないとかいう立場ではありませんが、「安倍一強」と言われて久しい自民党の中にも、安倍への批判と人民の憤激に対する危機感が一定程度存在することが見て取れます。現状、小選挙区制度によって、実際の支持率は低くても第一党が議席を確保できるがゆえの「三分の二」超の議席数なのであって、政権は決して盤石ではない、と見ている自民党員もいるということです。とは言え中選挙区制度時代と異なり、党執行部の力が非常に大きなものとなっています。安倍は自身への異論、批判が表面化しないように、石破側が求める公開討論の場を設けることもなく、水面下での締め付け、多数派工作だけで逃げ切りを図ろうとしています。候補が論戦を交わすこともない党首選などとは、ブルジョア的価値観からしてもあり得ないものであり、自民党が今や政党というよりも、独裁的なカルト集団化の傾向を強めているとさえ言えるでしょう。 仮に安倍三選となれば、改憲攻撃だけではなく、「森友、加計」「日報改竄」に象徴される、身内びいきの腐敗と居直り、隠蔽の政治がなお継続することになります。そしてそれは「安倍後」にも改まることなく続くだろうことが、容易に想像できてしまうではありませんか。 防衛省は八月二二日、来年度予算の概算要求を、過去最大の五兆二九八六億円としました。第二次安倍政権発足以来、六年連続の増額で、今年度の当初防衛予算よりも一〇〇〇億円も多いのは、「イージス・アショア」の関連予算が含まれているためです。秋田と山口に配備するとされているイージス・アショアは、二〇一三年の防衛大綱にも二〇一四年の中期防にもなく、自衛隊が求めたわけでもないものを、昨年末、日帝との間の貿易赤字に不満な米帝トランプのご機嫌とりのために、安倍が導入を決めたものです。秋田の新屋、山口のむつみの両駐屯地近隣の住民は、ただ日本の輸出産業と、ハワイ、グアムの米軍基地防衛のためにだけ、沈め石化されているのだと言わねばなりません。 同志、友人の皆さん、『戦旗』読者の皆さん、安倍政権の推し進める「改憲ファースト」の政治は、人民の利害とは全く相いれないものです。飽くことなく戦争の危機をもてあそび、排外主義を煽るばかりの安倍をこれ以上許していては、私たちは戦争と貧困から逃れることは出来ません。安倍を追い詰め、打倒し、私たちの明日を切り拓きましょう! ともに結び、ともに勝利しましょう! |
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