共産主義者同盟(統一委員会)


1528号(2018年6月20日) 政治主張






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 安倍政権は今通常国会において「働き方改革推進法案」を成立さようとしている。五月二五日衆院厚生労働委員会で与党と日本維新の会が強行採決した。われわれは満腔の怒りをもってこの暴挙を弾劾する。「働き方改革推進法案」は労働者から搾れるだけ搾り取るための「改革」である。絶対に許してはならない。
 一方で安倍政権は加計疑獄事件・森友疑獄事件での嘘が露見しその基盤が揺らいでいる。政権としては国会を早期に閉会し問題の隠ぺいをはかりたいのだが、それでは「推進法案」を成立させることができない。明らかに矛盾を抱え込んでしまっている。今こそ安倍政権打倒を闘っていく時期である。
 韓国民衆―アジア人民の闘いに連帯し、激動の東アジア情勢の転換を切り拓いていこう。朝鮮半島において南北首脳会談が開催され、「板門店(パンムンジョム)宣言」が採択された。われわれはこの動きを支持する。
 歴史上初めての米朝首脳会談が行われようとしている。東アジア情勢は大転換の時期を迎えている。しかし安倍政権は朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)に対する「圧力」を声高に主張し、日米軍事同盟を強化しようとしている。それが朝鮮半島の平和と統一の阻害要因となっている。
 闘うアジア人民との具体的・実践的連帯を基盤に、安倍政権打倒を勝ち取ろう。沖縄人民の闘いに連帯し、辺野古新基地建設を阻止しよう。オスプレイ横田配備、イージス・アショア山口県配備阻止を闘っていこう!

  ●第1章 「働き方改革推進法案」衆議院採決強行弾劾

 安倍政権は五月二五日、衆議院厚生労働委員会において法案を強行採決した。「働き方改革推進法案は二五日、衆院厚生労働委員会で自民、公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決された」、「野党議員が、高鳥修一委員長(自民)を取り囲み怒号が飛び交う中、採決が行われた」(五月二六日毎日新聞)と報道されている。
 この委員会採決をうけ、五月三一日午後衆院本会議での法案採決が強行された。参院では六月四日に審議入りしている。
 この間、厚労相加藤勝信は安倍晋三以上の「はぐらかし答弁」で法案内容を深めることを拒絶し、わざと審議時間を浪費してきた。その挙句の強行採決など到底許すことはできない。
 労働法制をめぐって厚労省は誤ったままのデータを提出して問題になり、裁量労働制の拡大は今回の一括法案に入れることができなかった。こうした事態に対し、無制限の長時間労働を「合法化」しようとしてきた日帝ブルジョアジーの不満が増大した。安倍政権と厚労省はこの「失態」を巻き返そうと、「高度プロフェッショナル制度」を含んだ「働き方改革推進法案」を何が何でも今国会で押し通そうとしているのだ。
 「労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する」という趣旨で提出された「働き方改革推進法案」は、「雇用対策法」「労働基準法」などの計三六の法律に及ぶ。まさに戦後労働法制の総体を改悪する一括法案である。
 推進法案の一つであり雇用対策が目的の「雇用対策法」が、労働者の能力を評価し労働強化を目的とする法に改編される。それは労働者保護のための労働法制を生産力向上のための労働者支配法に改悪しようとするものである。
 また、これまで三六協定を結ぶことで残業が許されていたが、この法案では「労働基準法」を変えて残業時間の上限を規定するものとなっている。結果、現在過労死ラインと言われている残業時間を「例外上限」として「合法化」しようとしている。
 そして、年収一千万円以上の業務を対象に、休日・深夜労働の割り増し賃金等の規定を除外する「高度プロフェッショナル制度」であるが、この年収の上限は厚生労働省の省令でいつでも変えることができる。すなわち、法案がいったん成立すればあとは資本の思うがままに労働者を使うことができる。端的に言って、この法改悪の意味は「定額働かせ放題、残業代ゼロ法」に他ならない。
 さらに「同一労働同一賃金」と喧伝されている正規と非正規の格差是正であるが、実はこの法案のどこにも「同一労働同一賃金」とは書かれてはいない。確かに法案には「不合理な待遇の禁止」とは書かれているが、不合理化か否かを決めるのは使用者側であって、労働者は説明を求めることしかできない。あくまでも使用者側の論理からする「不合理な待遇」の問題なのだ。このような法案を成立させてはならない。戦後労働運動が勝ち取ってきた労働者の諸権利一切を清算せんとする攻撃である。
 加計疑獄・森友疑獄事件で安倍晋三の嘘と隠ぺいを覆す事実が明らかとなってきている。労働者人民の批判と追及を恐れる安倍は、国会会期を大幅に延長することができない。しかし一方で、「働き方改革推進法案」の成立は何としても強行しようとしている。こうしたジレンマゆえに安倍政権こそ追い詰められている。労働法制改悪を阻止し、安倍政権を打倒しよう。全国各地で闘っている仲間とともに、「働き方改革推進法案」成立阻止を闘おう。

  ●第2章 韓国民衆と連帯し、東アジアの新たな政治状況を

 米朝首脳会談が六月一二日シンガポールにおいて開催される運びとなった。あらためて、東アジアにおける政治状況が大きく転換していくことを確認しなければならない。
 一時は会談の開催も危ぶまれた状況であったが、韓国による再度の介入によって事態は持ち直した。金正恩(キムジョンウン)はトランプ宛に親書を送り、トランプは「最大限の圧力という言葉はもう使いたくない」とまで言い始めている。米朝首脳会談においては朝鮮戦争の休戦協定から平和協定への転換が焦点となるのは明らかだ。
 この米朝首脳会談に先立ち南北首脳会談が行われ、そこで「板門店宣言」が発表された。この宣言を機に南北の自主的平和統一の機運が一挙に高まった。われわれは朝鮮戦争の終結―平和の実現と南北自主的平和統一の歩みを断固支持する。韓国民衆と連帯し、国際共同行動を大胆に推し進めていこうではないか。
 朝鮮半島―東アジアの軍事状況・政治状況が大きく転換する時代にあって、日帝―安倍政権はこれに逆行する動きをしている。日帝―安倍政権はこの期に及んでもなお、日米軍事同盟―日米ガイドラインや戦争法に固執し改憲に向けて突き進もうとしているのだ。
 沖縄における辺野古新基地建設を沖縄人民の闘いを弾圧しながら強行している。日米安保を強化し米軍再編のために、米軍基地を沖縄に建設しようというのだ。
 そして在日米軍のオスプレイ配備を容認するばかりか、全国各地での反対にもかかわらず自衛隊オスプレイ配備を強行しようとしている。横田や木更津では地域住民による配備反対闘争が展開されている。
 また大陸間弾道ミサイル迎撃を目的とする地上配備型ミサイル防衛システム―イージス・アショアが山口県萩むつみ自衛隊演習場に配備されようとしている。西日本にミサイル防衛システムを配備するということは、それ自体が対共和国・対中国を想定した軍事挑発である。
 さらに日帝は、独自空母建設に本格的に乗り出そうとしている。「防衛省は二七日、海上自衛隊のヘリコプター搭載型護衛艦『いずも』にステルス戦闘機F35Bを搭載する『空母』化に関して、一定の改修によって発着艦や格納が可能だとする委託調査の報告書を公表した」、「『いずも』改修の検討を進める」(毎日新聞四月二八日)とあるように、空母建設に具体的に着手しようというのだ。もはや「専守防衛」などデマであり、日帝の目的が侵略反革命戦争に向けた軍事大国化であることは公然の事実だ。
 改憲も含めてこうした日米軍事一体化・軍事大国化は、東アジアの平和に対する敵対である。われわれは、朝鮮半島の南北自主的平和統一への流れを支持するとともに、東アジアの平和への転換を阻害する日米帝の軍事同盟、軍事政策、戦争計画を打破する闘いを推進していかなければならない。朝鮮半島の平和を前にして「米海兵隊が抑止力だ」などという根拠はなくなる。朝鮮戦争準備も、東アジアにおける基地建設も廃棄すべき時である。朝鮮人民―アジア人民との連帯にかけて、今こそ反戦闘争、反基地闘争を進めよう。
 そのためにアジア共同行動(AWC)日本連絡会議が主導する六月キャンペーンの成功を勝ち取ろう。アジア人民との具体的・実践的連帯を基軸とした反戦運動が今ほど求められている時代はない。われわれはAWC運動の前進をもってこの課題に応えていこう。東アジアの平和を勝ち取ろう!
 沖縄―岩国―京丹後―神奈川―横田を貫く反基地闘争を前進させよう。イージス・アショアの山口・萩への配備を許すな! 全国でオスプレイ配備阻止を闘おう! 国際主義を掲げて安倍政権打倒闘争に勝利しよう!



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