共産主義者同盟(統一委員会)


1525号(2018年5月5日) 政治主張






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 戦争重圧反対! 安倍打倒

 5月沖縄解放闘争に全国から立ち上がろう

 



 米空軍は二〇一九年に延期するとしていたオスプレイと特殊作戦部隊の横田基地配備を突如前倒しした。CV22は四月四日に横浜に陸揚げされ、五日には横田基地に飛来した。この突然の前倒しは三月一六日には米側から通報されていたにも関わらず、横田基地周辺自治体に対する通知はたった一日前の四月三日であった。日本政府は、CV22が事故率の高い機体だということに加え、最近特に繰り返されている米軍の事故に反発が強まるのを恐れて、三週間ものあいだ隠し続けていたのだ。横田基地周辺の住民の生活と生命はさらに侵害され、危険にさらされることとなる。また横田基地に配備されるものの、CV22の訓練自体は嘉手納基地で行われることが予想されており、沖縄の基地負担はさらに過重なものとなる。
 南北首脳会談から米朝首脳会談という朝鮮半島―東アジアの軍事情勢の歴史的転回のさなかにあっても、米帝、日帝は戦争準備を進めている。その極限的な攻撃が沖縄―辺野古新基地建設である。日本政府の基地建設強行のデタラメ具合はますますひどくなっている。例えば、建設予定地周辺にある専門学校の校舎が米軍の「建造物の高さ制限」を超えていることが判明しても、防衛局は「米側との調整で航空機の航行の安全を害しない」と例外扱いとして、工事を強行している。
 開始されたオスプレイの横田配備、さらには木更津暫定配備策動も戦争準備の一環である。南北朝鮮人民の自主的平和統一に向けた闘いに連帯し、沖縄―「本土」を貫いた反基地闘争、反戦闘争が改めて問われている。
 四月一四日未明、米帝トランプはイギリス・フランスとともに、シリア・アサド政権が化学兵器を使用したと断定、ミサイル攻撃を行なった。昨年四月のミサイル攻撃時と同様、化学兵器を誰が使用したのか確証もないまま、一方的決めつけによって今回の攻撃もなされた。繰り返される欺瞞的「制裁」を強く弾劾する。

 ●第1章 人民の怒りを集中し、安倍政権を打倒しよう

 安倍右翼反動政権が、その独裁ゆえに引き起こしてきた森友疑獄事件、加計疑獄事件は財務省の犯罪なのではなく、安倍右翼反動政権の権力犯罪である。安倍政権そのものに責任をとらせなくてはならない。
 四月九日のNHK報道をきっかけに、学校法人・加計学園の愛媛県今治市での獣医学部新設計画の問題が再燃した。二〇一五年四月二日に首相官邸などを訪れた愛媛県と今治市の担当職員に加計学園事務局長を加えた陳情団一行と、当時の首相秘書官や内閣府担当次長との面会記録が公表されたのだ。この愛媛県側が作成した文書によれば、加計学園の獣医学部新設について当時の柳瀬首相秘書官と面会し、柳瀬が「本件は首相案件」と発言。また内閣府担当次官(当時)藤原も「要請の内容は首相官邸から聞いている」などと発言していたという。これらの発言が事実なら、加計学園の獣医学部新設について、申請前の段階から首相官邸や内閣府が後押しをしたことが明らかとなり、「すべては一点の曇りもないプロセスで進んだ」という首相らの国会答弁は虚偽であったことになる。
 この陳情会見問題は、昨年夏に野党側が国会の閉会中審査などで繰り返し追及し、参考人として呼ばれた柳瀬が事実関係を認めなかったという経緯がある。しかも、首相はその後国会で「加計学園の獣医学部新設計画を知ったのは二〇一七年の一月二〇日」との答弁を繰り返しており、それより二年近く前に首相秘書官が愛媛県などに対し「首相案件」と発言していたとすれば、これらの首相の答弁も嘘偽りであったということだ。
 一旦は沈静化に成功したかに見えた森友学園問題についても、新たにごみ撤去費をめぐる「口裏合わせ」が発覚。理財局職員が二〇一七年二月二〇日に森友学園側の弁護士に電話で地下埋設物の撤去について虚偽の表現をする指示を出していたのだ。また、ゴミ撤去に関する学園の認識をまとめた文書も理財局が近畿財務局に依頼して作成し、学園側に示したものだったことが明らかとなった。
 一方、防衛省も四月上旬に、それまで国会で「不存在」と説明していた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が多くの部署で見つかった。この陸自日報隠蔽問題は、文民統制が機能しているのか否かという問題であるのだが、戦争法が存在し、自衛隊「合憲」の改憲が狙われる現在においては極めて重大である。
 国家安全保障会議を設置して戦争法を強引に成立させたところで、戦闘現場の正確な情報が防衛省官僚に隠蔽されているのでは、政府は軍事問題に関して何も機能しないことになる。政府(官邸)―防衛省が、このような隠蔽体質に凝り固まっている実態では、戦争そのものが権力者の利害や省(官僚)の利害で引き起こされていくことは必然である。この防衛省の実態ゆえに、改めて戦争法は廃止されなくてはならない。
 ここにきて、首相官邸と各省官僚の嘘と腐敗が噴出してきている。次々と出てくるデタラメさ加減には呆れ果てるばかりであるが、これこそが人民をだまし、あざむいて、権力・権益を私物化してきた安倍独裁政権の本性なのである。
 これに対する労働者・人民の怒りも高まっている。世論調査の内閣支持率は軒並み続落し、不支持率と逆転する事態になっている。連日国会前や首相官邸前、各都市の街頭で安倍政権退陣を求める抗議の行動が行なわれている。
 安倍政権は今は反省した振りをし、息を殺して、人々が忘れ、ほとぼりが冷めるのを待っているに過ぎない。そうやってほとぼりが冷めてしまえば、今回のような権力・権益の私物化がまたぞろ繰り返されることとなるだろう。それどころか味をしめて、「何をやっても逃げ切れる」と、懲罰人事や身内優遇を使って管制を強め、「圧力」と「忖度」によってやりたい放題の状態がますます深刻になっていくだろう。怒りを持続させ、「とかげの尻尾きり」、時間稼ぎの逃げ切りを許してはならない。
 首相や閣僚、官僚の各個人の資質の問題なのではない。そもそも官僚とは、時の権力者を補完する国家権力の一部であり、そのものなのである。そうであるならば、今回のように安倍や安倍の取り巻き達に忖度し、意向に沿うよう行動するのも彼らにしてみれば当然なのかもしれない。このような腐敗と不正を生み出す官僚機構そのものを問題とし、日帝ブルジョアジーによる権力機構を解体して、労働者・人民の手に奪い返していかなければならない。

  ●第2章 「働き方改革一括法案」閣議決定弾劾!

 安倍右翼反動政権は四月六日、「働き方改革一括法案」八法案を閣議決定した。政権と各省庁の権力犯罪が次々と明らかになる混乱の中で、安倍政権は自らの延命をかけ、さらなる強搾取のために今通常国会最大の重要法案として閣議決定したのだ。
 一括法案は、雇用対策法、労働基準法、労働時間等設定改善法、労働安全衛生法、じん肺法、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の八法案。
 安倍政権がこの一括法案で強行しようとしていることは、第一に、「高度プロフェッショナル制度」導入に明らかなように、過労死ラインを超える長時間労働を「合法化」しようとすることにある。これは、電通の過労自殺事件を不問にふすものである。
 また「同一労働同一賃金」を掲げているが、経営側が極端に「不合理な格差」と認めたものだけを是正するとしながら、実は格差を「合理的」とみなして「合法化」するものである。さらには「多様な就業形態」「雇用の流動化」を掲げて、資本に都合のよい形で非正規雇用、不安定雇用を拡大しようとするものだ。
 厚生労働省が提出したデータの改竄が発覚し、「裁量労働制の拡大」については取り下げざるを得なくなった。そもそもこれまでの審議の土台となったデータが、一部であっても改竄されていたことが明らかになったにも関わらず、調査のやり直しも、その報告も、それに基づく審議もなされないままに法案が一括で閣議決定され、国会に提出されるということ自体がめちゃくちゃである。さらに、今は年収制限などがある「高度プロフェッショナル制度」ということにして法案の通過を目論んでいるが、ひとたび成立してしまえば、年収制限は切り下げられ、対象は拡大されて、あらゆる労働者に対する「残業代ゼロ制度」となるだろうことは目に見えている。
 このようなブルジョアジーによるさらなる搾取と好き勝手な労働者の使い捨ての攻撃に対して、労働者自身の闘いが大きく巻き起こっている。これまでも「残業代ゼロ制度」導入を許さない粘り強い闘いが展開されてきたが、この「働き方改革一括法案」の閣議決定の当日には全労協などが組織する「権利春闘実行委員会」が法案反対の集会を開催し、デモを行った。また、ナショナルセンターの枠を超えて「働き方改革法案反対」の全国キャラバンが結成され、各地での闘いを広げる取り組みが行なわれている。
 当初予定していた法案成立までの日程からは、自らのデタラメな政権運営のために大幅に遅れているが、安倍政権は何としてもこの法案の国会会期末(六月二〇日)までの成立をもくろみ、国会審議を強行しようとしている。過労死、過労自殺を促進し、労働者の命を奪うこの「働き方改革一括法案」を、労働者・人民の闘いによって、安倍政権そのものとともに粉砕していこう。
 いまこそ、安倍政権打倒! 財務省・防衛省・厚労省解体! を掲げて闘い抜こう。




 

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