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1521号（2018年3月5日) 政治主張 |
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朝鮮戦争絶対阻止！ ３・18米大使館行動へ ４・１三里塚闘争に全国から結集しよう シリア・アフガニスタン・スーダンなど世界各地で戦火はやまない。またシオニストによるパレスチナ人民虐殺が続き、トランプ政権の米大使館エルサレム移転宣言が、それに拍車をかけている。米国株式市場でのリーマン・ショックを上回る下落（一一七五ドル安。約一二万円の下落）を引き金に東京東証一部の一〇七一円安をはじめとして世界の株式が同時に大暴落している。そうした中で、朝鮮半島情勢は大きく転換しつつある。戦争準備と搾取・収奪の極限化を目論む安倍政権を倒すのは今だ。 ●１章 朝鮮半島情勢の急転回 平昌（ピョンチャン）オリンピック開会式に朝鮮民主主義人民共和国（以下、共和国）が選手団・応援団・楽団とともに特使を含む政府代表団を送った。統一旗の下に南北の選手がハナ（一つ）になって行進し、合同チームが編成され、楽団の音楽が流れる中、共和国が文在寅（ムン・ジェイン）大統領に訪問を求める親書を渡した。韓国政府は「可能な条件が整えば」との条件付きながら積極的な反応を示した後、南北首脳会談は急がないと発表。だが韓国政府は、共和国へ送る特使の人選に入るとともに、南北首脳会談および米韓合同軍事演習に関する米帝との協議に入っているはずだ。 中国政府はこの一連の動きを歓迎し、首脳会談を決断するよう韓国政府に強く促している。 米帝はどうか。米韓合同軍事演習について、米韓は二～三月のオリンピック・パラリンピック期間中には行わないと合意した。しかし、駐韓米代理大使が四月に実施する予定と発言。この春の演習と夏の演習を一つにして実質的に縮小する案の可能性が報道される中、軍事演習は必ず実施するという意思の表明だ。 トランプは一般教書演説で共和国の脅威を煽り「核体制の見直し」（ＮＰＲ）では、①核の先制使用はある、②通常兵器の攻撃に対しても核を使用できる、③潜水艦から発射する小型核を導入するという核戦略の大転換を明示した。一九会計年度（一八年一〇月～）予算案では地上配備型迎撃ミサイル数増加、原潜二隻の新建造を入れるなど大軍拡路線を打ち出した。 五輪開会式には副大統領ペンスが出席したが、前夜の歓迎会を欠席。しかし、金与正（キム・ヨジョン）朝鮮労働党第一副部長らと極秘会談することで合意していた。米国の強硬姿勢を批判する共和国側の通知で直前に中止になったが、韓国も関与しつつ米朝が事前に接触を重ね、準首脳会談で合意し、その直前まで行ったのだ。帰国したペンスは「北との対話の可能性を否定しない」と語り、数日後、無条件の予備会談の可能性にまで言及した。閉会式にも両国ともに政府高官を派遣する。こうした米帝の動きは、「北が核を放棄しない限り話し合いには一切応じない」としてきた強硬方針の転換を意味する。 南北が首脳会談に向けて共に大きな一歩を踏み出し、中国がその動きを支持し、米帝までも米朝対話に向けて動いていることが分かった。朝鮮半島情勢は総じて、極度の軍事的緊張が続く中ではあるが、対話による解決の方向へ転回したのだ。 ●２章 「北の脅威」論にすがる安倍政権 日帝にとって最悪のシナリオは、南北首脳会談と米朝会談が開かれて自主的平和統一と朝鮮戦争休戦協定の平和条約への転換に向かう動きが本格化することだ。こうなると、その軍事外交方針にとって最大かつ唯一の根拠である「北の脅威」論が粉々に吹っ飛んで戦争法と改憲の必要性が消える。逆に、南北朝鮮人民にとってはもちろん、日本の労働者人民にとっても階級闘争の大きな前進につながる。 安倍は南・北・米の動きを察知して不参加予定の平昌五輪に急きょ乗り込み、金永南（キム・ヨンナム）最高人民会議常任委員会委員長には拉致問題を解決しろと求める一方的な「日朝対話」を強行した。文大統領には米韓合同軍事演習を五輪開催中に実施しろと要求して「内政干渉するな」と一喝された。それでも、帰国後トランプに電話をして同演習の必要性を滔々と訴えるしつこさだ。ＮＰＲを高く評価する外相河野も共和国との対話の可能性に言及した。右往左往する腰巾着外交の無様さが露呈した。 安倍政権は「北の脅威」をあおりつつ、戦争準備を実際に進めている。 ①安倍政権が先制攻撃も辞さないと公言した。②昨秋から冬にかけて戦争法に基づいて自衛隊の米軍機への「武器等防護の実施」が実施された。③海上自衛隊の艦艇が昨年末から国連安保理の対共和国制裁決議を履行するため朝鮮半島周辺の公海上で警戒監視に当たっている。④国・東京都・文京区の主催で弾道ミサイルの発射に備えた避難訓練を実施。?米国製の最新鋭ステルス戦闘機「Ｆ35Ａ」一機が航空自衛隊三沢基地に初めて配備された。⑥朝鮮半島全域が射程に入る戦闘機搭載型長距離巡航ミサイルの関連費を今年年度予算に盛り込んだ。⑦陸上配備型迎撃ミサイルシステムイージス・アショア導入関連経費を昨年度補正予算案に入れた。⑧護衛艦いずもを戦闘機Ｆ35Ｂが発着可能な空母に改修して日米共同運用する案を政府が検討中だ。 しかし、他方では米国のＳＭ３ミサイル迎撃実験が二度目の失敗に終わった。日本政府はそれでも買うという。また、陸上自衛隊ヘリが佐賀県の民家に墜落し隊員二名が死に、住民も死ぬところだった。これが「国防」の実際だ。 過剰訓練で疲弊しきっている米軍の軍事加害も深刻だ。昨年起きた在日米軍の航空機・ヘリの事故・トラブルは前年比一四件増の二五件に上った。今年に入って一月六日うるま市でヘリ不時着。八日読谷村でヘリ不時着。二三日名喜村で攻撃ヘリ不時着。二月九日うるま市でオスプレイ部品落下。二〇日米軍Ｆ16戦闘機が青森県の小川原湖に燃料タンクを投棄。五件中四件が沖縄だ。そして、一月一八日飛行中止を求めている普天間第二小学校の上空を米海兵隊ヘリ三機飛行。二月二三日にも米軍ヘリ一機の飛行が確認されている。 沖縄県議会は米軍普天間基地の即時運用停止などを求める抗議決議と意見書を一月と二月に全会一致で可決した。しかし安倍政権の内閣府・副大臣松本文明は「米軍ヘリ事故で何人死んだんだ」とヤジを飛ばして米軍をかばった。沖縄に対する「本土」の傲慢さと米国へのへつらいという骨髄まで染まった底なしの従属根性を象徴する醜さだ。 ●３章 過労死推進法案をつぶそう 日本政府が戦争準備とともに進めているのが労働者に対する搾取・収奪の極限化だ。「働き方改革一括法案」がそれだ。安倍は国会でこれに関し、「裁量労働制の労働者の労働時間が一般労働者より短いというデータもある」と答弁した数日後にこれを不適切として撤回した。厚労省のこのデータが嘘だったからだ。その後もにせデータが続出し雪だるま式に増加中だ。革命的左翼に詐欺罪を不当に適用する日帝国家権力こそ詐欺師集団であり「不適切な」存在だ。こんな政権は妥当する以外にない。ペテン師一党が嘘を元に作った法案を誰が認めるか。予算成立後の国会提出など言語道断だ。 資本家はさらに富み、労働者の生活と労働は悪くなった。日本の企業の内部留保は一二年度以降五年連続で過去最高を更新し、一六年度で総額約四〇兆円に上る。他方、労働者の実質賃金は一三年マイナス０・９％、一四年マイナス２・８％、一五年マイナス０・９％、一六年＋０・７％、一七年マイナス０・２％と減り続けている。労働者の約40％（二〇二三万人、一六年）が非正規雇用である。非正規雇用世帯の可処分所得は正規雇用世帯の約六割にすぎない（一七年）。相対的貧困率は15・６％で六人に一人が貧困状態だ。東京都内のネットカフェ難民は推定約四〇〇〇人だ。こうした中で、政府は、子育て世帯の四割近くの生活保護費が減る予算案を出した。 正規雇用労働者も過労死直前だ。例えば小学校教諭の約三割、中学校教諭の約六割が「過労死ライン」（週八〇時間残業）を強いられている。医療現場では時間外労働が月二百時間、三百時間まで可とする労使協定がある。 安部政権の悪政は労働分野にとどまらない。まずもって原発の再稼働と輸出だ。高浜原発三・四号機、川内原発一・二号機の四基がすでに稼働中だ。原子力規制委員会は現在までに七原発一四基が新規制基準に適合するとした。電力会社は三月に大飯原発三号機と玄海原発三号機、五月に双方の四号機を再稼働する予定で準備を進めている。日立製作所が英国で行う原発事業費用総額約三兆円の大部分を日本政府が実質負担する方針だ。福島原発事故を解決することもできないにもかかわらず、原発輸出を日本政府が全面的に支援し、推進しているのだ。他方で福島第一原発からは今も放射性物質が放出され、凍土壁は失敗して、汚染水もれが続いている。除染作業の除染袋からは汚染水が漏れ、避難している人々は切り捨てられている。 安倍政権は、一九年・二〇年天皇代替わり儀式への国民動員の中で、改憲を強行しようとしている。政府は、二〇ヵ国・地域（Ｇ20）首脳会合を来年大阪で開催する方針を決めた。来年六月下旬～七月上旬で調整中という。メーデーをつぶしての天皇代替わり、二〇年東京五輪と連続するイベントで人民をたぶらかして強搾取を受け入れさせ戦争に動員していこうとの狙いだ。 ●４章 反戦反基地・三里塚・反原発に起ち上がろう 最後に、ともに闘うことを呼びかける。 第一に、安倍政権の基地建設強行を絶対に許してはならない。名護市長選で稲嶺進候補が敗北し、安倍は辺野古新基地建設推進の意思を改めて明確にした。しかし、現場の闘いは続いている。これと結合して新基地建設強行を阻止しよう。 第二に、日本人民にとって歴史的な総括をかけたものとして朝鮮侵略反革命戦争を阻止しよう。安倍政権の戦争準備と改憲策動を打ち破り、日本政府を打ち倒そう。３・18米韓合同軍事演習の再開に反対する米大使館前緊急行動に全力で立ち上がろう。 第三に、４・１三里塚全国集会に結集しよう。反対同盟と連帯し、反戦の砦を守り抜こう。市東さんの土地を強奪する攻撃を粉砕しよう。 |
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