1519号(2018年2月5日) 政治主張 |
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朝鮮戦争阻止 改憲粉砕 18春闘勝利に向け闘おう 『戦旗』を基軸にして共産主義運動を進めよう 全国のたたかう仲間の皆さん、『戦旗』読者の皆さん。 一見しておわかりいただけるように、今号より『戦旗』は紙面を大幅に刷新します。革命派の武器として、これまで以上に実践的に「使える」機関紙とするための、改革の一環です。今後とも、機関紙『戦旗』への感想や意見、報告や原稿を寄せて下さるようお願いします。ともにこれからの『戦旗』と革命運動を作って行きましょう。 さて、皆さん。こんにちの私たちの喫緊の課題とは、何をおいても日米両帝国主義による朝鮮侵略反革命戦争攻撃と対決し、これを阻止することです。朝鮮民主主義人民共和国政府の核開発を、私たちは決して支持することも認めることもできません。が、核兵器を独占することで自分たちの支配を維持し、世界を恫喝し続けてきたアメリカ政府や核保有国に、それを批判できる資格などあるわけがないではありませんか。被爆者たちの核廃絶の思いに背を向け続け、独自の核保有の野望を隠そうともしない日本政府についても同様ではありませんか。安倍政権も今や、「話し合いよりも圧力を」と、戦争攻撃の先頭で世界に向けて旗を振り、年明けから開始された南北の高位級協議に対しても悪罵を投げかけ続けています。半島の自主平和統一を揺るがせにせず、たたかう韓国民衆とアジア人民との連帯の下、私たちはアジアにおける反帝国主義のたたかいを前進させ、米軍の撤退をかちとろうではありませんか。 ●1章 日米両帝国主義の朝鮮戦争重圧粉砕 二月九日の平昌(ピョンチャン)オリンピックの開会を前にして、年頭の一月九日、韓国と朝鮮民主主義人民共和国との高位級当局者協議が開始されました。二〇一五年一二月以来、二年ぶりのことです。続く一七日の次官級実務協議では、オリンピックに際して統一旗の下、南北の合同チームを結成して入場することや、共和国からの応援団が韓国入りすることも決まりました。 こうした動きに対してアメリカ帝国主義は、協議に先立つ一月四日、オリンピック・パラリンピック開会中の韓米合同軍事演習の「延期」には合意しました。しかし一方で、朝鮮戦争時の「国連軍」参加国を中心とした二〇カ国の外相による会合を、カナダ政府との共催で一月一七日に開催しました。共和国政府の核開発に対する軍事圧力に批判的で、外交努力を主張するロシアと中国とを排除して、「親米」国だけをバンクーバーに集めたというわけです。 会合に先立つ一六日の夕食会で、アメリカのマティス国防長官は「今回の外相会合でうまくいかなければ、次は防衛相会合だ」「米軍は準備をしており、北朝鮮(ママ)との作戦計画もある」と発言して前のめりの姿勢を見せつけました。そして会合は、「国際的な圧力キャンペーンの強化」をうたい、「非核化に向けた真摯な意思表示と具体的な行動が対話の前提」だとし、加えて昨年九月、一二月の国連安保理で決議された共和国への制裁以上の、「制裁逃れ」を阻むための「海上阻止行動」を、と「圧力強化」を宣言したのです。 ところで日本政府は、この会合に際して、アメリカ以上に戦争情勢を亢進させるべく立ち回ったのでした。そもそも外相河野は、今回の会合を呼びかけたのがトランプ政権内にあって「外交重視」だとされ、一時は共和国との「無条件対話」を口にした国務長官ティラーソンで、しかも共催のカナダのトルドー政権がもともと「対話志向」を鮮明にしていたことを警戒していました。それを牽制するべく、会合本番前に、外相フリーランドとの日加外相会談を、あるいは日米韓加の四カ国会談を設定し、執拗に日本に同調するよう迫っていました。そして河野は会合の場で、共和国と国交を有している国々を念頭に、「国交の断絶と北朝鮮労働者の送還」を呼びかける演説を行いました。先の安保理決議ですら、そうした措置に言及はしていないというのに、外相会合の場で「国交を断て」とまで呼びかけるとは、およそ外相としての職務放棄とすら言うべき暴言であり、他の外交当局からしても「余計なお世話」だというほかはないものでしょう。そして終了後にも河野は、「二度目の外相会合はない」と言い放っています。それは南北協議を経た韓国政府に対する牽制だとも、見るべきでしょう。 安倍政権が、現在の朝鮮半島情勢を、改憲の気運と戦争体制作りに最大限利用しようとしていることは間違いありません。それがたとえ、人民を実際の武力衝突や、戦争が勃発する危険にさらすのだとしても、です。 その意味で安倍政権は、南北両政権の融和の動きと、時折トランプ政権側から漏れ聞こえて来る「対話」「外交的解決」という声や動きを、実は何よりも警戒し恐れていると言っても過言ではありません。昨年の安保理決議にしても、関係国政府の外交努力を否定する内容では決してないし、また戦争を歓迎しない、回避するべきだという声が世界的に決して小さいものではないことも、意識せざるを得ないでしょう。そして、アメリカ帝国主義政府が、あくまでアメリカ一国にとってそれが好都合だと判断すれば、日本政府の「頭越し」に外交的に動く可能性についても、一九七一年の第一次ニクソンショック(訪中表明)で明らかなことです。「アメリカ第一」を標榜して当選したトランプ政権ならばなおさらだというものでしょう。アメリカにハシゴを外させないためにも、安倍政権はトランプ政権をも牽制し、「朝鮮半島危機」の火を世界中で煽り続けているのです。 カナダでの外相会合と同時期、安倍はバルト三国ほかのヨーロッパ六カ国を歴訪して、「北朝鮮のミサイルはヨーロッパも射程に入れている」などと煽って回りました。が、ブルガリアの首相からは「再度交渉のテーブルにつき、平和的解決を」と釘をさされています。 こんにち、己の政治的野望、宿願を果たすためだけに、アジア地域の平和を最もかく乱しているのは、ほかならぬ安倍政権なのだとすら言うべきです。決して許してはなりません。 ●2章 朝鮮戦争阻止―改憲阻止 安倍政権を打倒しよう! 先に記した情勢の下、二〇一八年年頭の私たちの課題の第一は何よりも、再びの朝鮮戦争を絶対に阻止することです。 私たちは、南北両政府がオリンピック開催を機に協議の場を持つに至ったことを、何をおいても歓迎するものです。そうでなくてはなりません。南北分断は南北朝鮮人民こそが第一の当事者なのであり、南北の統一は彼らの手でこそ成し遂げられるべき事業です。私たちは南北自主平和統一を目指す韓国民衆のたたかいを支持し、それと連帯することで、日米両帝国主義政府による朝鮮戦争攻撃を打ち破るのでなくてはなりません。 危機を煽り呼号する安倍政権のもくろみに、決して乗せられてはなりません。秋田と山口へのイージス・アショア配備計画、巡航ミサイル配備計画を阻止しましょう。また、福岡市や東京都など自治体を動員して行われようとしている、「ミサイル避難訓練」に反対しましょう。 あらゆる戦争とは戦争屋のためのものです。民衆の平和と安全のためなどにではなく、戦争でもうかる資本家や金持ちのためにこそ戦争が起こされるのだと暴露し、広範な反戦運動を巻き起こそうではありませんか。 第二に、朝鮮戦争重圧と一体の攻撃としてある、辺野古新基地の建設を阻止することです。 昨年来沖縄では、米軍機の事故や空中からの落下物が連続し、人々の憤激を呼び起こしています。一月一八日には、ヘリの窓枠が落下した普天間第二小学校上空を米軍ヘリが堂々と編隊飛行しました。落下事故以降続いていた運動場の使用を再開するべく、児童が避難訓練を行ったまさにその直後のことで、防衛相・小野寺や官房長官・菅でさえ、「抗議」を口にせねばならない事態でした。在沖米海兵隊は、「小学校上空を飛行した事実はない」と居直っています。 一連の事態の背景には、そもそも沖縄民衆を見下した、もとからの米軍の占領者意識、帝国主義軍隊としての体質があることはいうまでもありません。しかしそれに加えて、落下物や事故の多発について言えば、朝鮮半島情勢を受けた戦争準備で日常の訓練の強度が上がり、整備や安全確認が追いつかないほどの、現場の兵士たちの疲弊が背景にあるのだと見るべきでしょう。戦争の準備それ自体が、民衆を危険にさらさずにはおかないのだということを改めて怒りとともに確認しようではありませんか。 加えて、二月の名護市長選挙における稲嶺候補の勝利を絶対にかちとることです。対立候補陣営は、辺野古移設の是非に言及しないまま「海兵隊の国外・県外移転要求」を掲げて選挙に臨もうとしていますが、海兵隊がいらないのならばそもそも普天間飛行場も辺野古新基地も必要ないはずではありませんか! このような卑劣で、論理的にも全く破綻し切った「辺野古隠し」を絶対に許すわけにはいきません。全国からの応援の下、絶対に稲嶺候補の勝利をかちとりましょう。全国からキャンプ・シュワブゲート前に駆けつけ、島ぐるみのたたかいと連帯して、辺野古の新基地建設を阻止しようではありませんか。 第三に、安倍による九条改憲発議を許さず、改憲を阻止することです。 これまで述べてきたように、安倍は朝鮮半島情勢を、己の政治的野望=改憲のために徹底的に利用しようとしています。安倍が狙っていると言われる「九条第三項の新設」=「自衛隊の明記」で、九条の条文と自衛隊の存在との矛盾は、解消などまるでされません。にもかかわらず何ごとか解決に至るかのように強弁する姿に、何より憲法を軽視する安倍の本音、本性があらわになっています。安倍改憲を批判し、発議を阻止するたたかいを各地で作り出しましょう。 第四に、安倍政権による「働き方改革」を阻止することです。安倍は一月二二日よりの通常国会に、「働き方改革」関連法案を上程する構えです。人民の生活を破壊しないではおかない「働き方改革」など、認めてはなりません。 あらゆる職場、あらゆる生活の場から、安倍政権を打倒する声を上げ、たたかいを前進させましょう。 |
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