共産主義者同盟(統一委員会)


1515号(2017年11月20日) 政治主張






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  安倍―トランプの戦争会談弾劾!

 朝鮮戦争阻止!11・25―26岩国行動へ

  米軍はアジアから総撤収せよ

  大飯原発を再稼働するな!



 
 10・22解散総選挙の結果は自公勢力が衆院の三分の二以上の議席を占める結果となった。小池百合子都知事が率いる希望の党は後退し、急遽結成された立憲民主党(枝野幸男代表)が社民党や共産党との三野党共闘によって多少議席を伸ばしたものの、国会内における力関係では護憲勢力は不利な状態に置かれている。院内勢力の流動化と進展を見極めながら、安倍政権は九条改憲を柱とした改憲発議を具体的な政治日程にあげてくるだろう。労働法制の改悪など総選挙によって流れた臨時国会で成立させようとしていた立法の審議にも入ってくる。
 そうした情況のなかで、十一月二十五―二十六日に2017岩国行動が岩国基地の地元である山口県岩国市で開催される。岩国行動は全国各地から反戦平和の課題に取り組む労働組合、地域で軍事基地に反対する市民、韓国などからの海外ゲストが一堂に会して集会やデモ行進を取り組む。共産主義者同盟(統一委員会)は2017岩国行動を全党をあげて支持・支援する。様々な困難を跳ね返して不屈にたたかい続けている岩国市民と連帯し、二日間の行動を成功させよう。

  ●第1章

  「単独過半数」で戦争と改憲に突き進む安倍自公政権


 第四十八回衆院総選挙は、「モリカケ疑獄」への追及に追い詰められた安倍晋三が自ら血路を開くべく仕掛けてきた解散劇だった。突如の解散と野党分断によって、自民党の総得票数は25%以下であるにもかかわらず、自民党が過半数の議席を獲得し、さらに自公で衆議院の三の二を占めるという構成になった。数の力におごり、野党の質問時間制限を画策し、国会軽視の批判が非常に強まっている。
 森友学園、加計学園をめぐる国家権力の私物化というべき安倍晋三・明恵夫妻と官邸による国家犯罪の追及を逃れる手段として、同時に不意打ちで野党を分断して独裁的に戦争と改憲を進める体制を固める攻撃として、安倍政権が仕組んだ今回の総選挙そのものを許してはならない。
 安倍政権の狡猾な政治手法とともに、一方では戦争法と改憲を公然と掲げた極右反動の小池百合子らが希望の党を立ち上げ、四野党共闘を分断・解体する攻撃をかけたことが、今回の選挙のもう一つの特徴である。
 多くの有権者の投票行動は、希望の党や維新の会には向かわなかった。戦争法廃止、改憲阻止を掲げた野党共闘、とりわけ小池の分断攻撃をもろに受けた民進党から生まれた立憲民主党を選択した。しかし、野党共闘にすべてが集約されたわけではない。安倍政権の戦争法、共謀罪新設、そして「働き方改革」という名の労働者権利解体攻撃に対して、労働者民衆の怒りはうずまいている。それは、ブルジョア議会選挙の投票行動でおさまるものではないはずだ。戦争法廃止、朝鮮戦争阻止、改憲阻止の直接行動こそが今一度大きく問われてくる。強まる安倍独裁を打ち破るたたかいをともに進めていこう。

  ●第2章

  安倍、トランプによる朝鮮戦争重圧弾劾!


 十一月三日、トランプ米大統領はハワイ(アメリカ太平洋軍訪問とアリゾナ記念館訪問)とアジア五か国歴訪に出発した。最初にハワイを訪問し、日米首脳会談と安倍首相とのゴルフ(日本五日~七日)、韓米首脳会談と韓国国会での演説(韓国七日~八日)、中米首脳会談(中国八日~十日)、APEC首脳会談(ベトナム十日~十二日)、米ASEAN首脳会談と東アジアサミット(フィリピン十二日~十四日)という二週間弱のスケジュールだ。「米国第一主義」を掲げたアジア・太平洋地域での二国間協定づくりのほか、日・韓・中との首脳会談を大きく位置付けている。
 トランプは大統領就任以来、朝鮮民主主義人民共和国(以下「共和国」と表記)に対して「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と軍事行動を示唆しつつ恫喝外交を繰り広げている。朝鮮労働党の金正恩委員長を「小さなロケットマン」などと揶揄して挑発し、九月の国連演説では「自国と同盟国の安全を保障するためには北朝鮮をせん滅しなければならない」と「警告」してみせた。今回の東アジア歴訪では、日本の拉致被害者家族との面会や韓国に駐留する米軍基地訪問、対共和国の韓国国会演説などが予定されている。また、中国での習近平国家主席との会談では、共和国への経済制裁のさらなる協力を求めようとしている。共和国と国境を接し、最大の貿易相手国である中国に「最大限の制裁圧力」を求めるというのだ。さらに、共和国との外交・経済関係を維持する東南アジア諸国政府に対しても、同様の「協力」を強要していくという。
 十一月トランプ来日を前に、十月下旬から東京の主要駅には機動隊や私服警察が徘徊するようになり、都心部には検問所が設置されて戒厳令的な警備態勢が敷かれている。警視庁と埼玉県警で二万名規模の警備態勢を組んでいる。これは米大統領の単独来日としては過去二十年で最大規模のものだ。トランプと天皇・皇后との会見も予定されている。こうした準戦時体制・戒厳令的警備態勢は天皇代替わりや安倍の改憲策動、東京オリンピックの過程でも進められるだろう。家宅捜索や微罪デッチ上げ弾圧などを絶対に許してはならない。

  ▼朝鮮戦争阻止

 トランプ米大統領の十一月アジア歴訪の意図をみてきたが、今、とりわけトランプ政権発足以降、朝鮮半島と東アジアにおける戦争の危機を高めている主要因は米帝―トランプである。これは紛れもない事実だ。
 そして、それに追従している安倍政権だ。これら東アジアの戦争放火者に対して、「朝鮮戦争絶対反対」の大衆的反戦闘争を展開していこう。
 八月二十九日と九月十五日に共和国が実験ロケットを発射した際、日本政府は早朝からJアラートを鳴らし、共和国による対日ミサイル攻撃が迫っているかのような「大本営発表」を垂れ流し、大メディアもほとんど無批判に危機を報道した。共和国による実験ロケット発射の目的はなんだったのかといえば、八月は金正恩の斬首作戦を含む米韓合同軍事演習(乙支フリーダムガーディアン)に対する、九月は国連安保理決議に対するリアクションであった。これらは共和国への先制攻撃と体制変更を目的とした軍事演習であり、安保理核保有五大国を中心にしてつくられる「国際社会」による共和国包囲宣言であった。共和国は八月中旬の時点ではグアム沖への実験ロケット発射計画を凍結し様子をみていたが、トランプ政権の戦争重圧攻撃が相次いだことに対して「火に油を注ぐことになる」と猛反発していた。
 日本政府が現代版・空襲警報であるJアラートを使って臨戦態勢を演出した実験ロケットの最大高度は五百キロだという。航空機が運航するのは普通高度十キロほどで、一般的に「領空」というのは飛行機で飛行可能な成層圏までで高度五十キロである。宇宙ステーションが四百キロだから、共和国の実験ロケットは日本の上空=領空ではなく宇宙空間を飛翔したことになる。しかも、襟裳岬から二千キロ以上離れたはるか東方のEEZ(排他的経済水域)ですらない公海上に着水したのだった。通常、他国の人工衛星が日本のはるか上空の宇宙空間を通過したことを領空侵犯とは言わないはずだ。
 これらの件と同時期に米軍の欠陥機・オスプレイが岩国基地を飛び立ち大分空港に不時着し(八月二十九日)、米海兵隊の大型輸送ヘリが沖縄・高江の民有牧草地で墜落・炎上事故を起こし(十月十一日)土地を所有する農家は営農と生活に大打撃を受けた。多くの人々にとってはこちらの米軍事故の方が、はるかに現実的な「今ここにある危機」なのだ。
 ちなみに、日本政府は総選挙が告示された十月十日早朝に種子島宇宙センターからスパイ衛星「みちびき四号」を発射し、打ち上げに成功している。「みちびき四号」は宮古島の準天候衛星システムレーダーと連動し、対艦・対空・対ミサイルに活用可能なものだ。東中国海での「島嶼防衛戦」を念頭に置いたものとして暴露・弾劾されなければならない。
 「気分は戦争」の安倍政権はこの事態を奇貨として、戦争煽動を進めてきた。一歩間違えば偶発的な局地戦に発展しかねない緊張をつくりだしている安倍の責任は重い。日本の植民地支配から解放された朝鮮半島での不幸な内戦から始まった朝鮮戦争は一九五〇年から現在まで継続中だ。共和国の「挑戦」は米朝の間で現在休戦中とはいえ、米帝を中心とした核保有五大国による世界支配に向けられたものだ。その根本を問題にしなければ、「北朝鮮の核放棄」「朝鮮半島の非核化」を訴えても無力である。反米闘争として反戦闘争をたたかわなくてはならない。
 東アジアから米軍を撤退させ、朝鮮戦争の停戦協定を平和協定に転換させよう。朝鮮半島の自主的平和統一を支持し、朝鮮戦争絶対阻止―米軍基地撤去、戦争法廃止、改憲阻止をはっきりと掲げた政治闘争で安倍政権と対決していこう。

  ●第3章

  岩国基地強化反対!2017岩国行動へ


 二〇一五日米ガイドラインと戦争法の下での朝鮮戦争強行を阻止する具体的攻防は、軍事基地と米軍や自衛隊などの軍隊に対するたたかいである。沖縄・辺野古の新基地建設阻止、岩国基地の強化阻止を、反戦闘争の最重要の環としてたたかおう。
 ソマリア沖での海賊対処を目的に自衛隊がアフリカのジブチ共和国内に基地=海外拠点を設置した。きわめて不平等な日ジブチ地位協定のもとで駐留する自衛隊が、ジブチ基地の労働者がたたかう解雇撤回争議の「警備」を要請され、装甲車と銃で争議を威嚇したことも明らかになった。防衛省は事実を否定し、「ジブチ政府に配慮」して事実確認を拒否している。真相が解明されなくてはならないが、自衛隊が海外で労働者民衆に銃口をむける軍隊へと変貌している様子を示す事態だ。帝国主義による侵略反革命戦争に反対するたたかいの重大な攻防としての九条改憲阻止闘争の意味を確認していこう。
 日米政府は今年二〇一七年を岩国基地の大強化が完成する年として位置づけてきた。空母艦載機やF35ステレス戦闘機が配備され、岩国基地が極東最大の空軍基地として、朝鮮半島に最も近い侵略出撃拠点として機能強化されてきた。住民をだまして建設された米軍住宅も完成に向かい一万名規模の米兵が移駐しようとしている。十一月全国から岩国へ! アジア共同行動日本連と岩国・労働者反戦交流集会実行委が呼びかける2017岩国行動に全国から結集しよう。岩国市民とともに2017岩国行動を成功させよう。



 

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