共産主義者同盟(統一委員会)


1489号(2016年9月20日) 政治主張






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  派兵―改憲、弾圧強化に突き進む安倍政権打倒

 農地死守! 10・9三里塚へ

 沖縄防衛局と機動隊は高江・辺野古から撤収せよ!

  




 高江ヘリパッド建設工事の暴力的再開、辺野古新基地建設再開の攻撃は、安倍右翼反動政権による全体重をかけた「沖縄つぶし」だ。
 全国から高江現地に駆け付け、高江N1裏テントをめぐる攻防に勝利しよう。
 八月二十一日未明に、経産省前脱原発テントの強制撤去が強行された。徹底弾劾する。
 危険な伊方原発三号機の再稼働をはじめ、電力資本の金もうけと、核武装能力の保持のための原発再稼働を阻止しよう。
 安倍政権は九月二十六日召集の臨時国会で、「共謀罪」を「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を変えて上程しようとしている。戦時司法への転換をはかるものだ。「共謀罪」新設を阻止しよう。
 反対同盟の呼びかけに応え、10・9三里塚全国総決起集会に結集したたかおう。市東さんの農地法決戦に勝利しよう。

 ●第1章 高江ヘリパッド暴力工事阻止

 ▼1章―1節 高江N1裏テントを守り抜け


 安倍政権は参院選直後の七月十一日より、高江ヘリパッド工事を暴力的に再開した。
 米海兵隊撤退、全基地撤去を掲げた沖縄人民の民意は、本年七月の参院選で、現職大臣である島尻安伊子に、伊波洋一さんが大差をつけて当選したことで改めて示された。安倍政権はこれに対する報復のように、九年間にわたって中止されていた高江オスプレイパッド建設工事を再開した。
 政府による米軍基地建設攻撃は、ブルジョア法すら投げ捨てた、むき出しの国家暴力による「沖縄潰し」(山城博治氏)との全面的対決という局面に突入したのである。
 国政・「県」政・市政とこの間のすべての議会選挙において、沖縄人民の新基地建設絶対反対の民意は明らかになった。これを無視し、国家暴力の発動によって労働者階級人民のたたかいを押しつぶす攻撃こそが、改憲・戦争体制づくりを進める安倍政権の本質だ。
 十七日からは、沖縄「県」警に加え、警視庁、千葉県警、神奈川県警、大阪府警、福岡県警から五百名以上の機動隊が増援され、N1前テント撤去実力阻止をたたかう住民や支援者に対して暴力的排除を行っている。
 七月二十二日未明には、N1前テントや物資を「所有権を放棄した」と決め付け、抗議する人民を機動隊が暴力的に排除したうえで撤去した。
 さらには、五月に発生した元米海兵隊による女性強姦殺害事件を受けて、安倍政権が「再発防止策」として編成した「沖縄・地域安全パトロール隊」警備要員が、高江ヘリパッド建設阻止行動への警備要員に充てられているのだ。
 八月の工事休止期間をはさみ、八月十九日より高江での現地攻防は再開された。
 現在もヘリパッドへとつづく工事用道路建設を強行する沖縄防衛局に対して、機動隊の護衛つきダンプによる砂利搬入に対して、身体を張った実力抵抗闘争が、でっち上げ逮捕や機動隊の暴力的排除をはねのけて繰り広げられている。全国から高江現地へと決起し、現地攻防を共にたたかおう。

 ▼1章―2節 辺野古新基地建設再開強行を許すな!

 安倍政権は七月二十二日、辺野古埋め立て承認取り消しの是正指示に応じない翁長知事に対して「違法確認訴訟」を提訴するという暴挙に出てきた。
 本年三月に福岡高裁那覇支部で、工事中止を含む「和解」が成立した。六月に総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」は、埋め立て承認取り消しの是非には触れず、「国と地方が真摯に協議し、納得できる結果を導き出す努力をすることが、問題解決に向けての最善の道だ」との見解を示した。
 翁長知事はこれに基づいて政府に協議を再三申し入れてきたが、政府はこれに応じず、協議のための作業部会は一度しか開かれなかった。政府の「辺野古新基地建設ありき」の姿勢は何も変わっていないということだ。
 この裁判を担当する多見谷裁判長は、三里塚芝山連合空港反対同盟の「用地内」農民・市東孝雄さんに対して、農地強奪を認める判決を下した反動裁判官だ。
 八月五日の「違法確認訴訟」第一回口頭弁論において、多見谷裁判長は、国側の訴状のみで「争点整理」を作成した。そして「充実した審理」を求めた翁長知事の陳述を無視し、稲嶺進名護市長ら八人の証人申請を却下し、八月十九日結審、九月十六日判決日を言い渡したのである。沖縄人民の総意としてなされた翁長知事の「埋め立て承認取り消し」判断を認めず、拙速に判決を出してむりやり国に従わせようとしているのだ。
 正義・大義は沖縄人民のたたかいにこそある。いかなる反動判決が出されようとも、辺野古現地での実力抵抗闘争をさらに拡大させ、新基地建設を絶対に阻止していこうではないか。

 ▼1章―3節 高江・辺野古決戦を全力で闘いぬこう

 今秋期全人民は「海兵隊撤退」「全基地撤去」を鮮明にかかげた沖縄人民のたたかいと結合し、高江オスプレイパッド建設阻止、辺野古新基地建設阻止に全力で決起しよう。
 沖縄人民の総意である「海兵隊撤退」「全基地撤去」は、差別軍事支配を続ける日帝―政府に対する、沖縄人民の自己解放をかけた決起であり、絶対に譲れない非妥協的な要求だ。この沖縄人民の「島ぐるみ」の渾身の決起こそが、国会内での「数の論理」で戦争国家化を推し進める安倍政権の前に敢然と立ちはだかっている。
 「オール沖縄」へと発展した沖縄人民の不屈非妥協の実力抵抗闘争は、ついに安倍政権の欺瞞的「ブルジョア民主主義」的ポーズをもかなぐり捨てた暴力的基地建設強行という反革命を引き出したのだ。
 安倍政権は追いつめられ、もはや暴力的手段しか打つ手が無くなっているのである。
 この沖縄人民の島ぐるみの不退転のたたかいに応えることは、「本土」労働者階級人民の階級的責務だ。沖縄人民の不屈の抵抗闘争に応え、高江・辺野古現地に決起し、大衆的直接行動でたたかいぬこう。全国で高江オスプレイパッド建設阻止・辺野古新基地建設阻止のたたかいを巻き起こそう。

 ●第2章 伊方原発再稼働弾劾! 全原発を停止せよ!

 ▼2章―1節 伊方原発再稼働強行を弾劾する


 四国電力は八月十二日午前九時、伊方原発三号機の再稼働を強行した。十三日には臨界に達し、十五日には発電、送電を開始した。われわれはこの暴挙を絶対に許すことはできない。全原発を停止し廃炉に追い込むまでたたかいぬこう。
 伊方原発の直近海域北側には、国内最大級の活断層である中央構造線断層帯があり、南側には大規模地震の発生源である南海トラフがある。この位置関係からも、伊方原発が極めて危険な立地条件にあることは明白であり、即刻停止し廃炉にすべきなのだ。
 四月に発生した熊本大地震は、熊本から中央構造線断層帯に沿う形で、大分県にまで地震が連動・拡大していった。この先の海域(豊後水道)を挟んだ中央構造線の延長線上に伊方原発は位置している。現在のところ大分県別府付近で震源は止まっているが、中央構造線活断層の活動は活発化しており、これに沿った地域での大地震発生の可能性は高まっているといえる。
 伊方原発は細長い佐田岬半島の付け根にあり、ひとたび原発事故が起これば原発以西の住民五千名の逃げ場は無い。事故の際の避難経路として進められている道路は未完成であり、住民避難計画がいう「船での避難」などは住民の誰もが疑問視する「机上の空論」にしか過ぎない。あるのは「世界最高の安全基準」という根拠の無い新たな「原発安全神話」だけだ。
 さらに再稼働を強行した伊方原発三号機は、プルトニウム・ウラン混合物(MOX)燃料によるプルサーマル発電である。プルトニウムの放射能被害(毒性)はウランのそれに比べてはるかに強いものであり、原発事故が起これば被曝の被害は甚大なものになる。
 そして、中央構造線の活断層もしくは、南海トラフを震源とする大地震が発生し、伊方原発が崩壊すれば、内海に位置するこの一帯は取り返しのつかない被害を長期間受けることになるのだ。
 原発立地周辺住民の生命を軽視し、電力独占資本の金もうけのために、このような危険極まりない原発を再稼働させることなど絶対に認められない。必ずや、停止―廃炉に追い込んでいかなければならない。

 ▼2章―2節 日帝の核武装化阻止、すべての原発を廃炉に

 第三次安倍再改造内閣で経済産業相となった世耕弘成は、伊方原発三号機の再稼働について、「プルサーマルの推進、核燃料サイクルの推進という観点からも非常に意義がある」という談話を出した。プルサーマル計画とは日本が帝国主義としてプルトニウムを所持し続けて核武装を準備するためのものなのだ。
 労働者人民の生活からみても、再稼働を強行しなければならない理由などないことははっきりしている。八月上旬は年間で最も気温が高く冷房の使用は増える。それに加え夏期休暇前に工場生産が盛んになり、電力消費が年間で最も多くなる時期だ。今年は全国的に気温が三十五度を超える猛暑日が多かったが、電力使用率が97%を超える「電力ピーク」となった日は一日も無かったのだ。原発なしでも「電力危機」など発生しないのだ。電力各社がいう「電力の安定供給のために原発が必要」という理屈がなんら説得力を持たないデタラメであることは明らかである。
 世耕の意図は、核開発の継続・推進であり、核武装の基盤を確保しておくということに他ならない。
 安倍首相はオバマ米大統領が検討している核兵器の先制不使用に対して「北朝鮮に対する抑止力が弱体化する」ことを理由に反対の意志を表明した。
 安倍首相は五月のオバマ広島訪問の際には「核兵器のない世界を必ず実現する」などと心にもない表明をしているが、実際には朝鮮民主主義人民共和国への核兵器を用いた先制攻撃を主張する確信的な核武装論者なのである。
 日帝の核武装化推進のための伊方原発三号機再稼働を弾劾し、全原発の廃炉のためにたたかいぬいていこう。
 ▼2章―3節 経産省前テント急襲―破壊弾劾!

 八月二十一日午前三時四十分頃、周辺の地下鉄出口三か所と周辺道路をバリケードで封鎖した上で、多数の制服・私服警察官やガードマンに守られながら、東京地裁の執行官が脱原発テントひろば(以下「テントひろば」)を急襲した。そしてテントに泊まっていたメンバーに対して、「十分以内の退去」を一方的に通告し、テントの強制撤去を強行したのだ。撤去されるべきはテントではなく原発の方であり、われわれは安倍政権によるこの暴挙を徹底的に弾劾する。
 テントひろばは、東日本大震災発生から半年後の二〇一一年九月十一日に、経産省ののど元に突き刺さる形で電撃的に建設された。この政府中枢を空間的に占拠しつづける直接行動戦術は、関西電力大飯原発再稼働阻止闘争でのゲート前占拠、九州電力本店前テントひろば、川内原発前テントなど全国各地の原発再稼働阻止のたたかいへと引き継がれ拡がっていった。
 テントひろばは、約五年にわたって反原発運動の精神的・物理的な拠点として存在し続けてきた。テントが強制撤去された後も、跡地への座り込み・抗議活動は毎日継続されている。九月十一日には、テントひろば呼びかけの「脱原発9・11怒りのフェスティバル」が開催され、経産省包囲ヒューマンチェーンが多くの人民の結集で取り組まれた。テントひろばは物理的には撤去されたが、そのたたかいは形を変えて継続されているのだ。われわれはこのたたかいを断固支持し、全原発の停止―廃炉を実現するまで、共にたたかい続けていこう。

 ●第3章 戦争・改憲攻撃に突き進む安倍右翼反動政権を打倒せよ

 ▼3章―1節 戦争法発動阻止、改憲攻撃と闘いぬこう


 安倍政権は、敗戦帝国主義としての制約を取り払い、米帝など帝国主義諸列強とともに「対テロ」戦争や、朝鮮侵略反革命戦争に参戦するために、七月参院選でつくり出された「改憲勢力三分の二」という政治状況の中、戦争法発動、改憲へと歩を進めようとしている。
 昨年九月の国会闘争を頂点とした戦争法案成立阻止闘争は、安倍政権を窮地へと追いこんだ。改憲阻止闘争の過程において、これを数倍・数十倍も上回る労働者階級人民の大衆的直接行動を巻き起こし、安倍右翼反動政権を打倒しよう。プロレタリア国際主義の旗のもと、日帝の「対テロ」戦争・朝鮮侵略反革命戦争参戦を阻止していこう。

 ▼3章―2節 南スーダン「駆け付け警護」派兵許すな

 本年七月より、南スーダンにおいてキール大統領派とマシャル前副大統領派の武力衝突が激化している。戦闘は国連の敷地にまで及び、中国のPKO隊員、国連職員の各二名が死亡している。
 国連安全保障理事会は八月十二日、南スーダンPKOについて、強い権限を持つ「地域防護部隊」四千人を追加派遣する決議案を採択した。「地域防護部隊」は、武力行使に踏み切る権限を認められた部隊である。
 現在、南スーダンには三百五十人の陸上自衛隊員が派遣されている。今後南スーダンPKOが「地域防護部隊」として武力行使に踏み込んでいくならば、内戦はさらに泥沼的に激化することは必至だ。
 自衛隊がPKOに参加する条件であったはずの、紛争当事者間の停戦合意の成立など「PKO五原則」はすでに破られており、自衛隊は即刻撤兵すべき事態のはずである。
 にもかかわらず、日本政府は「停戦合意は破られていない」(菅官房長官)と強弁し続け、さらには十一月に派遣される陸上自衛隊の交替部隊に「駆け付け警護」やPKO参加各国との宿営地の共同防衛などの、戦争法発動下での新たな任務を付与しようとしているのだ。
 九月中旬からは南スーダン派遣準備訓練の一環として、次期に派遣予定の陸自第九師団第五普通科連隊(青森市)主体の部隊に、抵抗する「暴徒」を武器で威嚇し制圧する訓練が実施される。すでに自衛隊の内部文書では、自衛隊員の戦死者が想定されていることが明らかとなっている。
 十一月の南スーダン自衛隊派兵は、自衛隊を他国の人民を殺戮する軍隊へと転換させようとする狙いを持ったものだ。南スーダンへの自衛隊派兵阻止、戦争法発動阻止のたたかいを巻き起こしていこう。

 ▼3章―3節 10・9三里塚全国集会へ

 「用地内」反対同盟農民の市東孝雄さんに対する農地強奪攻撃が、政府・空港会社―司法権力一体となってかけられている。反対同盟は五十年におよび空港絶対反対、農地死守―実力闘争、一切の話し合い拒否の原則をかかげて、悪らつな空港建設と非妥協的にたたかい続けてきた。三里塚闘争は、反原発闘争をたたかう福島や、米軍基地建設とたたかう沖縄と結びつきながら、安倍右翼反動政権と実力で対決する反帝闘争の拠点としてうち固められている。
 九月七日には、二万筆を超える市東さんの農地取り上げ反対署名提出行動と、最高裁包囲デモが反対同盟を先頭として多くの結集によって断固としてたたかいぬかれた。
 農地法決戦に勝利し、市東さんの農地を守り抜こう。反対同盟の呼びかける10・9全国総決起集会に全国から結集しよう。

 ▼3章―4節 共謀罪国会上程阻止

 安倍政権は、戦時司法への全面的な転換のため、特定秘密保護法制定強行、刑事訴訟法の改悪(盗聴法改悪と司法取引導入)に続いて、その総仕上げともいうべき共謀罪(「テロ等組織犯罪準備罪」)を九月召集の臨時国会に提出しようとしている。
 共謀罪は複数の人が犯罪を話し合い合意しただけで罪に問えるという、現代の治安維持法というべき法律であり、小泉政権時に三度国会に提出されたが、人民の反対闘争の前にいずれも廃案となってきたものだ。
 今度は、二〇二〇年東京オリンピックでの「テロ対策」を口実に、処罰対象を「テロ対策」に限定しているような体裁を取っているが、罪の構成要件は何ら変わっておらず、いくらでも拡大解釈可能だ。
 共謀罪が適用される対象犯罪は、これまで提出された法案と同様に「四年以上の懲役・禁固刑が定められている犯罪」であり、その範囲は六百以上に及んでいる。
 特定秘密保護法、盗聴法の改悪、司法取引導入と、この共謀罪が一体となって、反戦、反基地運動や労働組合運動など、あらゆる労働者人民の運動を常時監視し、弾圧する体制が作られようとしている。
 戦時司法への全面的な転換をはかる共謀罪=「テロ等組織犯罪準備罪」の今国会上程を絶対に阻止していかなければならない。
 今秋期、反基地闘争、派兵阻止闘争を軸とした反帝闘争を全力でたたかいぬき、安倍右翼反動政権と総対決していこう。ともにたたかい抜こう。



 

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