1478号(2016年3月20日) 政治主張 |
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辺野古新基地工事中止から建設撤回へ 改憲阻止! 安倍政権打倒 反帝国際主義派の学生運動創出を 共産主義青年同盟(学生班協議会) 全国の学生のみなさん。二〇一六年新歓期にあたって、共産主義青年同盟(学生班協議会)からアピールします。 昨年九月十九日、安倍右翼反動政権は過半数以上の反対世論があるにもかかわらず、戦争法案(安保関連一括法案)を強行成立させました。そして、安倍首相は本年一月からの通常国会において、改憲を公然と表明しています。時代はまさに歴史的転換点であり、「新たな戦前」へと突入したといってよいでしょう。 自衛隊が帝国主義軍隊として世界のあらゆる地域に派兵され、他国の民衆と殺しあう事態が目前に迫るなかで、労働者階級人民からの反撃の烽火(のろし)も上がっています。私たち共青同(学班協)は、改憲と侵略戦争参戦のため国家の全面的再編に突き進む安倍右翼反動政権を打倒し、社会の根底的な変革のたたかいに学生が共にたちあがることを呼びかけます。 ●1章 戦争法施行阻止―廃止にたちあがろう 自公政権による、国会での「数の論理」によって戦争法が強行成立しました。これによって、政府の判断で世界中のあらゆる地域へと自衛隊が米軍とともに参戦することが可能となりました。自衛隊は他国の民衆に銃を向ける帝国主義侵略軍隊へと、そのあり方を根本的に変更させたのです。 戦争法案をめぐっての国会論戦では、野党の追及に対して、安倍首相や中谷防衛相らは、意味不明で支離滅裂な答弁を繰り返し、この法案に合理的理由や説得力がまったくないことを自己暴露しました。 憲法調査会において戦争法案のデタラメ性が満天下に示されて以降、「潮目」は完全に変わりました。参考人招致された三人の憲法学者全員が、この法案を「憲法違反」だと断定したことにより、「戦争法案は違憲立法であり、廃案以外にない」という民意が急速かつ広範に形成されていきました。しかし安倍政権はこれらの声に一切耳を貸すことなく、独裁政権としての本質をあらわにして、「成立ありき」という姿勢に終始しました。 全国各地のいたるところで戦争法案反対の声がおこりました。これまで政治行動に参加してこなかった大学生や高校生、小さい子どもを持つお母さんなど、若い世代が、街頭での直接行動に続々と参加していきました。 安倍政権の歴史的暴挙に怒った人々は、連日国会前にかけつけ、強行採決絶対反対の声をあげました。八月三十日が最大のピークでしたが、国会周辺では十二万人、全国では百万人がこの日の行動に参加しました。六〇年安保闘争や七〇年安保・沖縄闘争以来の全人民的な規模です。 特筆すべきは、数十年ぶりの規模で青年・学生が広範に戦争法案反対に立ちあがり、全人民的政治闘争の一翼を担ったということです。自由と民主主義のための学生緊急行動=SEALDs(シールズ)が呼びかけた街頭行動には、多くの青年・学生が参加しました。SEALDsは「戦後の平和と民主主義の防衛」「リベラル勢力の総結集」をかかげ、戦争法案を「本当に止める」を合言葉として連日の国会前行動を展開しました。SEALDsは、3・11以降の反原発運動から顕在化してきた、新たに生まれた大衆的な直接行動であり、戦後の階級闘争の経験や運動の地平からは切断されたところで生みだされた青年・学生の自然発生的な運動だったといえます。 一方で、SEALDsとは別に、一週間にわたって国会裏側にある議員会館前を二十四時間占拠するハンガーストライキを実行した学生・青年たちがいました。彼らは、安倍政権に対する憤激を、国家権力機動隊と実力で対峙する大衆的直接行動によって表現しました。 彼らの思想的核心は、朝鮮戦争やベトナム戦争など、アメリカ帝国主義による侵略反革命戦争に荷担し続けてきた日本の平和運動の持つ――日本がアメリカの戦争に巻き込まれるから反対というような――一国主義的な限界性への根底的な問いかけと、沖縄名護市の辺野古新基地建設阻止をたたかう沖縄人民の抵抗闘争に対する強固な支持・連帯の意思表示でした。 これらたたかう学生・青年たちは、みずからが辺野古現地におもむいて、沖縄人民の不屈のたたかいに学び、自らも実力抵抗闘争に参加してきた経験を持っています。たたかう学生・青年たちは、国会採決阻止決戦(9・14~19)において、機動隊の弾圧体制強化に身体を張って対峙し、不当な暴行や逮捕に屈することなく国会前解放・路上占拠の最前線に立ちました。 この学生・青年たちのたたかいは、SEALDsと比べ少数者の決起でしたが、SEALDsとは異なる左派の青年・学生のたたかいを可視化させるという意味で大きな位置をもつものとなりました。 私たちは、SEALDsの「リベラル保守」的な基調には批判的ですが、戦争法案成立阻止をかかげて新たに広範にたちあがったSEALDsなどの青年・学生たちに対し、これまでの階級闘争、左派勢力のたたかいの経験と地平からの切断を固定化するのではなく、これらを結合させるために、不断の呼びかけと実践的努力こそが必要なのだと考えています。 国会周辺の闘争現場においては、部分的ながら「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実」に結集する青年労働組合員や、SEALDsの行動に参加する学生との論議やエール交換が行なわれ、その萌芽はすでに形成されていたといえます。 ソ連・東欧圏の崩壊以降、日本において左派勢力は分散し、宗派的セクト主義の悪影響と相まって、階級闘争への規定力を大きく後退させています。私たちはこのような否定的状況を何としても克服し、左派勢力による階級闘争への規定力を再建していくことが重要だと考えています。 戦争法案成立阻止のたたかいは、左派の総結集と、議会主義政党に代わる新たな階級闘争構造の建設が喫緊(きっきん)の課題であることを改めて私たちに突きつけたのでした。安倍政権が、いよいよ改憲へと突き進もうとする現在、この二つの課題は、日本労働者階級人民にとって共通の急務だといえるでしょう。 労働者階級、被差別大衆、被抑圧民族・人民と実践的に連帯し、機動隊の弾圧にひるむことなく、生き生きとたたかう学生・青年運動を左派勢力総体の努力で形成していかなければ、安倍政権の「数の論理」をもっての強権的独裁的な国家再編をくいとめることはできません。 また、国会内「秩序派」日本共産党が主張する「国民連合政府」構想など、すべてを集票運動に収れんさせる議会主義的な選挙運動への埋没では安倍政権を打ち倒すことはできません。戦争法案成立阻止闘争で形成された、労働者人民の大衆的直接行動の地平を継承しつつ、さらにこれを上回る全人民的な政治闘争を創り出していかなければならないのです。 昨年十一月のフランス・パリで発生した連続爆破事件を契機に、「対テロ」を名目とした、シリア無差別空爆がアメリカ、フランス、ロシアなど帝国主義列強によって強行されています。これによって多くの人々が今も虐殺されつづけています。 この機に乗じて安倍政権もまた、緊急事態条項の創設など改憲策動をさらに強めてきています。七月の参院選後には、南スーダンでの自衛隊PKOに「駆け付け警護」などの、戦争法制関連任務を追加しようとしています。参戦・改憲へと突き進む安倍右翼反動政権を打倒していかなければなりません。戦争法制の施行・実効化阻止、そして戦争法そのものの廃止のたたかいに、ともに立ち上がりましょう。 ●2章 辺野古新基地建設阻止闘争にたちあがろう 沖縄名護市での辺野古新基地建設に対して、沖縄人民は抵抗闘争を継続しています。辺野古のたたかいは、日米軍事同盟の画歴史的な強化を進める安倍政権に抗する最大の抵抗闘争拠点となっています。またそれは、日米安保体制の実体である在沖縄米軍基地の存在を根底から揺るがす巨大な「島ぐるみ」の闘争として発展してきています。 一昨年十一月、沖縄人民は約十万票の大差で、辺野古新基地建設阻止を公約にかかげた翁長雄志氏を知事に押し上げました。これが欠陥機オスプレイの配備撤回や、普天間基地の即時閉鎖・撤去などをかかげた「沖縄建白書」でいうところの「沖縄の誇りある豊かさ」を希求した沖縄人民の総意です。 それ以前にも名護市長選や名護市議選において、新基地反対派が勝利し、一昨年末の衆院選でも沖縄選挙区で自民党立候補者は四人全員が落選しました(自民大勝の結果、比例で復活)。このように沖縄人民の新基地反対の民意は幾度となく鮮明となっていたのです。 沖縄人民は、「本土」政府が歴史的に強制してきた沖縄への米軍基地押し付け=構造的差別(差別軍事支配)をきっぱりと拒否する自己決定権を行使したのです。 機動隊や海上保安官を大量動員し、強引に新基地建設を進める安倍政権に対して、沖縄人民は米軍キャンプ・シュワブゲート前に座り込んで、二十四時間体制で工事を実力で阻止しつづけています。この抗議活動は本年二月で六百日を超えました。 また、海上においても、カヌー隊による抗議行動が果敢に繰り広げられています。映画「海猿」でヒーロー扱いされてきた海上保安官ですが、海上で人目がないのをいいことに抗議活動者に対する殺人的なテロに手を染めています。私たちの仲間も首を絞められ、頸椎捻挫の負傷をさせられたり、海猿にカヌーを転覆され、頭を海中に沈められるなどの殺人的な暴行を受けています。 昨年十月十三日に、翁長知事は公約通り、前知事仲井真が行なった辺野古・大浦湾の埋め立て許可を取り消しました。この決定により工事はすべて違法状態となりましたが、政府は翁長知事の決定を「無効」と強弁し、警視庁機動隊を大量派遣して、不当な暴力と逮捕を行使して工事を強行しています。 「議会制民主主義」の原則を無視し新たな巨大米軍基地建設を強行しようとする安倍政権の独裁的な本質がここにも如実にあらわれています。 沖縄人民も負けていません。昨年末新たに「オール沖縄会議」が結成されました。集中行動日には数百人規模でキャンプ・シュワブゲート前に座り込み、工事車両や機動隊を一切寄せ付けないたたかいが展開されています。 「本土」のたたかう労働者階級人民も、辺野古基地問題は「本土」に住む私たち自身の問題ととらえ、新基地建設反対に取り組んでいます。二月二十一日の国会大包囲行動には二万八千名の人々が行動に参加しました。また、札幌、仙台、茅ヶ崎、富山、名古屋、京都、大阪など全国で同時アクションが取り組まれました。戦争法案阻止闘争をたたかった学生や青年たちも、辺野古現地に交替で仲間を送り出すなど、活発に活動しています。 私たち共青同(学班協)も、辺野古新基地建設阻止闘争にメンバーを派遣し、現地支援活動を継続しています。私たちは、学生のみなさんが、共に辺野古新基地建設阻止のたたかいにたちあがることを訴えます。 そして同時に、沖縄での反米軍基地闘争と、岩国基地大強化反対闘争、京丹後Xバンドレーダー基地反対闘争、厚木基地や横田基地へのオスプレイ配備反対闘争など全国各地の米軍基地強化や新設のたたかいに取り組み、反基地闘争を結合させていきましょう。 ●3章 原発再稼動阻止! すべての原発を廃炉に 二〇一一年三月十一日に発生した東日本大震災から五年が経過しました。福島第一原発の爆発事故によって、いまだに十万人以上の人々が避難生活を余儀なくされています。 通常百万人に一人の確率といわれる小児甲状腺がんやそれを疑われる子供が、昨年十一月段階で百五十一人にのぼっており、チェルノブイリ原発事故の経験から、今後甲状腺がんになる人が急増することが危惧されます。しかし政府や御用学者たちは、原発事故との因果関係を否定しつづけています。 政府は、自主避難者の「みなし仮設住宅」の無償提供の打ち切りや、除染の不十分な居住制限区域への住民の帰還強制など福島県民の棄民化というべき政策を推し進めています。 政府や東京電力の狙いは明らかです。賠償の打ち切りと、二〇年東京オリンピックに向け「原発事故は完全に収束した」ことを演出し、現在停止中の原発の再稼働を本格化させることです。 福島第一原発事故はいまだに収束してはいません。収束作業にあたる作業員や除染労働者は劣悪な環境に置かれたまま、被曝を強制されつづけています。今も高濃度汚染水が大量に漏れ続け、海洋へとたれ流されています。 安倍政権は、昨年原発を「ベースロード電源」と位置付けて、全電力中の比率を20~22%と決定し、原発再稼働の意志を鮮明にしています。本年一月二十九日には、関西電力高浜原発三号機の再稼働が強行されました。九州電力川内原発一、二号機に続いて三件目です。今後も九州電力玄海原発や、四国電力伊方原発などの再稼働を狙っています。 高浜原発は、プルトニウムとウランの混合酸化物であるMOX燃料が使用されています。危険性が非常に高い福島第一原発事故後はじめてのプルサーマル原発の再稼働なのです。プルトニウムと濃縮ウランは核兵器の材料です。すでに日本は使用済み核燃料の再処理によって、四十七トン以上のプルトニウムを保有しています。これは核武装に備えたものに他なりません。 本年は全国で原発再稼働に向けた攻防が激化していくことは必至です。原発事故発生時の周辺住民避難計画などはまったくアリバイ的であり、何の実効性ももたない空論であることがつぎつぎと明らかとなっています。 福島第一原発爆発事故の原因が何であるのか、いまだに明らかとはなっていません。また原発「安全神話」で住民をだまし続けてきた政府と電力会社は誰一人責任を取っていませんし、処罰も受けていません。そして、いまだ十万人以上の福島県民が避難しているにもかかわらず、賠償打ち切りを表明し、棄民化を押し進め、私利私欲のために全国で原発再稼働を強行しようとしているのです。 私たちは、原発立地住民の再稼働阻止の呼びかけに応えて現地闘争に決起し、電力会社や原子力規制委員会に対するたたかいに引き続き取り組んでいかなければなりません。経産省前脱原発テントひろばを守り抜き、全原発の廃炉までたたかいぬいていきましょう。原発輸出反対にたちあがりましょう。 ●4章 伊勢志摩サミット反対 国際連帯でたたかおう 五月二十六、二十七両日、三重県伊勢志摩においてG7首脳会合(伊勢志摩サミット)が開催されようとしています。 G7=帝国主義列強諸国は、現在「対テロ」戦争、とりわけ「イスラム国」(IS)掃討を名目として、シリアへの空爆を進めており、無関係なシリア人民が多数虐殺されています。また、戦火を逃れて数百万の人々が難民としてヨーロッパ諸国へと逃れてきています。昨年十一月のISによるフランス・パリでの連続爆破事件を契機に、シリアへの空爆や軍事作戦はさらにエスカレートしています。 そして同時に、フランスのオランド大統領は、非常事態宣言を発し、国内でのデモの全面禁止や移動制限など、治安管理体制の戦時的強化を長期にわたり続けています。世界各国においてイスラム教徒に対する排撃など、排外主義が深刻化しています。 伊勢志摩サミットは、G7=帝国主義列強諸国が、「対テロ」戦争=IS掃討で一致団結する場として設定されようとしています。そして戦前国家神道の「総本山」であった伊勢神宮へのG7首脳の参拝が策動されており、天皇の国家元首化を狙ったものでもあります。 安倍政権もまた、戦争法制強行成立により、「対テロ」戦争への積極的な参戦を狙っています。そして同時に、憲法への緊急事態条項の追加や共謀罪新設、盗聴法の拡大など、日本国内における「対テロ」名目での治安体制の戦時的強化を策動しているのです。 私たちは、参戦策動を本質とする伊勢志摩「対テロ」戦争サミットに反対し、新自由主義グローバリゼーションとたたかうアジア太平洋地域の民衆の国際主義的な団結を促進するためにたたかいます。 ●5章 帝国主義を打倒する社会主義革命運動を 帝国主義列強諸国による戦争と新自由主義グローバリゼーションこそが、全世界の労働者人民にとって共通の敵です。国境を越えた連帯・団結を破壊しつくしたスターリン主義を根底的に乗り越える、新たなインターナショナルを創設し、もはや持続不可能となった資本主義社会を覆していきましょう。 経済的徴兵制による戦争動員と貧困の強制の道を拒否し、たたかう学生は社会主義革命運動にたちあがろう。 改憲と侵略戦争へと突き進む安倍政権打倒をかかげ、たたかう学生は団結し、左派の共闘を推進しよう。 「在特会」など差別排外主義集団を社会的に包囲・解体しよう。 大学の「就職予備校」化に抗し全国大学に反帝国際主義派学生運動の拠点を創り出そう。 五十年目の三里塚闘争をたたかい、市東孝雄さんの農地を守り抜く決戦にたちあがろう。 全国の先進的学生は共青同(学班協)に結集し、共に安倍右翼反動政権打倒の先頭にたとう。 |
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