共産主義者同盟(統一委員会)


1474号(2016年1月20日) 政治主張(第二新年号)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

 
  参戦、改憲、貧困化を打破する

 安倍政権打倒の全人民闘争を

 天皇フィリピン訪問反対

 高浜原発再稼動阻止!



  ●第2章―方針・党建設

 
安倍政権打倒し、プロレタリア革命の
  反帝攻勢をきりひらこう!




  ▼2章―1節
 戦争法案反対の大高揚 2015年の全人民政治闘争


 まず、二〇一五年階級闘争の獲得地平は、戦争法案阻止―安倍政権打倒の巨大な全人民政治闘争がたたかわれたことである。労働者人民は、この攻防の過程で、六〇年安保闘争、七〇年安保闘争に匹敵するほどの大規模な反政府闘争に決起し、階級形成を大規模に経験した。これを可能にしたのは、戦争法案反対の広範な統一戦線の形成である。「戦争させない・九条を壊すな! 総がかり行動実行委員会」という民主党リベラル系、共産党系、社民党系、その他の左派系などの労働運動、大衆団体、党派団体の共闘の枠組みがつくられた。全人民、とりわけ若者の怒りと危機感の噴出と主体的決起が相互に連関して結びつき、国会前と全国各地で巨万の戦争法案阻止―安倍政権打倒の闘争空間を成長させていった。もちろん、安倍という極右ファシストの登場も大きい。その独裁政治と反動攻勢、例えば集団的自衛権を行使する日米新ガイドライン締結などが人民の危機感とたたかいを一挙に促進した。背景には、アベノミクスによる格差・貧困、雇用破壊の増大―階級矛盾の激化があった。
 5・3憲法記念日、横浜臨港公園での約三万人決起など全国各地で戦争法案阻止の反撃が進んだ。6・14の国会包囲では、数万の決起。六月四日の憲法調査会で憲法学者三人全員が安保関連法案を「違憲」と断じた。これを潮目に、戦争法案阻止―立憲主義破壊反対・戦後民主主義を守れ、アベ政治を許さないなど、全人民闘争が燃え上がっていった。
 六十日ルールを見越した七月の衆院強行採決と国会の二ヶ月延長は、ますます人民の怒りの決起を引き起こした。8・30の国会十二万人、全国百万人決起のなか、左派系勢力や若者が国家権力の規制線を実力突破した。全人民の闘争エネルギーを国会前の車道へと解放し、全世界に日本人民運動の戦闘的爆発の衝撃を与え、安倍政権を心底から震え上がらせた。九月の参院国会決戦では、9・14の国会前車道の実力占拠・解放から権力の弾圧激化が激化した9・16に二十名以上の大量逮捕、そして強行採決の9・19未明まで、連日国会周辺や各地に巨万の全人民決起を作り出した。安倍政権打倒の世論は沸騰し、法案反対は過半数をこえていった。
 戦争法反対のたたかいは、強行採決後も、毎月十九日行動として継続している。
 われわれは、左派労働運動・青年労働運動などの活動家たちの奮闘で「総がかり行動」の一翼を推進した。同時に「集団的自衛権法制化阻止・安倍たおせ! 反戦実行委員会(反戦実)」の左派勢力の結成とアジア共同行動(AWC)勢力の反帝国際連帯による先駆的牽引も果たした。戦闘的学生の「安保関連法案制定を阻止し、安倍政権を打倒するための学生ハンスト実行委員会」を支え、青年運動を活発化させ、沖縄解放―辺野古新基地建設阻止のたたかいや三里塚闘争との戦争法反対闘争の結合を促進し、国会、全国各地でたたかった。
 とくに「反戦実」の左派勢力とAWC日本連勢力は、日共などが国家権力との和解・協調に全人民政治闘争を押しとどめ、かつ域内平和と議会主義へ集約する反動的な秩序派勢力であることを批判し、この限界を突破しようとたたかっていった。即ち、国際主義と実力闘争で牽引していった。
 数十年ぶりの規模で青年・学生が広範に立ちあがり、全人民的政治闘争の一翼を担ったことも大きな特徴だった。国会前の街頭行動には、広範な青年・学生が合流した。SEALDsは「戦後の平和と民主主義の防衛」「リベラル勢力の総結集」を掲げ、連日の国会前行動に取り組んだ。こうした若者の決起は、3・11以降の反原発運動同様に、新たな大衆的直接行動の流れの中にあり、これまでの階級闘争や左派勢力のたたかいの経験と地平からは切断されたところで生みだされた青年・学生の巨大な自然発生性であった。
 一方、学生ハンスト実は戦争法案成立阻止をかかげ一週間にわたり参院議員会館前を二十四時間占拠するハンスト闘争を貫徹した。この学生たちや、それを支持・支援し共にたたかった青年たちは、安倍右翼反動政権への人民の憤激を、国家権力機動隊と実力対峙する大衆的直接行動で表現した。その核心点は、朝鮮戦争やベトナム戦争など、米帝による侵略反革命戦争に加担しつづけてきた日本の「戦後民主主義」の欺瞞の拒否と、何よりも辺野古新基地建設強行阻止をたたかう沖縄人民の抵抗闘争に対する強固な支持・連帯であった。たたかう青年・学生たちの多くが辺野古現地に赴き、沖縄人民の不屈のたたかいに学び、みずからも実力抵抗闘争に決起していった。
 たたかう学生・青年たちは、参院採決阻止決戦においても、日々強化される国家暴力=機動隊の配備に果敢に挑み、鉄柵をのりこえ、国会前解放・路上占拠に最前線で決起した。この一連の攻防においては二名の学生が機動隊によるリンチを受けたうえで不当逮捕されたが、完黙非転向の獄中闘争に勝利している。このたたかいは、SEALDsとは異なる左派の青年・学生のたたかいを可視化させるという意味で大きな位置をもつものとなった。
 第二には、辺野古新基地建設阻止―沖縄解放闘争の歴史的大爆発を実現していったことである。沖縄と連動した基地撤去―安保破棄の反米軍基地闘争を岩国、京丹後、神奈川、横田など「本土」各地でたたかっていったことである。
 翁長知事は、辺野古現地の阻止行動を受け昨年一月、「第三者委員会」を設置し、仲井真前知事の犯罪的反革命的な「辺野古埋め立て承認」の検証作業をすすめた。5・17県民大会への三万数千人決起の前で、辺野古新基地建設の暴力・強権にみられる日・米政府の激化する沖縄差別軍事支配を弾劾し、これを不退転で打破する決意を表明した。ついに10・13、翁長知事は「辺野古埋め立て承認取り消し」を行い、辺野古新基地建設阻止を具体化した。「辺野古埋め立て承認」の瑕疵(かし)とは、①辺野古移設の合理的説明がない、②埋め立ての利益と不利益が考慮されていない、③環境保全措置の要件が不十分、④生物多様性の国家戦略・沖縄県の方針に違反するものだ、と明らかにした。安倍政権・防衛省は、元来私人に認められている「行政不服審査」を同じ政権の国交省へ申立て「埋め立て取り消しの執行停止」を実行した。さらに「埋め立て承認」の代執行を求め提訴した。翁長知事は「国地方係争処理委員会」へ申し出たが実質審議なしで却下された。やむにやまれず沖縄人民の誇りと尊厳をかけて那覇地裁へ抗告した。
 辺野古新基地阻止闘争では、現地の攻防が決定的であった。われわれは、同志を継続して派遣し、ゲート前の実力反対行動、海上カヌー隊のたたかいを貫徹した。「本土」の労働運動、青年・学生運動、被差別戦線など各地から、辺野古現地の攻防へ派遣し、たたかった。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックや辺野古実や平和フォーラム、全労協、辺野古リレーなどとともに、国会包囲をにない、不断に防衛省、首相官邸、国交省、警視庁への直接抗議をたたかっている。
 今日、辺野古新基地阻止の大決戦局面が訪れている。辺野古新基地阻止の総力戦に絶対に勝利しなくてはならない。
 岩国基地強化反対闘争が直面する情勢は、二〇一七年度に厚木艦載機五十九機の移駐、最新鋭F35ステルス戦闘機の配備、愛宕山米軍住宅建設など約一万人の米軍とその家族が住む、極東最大規模の米軍航空基地化されることである。毎月一のつく日には愛宕山米軍住宅建設を許さない集いを開催し、今年一月二十四日の岩国市長選での基地強化反対派候補支援のたたかいを進め、騒音被害・飛行差止や愛宕山米軍住宅反対などの裁判闘争も行っている。
 われわれは岩国反基地闘争の全国化を進めた。左派労働運動内部に拡大した「岩国・労働者反戦交流集会実行委員会」の粘り強い取り組み。労働者・青年・音楽関係者と地元・愛宕山を守る会による反戦平和フェスティバル「岩国☆希望の祭」は二回目を開催。AWC勢力は岩国現地で反基地国際連帯集会とデモを続けている。
 昨年の岩国行動直前、AWC九州・山口実行委のメンバーが福岡県警の「電磁的公正証書原本不実記録、同供用」のデッチ上げ容疑で逮捕された。獄中闘争を貫徹し、不当弾圧を跳ね返し、早期に奪還された。
 京丹後米軍Xバンドレーダー基地撤去闘争をめぐっては、経ヶ岬の米軍レーダー基地の建設が二〇一四年末に強行された。米兵と軍属約百五十名が常駐し、米軍の重大事故が繰り返されている。発電機の低周波騒音も激しい。周辺住民が生活や健康の被害に遭っている。「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」と結びつき、京都連絡会や近畿連絡会が広範なたたかいを進めている。六月、大阪府警公安三課によって、連絡会のメンバー三名が「道路運送法」違反容疑でデッチ上げ逮捕された。完黙非転向のたたかい、反撃の現地集会・デモなどで不当弾圧を粉砕した。
 神奈川や横田では、オスプレイの飛来や配備など日米軍事一体化とその増強に反対する首都圏の具体的たたかいが展開されている。
 第三に、川内原発の再稼働阻止現地闘争に決起し、経産省前脱原発テントひろばを支え、たたかってきた。八月川内原発一号機が、十月に二号機が再稼働された。現地へ全国から二千人超が反対して決起した。権力の重包囲と対峙し、われわれも九州・山口をはじめ、関西、首都圏から実力阻止行動をたたかった。これに連動し、九電本社ならびに首都圏の九電支社や原子力規制委員会に対して追及と抗議などをたたかった。
 経産省前脱原発テントひろばに対する国家権力・右翼勢力の弾圧・襲撃・撤去攻撃が激しい。10・26東京高裁判決では、「一日二万円余、総額三千万円超の損害賠償」、「撤去」、「強制執行」の不当判決が出た。だが原発廃止の社会的大義をかかげ、占拠闘争が続いている。われわれもこれを支援している。
 高浜原発の再稼働策動を阻止するために、十一月、反原発リレーキャラバンが福井から滋賀、京都、大阪の関西電力前まで行われた。福井地裁・樋口判決による再稼働差し止め仮処分を破棄する12・24福井地裁の反動判決が出た。絶対に許してはならない。
 高浜三、四号機、伊方三号機の再稼働を阻止する現地実力行動をたたかおう。福島の反原発運動を断固支援していかねばならない。
 第四に、左派労働運動の建設を推進してきた。派遣法や労基法の改悪攻撃とたたかい、賃上げ、最賃アップ、労働条件改善、争議解決などを進め、労働基本権と反戦平和・反差別・国際連帯を労働運動の強化として取り組んでいった。
 厚労省や経団連への抗議・申し入れや、ナショナルセンターを超えた労働運動の広範な統一行動などもたたかった。派遣法改悪が強行されたが、さまざまなたたかう手段を使い労基法改悪を阻止し、正規―非正規の労働者の団結で反撃することが開始されている。新自由主義の雇用破壊・貧困化に対して、労働者の団結を組織し、たたかい抜いている。
 戦争法案反対闘争では、左派労働運動は「総がかり行動」などの統一戦線を担い、安倍政権打倒の全人民政治闘争へと労働者決起を進めた。韓国労働者―民主労総のたたかい・争議への連帯、フィリピンKMUのISA(国際連帯行動)、フィリピン・トヨタ労組の争議支援など、労働者国際連帯をたたかった。
 第五には、「日米のアジア侵略支配に反対するアジアキャンペーン」(AWC)を支援し、反帝国際主義の大衆運動を支えていったことである。六月アジア共同行動では、AWC韓国委員会、左派労働者会がゲストで参加し、反戦反帝国際連帯を進めた。国会前の大集会では、滞日フィリピン人組織も合流し、左派勢力とともにアジア人民と連帯し、戦争法案粉砕をたたかった。八月、敗戦七十年の安倍談話への批判声明を出し、反靖国行動をたたかった。8・21岩国国際デーでは、フィリピン、台湾、韓国とともに、岩国基地強化反対をキャンペーンした。十一月には、国際民衆闘争同盟(ILPS)第五回国際総会のマニラ開催へ代表団を派遣し、連続してマニラAPEC・首脳会合に対する新自由主義粉砕・米軍撤退・侵略戦争反対といった反帝国際共同闘争に国際派遣団の一翼として参加した。十一月末の岩国行動では、韓国・フィリピン・スコットランドの反基地運動とともにたたかい、台湾から連帯メッセージが送られた。
 第六には、反戦闘争の砦である三里塚闘争を担い、反帝闘争拠点をうち固めた。五十年を迎える三里塚闘争は、政府・成田空港会社による市東さんからの農地強奪を阻止する激しい攻防を担った。攻勢的なたたかいも取り組んだ。
 6・12東京高裁の小林裁判長による市東さんへの農地明け渡しを求める反動判決が出た。徹底的に弾劾する。市東さんは、農地強奪は命を奪うものだと徹底的に糾弾し、最高裁に上告した。東京高裁に対して農地取り上げに反対する三万人署名第五次提出を貫徹した三里塚反対同盟は、最高裁五万人署名を開始した。市東さんの農地・生活・命を守るたたかいは、反戦の砦である三里塚闘争の原点であるとともに、安倍政権の戦争出動を阻止するたたかいそのものである。
 沖縄解放闘争や福島のたたかいと三里塚闘争を結んでたたかった。第三滑走路建設計画を許さず、周辺住民へ市東さんの農地死守や軍事空港廃港を積極的に訴え、広範な共感をかちとった。農地死守・実力闘争を堅持し、市東さんの農地強奪を阻止し、反戦闘争を進め、環太平洋経済連携協定(TPP)と農業農民切り捨てに反対し、裁判闘争を展開し、3・27と10・11に全国総決起集会を国家権力の弾圧をはねのけて貫徹した。
 さらにわれわれは反戦闘争実行委員会で政治闘争をたたかい抜いてきた。反戦闘争実は、4・26渋谷で「安倍政権打倒! 日米ガイドライン―戦争法制粉砕! 辺野古埋め立て阻止!」をかかげ、反帝国際連帯集会をたたかった。その後、辺野古埋め立て阻止の渋谷サウンド・パレードに合流した。10・2には、原子力空母ロナルド・レーガンの横須賀配備阻止の現地闘争を取り組んだ。

 ▼2章―2節
 2016年の闘争課題


 安倍政権の「戦争する国家」への転換が吹き荒れた昨年の攻防を振り返ってきた。労働者人民は大闘争をくりひろげた。われわれもその先頭で国会前や各地でたたかった。二〇一六年、これを継続し、発展させていかねばならない。日共の一国主義、愛国的排外主義、議会主義、資本主義改良派の反動反革命を根底から批判し、左派勢力の結集を進めていかねばならない。安倍政権打倒とともに、日本帝国主義の侵略、略奪、差別、格差・貧困化、戦争、腐敗性を粉砕し、アジア各地の革命運動と国際連帯したプロレタリア革命を正面に据えてたたかっていくことである。そのために二〇一六年には、次の各領域をたたかうよう呼びかける。
 第一は、戦争法廃棄―戦争阻止の反戦・反基地・反安保、さらには改憲阻止をもって、安倍政権打倒の広範な統一戦線の形成と全人民政治闘争を進めることである。二〇一六年、これらのたたかいの発展をかちとり、労働者人民の大規模な階級形成をすすめ、安倍政権打倒の大衆的直接行動を牽引していこうではないか。
 安倍政権は「新三本の矢」や「軽減税率」等のバラまきなどで欺瞞的延命策動を強め、夏の参院選で政権維持をねらっている。緊急事態法―戒厳令の導入など、いっそうの戦争国家―改憲攻撃への突撃が画策されている。だが、安倍政権打倒を求める全人民のたたかいは全国各地で広範に更新されながら続いている。戦争法の廃棄―発動阻止の毎月十九日の抗議行動、二千万人署名運動、夏の国会選挙にむけ、野党共闘や安倍政権退陣の運動なども市民団体などで行われている。街頭政治闘争・直接行動に軸を置きながら、安倍自公勢力を粉砕し、国会選挙でも敗北へ転落させようではないか。
 第二には、普天間基地閉鎖・撤去―辺野古新基地建設阻止、軍事基地撤去の沖縄解放闘争を総力でたたかうことである。沖縄人民への日米帝の差別軍事支配のなかで、辺野古新基地建設、普天間基地固定化をはじめ、自衛隊配備増強と日米軍事一体化、日米共同の米軍基地使用・戦争演習強化が沖縄に集中する状況にある。在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)や米軍再編負担は年間約三千億円超へ増え、政府防衛予算が過去最高の五兆五百四十一億円となった。大軍拡=福祉切り捨て・増税・治安弾圧・総動員体制づくりが強化されている。これらが沖縄人民や岩国など基地周辺の平和的生存権を破壊し、沖縄や岩国は戦争法発動の最前線基地となるのだ。宮古以西の自衛隊配備増強は重大である。宮古島にミサイル基地・警備中隊基地、与那国島に自衛隊沿岸監視部隊の新設、石垣島に陸自配備などが計画されている。キャンプ・シュワブ、キャンプ・ハンセン等で米海兵隊と陸自水陸特戦部隊の共同訓練・一体化が狙われ、沖縄島、南西諸島は日米帝のアジア侵略戦争の最前線基地へと強大化されようとしている。
 翁長知事の辺野古埋め立て承認取り消しの後、安倍政権の「執行停止」と「代執行」訴訟ならびに「埋め立て本体工事」着工や変更がまったく違法に強行されている。警視庁機動隊・海保などの暴力的弾圧は激化の一途である。翁長知事は「辺野古埋め立て取り消し」を執行するために那覇地裁に抗告した。沖縄人民の「誇りと尊厳をかけて」、米軍が銃剣とブルドーザーで土地強奪・基地強制したのと同様に、日本政府が辺野古の海を強奪する暴挙を満腔の怒りで糾弾した。
 沖縄解放―自己決定権行使の大高揚のなか、キャンプ・シュワブ・ゲート前や辺野古海上のカヌー隊など、辺野古現地実力阻止行動こそが粘り強く、血と汗を流し、国家権力の暴力と対決し粉砕に奮闘している。これは安倍政権を打倒する原動力である。
 辺野古現地実力阻止行動の総力戦を進め、大決戦をたたかおう。この重大局面で、安保粉砕―日帝打倒―米帝放逐、沖縄―「本土」を貫くプロ独樹立という沖縄解放闘争の責任党派として、断固たたかう決意である。辺野古決戦に、労働運動、青年運動、学生運動、被抑圧人民・被差別大衆の解放運動、左派勢力や各地から、全力で決起していこう。辺野古新基地建設阻止のたたかいを、「本土」各地の街頭・地域・職場・学園で展開し、国会や首相官邸、防衛省に対して、大爆発させていこうではないか。
 沖縄解放闘争と各地の反基地闘争を結合し、戦争法を粉砕し日米安保体制の出撃基地をたたき出していこう。沖縄、岩国、京丹後、神奈川、横田などと韓国、フィリピンなどアジア米軍総撤収の勝利的前進をかちとろう。
 第三には、反原発闘争を断固として推進することである。核武装を準備し原発ビジネスの利権に固執する安倍政権・官僚・独占資本は、川内原発再稼働に続き、高浜原発三号・四号機、伊方原発三号機の再稼働を狙っている。これを阻止する現地行動―電力会社への抗議を断固としてたたかっていこう。3・11以降、反原発は広範な社会要求となった。12・24福井地裁の再稼働停止仮執行の反動的取り消し、再稼働容認判決を打ち砕き、たたかおう。広範な人民の反原発要求を引き出し、打ち固め反撃していこう。経産省前脱原発テントひろばを防衛し、「賠償」「撤去」「強制執行」を阻止しよう。
 福島原発事故のあらゆる被害者への差別と棄民化、放射能被害の拡大を許してはならない。被害者・被曝労働者の解放闘争への決起を支援しよう。「核と人類は共存できない」「国家責任を明確にした補償」という被爆者解放運動の獲得地平と福島反原発運動を結合し、反動攻撃を粉砕しようではないか。
 第四には、新自由主義グローバリゼーション―諸権利・雇用の破壊と貧困化に抗したたかうことである。労働者、青年・学生、被抑圧人民・被差別大衆の生存権、労働権、団結権、抵抗権などを徹底的に強め、反資本主義の大衆運動を前進させよう。
 「世界で一番、企業活動がしやすい日本」をめざす安倍は、TPP、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、戦略特区・法人税減税―消費増税などの新自由主義・規制緩和・福祉切り捨て・民営化攻撃をつよめている。それは、労働者人民の雇用や生存権、労働三権などや農業と食料自給、命と健康を破壊し、人民の抵抗と団結の諸権利を蹂躙し、巨大企業・多国籍企業の利害のもとに反人民的で反革命的な再編を進めようとするものである。弱肉強食と自己責任の生存競争といった帝国主義・資本主義の政策と思想の全面的攻撃である。
 貧富の格差が増大し、貧困化が構造化し、拡大再生産しつづけている。派遣法改悪、労基法の改悪策動を反映し、悪徳企業が横行し、青年や学生の非正規職労働者への被害が社会問題となった。大企業・多国籍企業・富裕層によって、農業と食料自給、教育・医療・保険・健康・社会保障・基本的人権が食い物にされ、生存権破壊と貧困化が増大する状況にある。居場所・連帯とさまざまな相互扶助・団結をつくりだし、労働者、青年・学生、被差別大衆の反撃と抵抗のたたかいを進めていかねばならない。これは、人間らしい生活と諸権利を獲得するうえで、決定的に重要なたたかいである。
 第五に、差別排外主義・民族排外主義を粉砕し、反帝国際主義のたたかいを進めることである。
 安倍首相と主要な閣僚は、ほとんどが日本会議など極右反動ファシスト議員たちである。彼らは、日本軍「慰安婦」問題の強制性を日本政府として認めた河野談話や侵略戦争の謝罪・反省を表明した村山談話も否定しようとしてきた。
 敗戦七十年・日韓条約五十年が終わろうとする昨年十二月二十八日、日韓外相会談で日本軍「慰安婦」問題の欺瞞的決着が強行された。韓国の被害者に対する日本政府の責任を回避し、安倍の「謝罪」を代読し、十億円支援金で打ち切ることを「不可逆的合意」とした。さらに日本政府は、日本大使館前の平和の碑(少女像)の撤去を強く要求した。
 今回「最終的不可逆的」解決とされた日韓合意は、日本政府の国家責任を明確にした謝罪と補償、真相究明、責任者への処罰、歴史教育という戦後補償の内容が一片も果たされていない許しがたい暴挙である。韓国をはじめとするアジア各地の被害女性たちの戦後補償要求は、日帝の過去の侵略戦争・植民地支配の犯罪とその責任に対する根底からの糾弾であり、かつ、PKO法など新たな日本軍派兵を許さない抗議とたたかいであった。そうであるからこそ安倍は、被害女性のたたかいを執拗に圧殺しようとしてきたのだ。
 日共・志位は「問題解決に向けた前進」と歓迎し、反国際主義・排外主義の姿を露わにした。
 韓国の被害当事者や挺対協など支援団体、さらに民衆の大多数が日本政府の居直りと誤摩化しの態度を満身の怒りで糾弾した。韓国政府を屈辱外交と痛烈に批判し、平和の碑の撤去を拒否し、むしろ世界中へひろめると表明した。
 昨年八月、安倍の「戦後七十年談話」は、朝鮮・中国の植民地強盗戦争であった日露の帝国主義間戦争での日本の勝利をたたえ、日帝のアジア侵略戦争、日本軍「慰安婦」問題などの謝罪反省・戦後補償問題を政府として打ち切ることを表明した。戦後、米帝の朝鮮戦争・ベトナム戦争に対する日本の戦争協力と基地提供、戦争特需を梃子とした「戦後復興」という帝国主義日本の復活を「繁栄」として美化した。戦争法案制定を「積極的平和主義」と宣言した。三千万人以上ものアジア人民大量虐殺を居直る絶対に許しがたい「安倍談話」であった。極右反動政権と改憲―戦争国家への路線は、差別排外主義・民族排外主義のファシスト勢力を官民において勢いづかせている。こうした排外主義勢力を粉砕することが重要である。アジア人民の反帝闘争・反侵略・解放闘争と国際連帯し、日米帝を打倒すること、即ち反帝国際主義をたたかう政治思想と実践は重要な水路となる。
 われわれは、一九九二年以来、フィリピン、韓国、台湾、インドネシア、米国などの反帝・反戦・反侵略・反差別の大衆団体が結集した「日米のアジア侵略支配に反対するアジアキャンペーン」=AWC運動を支持し、支援してきた。今年二月下旬―三月上旬には、日米帝の侵略戦争と新自由主義を粉砕することを主テーマにしAWC第四回国際総会と各地交流会が予定されている。そして、五月、伊勢志摩サミット「対テロ」=侵略戦争を進める帝国主義列強の強盗会合に対する反帝国際共同闘争をたたかおうとしている。さらに六月アジア共同行動、AWC各国地域の労働者人民闘争連帯、反帝共同闘争など年間を通して、これらの大衆的で戦闘的な運動の前進を支えよう。
 在日する朝鮮・韓国人、中国人やアイヌ民族、滞日外国人労働者への民族排外主義攻撃を絶対に許さずたたかおう。
 第六には、左派勢力の結集を強化し、日帝本国における左派潮流建設をかちとっていくことである。これは国家権力の暴力弾圧と対峙し、屈することなく労働者人民のたたかいを牽引する直接行動派であり、左翼の諸グループ・諸人士・反政府活動家を広く含み、勇敢な青年・学生の結集への水路となっていく左派共闘の勢力にほかならない。
 ある意味では、今日の日帝打倒―プロレタリア革命・共産主義運動再建のたたかいにおいて、その歴史的課題を突破する左派統一戦線の建設である。
 これまでの反戦闘争実や昨年登場した「安倍たおせ! 反戦実」などの動きは、まだ少数派であるが、安倍政権打倒―労働者人民の解放を牽引する原則的な左派勢力である。左派共闘のたたかいを各地で発展させていこうではないか。戦争法廃止の毎月十九日の「総がかり行動」や五月伊勢志摩サミット粉砕の反帝国際共同闘争、六月反安保闘争、勢いのある街頭行動を展開していこう。

 ▼2章―3節
 階級闘争構造の建設

 二〇一六年、新たな階級闘争の拠点建設に奮闘しなくてはならない。

 ◆2章―3節―1項 労働運動

 階級的労働運動の推進は、プロレタリア革命をめざすわれわれにとって、重要な拠点建設のためのたたかいである。派遣労働を全面化・自由化する昨年の派遣法改悪、労基法改悪策動に対しては、非正規―正規を貫く労働者の団結で反撃していかなくてはならない。残業代ゼロ・過労死を強める「労働時間規制の破壊」・裁量労働制拡大や「解雇自由の金銭解決制度」導入、戦略特区での労働法制破壊が狙われている。労働者の権利破壊を許さず、労働運動の共同行動で押し返していこう。改悪派遣法に抗し、パート・有期・派遣など二千百万人、約四割の非正規労働者(その多くが女性、青年)の労働相談・組織化・団結でたたかおう。違法・脱法事例には事業許可の取り消しを要求し、事業者単位で三年期間規制とその延長には代表者適格性を問うこと、雇用安定措置・キャリアアップ措置・福利厚生など均等待遇を求め、違法派遣に対する「労働契約申し込みみなし制度」の活用など具体的に反撃していこう。
 安倍の欺瞞的官製賃上げを許さず、生活できる大幅賃上げ、最賃の早期の千円以上実施を要求し、ストライキ権を打ち立て、16春闘をすすめよう。争議の勝利解決、戦争法廃止―沖縄解放・反戦反基地反差別国際連帯、新自由主義の雇用破壊・貧困化とのたたかい、すべての労働者の実際の団結を拡大していこう。中小零細企業労働者、非正規、女性、青年を労組へ組織化し、自治体労働者、郵政労働者、教育労働者のたたかいを進めよう。
 重点として、各地方において拠点労組の建設、労働運動オルグの育成、青年労働運動と青年労働者活動家の建設、労働者の革命的階級としての形成をさまざまに工夫した活動で進めていくことである。

 ◆2章―3節―2項 青年運動

 反原発運動や戦争法案反対闘争などから、青年の政治行動が一挙に拡大している。また新自由主義と貧困化の犠牲が青年層に集中し、現代資本主義の日々の厳しく困難な矛盾が青年たちに襲いかかっている。青年運動について、日本帝国主義・資本主義社会を変革する革命の主体へ形成することがプロレタリア革命の一つの根幹である。われわれは青年運動組織化小委員会を編成し、青年運動の本格的な建設に踏み出した。AWC運動と繋がる政治サークル、ならびに青年労働運動・青年ユニオン建設、という二つの軸で活動方針を進めている。政治路線として、新自由主義・侵略戦争・排外主義と対決し、国際主義の活動を進めていくことである。今日の青年層のなかに、マルクス・レーニン主義、資本主義批判・帝国主義批判、共産主義で武装した革命的主体を形成し、各地で有機的に諸関係や力量を集中し、青年運動の実態化をかちとろう。

 ◆2章―3節―3項 学生運動

 活発に決起する広範な学生層が生まれている。日共などの反動的秩序派を批判し、辺野古現地の実力反対行動と結合し、日米帝の沖縄差別軍事支配と真っ向からたたかい、左派勢力に結集している。就活・貧困化・愛国主義教育と学生管理強化の中から、自治とたまり場をもとめ、さまざまな社会批判・政治行動のサークルへ参加し立ち上がる学生もひろく現れている。差別排外主義ファシスト勢力との対決、被抑圧人民・被差別大衆の解放運動への支援・連帯、沖縄解放闘争、三里塚闘争、海外の青年学生運動との国際連帯、新自由主義・貧困化への反対などにも、学生の決起が積極化している。活発化した学生層と階級闘争・左派勢力の結合をすすめ、反差別闘争、沖縄や三里塚の反帝闘争を担い、資本主義批判・帝国主義批判、マルクス・レーニン主義と共産主義に立脚する反帝国際主義派の戦闘的学生運動を建設しよう。

 ◆2章―3節―4項 被差別解放戦線

 女性解放委員会は、女性共産主義者の前進にむけて、階級的労働運動と女性労働者、軍事基地と性暴力問題などをテーマとし、学習会などを行ってきた、これまでの地平をふまえ、女性解放運動をさらに前進させよう。
 被爆二世解放委員会は、「核と人類は共存できない」という解放運動の地平をもって、被爆者(二世三世)差別との闘争、原発の再稼働・新規建設を阻止し、廃炉化、核兵器廃絶、アジア民衆連帯と侵略戦争反対をたたかってきた。さらに内外の全ての被爆者への被爆者援護法適用、被爆の過小評価の阻止、反戦反核被爆者(二世)解放をかかげた8・6広島青空式典の日韓共同開催などの活動をしている。福島第一原発事故の被曝者や被曝労働者への連帯もとりくんでいる。
 障害者解放運動は、福祉切り捨てや医療観察法など、障害者総体への隔離抹殺政策に対して、排外主義的動員の要としての労働者人民への差別扇動を許さずたたかっている。障害者・精神障害者による自己解放運動の勝利に向けて、反戦反差別共同闘争を進めよう。
 部落解放運動は、戦争策動とともに激しくなる差別排外主義や深刻化する部落差別煽動に対し、糾弾権をもって大衆的な解放運動をたたかっている。沖縄差別、在日への差別を許さず、反差別共同闘争を展開している。狭山闘争は、三者協議の裁判長が替わるなかで、第三次再審請求をかちとっていかなくてはならない。無実の石川さんの不当逮捕から五十三年目を迎え、狭山闘争に大衆闘争で勝利していこう。

 ◆2章―3節―5項 三里塚闘争

 反帝闘争拠点である三里塚闘争の勝利に向け、たたかうことである。三里塚闘争は五十年目をむかえた。安倍政権の戦争法、TPP・新自由主義、農地強奪―軍事空港建設などの攻撃が激しい中で、市東孝雄さん、萩原富夫さんを先頭に農地死守・生活破壊阻止・空港廃港をたたかっている。反戦反帝闘争の拠点を守っている。農地強奪の不当極まる東京高裁判決を許さず、農地死守―実力闘争をかかげ、市東さんの農地取り上げ阻止の最高裁五万人署名を進めよう。千葉地裁の耕作権裁判も勝利にむけたたかわれている。第三滑走路建設計画が策動され、離発着の激増攻撃など、文字通りの反対同盟農民や住民に対する営農と生活を破壊し、たたきだす攻撃を許してはならない。北原事務局長をはじめ、萩原さん、市東さんなど三里塚反対同盟と支援のたたかいは、安倍政権の戦争と農地強奪・農業破壊に正面から対決する反戦と農業農民を守る不屈の砦である。空港周辺の住民・農民にも軍事空港廃港・農地死守の三里塚闘争の大義がひろがっている。沖縄、福島のたたかいと三里塚闘争をつなげ、たたかおう。3・27現地総決起集会、七月東京集会、農地死守・実力闘争、裁判闘争勝利に向けた最高裁五万人署名など、戦争法廃止の広範な反戦闘争と連携し、現闘・行動隊を先頭として三里塚闘争勝利へ邁進していこう。

 ▼2章―4節
 革命的労働者党建設を前進させよう


 われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、旧戦旗派と旧全国委員会派の統合から、十二年目を迎えた。われわれはまだまだ革命党建設の途上にあり、組織活動の飛躍と強化が求められている。昨年の冬、われわれは、第四回大会を開催した。「改憲、戦争、差別排外主義、新自由主義を粉砕し、労働者・被抑圧人民の国際的団結をかちとり、プロレタリア革命の反転攻勢を切り拓こう!」「共産主義運動を創造的に組織し、党勢拡大に勝利しよう!」の二つのメインスローガンをたたかいとった。四大会路線は、次の通りである。①安倍政権打倒の全人民政治闘争と統一戦線の形成、②左派勢力の結集とプロレタリア革命の布陣、③大衆的実力闘争派・反帝国際主義派の潮流建設、④階級闘争構造の建設、即ち労働者、青年・学生、被抑圧人民・被差別大衆の解放闘争の前進、⑤共産主義理論活動、⑥党勢拡大に勝利しよう、である。四大会後の一年間の実践は、その方針を一定物質化した。われわれは、階級闘争の実践とプロレタリア革命・共産主義運動への信念・情熱を不断に更新し、今日の労働者、青年・学生、被抑圧人民・被差別大衆の憤激・決起といっそう強固に結びつく革命党と党員の基礎活動を進めなくてはならない。
 中国・朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)への敵視と排外主義キャンペーンを許さず、彼らの反日米帝民族解放―社会主義革命の獲得地平を支持し、その後の困難な過渡期の革命建設課題とスターリン主義の誤りを区別し、中国・共和国への批判を原則的に強めていかねばならない。即ち、一国主義、民族排外主義、生産力主義、コミューン・ソヴェトの破壊、国家官僚支配層形成のスターリン主義を根本的に批判し、革命後における労働者人民の自己解放運動の新たな継続と徹底した民主的権利の実現がたたかわれねばならない。
 共和国の核実験は、被爆者解放運動への敵対であり、徹底的に弾劾しなければならない。他方、共和国への朝鮮侵略反革命の核戦争を挑発し続ける米日帝と韓国の軍事一体化こそが、共和国人民に困難を強制し、南北の労働者人民による自主的平和統一を妨げる根本原因である。われわれは、朝鮮戦争の休戦状態を米朝平和協定へ転換し、南北の自主平和統一を促進するよう訴える。日米軍事同盟の破棄、米軍のアジアからの総撤収をたたかう。
 日共は、対米従属規定と日帝免罪の一国主義の民族民主革命・党官僚支配・議会主義などのスターリン主義の本質を有し、同時に実践では社会民主主義の資本主義改良主義をとり、今日では戦争法廃止と集団的自衛権行使を可能とした閣議決定撤回だけの反安倍=反自公の「国民連合政府構想」を提唱している。日米安保と軍事基地や自衛隊・天皇制を容認し、沖縄人民や労働者階級・被抑圧人民・被差別大衆の自己解放闘争を抑圧する路線をますます体系化している。
 また宗派集団の囲い込みと共産主義党母胎論のセクト主義は、全人民政治闘争を牽引できない阻害勢力と化している。
 われわれは革命的労働者党の全国党建設を前進させ、新たな階級闘争構造の建設と左派勢力の結集を断固かち取っていく決意である。革命を希求する労働者人民の期待に応えなくてはならない。これは第一の党建設任務である。
 第二には、共産主義の思想理論活動を強化することである。この現代資本主義世界を革命し、労働者・被抑圧人民・被差別大衆の解放、即ち人間解放の現実的実践であり、かつ未来社会のビジョンである、共産主義を復権していかねばならない。
 そのために、①マルクス・レーニン主義の資本主義批判・帝国主義批判―共産主義革命論を現代において創造的に活用する理論学習を党の内外で進める。党学校、『戦旗』・『共産主義』の学習会、党主催の学習・討論など、工夫して開催する。
 ②綱領の改定・強化にむけて、理論活動をすすめることである。現在、われわれは次の五大会にむけて、〇四年綱領を強化・改定する全党論議を組織している。論点としては、日本の革命権力=プロレタリア独裁政権における主な基本政策、スターリン主義のプロ独・社会主義・共産主義論の批判、現代中国と中国共産党に対する総合的な分析と規定をはじめ、現存の「労働者国家・過渡期社会」の評価、ブルジョア国家批判、プロレタリアート論と革命主体、生産力の国有化論争などについてであり、また綱領説明集の作成を要求する意見なども出されている。論争の内容については、『戦旗』『共産主義』などで、適宜公開していく予定である。
 ③党外のさまざまな媒体や研究会などを積極的に活用し、共産主義運動再建にむけた宣伝・理論活動をおこなう。
 第三には、党勢拡大のための系統的な党活動をすすめることである。今日の党勢拡大とは、①階級闘争構造の建設、労働者、青年・学生、被抑圧人民・被差別大衆のたたかいの徹底的な拡大であり、そのなかで党建設に決起する活動家を形成すること、②「反戦実」などの左派勢力の結集によって、共産主義運動再建の大衆的基盤を推進すること、③大衆運動の政治サークルを建設すること、④辺野古新基地建設阻止の沖縄解放闘争を沖縄―「本土」を貫き、沖縄―岩国―京丹後―神奈川―横田の反基地闘争の前進をかち取っていくことである。
 これらの活動の成果として、党勢拡大の勝利がある。われわれは、セクト主義と決別し、共産同らしく大衆運動の前進と有機的に連関して党勢拡大をかちとっていく。二〇一六年の党勢拡大方針を地方委・地区委・細胞、諸機関において計画し、このたたかいに断固勝利していこうではないか。
 第四には、激化する弾圧とたたかい、階級闘争と党組織・活動家の防衛と発展をかちとることである。この間、わが同盟への弾圧が続いている。階級闘争の高揚期へむかうなかで、わが革命党の牽引力・影響力を警察権力が恐れ、監視と弾圧が格段と高まっている。
 昨年、6・4―5弾圧が関西で起こった。大阪府警によって、京丹後米軍Xバンドレーダー基地撤去の大衆運動を牽引するメンバーが現地闘争のバスを展開したことをもって、「道路運送法」違反をデッチ上げられた。同志二名の不当逮捕、党事務所など約二十箇所の不当ガサ入れが行われた。完黙非転向の獄中闘争、そして大衆運動の推進、激励と救援活動・抗議行動、京丹後現地の大闘争の貫徹など、反撃をたたかい、同志の早期奪還をかちとった。
 さらに福岡県警による11・24弾圧が行われた。逮捕容疑を「電磁的公正証書原本不実記録、同供用」とし、住民票の住所に寝泊まりしていないとデッチ上げた。十一月岩国行動の直前に弾圧したのだ。もちろん完黙非転向の獄中闘争、大衆的反撃によって、早期に奪還した。これらのデッチ上げ弾圧には、テレビなどのマスコミも動員し、反「過激派」キャンペーンの情報操作も狙ってきた。
 二〇一六年の攻防において、反弾圧活動を強化しなければならない。安倍右翼政権の反動攻撃や共謀罪導入などに対し、人民の抵抗闘争と国家権力の暴力がますます激しく衝突する。われわれには微罪デッチ上げを含めてあらゆる弾圧が策動されている。だからこそ国家権力を粉砕する強い意志と怒り、大衆的実力闘争を牽引するわが革命的労働者党の密集力と規律・団結、大衆基盤の建設こそが要となり、たたかいの防衛と発展を支えていくのである。国家権力の暴力弾圧を粉砕する信念・確信を深め、完黙非転向の獄中闘争、ガサ対策、家族・友人対策など、革命的警戒心をもって反弾圧の日常活動にも取り組んでいこう。反弾圧・共謀罪阻止・人権侵害粉砕の大衆運動を強めていこう。
 最後に、四月、党政治集会を各地で開催しよう。そこで、二〇一六年の階級闘争の課題を確認しよう。共産主義の思想理論学習を深めよう。各地の党勢拡大方針などを意志一致しよう。ともにたたかわん。

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006-2007, Japan Communist League, All Rights Reserved.