共産主義者同盟(統一委員会)


1471号(2015年11月20日) 政治主張






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  辺野古ボーリング調査阻止! 埋立工事阻止!

  岩国行動2015の成功を

  シリア爆撃弾劾 「対テロ」戦争反対!

  日米軍事同盟粉砕! 安倍政権打倒



 
 日帝―安倍政権は十月二十九日午前より、辺野古本体工事再開を強行した。われわれは沖縄人民の民意を踏みにじったこの暴挙を徹底的に弾劾する。
 戦争法案を国会議員の「数の論理」で強行成立させた安倍政権は、右翼反動としての本質をますますあらわにしている。川内原発再稼動強行につづいて、伊方原発再稼動をもくろみ、経産省前テントの強制撤去を策動している。
 「新三本の矢」なる経済政策へのシフトで支持率回復を狙いつつ、改憲=戦争へと突き進む安倍政権を、辺野古決戦の大爆発によって打倒せよ! 今こそ「本土」労働者階級人民は、沖縄人民と連帯し、辺野古新基地阻止決戦に実力でたち上がれ! 11・28―29岩国行動に総決起し、戦争法―米軍再編攻撃を粉砕せよ!

  ●第1章 戦争へと突き進む日帝―安倍政権打倒

  ▼1章―1節 戦争法廃止! 大衆的直接行動で闘おう


 九月十九日に安倍政権が成立を強行した戦争法は、それに先行して日米閣僚間で合意した、日米防衛協力の指針(日米ガイドライン)に基づく共同作戦を遂行するための日帝側の国内体制固めだ。日米軍事同盟をこれまでとは次元の違うレベルで強化し、日帝が主体的・積極的に侵略反革命戦争に参戦するための法規である。だからこそ、今夏の戦争法反対の全人民的運動は、日米軍事同盟反対―戦争法廃止へと高めあげられていかなくてはならない。
 日米両政府は十一月三日の日米防衛相会談において、「同盟調整メカニズム」の設置・運用開始で合意した。これは自衛隊と米軍を平時から一体運用するための機関である。これまで「有事」に限定していた防衛当局間の協議の枠組みを「平時」から常設し、さらに協議地域が「日本周辺」から地球規模へと拡大したのだ。また戦時での日米軍の共同作戦計画を定める「共同計画策定委員会」も、自衛隊と米軍の制服組によって新設された。
 これにより「日米として共同対処する必要がある」と判断されれば、朝鮮民主主義人民共和国の「核ミサイル」を口実とした先制攻撃や、中国との軍事的緊張関係が拡大する南中国海への共同派兵、さらに中東派兵による「イスラム国(IS)」せん滅作戦への参戦など、世界のあらゆる地域への日米軍共同の侵略派兵が可能になるということだ。敗戦帝国主義としての制約を取り払い、米帝とともに侵略反革命戦争へと突き進む安倍政権を許すな。
 日本労働者階級人民は、ひきつづき戦争法廃止―改憲阻止―日米安保粉砕をかかげ、たたかいを継続発展させていかなければならない。
 今夏の戦争法反対闘争は、大衆的直接行動への全人民的な決起こそが情勢を切り拓く核心であるということを、労働者階級人民共通の経験として刻印するたたかいであった。
 安倍右翼反動政権は採決強行情勢のなかで、陸続とたちあがる人民に恐怖し、日ごとに弾圧体制を強化していった。
 強行採決が近づくにしたがい、機動隊は暴力装置=治安部隊としての本質を露わにし、抗議する人民を引き倒し、蹴りまくり、腕をねじ上げるなどの暴行を繰り返した。被逮捕者には激しいテロ・リンチが加えられた。この一連の攻防においては二十名以上が不当に逮捕された。だが、この弾圧激化に人民は怯むことなく、国会をめざし連日身体を張って果敢にたたかった。国会前の路上をめぐる攻防が煮詰まるほど、階級対立の非和解性は鮮明化していったのだ。
 それはまた同時に、日共など一部「秩序派」による「警察は味方」「民主警察」なる主張が、むき出しの国家暴力の前にはまったく説得力を持たず、逆に階級対立を覆い隠す役割を果たす犯罪的な主張であることをも暴き出すものであった。
 日本労働者階級人民は、今夏決戦で示された、全人民的な大衆的直接行動への決起の地平を日米安保軍事同盟の強化=その実態としての米軍基地再編阻止の実力抵抗のたたかいへと結合させていかなければならない。そして、その最大の攻防環こそが辺野古決戦なのだ。
 戦争法を「日本がアメリカの戦争に巻き込まれる」なる論理で「批判」してきた国会内野党は、全人民的運動を来夏参院選へと収斂(しゅうれん)させようとしている。これを許さず、戦争法案成立阻止決戦の地平を日米軍事同盟の画歴史的強化反対、安倍右翼反動政権打倒のたたかいへ発展させていこう。

  ▼1章―2節 帝国主義社民化を深める日共スターリン主義弾劾

 日本共産党は戦争法案強行成立直後の九月十九日、「国民連合政府」樹立を打ち出し、帝国主義社民化に全面的に踏み込んだ。
 日本共産党は、一三年参院選で改選三議席から八議席、一四年衆院選では八議席から二十一議席へと、政権批判の受け皿として党勢が回復基調である。そして「立憲主義の回復」にまでハードルを下げる「幅広イズム」で戦争法案反対の受け皿となり、政権交代を狙おうとしているのだ。
 志位委員長は、十月十五日に日本外国特派員協会で会見し、「国民連合政府」が実現すれば「日米安保条約の枠組みで対応する。急迫不正の時には自衛隊を活用する」(十月十六日『朝日新聞』)と、党綱領で掲げた日米安保条約の廃棄や自衛隊の解消などを、「凍結」という形で投げ捨て、ブルジョア政党との連合を主張しだした。
 また「(国民連合政府で)戦争法を廃止しても、自衛隊法は残る。急迫不正の主権侵害が起これば、自衛隊を活用するのは当然のことだ」(同)さらに、在日米軍について「日米安保条約第五条で日本が武力行使を受けた際には共同対処が述べられている。(国民連合)政府としては、この条約で対応することになる」(同)と発言し、「自衛戦争」支持と自衛隊の「積極活用」までも公然と主張している。
 これらの主張は決定的に重要である。もはや日共は、釣魚諸島や独島などの領土領海問題や、朝鮮民主主義人民共和国の「核疑惑」を強調する安倍右翼反動政権の国家主義的煽動と一体化した、「祖国擁護派」の本性をさらけだした。
 われわれは、社会排外主義=「祖国擁護派」として純化し、参院選など集票運動へと戦争法案反対闘争を反動的に収斂させることによって、日本労働者階級人民を帝国主義的権益の沼地へと引きこむ日共スターリン主義への批判を強化していかなければならない。

  ●第2章 沖縄―「本土」貫く闘いで安倍政権を追いつめよう

  ▼2章―1節 辺野古新基地建設阻止 違法工事許すな


 日米軍事同盟の飛躍的強化において、辺野古の新基地建設はその新たな出撃拠点として、日帝―安倍政権が全体重をかけて強行している攻撃である。
 沖縄人民は日帝政府との全面対決に入った。翁長知事はついに十月十三日、辺野古埋め立て承認を取り消した。待ちに待ったこの決定に、沖縄人民は喝采の声を上げた。キャンプ・シュワブゲート前でたたかい続ける人民は指笛や拍手で歓迎し、カチャーシーを踊り、抱き合って喜びを分かち合った。約八割もの圧倒的多数の沖縄人民が支持する世論調査結果からも、辺野古新基地計画の撤回こそが沖縄人民の民意であることが改めて明確になった。
 一三年十二月二十七日にだまし討ちによって強行された、仲井真前知事の埋め立て承認を許すことなく、沖縄人民は昨年七月よりキャンプ・シュワブゲート前を占拠し、カヌー隊を組織し、機動隊や軍警、海保による数限りない暴虐に屈することなく粘り強い抵抗闘争を展開してきた。
 このゲート前と海上における実力決起こそが、沖縄人民の圧倒的な支持を生み出し、名護市長選や名護市議選の勝利、さらには知事選での勝利をたぐり寄せ、「オール沖縄」というまさに「島ぐるみ」の陣形を築き上げてきたのである。
 金や権力に屈することなく、「沖縄の誇りある豊かさ」(「沖縄建白書」)を希求する沖縄人民は、自らの手で新たな沖縄解放闘争の歴史を切り拓いてきたのである。
 われわれは、翁長知事の決定を断固支持し、違法工事絶対阻止に猛然と決起しよう。辺野古現地の呼びかけに応え、戦闘的労働者・学生は全国から辺野古現地へ駆けつけよう。そして同時に「本土」における辺野古新基地建設阻止の全人民的政治闘争を一層強化していこう。

  ▼2章―2節 国交相弾劾! 「効力停止」は無効だ

 沖縄防衛局は、翁長知事の埋め立て承認取り消し発表翌日の十四日に、行政不服審査法による審査請求を申し立て、二十七日に国交省が「埋め立て取り消し」執行停止を認めるという暴挙に出た。
 行政不服審査法は、第一条において目的を「国民の権利利益の救済を図る」と明記しているように、本来は行政処分によって不利益を被る私人の権利擁護を目的とする法律である。
 したがって行政機関である沖縄防衛局が国交省に「不服審査」を申し立てることも、取り消しの「執行停止」を求めることも、そもそも法的資格が無いのである。
 では今回のように政府と自治体が対立した際には、他に手続きが無いのかといえばそうではない。
 地方自治法上は、政府は自治体に対して「是正の指示」ができる。これに自治体が不服な場合は総務省の第三者機関である国地方係争処理委員会への審査請求が可能となる。また、自治体が政府の指示に不満があったり、逆に政府が勧告に従わないなどの場合には、高裁への訴えで司法による判断へと移されていくのだ(翁長知事は十一月二日、国地方係争処理委員会へ不服審査を申し出ている)。
 しかし政府=沖縄防衛局は、これら行政的手続きの一切を無視し、あえて「身内」のみの判断で早急に工事再開を強行する方法を選んだのだ。そのため法律を自分たちの都合の良いようにねじ曲げ、沖縄防衛局長が「私人」であると強弁して「申し立て」を行なったのである。状況によって「国」と「私人」を得手勝手に使い分ける安倍政権の卑劣なやり方こそ弾劾されなくてはならない。
 そして「私人」(沖縄防衛局長)が請求した「申し立て」を審査・判断するのは、同じ行政機関の国土交通相であり、「身内」に都合の悪い判断をするわけがない。あらかじめ結果は目に見えている。基地を造って米軍に提供するような事業主体が、「国」以外にありえないことは誰の目にも明らかであり、こんなデタラメなやり方が認められて良いはずはない。ここにも沖縄人民を見下した日帝政府による「構造的差別」が鮮明に表れている。
 翁長知事は十四日「同じ内閣の一員である国交相に審査請求を行うことは、不当というしかない。行政不服審査法の悪しき前例になる」と政府による卑劣な脱法行為を弾劾している。
 この点だけでも、安倍政権=沖縄防衛局による「不服審査請求」申し立て、国交省による埋め立て取り消し「執行停止」という一連の過程すべてが「出来レース」であり、違法であることは明らかだ。安倍政権による民意無視の強権政治がまたしても満天下に示されたのだ。

  ▼2章―3節 「環境監視委員会」のデタラメな運営

 さらに十月十九日の新聞報道で、辺野古新基地建設に関する監視・指導をする機関として沖縄防衛局が設置した「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会(環境監視委員会)」が、贈収賄と談合、天下りの巣窟となっていたことが明らかになった。
 環境監視委員会とは、前知事の仲井真が十三年十二月末の埋め立て承認の際、政府に条件として出したもので、十四年四月に国によって設置されたものである。
 環境監視委員会は、工事を環境面から監視し、工事の変更などを国に指導する立場にあるのだが、委員長の中村由行・横浜国立大教授ほか四名の委員が、移設事業受注業者から計一千百万円の寄付・報酬を受けていたことが発覚したのである。
 金をばらまいていた業者は、建設環境コンサルタントの「いであ」だ。同社は辺野古での環境監視委員会運営をはじめ多くの業務を沖縄防衛局から受注しており、二〇一二年度から一五年度にかけて、三十三億八千万円でジュゴンやサンゴ類の調査や、環境影響評価(環境アセスメント)の補正評価書などを作成していたという。さらに同社顧問には防衛省のOBが就任しているというのだ。
 つまりは新基地建設で発生する莫大な利権に飛びつく業者は防衛省の天下り先でもあり、「チェック役」であるはずの「環境監視委員会」の運営も受注している。おまけに委員には賄賂を贈るという醜悪極まりない構図が明らかとなったのだ。
 このように沖縄防衛局がいう「環境監視」自体がまったくデタラメであると同時に、沖縄人民の反対の意思を踏みにじって強行している工事が防衛省幹部・OBと受注業者・御用学者の私腹を肥やす場となっているのである。ここにはもはや「独立性」や「客観性」を装うポーズすら見出すことはできない。これこそが安倍政治の腐敗しきった本質なのである。
 そしてこの連中の間で流れるカネは、労働者人民からむしり取った血税なのだ。「原子力ムラ」や、「ひも付き援助」として悪名が高い日帝の政府開発援助(ODA)とまったく同じ利権構造が辺野古新基地建設強行においても明らかになったのである。
 このような腐敗しきった官僚、ブルジョアジー、御用学者どもが強行する辺野古新基地建設など、労働者階級人民は絶対に許さない。生物多様性に富んだ豊かな辺野古の海を、人民から収奪したカネに群がるやつらに絶対埋め立てをさせてはならないのだ。
 正義と大義は沖縄人民の側にこそある。機動隊・海保の弾圧に実力で対決し、何としても本体工事着工・埋め立て工事強行を阻止していこう。

  ●第3章 岩国現地に全国から結集しよう

  ▼3章―1節 岩国行動二〇一五に全国からの参加を


 今夏の戦争法制反対闘争をうけ、全人民の怒りを集中し、安倍政権打倒のたたかいをさらに進めよう。戦争法制廃止を掲げて反戦闘争、反基地闘争、反原発闘争をたたかいぬこう。
 辺野古新基地建設強行を絶対に阻止する実力抵抗闘争に決起しよう。北東アジア最大の米軍基地である岩国基地の大強化を阻止するため、十一月岩国に総決起していこうではないか。
 アジア共同行動日本連絡会議(AWC日本連)、15岩国労働者反戦交流集会実行委員会などによって呼びかけられている「岩国行動二〇一五」に結集していこう。
 岩国米軍基地は、一四年に普天間基地から空中給油機KC―130十三機の移設配備が強行され、オスプレイの中継拠点としても全面的に機能させられてきている。
 「騒音や墜落危険性の軽減」を名目とした滑走路の沖合移設は、実際には揚陸艦が接岸可能な海上基地としての機能も併せ持つ、北東アジア最大の基地としての岩国基地の大強化であったのだ。しかも埋め立て土砂を削った愛宕山跡地の開発事業が、だまし討ちで米軍住宅建設にさせられようとしているのである。これら一七年に完成予定の基地大強化により、岩国基地は日米両軍の朝鮮半島をにらんだ最前線基地となろうとしているのだ。
 しかしながら、岩国住民に対するだまし討ちの連続によって強行されてきた岩国基地大強化攻撃の実態は、日米帝の戦略的位置の大きさにもかかわらず、いまだ多くの人々にその危険性が知られていない現状である。
 定例の座り込み行動などを通して、岩国基地大強化と粘り強くたたかいつづける岩国住民と、そのたたかいを全国へと広めるべく努力してきたAWC日本連の取り組みを支持し、15岩国行動の成功に向けて全力でたちあがっていこう。
 岩国☆希望の祭、岩国国際集会に全国から結集し、岩国住民とともに基地大強化を阻止しよう。

  ▼3章―2節 11・29辺野古埋立反対 日比谷大集会へ

 「止めよう! 辺野古埋立て国会包囲実行委員会」より十一月二十九日(日)午後一時三十分から「辺野古新基地建設阻止! 取り消し無効―埋立て着手を許さない大行動」(仮称)への結集が呼びかけられている。会場は日比谷野外大音楽堂だ。ともに結集したたかいぬこう。
 日帝―安倍政権による違法な埋め立て着手を絶対に許さず、「本土」において辺野古新基地建設阻止の大闘争をつくりだしていこう。沖縄の民意を完全に無視し、なりふり構わず戦争へと突き進む安倍右翼反動政権との最前線での攻防環は辺野古決戦である。
 戦争法案成立阻止闘争を引き継ぎ、大衆的直接行動によって埋め立て着手を絶対に阻止しよう!
 日帝国家権力は、百五十名もの警視庁機動隊を辺野古現地へと配備し、人民の身体を張った実力抵抗闘争を鎮圧しようとしている。
 「弾圧は抵抗を呼び、抵抗は友を呼ぶ」の精神でたたかう沖縄人民の抵抗闘争は、いかなる弾圧があっても決して屈することはないだろう。われわれは、このたたかいに深く学び、弾圧をおそれず共にたちあがろう。



 

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